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韓国戦感想 glider 03/4/18(金) 14:02

   Re:韓国戦感想 glider 03/4/22(火) 15:34
   Re:韓国戦感想 zukunasi 03/4/24(木) 12:56
   ふと思ったこと zukunasi 03/4/25(金) 23:47
   Re:韓国戦感想 glider 03/4/26(土) 1:12
   Re:韓国戦感想 glider 03/4/26(土) 1:27
   Re:韓国戦感想 zukunasi 03/4/28(月) 12:29
    Re:韓国戦感想 glider 03/4/28(月) 18:12
    Re:韓国戦感想 zukunasi 03/4/30(水) 22:04
    Re:韓国戦感想 glider 03/5/5(月) 17:00
   Re:韓国戦感想 zukunasi 03/4/28(月) 12:27
   Re:韓国戦感想 glider 03/4/28(月) 21:01

Re:韓国戦感想
 glider  - 03/4/22(火) 15:34 -

引用なし
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   ▼zukunasiさん:

こんにちは。

>皆さん結構ネガティブみたいで・・・・

そりゃそうですよね。
アジアの国相手にあれだけ「引きこもり」になっちゃうんじゃねぇ・・・

>僕は、見方を変えました。
>ジーコにコンパクトなサッカーを求めるのをやめます。
>多分無理です。バックラインにせよ、サイドのスペースにせよ、保険をかける思想からは、究極のコンパクトサッカーは生まれないと思います。

無理でしょうね、ジーコに求めても。
ジーコには「コンパクト・サッカー」にするための「具体的方法論」も、そのための「実践的ディテイル」もないでしょう。
そういう「秘伝のスープ」のようなものはありません。
「ブラジル式4ー4ー2」という「しょうゆ味」だけは決まっている、「素うどん」のサッカー。
勝負は「だし」と「麺のコシ」。
「だし」は世界レベルの試合経験、「麺のコシ」は選手の応用力。
トルシエ時代の最後にかいま見れた麺のコシ。
ジーコは、選手達がどんどん応用的にやることを否定しないだろうと思います。
それで、「究極」とは行かなくてもコンパクトかつスピーディになって行く道筋はある。
その先は、またアジアカップ後くらいに。
だからそこまでは待ちます。
今はジーコのやり方のほうが長い目でみたら良い結果を生む面はあるんじゃないかと。
でも、もしもジーコがそうしたことを邪魔したら「解任派」になります(笑)

>多分4バックではできないと思う。

ぼくは、4バックってすごくやり方が広いと思うんですよね。
縦にコンパクトにするにもいろいろやり方があって、いまだに多いのは「2ライン式」。
フォーメーションのことではなくて、ゾーンの作り方のことです。
といってもバックスの4人、中盤の4人が完全にフラットに2列に並ぶなんてこともいつもは不可能なので、ボールの位置に対して、予想されるボールの進路に対して、ということになる。
それをさらに論理的に速度を含めて押し進めて行くと、トルシエ式のようなボールに対して収縮的にゾーンで「締めあげ」、堅陣を敷いてそこから圧力をかけて行くのではなく、ハナっからこちらから強奪するような方法になって行く。
SB次第で4バックでもできると思いますよ。
ジーコ・ジャパンにそれを望んでも無理だけど。

>僕が一番コンパクトだと思ったのは、3〜4試合しか見ていないけどアルゼンチンのサッカーです。攻守の切り替えの早さ、激しさ、スピード感などすごく魅力的でした。

南米予選の対ブラジル戦。
アルゼンチンの見せたサッカーは、現在考えうる最新最強のサッカーでした。
全員の高い能力。目もくらむスピード。めちゃめちゃ攻撃的なんだけど、それを可能にしていた要素のひとつが攻撃的な守備。
ひとりひとりが戦闘的で、機動的で、獰猛で狡猾で、悪魔のようなサッカーでした。
もちろん「組織」が支えているんだけど、ああいうのはもう「組織」を越えている。
あそこまでひとりひとりの選手の反応が速くて活動範囲が広いと、それを重ならないようにうまく組み合うようにすれば良いだけなんじゃないか、って思えてしまいました。

>日韓戦を始め、実況で「中盤の溜め」と言う言葉をよく耳にしますが、多分そういう認識自体がすでにコンパクトなサッカーの目指すところと乖離している。攻守の切り替えの遅さを現しているように思います。
>ちょっと極端かもしれませんが・・・・・・・

速度っていうのは多分に相対的な面もありまして、例えば160kmの球を投げるピッチャーも、それだけしかないと打たれます。
人間の適応力ってたいしたもんですね。
緩急の変化のコントロール、「時間の支配力」は重要だと思います。
時間を制するものが場所も制するってわけです。
実況で言われる「中盤の溜め」ってのは単にキープ力とかのことだけを指してることが多く、そうした意味では感じられた通りでしょう。

>日韓戦の感想は、
>黄金のカルテットよりは良いんでないの?多少シンプルな分。
>と言う感じです。

ますます固定化し、固着化してましたね、日本。
ああいうやり方で勝とうと思うとそうなります。
それはそれでひとつの方法なので。
後半のジーコの小笠原への指示、「右にいろ」ってのは端的にそれを現しています。
前半の小笠原だけがぼくには救いでした。
やっぱり小笠原は「流動的なサッカー」の申し子です。
小笠原は「そういうサッカー」をするキップを持っています。
中田ヒデも、小野も持っています。でも、今度はレールは自分達でいちから敷くのです。
バックス陣もそういう意識を持たねばなりません。

>多分、これらを選手のスキルに頼らず実現しようとすると、コンパクトなサッカーになってゆくと思うのですが、ジーコさんは別の回答を持っているのだろうか?

