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さーて、どうやってレスを付けたら良いものやら(笑)。
ええと、色んな部分で補足、加筆訂正が必要ですね。僕の主張が何か今一つ伝わっていず、その理由を考えるに、自分の中での起承転結、その「起」と「結」の間が今一つ不明瞭かな、という気ががします。こりゃー、youkooさんにも謝罪しなきゃいけないかもなー。まず、このくだり。
>>しかし、フランスにズタズタにされた試合以後、トルシエは考えを改めた。前線からのプレスが機能しない場合、F3はそもそもフラットになれない。後方から精度の高いパスを供給され続ける相手に対しては当然ながらフラットには出来ず、裏へのスペースをケアしてブレイクせざるを得ない。要するに「ラインブレイクする」頻度が多くなる、もしくは「CBがサイドに張り出して対応しディレイ、同一アウトサイドもしくはボランチのフォローを待ち、中をCB二枚と逆アウトサイドで組む(この3人でフラットラインを形成する場合もある)」ことが多くなる。
>ここはぼくはまったく違う感想を持っています。
>まず、フランス戦以降に「負への早めのラインブレイクが増えた」ことはまったくない。
逆に、オフサイドトラップを多用するようになっています。
僕も同様の感想を持っています(笑)。つーかですね、僕の挙げたシチュエーションは上記に書いた通り「後方から精度の高いパスを供給され続ける相手に対して」なのですね。例えばフランス、例えば強いときのブラジル、アルゼンチン。技術的問題あるいは布陣の問題として前線からのプレスが効率的に掛からず「高い位置、良い位置でのボール奪取そのものが不可能・望み薄、となった場合日本はどういう布陣を組むべきか」というテーマからこの文章は出発しているつもりだったんです。どうも、「コンフェデ杯・キリン杯を経てどういう感想を持ったか」という文脈で捉えられかねない書き方ですね。申し訳ありません。
で、僕は「そういう場合5バック気味にして中央にF3を残す」とかそういった守り方では明らかに「駄目だ」という感想をもっているのですね。というのは、確かにこの守り方ならある程度は守れる。サイドでディレイを掛けパスコース限定、F3がフラットになることにより裏へのボールをオフサイドに追いやり、中央ボランチ或いは3バックスいずれかがパスカットをしやすくするディフェンス。同時に、ガツガツドリブルでサイド突破を試みてくるチームに対しても、サイドハーフとボランチ或いは3バックがサイドに張り出して守る、と。スペースをケアしながら同時に人に対してもプレッシャーを掛けられる、なかなか高度なディフェンスだと思いましたね。
でも、この守り方をした試合で日本は得点出来たでしょうか?スペイン戦、コンフェデ杯ブラジル戦、フランス戦。得点はおろか、決定的なチャンスすら殆どゼロだったのではないでしょうか。
もちろん大敗したフランス戦から僅か3ヶ月と少ししか経ってませんし、チームも選手も劇的に変わるなんてオカルティックなことは望みません。が、結局日本は今の配置のままでは「守れるけど攻められない」状態は変わらず、ということでしょう。守れるけど攻められない、それは即ち攻撃がシュートで終わらない、ターンオーバーの繰り返しで守備の機会が長くなる、消耗の度合いが烈しくなる、やがて集中力が切れ失点、その失点を返せずにゲームオーバー…そんな予定調和に陥るものだと考えます。
で、そこから僕のアレックス、両サイド「縦系」待望論に繋がる訳です。今後のため、gliderさんに是非とも共通理解を求めさせて戴きたいのですが、僕はgliderさんのおっしゃるような「状況に応じて色々出来なくてはならない」ことは「勿論」承知です。「縦系」だからといって「縦突破ばかりやっている」と捉えることは勿論していないです。今後、その手のご心配は無用です(笑)。
