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1、ディフェンダーラインでの役割
まず、フラット3というシステムを考える時に、ディフェンスラインの動かし方に特徴があります。3バックの3人でブロックを組んで、「フラット3の原則」に沿ってボールを中心にラインの上げ下げを行うものです。そうすることで、相手FWを牽制し、スペースを与えないことで守備における無駄な労力を省き、コンパクトフィールドの形成を助けます。フリーでゴール前に侵入された時にも、組織的にブロックで守ることで、極力リスクを抑え、ゴールを守ります。少ない人数で守ろうとする部分もあるかと思います。
この動き方を理解し、ある程度できる選手でないと、トルシエ日本の中には入ってこれないでしょうね。これは約束事ですし、60%の戦術の部分ですから、やってもらわないと困ります。
この点において、例えば、宮本は優れていると思います。森岡も、宮本ほどではないにしろ、コルドバ以降まずまずやっていると思います。ジュビロ磐田の試合を見る限りでは、鈴木・田中・大岩も十分このグループの中に入ってこれる可能性を持っていると思います。
フラット3のセンターに宮本を支持する理由というのは、この部分をもっとしっかりやろうよってことだと思います。まずは、どんな場面でも、ラインで上げ下げしようよと。さらに、ラインに凸凹を作らなければ、相手に無駄なスペースを与えることはないから、少なくとも、五分五分の駆け引きまでは持って来れるだろうと。
もし、「ディフェンスの前に侵入されてしまった時」には、遅れて下手に個人勝負にいくよりも、フラットなブロックで守った方が安全で、「3人で相手との距離を3メートルに保ちながら半身でディレイする」のが原則的な動き方ということですね。そういうやり方で、宮本が上手く守った場面はありましたね。森岡も上手く守った場面がありましたね。どんな時でもゾーンバランスに気をつけそれを保とうとする宮本の能力というのは理解できます。ここまでの視点において、宮本の戦術的な能力に関しては私は満足です。森岡もすごい良くなってきていますよね。浩二も、松田も合格点はあげられるかと思います。私自身、実際にディフェンスをする時の1つのモデルとして参考にしています。
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