トルシエジャパンに見えた不満。
その解消のため、さらなるサッカーの質の向上のため、すべては選手次第。
2年後で良いですから。
今はそのための準備期間で良い、と思ってます。

Re:韓国戦感想
 zukunasi  - 03/4/24(木) 12:56 -

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   ▼gliderさん:

こんにちは。

>「ブラジル式4ー4ー2」という「しょうゆ味」だけは決まっている、「素うどん」のサッカー。

うまいことおっしゃいますね。
イメージしているサッカーがまったく違うと言うか、ある意味正統派サッカーなのかなと思ってます。
僕みたいなトウシロウは、細かい技術的なこととかはなかなか判らないのですが、戦略や戦術的なものは割合と見えると言うか理解しやすいんです。
で、ジーコは一体どんなことをやるのか興味が有ったのですが、どうもあまり面白くなくて、見方を変えて「素うどん」でどこまでやれるのかを見ようかと。
まあ心理上予防防衛的な部分があるんですが。

>勝負は「だし」と「麺のコシ」。
>「だし」は世界レベルの試合経験、「麺のコシ」は選手の応用力。
>トルシエ時代の最後にかいま見れた麺のコシ。

経験と言う部分は良いのですが、問題は応用力。
ジーコは自由にやってよいと言って、主体性や創造力を引き出そうとしているようですが、ほんとにそれで良いのだろうか。小学生ならわかるけど、少なくとも日本のトップ集団ですよね。
不自由な中で自分を出そうとするから主体的なのであり、さまざまな制約の中で己を表現するのが創造なんじゃないかな? だからこそ主体性や想像力・応用力がチカラを持つのでは?
そうした過程を経ずに与えられた主体性や創造力など、親善試合では発揮できても、本番の厳しさの前には木っ端微塵にされると思いますよ。
トルシエ時代最後の「麺のコシ」は、制約だらけの厳しさの中から生まれたからこそチカラを持ったのだと思います。
また、自由を与えても往々にしてグループの中にボスができて、その言いなりと言う可能性もありそうな・・・・規制があるからと言って主体性を持てない様な連中だとしたら、その辺が落ちだと思います。そうでないことを祈ろう。

>ジーコは、選手達がどんどん応用的にやることを否定しないだろうと思います。

僕的にはこれも疑問だな。小笠原を右にはりつけたり、フラットになりそうになると修正したり。まあそれで良いのだと思います。選手自身がそれを打破しなければいけないんです。

>だからそこまでは待ちます。

実質2年もあればチーム作れるんじゃないかしら、トルシエさん仕上るのが半年早かったような気がします。


>>多分4バックではできないと思う。
>
>ぼくは、4バックってすごくやり方が広いと思うんですよね。
>縦にコンパクトにするにもいろいろやり方があって、いまだに多いのは「2ライン式」。
>フォーメーションのことではなくて、ゾーンの作り方のことです。
>といってもバックスの4人、中盤の4人が完全にフラットに2列に並ぶなんてこともいつもは不可能なので、ボールの位置に対して、予想されるボールの進路に対して、ということになる。

へへへ・・・・釣れました!! 面白そうなのでわざと書いたんですけど。
あくまで、縦は当然として横もしっかりと絞り込んだコンパクトサッカー限定の話なんですが、僕は3バックのほうが良いと思っています。
理由は・・・
1、絞り込まれた横幅を守るのに4人は必要ない。
2、中盤で2ラインほしい。
3、2トップが望ましい。

1は、ペナルティーエリアの付近は別として、攻守ともにコンパクトなままサッカーをする場合、ピッチの約1/2の巾を守るのに4人は必要ないと思う。
2は、中盤守備でアタック&カバーを渦巻きのように繰り返すには中盤2ラインのほうがやりやすいと思う。DFが対応せざるを得ない状況になった時点でコンセプト的に守備は失敗している。
3は、横に絞り込んだとき、バックラインで自由にボールをまわされるのが一番きつい、DFラインをけん制しかつボールを片サイドに追い込むには二人ほしい。しっかり追い込めば敵はボールを戻すしかないので、そのバックパスのカットを狙うためにも。

別に4バックでも、片サイドのSBが常時上がって、中盤守備に加わればそれでかまわないのですが、それでは4バックの意味があまりないような気がしますので。
攻撃にしても、SBが駆け上がってなんてまどろっこしいですし。

まあ、横をそんなに極端に絞らなくてもスピーディーなサッカーはできますし、どちらかと言えばそのほうが主流だと思いますので、特にこだわっている訳ではありません。
ただ、442プレミア的「鶴翼の陣」に対し、352超コンパクト「魚鱗の陣」さてさてどちらがって言う興味は正直あるんですけど。

>ジーコ・ジャパンにそれを望んでも無理だけど。

正直なところ、縦の圧縮さえうまくできるのか疑問で、でもジーコは高い位置でボールを奪うコンパクトなサッカーとおっしゃっているし、どうなっていくのか興味津々です。

>速度っていうのは多分に相対的な面もありまして、例えば160kmの球を投げるピッチャーも、それだけしかないと打たれます。
>緩急の変化のコントロール、「時間の支配力」は重要だと思います。
>実況で言われる「中盤の溜め」ってのは単にキープ力とかのことだけを指してることが多く、そうした意味では感じられた通りでしょう。

おっしゃることはよく理解できます。実際には攻撃体制が整わず、選手の上がりを待つような場面が多く、溜めとは言えないだろうと思うのですが。それは攻守の切り替えが遅いと言うことだと。

