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> コンディション劣悪のパラグアイに何が出来たから、そしてそのパラグアイに完敗したユーゴに何が出来たからといって意味があるとは思えない
もうひとつ、言っておきたいのは今回のパラグアイはそこそこ力のあるチームだったと言うこと。
フル代表の完全なレギュラーは、チラベル、カニサ、エンシーソの3人くらいだけど、
他の選手もほぼ代表グループの常連であり、中でもガビラン、クエバスは期待の新星。
フェレイラは、リベルタドーレス杯でも活躍したセロポルテーニョの文句なしの司令塔。
ガビラン、カセレスはわざわざヨーロッパから呼ばれた選手。
南米予選を戦うチームと同じ戦術をきちんと消化し、マルカリアン監督は「スピードではこっちのチームの方が上」
と自信をみせるチーム。パラグアイは、アジャラ、ベニテス、アクーニャらの後に続く世代の
強化を重要課題にして取り組んでもいて、そういう意味でも「期待のチーム」でした。
そして、サイドを使ったカウンターアタックが得意なパラグアイの左サイドのカニサは
南米予選のチームの左サイドのプレイヤー。
それでも、このパラグアイが「本気のパラグアイ」であるわけではない。
それほどコンディションが劣悪だったとも思わないけれど、
やっぱりアウェーの、テストマッチでの戦いなわけです、当然。
W杯の予選と同じように準備もして戦ってくるわけじゃない。
そしてそれは、日本もやっぱり同じですね。
日本代表もまた、テストマッチ(大会だけど)として、個人でもチームでも課題を持って取り組み、
そのテーマに沿って、試合をしているのです。
そういう所を予想し、観察し、発見し、やろうとしていることと現在の段階のギャップを見て、
試合後の選手のコメント等と照らし合わせ、チームの状態や先々を推察するのも楽しみのひとつです。
「何ができたか、できなかったか」は、そういう面からみるべきものであり、
むろん相手の状態次第ということはつきものですが、まずは相手がどうであれ、
チームとしてはどうであったか、どういう段階なのか、が重要。
そういう意味では、日本代表はまだ先のあるチームだ、ということがわかったキリンカップでした。
そして、その自覚もあるチーム。当たり方ひとつ取ってもサンドニの時とはえらく違う。
本人達はマスコミが言うように「できあがった」なんてこれっぽっちも思っちゃいない。
ユーゴは、けっこうヒドかったけど、それでもあの「ユーゴ代表」を途中から完全に
「動くコーン」のようにして自分達の練習をする日本代表を逞しいな、と思いました。
余計な楽観視も悲観視も無用、とぼくは思うし、指摘すべき所はし、できていることは認めて
応援して行くのが良いと思います。時には「いいぞ!」ということも必要。
課題を持って「自分達の練習」をした代表を、ぼくは誉めたい。
いたずらに勝敗ばかりに左右されず、そういうことはどんどんやって欲しいから。
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