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パラグアイ戦 glider 03/6/12(木) 7:16

   Re:パラグアイ戦 glider 03/6/13(金) 4:35
   Re:パラグアイ戦 司馬 03/6/13(金) 23:43
   Re:パラグアイ戦 glider 03/6/14(土) 22:14
   Re:パラグアイ戦 司馬 03/6/15(日) 20:33
   Re:パラグアイ戦 glider 03/6/16(月) 18:26

Re:パラグアイ戦
 glider  - 03/6/13(金) 4:35 -

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   ▼raamさん:

>こんにちは、初めて投稿します。いつもご意見読ませてもらってます。

ありがとうございます、いらっしゃいませ。

>具体的戦術なき戦術は、選手間のコンビネーションや感じ方を摺り合わせないとうまく機能しないだろうし、そういう技術やセンスを持った選手もそう多くないでしょう。

普遍的な「サッカー原語」(FJC&R参照)で繋ぎ、形式知化している個人戦術と少数のグループ戦術を基にしてサッカーをする。
日本の選手は、こういった部分が不足していると思うのです。
海外の一流選手が、急ごしらえのオールスター・チーム等でもある程度チームの形ができてしまうのは、そうした基礎がしっかりとあるからでしょう。
そうした部分の補完なくしては、もうあれ以上先には進めない、とぼくはワールドカップの日本代表を見ていて実感しました。
代表チームでやるべきことか、という論点はあるにせよ、いずれにしても克服しなくては進歩はない。

日本は自国開催のワールドカップのために、特別な強化をし、個々の力が劣っていても勝利できるように特別な戦術訓練をしてベスト16になりました。
しかしそれ以上先へ進むためには特別な戦術は一度忘れて、もう一度、自分達本来の力を確認し、不足している部分を鍛えなくてはならない。
日本代表だけが日本のサッカーではないのですし、海外へ出て強豪国の一流たちと戦って行ける本当の地力をつけなくてはならない。

例えばこんなことです。

「日本チャンピオン」のボクサーは、東洋太平洋4位でした。世界ランクは40位くらいです。
しかし、スポンサーの意向によって彼は一桁世界ランカーと連続で対戦することになりました。
そこでマネージャーは彼に世界レベルのトレーナーをつけます。
トレーナーは彼がランキング一桁のボクサーと試合をしても勝つ可能性が出るように、独特で複雑な必殺の「スペシャル・ステップ」を叩き込みました。
彼のパンチ、ブロックではまともにやったら勝てる見込みはないからです。
その必殺ステップで、彼は強豪たちに善戦しました。
しかし、最後の部分で彼のパンチではどうしようもなかったのです。
連戦が終わり、トレーナーは去りました。
彼は、スペシャル・ステップは一度忘れ、もう一度基本にかえってパンチやブロックを鍛え直さねば、と思いました。
そうでなくては世界チャンプにはなれないから。
しばらくは彼は本来のポジションで勝ったり負けたり、もがいていましたが、前とは意識が違いました。
少しづつ、彼のパンチは鋭さを増し、防御はしぶとくなりました。
次の世界への挑戦の時には、再びスペシャル・ステップも練習するつもりです。

>やはりその歩みのスピードに、マスコミもファンも待てないだろうと思います。

いつまで我慢できるでしょうかねえ。
ぼくは来年まではこのままやらせてみたいと思っています。
さらには、その時にはできたら所属のジムも世界標準になって欲しいです。

>そういった長いスパンで物事をとらえるべき人物を、日本が解任や辞任というカタチで失ってしまうのは、非常に思いました。

ジーコもまた、プロフェッショナルです。
彼がどういう将来への展望を持っているのかはわかりませんが、監督としてやってゆくのならそれなりの態度で進んで行くでしょう。

Re:パラグアイ戦
 司馬 WEB  - 03/6/13(金) 23:43 -

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   ▼gliderさん:

初めまして。いつも「う〜ん、なるほど!」と思いながら読ませてもらっています。

素の状態論も大変興味深く読ませてもらっているのですが、いくつか思うところがあるので、ご意見伺えれば幸いです。

>例えばこんなことです。
>
>「日本チャンピオン」のボクサーは、東洋太平洋4位でした。世界ランクは40位くらいです。
>しかし、スポンサーの意向によって彼は一桁世界ランカーと連続で対戦することになりました。
>そこでマネージャーは彼に世界レベルのトレーナーをつけます。
>トレーナーは彼がランキング一桁のボクサーと試合をしても勝つ可能性が出るように、独特で複雑な必殺の「スペシャル・ステップ」を叩き込みました。
>彼のパンチ、ブロックではまともにやったら勝てる見込みはないからです。
>その必殺ステップで、彼は強豪たちに善戦しました。
>しかし、最後の部分で彼のパンチではどうしようもなかったのです。
>連戦が終わり、トレーナーは去りました。
>彼は、スペシャル・ステップは一度忘れ、もう一度基本にかえってパンチやブロックを鍛え直さねば、と思いました。
>そうでなくては世界チャンプにはなれないから。
>しばらくは彼は本来のポジションで勝ったり負けたり、もがいていましたが、前とは意識が違いました。
>少しづつ、彼のパンチは鋭さを増し、防御はしぶとくなりました。
>次の世界への挑戦の時には、再びスペシャル・ステップも練習するつもりです。


まず、一つ疑問なのが、トルシエ氏が教えたのはスペシャル・ステップなのか?ということです。言うまでもなく世界のサッカーはヨーロッパを中心に回っていますが、ラインディフェンス・コンパクトネス・ショートカウンターあたりはヨーロッパでは非常にスタンダードな戦略です。私はトルシエ氏のフラットスリーはスペシャルステップではないと思います。「独特で複雑」ではなく、非常に基本的でスタンダードな策であると思います。
トルシエ氏は積極的なラインディフェンスからコンパクトに保ちなるべく敵陣に近い所から攻撃を始める方法を選択しました。ジーコ氏は曰く「最終ラインは一人余れ。」という全く違った方法を選択しました。つまり方法論の違いではないのかということです。

トルシエ方法をアウトボクサー、ジーコ方法をインファイターだとします。
つまり、いままで外からステップを使って手数で勝負するタイプだったボクサーに新しいコーチがやってきて、「外から勝負するようなマヌケなことをするな!そんなことでは世界16位がせいぜいじゃ!おまえが肉弾戦をマスターすれば世界8位、うまくいけば4位はねらえるぞ!」っと転向をさせたようなものです。勿論、一番いいのは時と場合によってアウトボクシングとインファイトを使い分けることです。どっちも一長一短あるのですから。前任者は「日本人にインファイトは無理だ。徹底して足を使え」といいました。今度のコーチは「足を止めて打ち続けろ」と言います。
この素直なボクサーは確かに最初は得意の足をコーチに封じ込まれ、苦手の肉弾戦を強いられ負け続けることでしょう。しかし、その内肉弾戦のいなし方も覚え、インファイトでもアウトボクシングでもいい戦い方ができるかもしれません。幅が広がれば相手が戦いにくくなるのは間違いないでしょう。

ですが!あくまでそれは戦いの方法論の違いであって、パンチを強くしたり、スピードを速くしたりと言った基礎強化にはつながらないと思います。サンドバッグに打ち込んだり、走りこんだりするのはもっと日常的なことであって、年に数回しか集まらない代表ではすることではないし、できないでしょう。