いずれにせよ、ジーコさんそんなに速いサッカーを目指しているわけではなさそうで、言っていることも朝令暮改、あまり当てにならないし、それはそれでどうなっていくのか、それを楽しもうと思っています。
トルシエにしても波乱万丈、これでよいかと思ったら打ちのめされ、大丈夫かと心配しているとそれなりの結果を出し、一筋縄で4年間を過ごしたわけではありませんし、まずはコンフェデが楽しみです。
まだ先の話ですが、アジアカップは絶対優勝してほしいですね。あれを取るとまたコンフェデの出場権を得られるので。いくら権威が無いと言っても公式戦、しかもワールドカップの開催国でできるわけで、親善試合よりは数段良い経験を積めますので。

余談、戸田のプレミアデビュー戦見ました。後半頭から出てきてびっくりしました。
活躍と言うわけでは有りませんでしたが、ちゃんとサッカーしていました。チームメイトにも無視されずそれなりにパスが回ってきてました。印象的だったのは、パスを出した後、スペースにダッシュするんですよ、懸命さが伝わってきて好感が持てました。がんばってジーコを見返して欲しいものです。

ふと思ったこと
 zukunasi  - 03/4/25(金) 23:47 -

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   ヤフーに書いたことをこちらに転載します。(一部訂正・追記)

日韓戦を見ていて、試合中ジーコが「落ち着いて、正確に・・・」と言うような指示を出していると言うのを聞いてふと思ったのですが、これはジーコの目指すサッカーを考えるうえで、結構重要な要素かもしれないと。

負けず嫌いな性格という話はよく聞きますが、堅実で正確性を重んじるタイプの方なのかもしれません。ですからフォーメーションは安定感のある442を好む。

守備は、リスクのあるフラットラインを嫌い、一人余らせて堅実に守る体制をとる。DFラインの深さなどあまり気にしない。果敢なプレスでボールを奪うより、スペースをつぶして網を張って待つ。ですから今見られるプレスは要求では無く、選手の判断でやっている。

攻撃もボールをロストすることを嫌い、ショートカウンターやロングボールの放り込みよりも、正確なパス回しを要求する。中盤4人は自由にとは言いながら、ボランチの一人は下がってDFラインの前を埋めることを要求し、SBの上がりも控えめに、ボールをロストしたときのリスクを最小に抑える。攻撃陣と守備陣を割合と明確に分け、全体攻撃・全体守備のようなことはしない。その代わり攻撃にかかわる選手たちには自由にやってもらう。

よって、コンパクトで攻守の切り替えの速いサッカーとはまったく違うサッカーを目指しているのかもしれない。
「速さよりも確実さ・危機管理サッカー」がジーコサッカーのキーワード、などということを考えていました。



Re:韓国戦感想
 glider  - 03/4/26(土) 1:12 -

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   ▼zukunasiさん:

こんにちは。

>どうもあまり面白くなくて、見方を変えて「素うどん」でどこまでやれるのかを見ようかと。

そうですね。
面白くないです、たしかに。先が不安にもなるし。
ぼくが感じるのは「こういうことが必要な時期がある」ということ。
一度、素に戻ること。
そういう意味では、ジーコは今、適任です。

本音を言ってしまえば、体制として「では2006年までこのまま行けば良いのか?」とはまったく思いません。
一番心配なのは、アジアカップを「そこそこ」の成績で乗り切ってしまうこと。
「ベスト4」あたりがそれにあたると思いますが、そうなると改革は難しくなる。
「更迭」にしろ「辞任」にしろ、実権を握る優秀な「外国人の」アシスタントコーチがつくにしろ、そういうことがないとアジア予選で苦労しそうだし、本戦に出ても厳しいでしょう。
「自国開催」による優遇措置もないクジにそうそう運はないでしょうし。
ということは、いずれにしろ「協会の改革」ないしは「協会の世代交代」が必要不可欠だとぼくは思っているわけです、そろそろ。

>不自由な中で自分を出そうとするから主体的なのであり、さまざまな制約の中で己を表現するのが創造なんじゃないかな?
>トルシエ時代最後の「麺のコシ」は、制約だらけの厳しさの中から生まれたからこそチカラを持ったのだと思います。

ぼくは、トルシエのやり方をそういう面では「制約だらけで厳しい」とはあまり思ってないんですよね。
試合には必ず敵が存在する以上、そしてサッカーが集団競技である以上、コミュニケーションのスポーツである以上、制約というより約束は必要です。暗黙のものであれ訓練されたものであれ。
自分だけの自由では結局不自由なだけですから。
「オートマティスム」の本質は、「敵」から「自由」になるための方策を与える、というもののはず。
習慣化した動きを無意識化することによって、選手間の距離は保たれ、「オフザボールの動き」を行え、ピッチ上の選手により多くの自由を提供できる。
ピッチの上で選手が自由を求めて戦う相手は自軍の監督ではなく「敵」ですから。

今度は、何から何まで自分達でやらねばならないんですよね。
ジーコは組織としては「当たり前」な基本の基本しか教えていない。
それだけで戦えるわけがありません。
実戦での応用はすべて選手ひとりひとりが、選手達が、自ら考えなければならない。
それはトルシエ時代よりも厳しいこと。
そして間違いなくそのうち「木っ端微塵」にされるだろうとぼくは思っています。
「木っ端微塵」に早くされて欲しい。そうして「ジーコが」ではなく「自分達で」考えて欲しい。
コパアメリカでもいいし、アウェーでの強国との対戦でもいいです。
一刻も早く粉々にされればいい。
何も助けのない、「秘伝のスープ」も何もない「麺」だけで勝負し、「なんだこの麺は!」と言われれば良いんです。
そうしてはじめて、ちゃんとした麺にならなければ、と考える。

いくら優れた戦術があっても、結局はサッカーは人間がやるものですから、最後は「人間」が勝負です。
トルシエ前監督は、優れた戦術を与えたけれども、なかなかにおいしいスープだったけれども、ぼくは結局「麺」が不満でした。
そこにこのうどんの限界があった。
だから、一度「素」に戻らなければ。

>まあそれで良いのだと思います。選手自身がそれを打破しなければいけないんです。

ということで、その通りだと思います(笑)

Re:韓国戦感想
 glider  - 03/4/26(土) 1:27 -

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   ▼zukunasiさん:

>僕は3バックのほうが良いと思っています。

>>それをさらに論理的に速度を含めて押し進めて行くと、トルシエ式のようなボールに対して収縮的にゾーンで「締めあげ」、堅陣を敷いてそこから圧力をかけて行くのではなく、ハナっからこちらから強奪するような方法になって行く。

ということなので、基本的にはその通りだと思いますよ、速度が上がった中でコンパクトなサッカーを志向するのであれば。
4バックは方法が広い、と書いたのは、基本的には4バックはCBが2人だと言うことです。
3バックでも、例えばCBの一人がフォアリベロ的になれば同じことになりますが、CBでそういう能力を有するプレイヤーを見つけなければなりません。
ぼくはそういうサッカーが好きですが、福西をそうしようとして失敗したハジェブスキーではありませんが、求められるものが多くて難しい。
それよりは両サイドに守備力と機動力のある人間をSBとして配する方が考え方としては現実的です。
現在では4バックでも、相手ボール時にバックラインが3枚になる形を取るのはわりと常識的で、SBの動きの幅が横にも拡大されているチームが多い。
「SBが駆け上がってなんてまどろっこしい」のは間違いありませんが、それはオプションのひとつとしてなら効果を持つし、SBの一人が中盤の深い位置でも幅広く仕事をするのならMF陣をより攻撃的な人選にすることができます。
SBを「端っこの人」とするのではなく、両SBでピッチを横に2分割して、オンサイドではない方にいる方のSBが主にバックラインの前(時にCBと入れ代わりながら)を守り、ビルドアップや攻撃にも参加する人とすればいいわけです。
いつだったかのトヨタカップでのボカがそんな感じでやってました。

さらに、「コンパクトかつスピーディな」サッカーをするためには、バックス陣のはやさが絶対的に必要になります。
3バックでも4バックでもそれは同じです。
上に「CBの一人が」と書きましたが、「コンパクトかつスピーディ」を求めて行けば「3人とも」そうならなくてはならないし、4バックなら4人ともです。
上記のような4バックのやり方は、バックラインとMFの流通性を良くするひとつの手段でもあるわけですね。

だから中盤を2ラインにするには、3バックでも4バックでも、どちらにしろやり方次第ということでしょう。
バックスの人数(もちろんそれもありますが)というより「11人がどういう選手であるか」ということだと思っています。

縦横にコンパクトにするためには、プレッシャーの速さこそが大命題で、ボール受けるか受けないかの時にもうプレッシャーがかかっていないと無理になります。
それには組織的な高い完成度と個人の速い判断力や反応速度が必要になるわけですね。
いくらコンパクトにしてもそれがないのなら、コンパクトにするために捨てられたスペースにどんどん走り込み、そこへ長めのパスをどんどん出して行くことを連続させて行けばコンパクトさなんか無駄なわけです。
バックラインから中盤、そして前線まで、そうして大きく素早く繋ぎ、有無を言わせず「ワイドオープン」に攻めてしまえばスペースを有効に使えるわけですね。
だから、ライン前の危険地帯に入り込まれないためにも、こちらの攻撃が人手不足にならないためにも押し上げて縦に詰めることは必要だけれども、
>>ボールに対して収縮的にゾーンで「締めあげ」、堅陣を敷いてそこから圧力をかけて行くのではなく、ハナっからこちらから強奪するような方法になって行く。
のはプレッシャーのはやさがなければ絵に書いたモチです。
逆に言えば、そういうプレッシャーのはやさはないからコンパクトにして高い位置で奪って、というのは無理でも、長めのパスを早い判断力で素早く繋げるのなら、そうして短時間で相手陣深くにボールを運べば効率的、という考え方もできる。
プレミアってそういうチームが比較的多いように思います。

Re:韓国戦感想
 zukunasi  - 03/4/28(月) 12:27 -

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   ▼gliderさん:

こんにちは。ボリュームのある熱いレス、大変なエネルギーを使わせているようで、恐縮です。

>ぼくが感じるのは「こういうことが必要な時期がある」ということ。
>一度、素に戻ること。
>そういう意味では、ジーコは今、適任です。
>本音を言ってしまえば、体制として「では2006年までこのまま行けば良いのか?」とはまったく思いません。

そこまで言うか?もう少し甘くても・・・・・・・・・・ともおもうけど。
多少ニュアンスが違うでしょうが、僕も結論は同じようなものかもしれません。
グライダーさんと最初に出会ったときを覚えておられますか?僕が「日本の位置づけは世界の中でどの位なの?」と言うような趣旨の質問をしました。
今また同じように、素のチカラはどの程度通じるものか、知る機会ができたように思います。
でもこれは、ジーコはいてもいなくても同じだ、と言っているようなものですね。まずいですね。

>>不自由な中で自分を出そうとするから主体的なのであり、さまざまな制約の中で己を表現するのが創造なんじゃないかな?
>>トルシエ時代最後の「麺のコシ」は、制約だらけの厳しさの中から生まれたからこそチカラを持ったのだと思います。
>ぼくは、トルシエのやり方をそういう面では「制約だらけで厳しい」とはあまり思ってないんですよね。