あくまで想像ですが、ジーコ氏は非常に日本代表の実力を高く評価していると思います。前のワールドカップを見ていて「(ボクシング的に言うと)そんな外から打ってるから判定で負けるんだよ!実力がある(パンチ力・スピード)んだから、もっと中で打ち合ってギッタンギッタンにしてやれ!」と思ってたんじゃないでしょうか?
そして、真正面から相手にすれば日本代表は負けやしないと思って代表監督を引き受けたものの、中々勝てない日々が続き「(実力があるのに勝てないのは)集中力が足りないからだ」と考えました。しかし、それでも内容は悪くなるばかりで少し過大評価してたのかな・・と思い始めているのではないでしょうか?(邪推が過ぎるかもしれませんが)
ジーコ氏にいわゆるインファイトをうまく指導できるのかも疑問ですし、再びアウトボクシングを組み合わせるとも思えないし、とりあえず素を鍛えようなどとジーコ氏は思っていないでしょう。きっと。

そもそも世界40位が世界ベスト10に普遍的に勝つようなスペシャルステップが存在するのでしょうか?そんなものがあれば、世界ベスト10はみんなそれを身につけるでしょう。サッカーの世界におけるスペシャルステップは徹底的に引いてカウンターであるとか敵を徹底的にスカウティングして敵のキープレーヤーを徹底的に潰すというようなことだと思います。そしてトルシエ氏が取り組んだのはむしろ王道的なチームの強化方法だったと思います。


長々と乱文を書き連ね失礼いたしました。主張としてまとめますと「トルシエ氏の導入したのはスペシャルなものではなくスタンダードなものだ。ジーコ氏は異なる方法論を導入しようとしているのであって、素を鍛えようなんて気はなかろう」というものです。
かなり印象批評的ですが、恐縮なんですがご意見いただければ幸いです。

Re:パラグアイ戦
 glider  - 03/6/14(土) 22:14 -

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   ▼司馬さん:

はじめまして、いらっしゃいませ。

>言うまでもなく世界のサッカーはヨーロッパを中心に回っていますが、ラインディフェンス・コンパクトネス・ショートカウンターあたりはヨーロッパでは非常にスタンダードな戦略です。言うまでもなく世界のサッカーはヨーロッパを中心に回っていますが、ラインディフェンス・コンパクトネス・ショートカウンターあたりはヨーロッパでは非常にスタンダードな戦略です。

その通りだと思います。
ヨーロッパのクラブチーム等においてはトルシエ前監督の方法論は、考え方としてはもうスタンダードなものでしょう。
ただし、「考え方としてはもうスタンダードなもののひとつ」とは言えると思いますが、各国リーグを見ても実際としてそれはまだスタンダードというところまでではないと思います。
どちらかと言えばそうでないチームのほうが絶対的に多い。
そして、最終ラインをボールの動きによって極めて厳密に上下動させること、それを完全にチームの約束としたこと、縦横にかなり緻密にコンパクトにしたこと、攻撃でも「コンパクトな攻撃」を標榜したこと、それらのことをあそこまで徹底してやっているチーム、となると、それはやはりスタンダードとは言いがたいと思います。
さらにそれを「代表チーム」ということで見ると、2002年ワールドカップにおいてでいえば日本代表は特殊なチームだった、と言っても過言ではないとぼくは思っています。
それが可能であったのは、「自国開催」のために特別に与えられた4年間という長い強化期間と、集中して取られた強化時間、4年の間に相応の選手が海外クラブへと旅だって行ったとはいえ、ある程度は選手を好きなように召集できたこと(まあJリーグとはモメもしましたが)、ひとりの代表監督が世代間に渡って指導できたこと等。
やはりぼくはあれを「通常時の通常の代表チーム」として考えるのは無理があるように思います。

>トルシエ方法をアウトボクサー、ジーコ方法をインファイターだとします。
>前任者は「日本人にインファイトは無理だ。徹底して足を使え」といいました。今度のコーチは「足を止めて打ち続けろ」と言います。

というのは言い得て妙ですね。
議論点としては

>あくまでそれは戦いの方法論の違いであって、パンチを強くしたり、スピードを速くしたりと言った基礎強化にはつながらないと思います。サンドバッグに打ち込んだり、走りこんだりするのはもっと日常的なことであって、年に数回しか集まらない代表ではすることではないし、できないでしょう。