あっ・・・これ僕も同じです。
世間の論調に、トルシエの時は約束事ばかりで、個性が出せなかった。ジーコは自由にやるから力が出せる。と言うような空気を感じたので、それに対して感じたことを言ったまでです。
ですから、それ以降おっしゃられていること、ほとんど異存ありません。
ただ、僕は規制があるからキビシイ、あるいは自由だから余計難しい、とは思っていないんです。
大体表現をしていれば、制約だらけじゃないですか。重力があり、素材の性質があり、媒体の問題があり・・・・・・何より己の能力の限界があり。
そこにいくつか新たな条件を付与されたところで、まあ、無いに越したことは無いんですが、いかほどの事でもない。
自由だから難しい?とはいっても、ほとんどの場合方向性を見極めるのが難しいだけで、それさえ決まればあとは同じこと。
ですからあえて異論があるとすれば、

>実戦での応用はすべて選手ひとりひとりが、選手達が、自ら考えなければならない。
>それはトルシエ時代よりも厳しいこと。

この部分かな、トルシエ時代もジーコ時代も、難しいさにさほど変わりは無いんじゃないかな。

>そして間違いなくそのうち「木っ端微塵」にされるだろうとぼくは思っています。
>「木っ端微塵」に早くされて欲しい。そうして「ジーコが」ではなく「自分達で」考えて欲しい。
>何も助けのない、「秘伝のスープ」も何もない「麺」だけで勝負し、「なんだこの麺は!」と言われれば良いんです。
>そうしてはじめて、ちゃんとした麺にならなければ、と考える。

おっしゃられること、ごもっともです。
しかし、僕には煩悩があって欲が深いんです。ですから、何もすべて0から始めなくても「秘伝のスープ」があって、さらにそのうえに同じ努力をしたらもっと上にいけるんで無いの?なんて思ったりもするのです。でも、素のチカラも知りたいし。南無・・・・・・・

Re:韓国戦感想
 zukunasi  - 03/4/28(月) 12:29 -

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   ▼gliderさん:

イヤー大漁だ・・・・・・・・
つれすぎて、食べきれないかも・・・・・・・・・・身の程知らずなことをしたかもしれません。
まともにご返事をいただきありがとうございます。対話を試みますが、お話ににならないときはご容赦を。

>>僕は3バックのほうが良いと思っています。
>>>それをさらに論理的に速度を含めて押し進めて行くと、トルシエ式のようなボールに対して収縮的にゾーンで「締めあげ」、堅陣を敷いてそこから圧力をかけて行くのではなく、ハナっからこちらから強奪するような方法になって行く。
>ということなので、基本的にはその通りだと思いますよ、速度が上がった中でコンパクトなサッカーを志向するのであれば。

まずはプレスありき、と言うことですよね。そのためのコンパクト。その辺は理解しているつもりです。

>4バックは方法が広い、と書いたのは、基本的には4バックはCBが2人だと言うことです。
>3バックでも、例えばCBの一人がフォアリベロ的になれば同じことになりますが、CBでそういう能力を有するプレイヤーを見つけなければなりません。
>それよりは両サイドに守備力と機動力のある人間をSBとして配する方が考え方としては現実的です。

ここが判らない。究極は2バックを指向すると言うことですか?
僕は最初、ゲームの中で多様な対応を取りやすい、と言う風に読んだのですが。

>現在では4バックでも、相手ボール時にバックラインが3枚になる形を取るのはわりと常識的で、SBの動きの幅が横にも拡大されているチームが多い。
>SBを「端っこの人」とするのではなく、両SBでピッチを横に2分割して、オンサイドではない方にいる方のSBが主にバックラインの前(時にCBと入れ代わりながら)を守り、ビルドアップや攻撃にも参加する人とすればいいわけです。

これも理解はできるのですが、攻守ともコンパクトで有れば、少なくともペナルティーエリアの付近以外は、マイボール・敵ボールにかかわらず3枚でいけるはずで、であるならば3バックのほうがシンプルではないかと思うのです。さらに、フォアりベロ的な動きは、欠かせないものと思っています。
もうひとつ疑問は、仮に4バックとしてボールサイドが前に出るのか、逆サイドが前に出るのかどちらが合理的なのでしょう。

>さらに、「コンパクトかつスピーディな」サッカーをするためには、バックス陣のはやさが絶対的に必要になります。
>上記のような4バックのやり方は、バックラインとMFの流通性を良くするひとつの手段でもあるわけですね。
>だから中盤を2ラインにするには、3バックでも4バックでも、どちらにしろやり方次第ということでしょう。
>バックスの人数(もちろんそれもありますが)というより「11人がどういう選手であるか」ということだと思っています。

バックラインとMFの連携は重要だと思うのですが、流通性というところまで必要なのか、少し疑問に感じます。
そして、ペナルティーエリア付近においての対応などを含め、試合全体でのメリットがどちらにあるのかは、正直わかりません。
ただ、プレス+コンパクトフィールドのコンセプトから考えたとき、3バックのほうがシンプルではないかと思うのです。

>縦横にコンパクトにするためには、プレッシャーの速さこそが大命題で、ボール受けるか受けないかの時にもうプレッシャーがかかっていないと無理になります。
>それには組織的な高い完成度と個人の速い判断力や反応速度が必要になるわけですね。
>いくらコンパクトにしてもそれがないのなら、コンパクトにするために捨てられたスペースにどんどん走り込み、そこへ長めのパスをどんどん出して行くことを連続させて行けばコンパクトさなんか無駄なわけです。
>バックラインから中盤、そして前線まで、そうして大きく素早く繋ぎ、有無を言わせず「ワイドオープン」に攻めてしまえばスペースを有効に使えるわけですね。

これもよく理解できます、縦横コンパクトで、サイドチェンジを再々やられたら、あごが上がってしまいます。絶対出所を押さえなければ駄目。

>逆に言えば、そういうプレッシャーのはやさはないからコンパクトにして高い位置で奪って、というのは無理でも、長めのパスを早い判断力で素早く繋げるのなら、そうして短時間で相手陣深くにボールを運べば効率的、という考え方もできる。
>プレミアってそういうチームが比較的多いように思います。

多分これのほうが身体能力が必要だと思うのです。
昨晩、トッテナムVSマンU見ました。戸田が出ていました。戸田があのベッカムと同じピッチに立っているなんて、なんと素敵なことと最初は思っていたのですが、戸田がスピードについていけない、間合いさえ取れない。ふだんプレミアを見て速いとは感じるのですが、実際に尺度になるものが無いので実感がわきませんでした。しかし戸田がいることでその尺度ができました。人もボールも物理的スピードが速い、多分思考のスピードも速いのでしょう。まあまだなれないと言うこともあるかもしれませんが、ちょっと悔しい、でも戸田頑張っていました。またチャンスをもらえると良いのですが。

Re:韓国戦感想
 glider  - 03/4/28(月) 18:12 -

引用なし
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   ▼zukunasiさん:

>まともにご返事をいただきありがとうございます。

いえいえ、こちらこそ。

>ここが判らない。究極は2バックを指向すると言うことですか?
>僕は最初、ゲームの中で多様な対応を取りやすい、と言う風に読んだのですが。

2バックを志向するというよりは、「多様な対応を取りやすい」人数、体制(場所的なことも含み)、に「しやすい」という面もあるということです。
3バックでボールに対するプレッシャーを早くしようとすると、
>フォアリベロ的な動きは、欠かせないもの
になってくるし、サイドに出るボールにも状況によっては素早く対処できねばなりません。
そうした場合に、CBに求められる能力や活動範囲は高くなるし、中盤との「流通性」もどうしても必要になるわけです。
最低限のリスク管理のために、時には中盤の深目に位置する選手であったり逆サイドのアウトサイドハーフであったりのMFの最終ラインへの参加も求められて来る。
4バックのSBに求められる守備力と機動性はそこにも有効なはずで、バックラインとMFを繋ぐパイプになりうる。
そうした選手を両サイドに持ち、ピッチを横分割で担当させ得るのはメリットになります。
ひとつの考え方として、どのみち「3枚でいけるはず」なら、はじめから3枚で充分と考えるか、2CB+(2SB−1)=3の方が利便性があると考えるか、ぼくは微妙な所と思います。
例えば、4バックで、CBに松田と森岡、SBに中田浩二と明神、なんてトルシエ風な人選をしたとすれば?
SBの捉え方次第、やり方次第、人選次第だと思うのです。

スピードのためには流動性。
攻撃だけでなく守備でも。

3バックか4バックか、どちらかひとつを選ぶのではなく、当初の形はどうであれ、試合の中でいかにゾーン形成をし、流動的応用的な「素早いアメーバ」状の組織形成をしうるか。
だから「コンパクトかつスピーディな」サッカーのためには「11人がどういう選手であるか」が重要で、率直に言えばぼくは、中田、森岡、松田、明神、のような4バックと、中田、森岡、松田の3バックで明神を中盤に入れたのとで、同じようにできないかと問われれば「できる可能性は高い」としか思えないのです。
(いずれにしても中田浩二はちょっとどうかとは思ってるんですけど:笑)

>もうひとつ疑問は、仮に4バックとしてボールサイドが前に出るのか、逆サイドが前に出るのかどちらが合理的なのでしょう。

攻撃側として、引いたSBのサイドにボールを出すよりも上がった方のSBの裏に出す方が多くなるでしょう。
だから、試合の中ではそっちが多くなると思います。
こちらの都合でどちらが良いか、というよりも。
単純にこちらの都合だけで言えば、そしてSBが特に攻撃参加したわけではないとしても、それでもやはりサイドに出たボールの位置やそれ以前のボールの流れと無関係ではいられず、状況次第としか言い様がないでしょうね。
中盤でサイドにボールが出たのなら、オンサイドのSBはMF達と連係してそこへプレッシャーをかけに行くべきだし、逆SBは基本的には下がるでしょう。

Re:韓国戦感想
 glider  - 03/4/28(月) 21:01 -

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   ▼zukunasiさん:

>大変なエネルギーを使わせているようで、恐縮です。

いいえ、こういう対話によって考えること、書くことで得るものは多いですから。
ぼんやりとした想念がある程度明確になったり、観戦の助けになったり。
あるいは、文章を書くことが進歩したり(?)と。

>でもこれは、ジーコはいてもいなくても同じだ、と言っているようなものですね。まずいですね。

あっ!
バレたか・・・ではなくて(笑)
監督って、いろいろいますね。
そしていろんな仕事がある。
戦術や戦法や戦略を考えるピッチの上の仕事だけでなく、スタッフも含め「チーム」というひとつの生き物のような存在をまとめて行く力、人間関係やそういった人間的な側面での手腕、選手に力を発揮させるために整えるべきこと、対外的な手腕、そういったピッチ外の仕事の割合も大きい。
そういった面の評価は、なかなか見えないことなだけに難しいと思いますけど、不可欠なもののはずだし、えてしてチームにとってはそちらの方が影響が重かったりもする。

チームを家族に例えれば、監督は父親みたいなもので、「家族の取り決め」をことこまかに決め、息子の教育にも熱心でってオヤジもいれば、一見何にもしなくて、でもちゃんと見るべきところは見てて、ここっていう所ではビシっと言って、家族を良い方向に導くオヤジでもいい。
息子のデキが良くて優秀なおかあちゃん(例えばコーチ達)がいれば、それでもいいわけですね。

映画の撮影でも監督がいて、脚本からキャスティングから基本的に全部自分でやって、演技や画面構成や光にも自分の「色」やこだわりを持って自分で指示するカリスマ監督もいれば、それぞれの分野に信頼できるスタッフをおき、専門のことはある程度専門のプロにまかせ、トータルで良いものにするために全体をオーガナイズし、全体の力を引き出して行くことに長けた人もいる。