という部分になるでしょうか。
ぼくはこう考えています。
ジーコの方法論は、代表チームとしてはいまだとてもオーソドックスなものである、と。
ブラジル式4ー4ー2ということはあるにせよ、欧州の先端では「コンパクトネス」「フラットライン」「組織的プレッシング」が当たり前になってきていようと、彼が言っていることは「サッカーの基本」であり、代表チームのサッカーということで言えば、召集時間の問題やら試合数の問題やらそのプライオリティの問題やらで、それを大きなチームの根幹としてやらざるを得ないのは「普通のこと」です。
そういう意味では、ジーコの方法論は別に「インファイト」に特化しているわけではありません。
だから、選手達の実力の総和としてのものが相応に出るだけです。

ぼくが言いたいことのひとつは、そうしたことで得られること、つまり奇しくもアルゼンチン戦後の中田浩二が言ったように「裸でやったら、ほんとに通用しないんだな、って実感した」ということを、もう一度ここで噛み締める必要がある、ということです。
選手達だけでなく「日本サッカー全体」として。
こうした実感は、海外リーグでやっている連中は別としても、多くの日本人選手(それも代表レベルの選手でも)は国際試合でしか得られない。
他の多くの代表チームが、仮にやろうと思ってもなかなかできないくらいの組織的サッカーとその完成度を武器にして、それで戦えてしまえばやはり見誤りがちになってしまう。
その中で各々に課題は見つけられても、本当の危機意識を持つまでにはなかなか至らない。
勘違いしてた、とまでは言いませんが。

もうひとつは、ジーコのやり方では攻守両面で「個人戦術」と「少数のグループ戦術」が大事になってきます。
「オートマティスム」によって、つまり「スペースへの即時的侵入とそれに伴う半自動的カバーリングの約束」や「細かな全体の動きの約束」によって、ある程度まで守れ、攻撃できてしまうことはもうなくなり、個人の技術(フィジカルの技術、コンタクトの技術も含め)と戦術眼、個々の個々による結びつきと局面でのグループ戦術、判断力、そうしたことを中心に打開しなくてはならなくなっています。
国際試合のレベルでのそうした経験、その積み重ねは、自ずから個々とグループの主体的努力を要請する。
ワールドカップにおいて、そうした点の欠如が露になった限りにおいて、今の段階が無意味であるとはとうてい思えません。
それはジーコがどう考えていようと。

>そもそも世界40位が世界ベスト10に普遍的に勝つようなスペシャルステップが存在するのでしょうか?そんなものがあれば、世界ベスト10はみんなそれを身につけるでしょう。

強豪のクラブチームであっても、なかなか到達し得ない組織的完成度を持つに至れば当然可能なことでしょう。
世界ベスト10は、みんなそれを身に付けようとは考えません。
それはそれが「代表チーム」であることを考えれば、当然の帰結でしょう。
どこの国の監督でもうらやましがるような強化時間と費用をかけ、かつエゴを出さずに一生懸命に取り組む何十人もの選手に恵まれる、というような状況は、それほど得られるものではないからです。
だから日本は決勝トーナメントに進んだのでしょう。
それでも日本が世界のベスト20(10ではなく)に「普遍的に勝つ」までには至らなかった。
あきらかに足りない部分があった。
そのために今の状態は必要な段階だろう、と思うのです。
もちろん、ジーコがそう考えてやっているとは思っていません。
でも結果的に、で全然かまいません。
そして本番が近くなれば、また総力をあげて臨まねばならないのも当然でしょう。

「裸でやったら、ほんとに通用しないんだな、って実感した」
そういう選手を率いてワールドカップで決勝トーナメントに進むのは、並大抵ではできません。
それはやっぱり「スペシャルなこと」だったと思います。
本当に「世界の強豪と肩を並べるようになる」ためには、個々で通用するようになるしかありません。
そのために今はもう一度、足下をしっかり確認するべき時期だと思うのです。

普通であれば、ある程度成果を残した方法論を引き継ぎ、そこからの上積みとしての強化を考えるのが当然でしょう。
しかし、日本の場合「ワールドカップ・ベスト16」はやはり少々の背伸びなしでは得られない結果だった。
背伸びしたままさらに背伸びを計るのが健全なことだとは思えません。
多少の犠牲を払ってでも、ここらでもう一度地に足をつけて立脚点を確認し、これからの指針を考えるのは、ぜひとも必要なことであると思います。

Re:パラグアイ戦
 司馬 WEB  - 03/6/15(日) 20:33 -

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   ▼gliderさん:

ご丁寧なレスありがとうございます。gliderさんの意見に「なるほど!」とか「よく考えておられるなぁ」と感心することしきりでした。
普段おっしゃられる「素の状態」論などもさらによくわかりました。
その上でレスさしてもらいたいと思います。

gliderさんがおっしゃることを僕なりに読み解くと日本代表のあり方ということをよく考えておいでのように思います。
昔のことですが、僕があるサッカー雑誌を見ていたらこんな記事がありました。あるJリーグ所属の外国人サッカー選手(だれだか忘れましたが)へのインタビューでしたが、「日本人選手は野球ならあんなに細かく約束事をきめて緻密な野球をするのに、サッカーではまるで決め事がない。」というものです。

サッカーにも各国に「文化」があります。それぞれの国で「らしさ」というものがあり、リズム感のあるブラジル、アスリートとして優秀なアメリカ、移民文化とシステマティックなやり方のオランダ、感情表現の激しい韓国など国によって「サッカー文化」が根付いています。
翻って日本を見てみると、まだまだサッカーが文化として根付いていないこともあり、明確な「日本色」はないように思いますし、今はそのコンセンサスを模索しているところだと思います。僕は日本という国の特徴として、さまざまな産業や文化・歴史、そういったものを見ても緻密で繊細であるという特徴があると思います。
野球はその特徴がよく現れて「日本人らしさ」というのが日本の野球からはよく染み出しているように思われます。
僕は日本人らしいサッカーとは、野球と同様にある種細かい約束事をたくさん作って、戦術を第一にチームを組み立てることだと思いますし、それが日本人の得意とするところだと思います。
野球に例えるならば、ノーアウト1塁では送りバント。一塁にランナーがいるときは引っ張りを意識する。ノースリーからは振らない。ワンアウト三塁ではボールの下を叩いて外野フライを狙う。などなど。
例えばブラジル人やアフリカンに野球を教えるとしたらきっと「俺はそんな引っ張りを意識したり、ボールの下を叩いたりするんじゃ力が出ないし、結果もよくないんだよ!」って言われそうな気がします。
日本人はそういう細かいことをしながらも本領を出せる民族だと思います。

つまり、日本人は戦術を「縛り自由を奪うもの」ではなく「勝利への近道」として消化できる可能性のある世界でも稀な種族なのではないかと思うのです。

日本の野球でも近鉄のように「いてまえ」打線で行け行けどんどんの文化を持つ球団があります。一時期戦術的に細かい監督が近鉄の指揮をとったときは、個々が考えることに力を取られて実力を発揮できず、当然のように結果がでませんでした。やっぱり近鉄は「いてまえ」でいいのです。ですが、いてまえで優勝したからといって日本全体がいてまえ野球にはなりません。やはり日本人らしい野球が全体のコンセンサスになっています。

サッカーも同様にこと日本人において「個」と「戦術」は互いに助け合うものです。
gliderさんの意見は要約すると
「クラブトルシエとして活動することが可能であったこの四年間は自国開催という特殊な状況であった」
「しかし特殊強化をした後でも足りないものがあった」
「特殊ではない素にもどるのはさらなる日本サッカーの発展のためにには不可欠」
ということだと思います。