そうした意味では、ジーコ監督の評価はまだよくわからない部分もあるというのが率直なところです。
ただそれでも、全体的な体制としては今のままで良いとは思わない。
例の中で言えばジーコは後者なのかもしれませんが、ならばバックアップする体制に物足りなさを感じます。

>この部分かな、トルシエ時代もジーコ時代も、難しさにさほど変わりは無いんじゃないかな。

結局、トルシエ時代だって「実戦的な応用」の部分は足りませんでした。
ただ、「組織的な連動」の約束がない、「オートマティスム」によって習慣化された「自由への保証」がない、という所では、「応用するための環境」を整えたトルシエと環境作りからやらねばならない今とではキビシさは違うと思いますよ。
「フラット3」の細かな動きの約束によって、それとの全員の連動の約束によって、オートマティスムによるカバーリングの保証と積極的なスペースへの侵入によって、ボールへの早いプレッシャーは行いやすくなり、素早い切り替えもしやすくなり、速い攻撃も、攻撃での味方の連係もしやすくなった。
いつどこにどうやってプレッシャーをかけねばならないのか、どこでどうやってどういう連係プレイをするか、といった「それからのこと」は選手が自分達で考えてせねばなりませんでしたが、環境や道具は揃っていた。
テーマも決まっていましたね。
コンパクトで速い、守備も攻撃も主体的にやるサッカー。
今回は、何も与えられていない。
どういうサッカーをするかも、どうしたらそれが可能になるかも、自分達で考えやって行かなければならない。
だからこそ個の持つポテンシャルがモロに出るのです。
モロに出るからこそ、鍛えられるでしょう。

「コンパクトで速い、守備も攻撃も主体的にやるサッカー」は、トルシエが与えた哲学です。
「トルシエは『コンパクトで速い、守備も攻撃も主体的にやるサッカー』をするから、日本が目指すサッカーに合うし、だからトルシエにしよう」
というように選択されたワケではない。
ジーコにしたってそうです。
「トルシエで組織組織で嫌になったから今度はブラジルのように自由なサッカー」というネガティブな動機は「キャプテン」にはあったかもしれませんが、そんな幼稚なものではなく「日本代表のサッカーはこうあるべきだ」というある程度の日本サッカー界のコンセンサス、そのためにはどうせねばならないか、ということも含めて、そろそろはっきりと生まれるべきです。
そのためにも、一度「素」に戻ることは必要なことだったのではないでしょうか。

Re:韓国戦感想
 zukunasi  - 03/4/30(水) 22:04 -

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   ▼gliderさん:

昨日はどうも某所ですれ違いまして。
どうもご苦労様でした。

>ひとつの考え方として、どのみち「3枚でいけるはず」なら、はじめから3枚で充分と考えるか、2CB+(2SB−1)=3の方が利便性があると考えるか、ぼくは微妙な所と思います。

そうですね、僕の場合職業柄、どうしてもシンプルと言うことを念頭において物を考えます。サッカーでもシンプルと言うことは結構重要じゃないかと思うのですが、利便性とか多様性というのはシンプルと言うこととツーペイの関係にあります。ですからどちらに優位性が有るかという事になると、やはりシンプルと言うことになります。しかしサッカーの上でどちらが優位かといえば、正直のところわかりません。自分で吹っかけておいて、このような言い草で情けないのですが、おしゃられる通り微妙と言うところでご容赦ください。

>だから「コンパクトかつスピーディな」サッカーのためには「11人がどういう選手であるか」が重要で、率直に言えばぼくは、中田、森岡、松田、明神、のような4バックと、中田、森岡、松田の3バックで明神を中盤に入れたのとで、同じようにできないかと問われれば「できる可能性は高い」としか思えないのです。

これも後だしじゃんけんみたいで恐縮ですが、同じことを考えていました。
結局、人ですよね。フォーメーションて、人が入らないとまったく意味を成さないと改めて思いました。中田を生かすのなら、4バックの方が良いように思います。反対に中田を外して左にCBの本職を置けば、3バックでよいのではないですか。
じゃあそのうちのどちらがいいんだ?・・・・わからない。

>>もうひとつ疑問は、仮に4バックとしてボールサイドが前に出るのか、逆サイドが前に出るのかどちらが合理的なのでしょう。

>攻撃側として、引いたSBのサイドにボールを出すよりも上がった方のSBの裏に出す方が多くなるでしょう。
>だから、試合の中ではそっちが多くなると思います。

僕はそこまで気が回りませんでした。なるほどです。

>単純にこちらの都合だけで言えば、そしてSBが特に攻撃参加したわけではないとしても、それでもやはりサイドに出たボールの位置やそれ以前のボールの流れと無関係ではいられず、状況次第としか言い様がないでしょうね。
>中盤でサイドにボールが出たのなら、オンサイドのSBはMF達と連係してそこへプレッシャーをかけに行くべきだし、逆SBは基本的には下がるでしょう。

これは僕も同意です。ボランチがずれるべきかとも考えましたが、中央の2列目・3列目の飛び出しなどをケアするには、ボランチは中にいたほうがよさそうです。
でもこれだけを考えても、それほど単純には済みそうにないし、オードマチズムを構成するって大変ですね。一体どの程度までを想定してやっていることなのか、日本代表約束集なんてのを発行してもらえないかしら。

>そうした意味では、ジーコ監督の評価はまだよくわからない部分もあるというのが率直なところです。

トルシエはアジアカップのときでしたか、半年も前に宿泊地の周囲を調査して、あらかじめ和食レストランの女将に、挨拶をしていたそうですね。
欧州での休暇中のこと、本来ならスタッフに任せても良さそうな物ですが、勝つためには何でもするということなのでしょう、ちょっと驚きました。

>「日本代表のサッカーはこうあるべきだ」というある程度の日本サッカー界のコンセンサス、そのためにはどうせねばならないか、ということも含めて、そろそろはっきりと生まれるべきです。
>そのためにも、一度「素」に戻ることは必要なことだったのではないでしょうか。

後藤さんなどは、昔から日本のサッカーは良く走る組織的サッカーだったんだ。それはもう50年くらいそうなんだ。と言っていますね。なんか、戦前スエーデンかどこかと良い勝負をしたときもそんなサッカーだったらしいです。
正直なところ、僕はその流れでよいと思っています。ここ最近10年間だってそれでやってきたわけだし。それでは本当にコンセンサスは得られないのかしら。
コンパクト云々はディテールだと思いますので、これはそのつど考えていけばよいことと思っています。
どうせねばらならないかを考えることを否定するわけではなく、その上で旗幟を鮮明にしたと受け取ってください。

「素」と言うことについては、仰りたいことは十分理解していると思います。
ただ、本当に「素」なのかということには、まだ少し疑問を感じます。監督の個性によって、選手の力がストレートに現れそうな感じはしますが、かといって監督自身がそれを望んでいるのかしら、口では自由と言いながら、本当は十分に影響力を行使したいのではないのかなどと、ちょっと見方が斜めすぎますか?

気になった部分があり、加筆訂正しました。

Re:韓国戦感想
 glider  - 03/5/5(月) 17:00 -

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   ▼zukunasiさん:

さて。
昨日まで5日間、仕事で紀伊の国に行ってました。
熊野大社本宮にもお参りしてきましたよ。
熊野神社はスサノオノミコトを祭った神社で、スサノオに仕えたのがヤタガラスで、それでヤタガラスがシンボルになってます。
平安時代に蹴鞠名人の藤原成通が蹴鞠上達のために熊野詣でをしたっていうんで、日本にサッカーが伝わって協会ができた頃からヤタガラスさんをトレードマークにしてた、ということみたいです。
その他にも、道に迷った神武天皇をヤタガラスが導いたという故事から「よくボールを相手のゴールに導くように」との願いが込められているとか、日本にはじめてサッカーを紹介した中村覚之助という人が熊野出身だったとか、いろいろとパンフレットには書いてあります。
ヤタガラスをシンボルにしたお守りに、見たことがあるカラーリングの模様が書いてあると思ったら98年大会当時のユニフォームの袖に描かれた炎の模様と同じだったり、JFA公認グッズのサッカーお守りが売ってたり(笑)、去年の初夏にはトルシエや選手達もここでお参りしたんだなあ、とか、サッカーに縁の深い場所でした。
よく知らなかったんですけどね(笑)

まあ、遅レスの言い訳けはこれまでとして(笑)

閑話休題。

>しかしサッカーの上でどちらが優位かといえば、正直のところわかりません。

どちらが優位かというか、ぼくは「どちらがシンプルか」の方に興味があり、そちらについて「微妙」と思います。
移動時間、地域的なこと、「コンパクトかつスピーディな」サッカーのためには入れ代わりは必然なこと、そうして速度の問題を込みにして考えると「どちらがシンプル」かはっきり言い切れないでしょう?
例えばSBのひとりが中へ絞ってライン右前でプレッシャーをかける。
逆の左SBはラインに入る。
横パスが出てCBがそこを潰しにかかる。
右SBはカバーしてライン右にイン。
3バックなら、右のSHかボランチか、ともかくMFがそれをすることになる。
まあ省略化した話ですが、でも「どちらがシンプル」か、微妙でしょう?

はっきり言えば、ぼくは3バックならプレッシャーの速度を保つために、中盤にバックスとのパイプ役をする選手が必要になると思います。
前代表には戸田がいました。
4バックならば、それはSBが左右分割してやれば良い。
その方が地域的役割り的にシンプル、と言うことだって可能です。
だから、4バックもやり方次第、捉え方次第で広がりを持たせられる。
CB二人とSB二人というのだって絶対じゃないでしょう?
4人のDFを菱形に置いたって、一応「4バック」という言い方もできるのだし。
だからぼくは、3と4、どっちが良いのか?という捉え方はしません。
どんな選手が入り、どういうコンビネーションを築くか。
理想は、必要に応じて2にも3にも4にも5にもなれること。
CBの人材が現状である限りキーポイントはSBの人選になるでしょうか。

>正直なところ、僕はその流れでよいと思っています。ここ最近10年間だってそれでやってきたわけだし。それでは本当にコンセンサスは得られないのかしら。

このへんのこと、ヤフーにも書いてきましたが、ぼくは自覚が足りないと思います。
なんとなくそういう趣向があって、そういう流れで来て。それを明確に目指してきたわけではないけど、やっぱり日本人の趣向としてあって。
クラマーが来てオフトが来てトルシエが来て。
自然な流れと無自覚さと外国人によってそうなってきた。
でもほんとうに?今の我々にとっては?他の可能性は?
自分ではっきり「こう生きて行きたいんだ」と決めたわけじゃない。
なんとなくそうなって、外国のセンセイ達もそれを勧めて進めてくれて。
諸外国、強い国は長い歴史の中で自然にコンセンサスも生まれたのでしょう。
よその強い国とぶつかり合いもまれる中で。
日本は、そういう歴史がない。だから、まだ「なんとなく」しかない。
だから、「日本はこういうサッカーを目指しているんだから、こういう人を監督にしよう」というようにはならない。
それは単に協会が愚かだったからばかりではないでしょう。
トルシエ時代から続く今のホットな議論、ワールドカップに出て、3連敗して、自国開催して決勝トーナメント出て、選手が先進国に渡って。
毛が生え揃ってきたんじゃないですかねえ。
ぼくはそろそろ良い時期、良い機会だと思うのですが。

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