僕の意見とgliderさんの意見の違うところは生き詰まりが見えた今回のW杯を捕らえてどう発展させていくかというところでしょう。一番最初に述べたように日本サッカー界にはこれまで全体のコンセンサス(野球で言えばここは送りバントやろ!みたいなこういう時はこうするという決まり事)がなかったように思います。
トルシエはそれをある程度植え付けましたが、僕はまだまだ徹底が足りなかったのではないかと思います。日本人にはもっともっと戦術的に、システマティックに教え込み、こういうときはこうするというものを全体の認識として植えつけるべきと思います。
つまり、代表チームの決め事を代表チームだけのものとするのではなく、日本のサッカー関係者全体のコンセンサスとして普及していくことが強化への道だと考えます。
今の日本サッカーに足りないのはさらなる戦術的技量と共通認識だと思うのです。

>しかし、日本の場合「ワールドカップ・ベスト16」はやはり少々の背伸びなしでは得られない結果だった。背伸びしたままさらに背伸びを計るのが健全なことだとは思えません。

というgliderさんの意見に対し、「日本の戦術的技量は決して背伸びではなかった。まだまだ戦術的に伸ばす余地もあるし、それを日本全体に広げることで日本人らしいサッカーが確立でき、強豪国の仲間入りができるのではないか」「個々で勝負を挑んでは日本人の特性に合わない。集団での戦い方をもっともっと磨くべき」というのが私の意見なのです。

それゆえ、日本代表監督には戦術で勝負できる監督が欲しかったのです。


以上が僕の意見です。野球をたとえに語らせてもらいましたが、もちろん野球とサッカーは全く違うスポーツであり、野球の成功体験(成功とはその国らしい特徴を確立できたという意味です)がサッカーにもあてはまるとは必ずしも言えませんが、参考になる部分は多いと思われます。
gliderさんの意見も大変興味深く、いろいろと考えさせられるところも多々ありました。またレスいただければ幸いです。それでは。

Re:パラグアイ戦
 glider  - 03/6/16(月) 18:26 -

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   ▼司馬さん:

どうも。

>つまり、日本人は戦術を「縛り自由を奪うもの」ではなく「勝利への近道」として消化できる可能性のある世界でも稀な種族なのではないかと思うのです。

戦術を「縛り自由を奪うもの」と捉えるのは、戦術というものへの理解が浅いせいだとぼくは思っています。
「オートマティスム」というものをひとつ取ってみても、それを「スペースへの即時的侵入とそこでのカバーリングを半自動的に行えるように習慣づけることにより、連携を取りやすくし、ボールホルダーをより『自由』にすることを目的としたもの」と理解していないと、「動きを制限し、個人の自由を奪い、チームへの犠牲を強いるもの」と捉えてしまう。
つまり、
>サッカーも同様にこと日本人において「個」と「戦術」は互いに助け合うものです。
というのは、別に日本に限ったことではないのです。


>「日本の戦術的技量は決して背伸びではなかった。まだまだ戦術的に伸ばす余地もあるし、それを日本全体に広げることで日本人らしいサッカーが確立でき、強豪国の仲間入りができるのではないか」「個々で勝負を挑んでは日本人の特性に合わない。集団での戦い方をもっともっと磨くべき」というのが私の意見なのです。

>それゆえ、日本代表監督には戦術で勝負できる監督が欲しかったのです。

それはそれで、ある程度「強い日本代表」が得られるでしょう。
しかしそれでは「日本代表の選手」が、翻っては「日本人の選手」が「強豪国の仲間入り」できるわけではない。
日本という国の立地条件もあって、海外のサッカー、一流の選手達と直にサッカーできるのは、海外クラブに出た選手以外は、ほぼ「日本代表」のみですね。
Jリーグのクラブも海外のクラブチームと親善試合を行ってはいますが、とても少ない。
そうした意味で、日本代表は「窓口」でもあるのです。
いつまでも「日本代表は強くなった。で、日本人を採用してみた。でも個としては全然通用しなかった」では仕方ないでしょう。

日本代表の本質的な強化。
それを望みます。

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