アレックスほど個人技術に長けた選手なら、「5バックになって守っている」トルシエの組織に容易にアジャストできると考えています。彼の持ち味は、縦へのスピード・緩急あるドリブルワーク、ターンの切れ、インサイドへの切れ込み、振りの早くおそらくは筋力的にも強さがあると思われるキックからの、ハイスピードボールでのサイドチェンジ、左サイドを縦突破して、相手マーカーから遠い方の足で蹴る精度の高いクロスボール。特に彼のサイドチェンジは小野ほど正確かどうかは判りませんが、「逆サイドのスペース目掛けて蹴って波戸を走らせる」ためには十分と考えます。
そして、「縦への動きを得意とし、縦へ抜け出すことの『多い』」アレックスがサイドを務めるとなれば、彼が「単独で」深い位置まで持ち込んでクロスを上げたりするシーンは、小野が務めている現在のチーム、俊輔が務めていた3月までのチームに比べ格段に増えるものと思います。それは、彼の持ち味を活かそうと思えば、「小野よりも」ポジショニングは恒常的にサイドに張り気味になり、ボランチとの連携で「外側から」崩していくシーンが増えるからと。小野のように森島や稲本に預けて「中へ」切れ込んでいくよりはむしろそちらの方が多いでしょう。中に切れ込むことを「やらない」訳では勿論ないですが。
で、そうなると、彼が小野以上に高い位置、否、「3バックよりも遠い位置」でプレーする機会はかなり多いと思うんですよね。
>上村や秋田の召集は、やはり中沢と同じ文脈で考えているのだろうと思いますね。
>秋田に関しては、何よりも「ベテラン」としてチームに与える効果がいかほどか、ということがあり、(そのことが「もう一回グループの中」という言葉にもなっているとも思う)一石二鳥としての信頼に足るDFのバックアップ探し、という意味合いでしょう。
>上村、秋田、宮本と呼び、「探している」ことには違いないだろうと思いますが、考えを改めたとは思えない。ぼくは、先にも書いたことから、中沢はともかく上村、秋田では、スピードが足りないと思うし、中盤でプレスがかかりきらない場合には、逆にバックが正のラインブレイクをして出所にファーストプレッシャーをかけ、SHやDH等が後ろや外をカバーするようなこともやらないと(コンフェデ杯以降では、森岡と戸田、中田浩二と小野などの間でそういうプレーも見られはじめてはいるが)相手にとっては楽で、守備組織全体のスピードとしてもこちらは遅れがちになり、後手になり、攻撃への切り替えも難しく、コンパクト・フィールドを作るのも困難になり、自分の首を自分で絞めることになる、と思うので反対です。
この部分に対して一気にレスです。
ベテランの効果はともかくとして、「バックアップ」には異論アリですね。バックアップ探し、なんてとうに終わっているものではないでしょうか。トルシエは何年日本の監督をしているか。3年ですよ?3年あって、日本に居る有力選手達の実力のすべてを把握しきれていないなんてちょっと考えられない。「門は10%開かれている」とトルシエは言いますが、それは「まだ未招集の、主に若い選手たち」、藤本・広山・服部公太あたりに向けられたもので、「3年近く干していた」「自分の現役の頃のような古いタイプのDF」にはあまり関係ないのでは。
トルシエのコメントを額面通り受け取るなら「彼が今のチームでもう一度やれるかどうか見たい」ということですが、僕はそれを「迷っているのだ」と受け取れるとも考えます。それは、CB単体として「強さ」の評価をする場合、松田・森岡・中田浩二らと秋田とは「比較にならない」からです。文字通り秋田が「大幅に上」だということだし、そもそも「DFとして持つスキルの種類が違う」、と。
端的に言えば、僕は「秋田がトルシエの組織に、トルシエの要求通りの形でアジャストするなんて考えられない」んですね。秋田が「後方から精度の高いフィードを放ち、狙い、機を見てサイドを駆け上がる」シーンなんて想像を絶します(笑)。が、彼が「フラットラインの一角を担い、早めの『正の』ラインブレイク(負のラインブレイクはなるべくならやりたくない、ご指摘の通り彼にはスピードが足りない)から相手ボールホルダーに的確なディレイを掛けること」は十分に考えられるんです。秋田は、そのあたりのディフェンススキルは森岡より遥かに上です。加えて、彼には今のチームの選手には殆どない「W杯でプレーした経験」がある。
つまり、こと秋田に関しての招集は、例えば宮本、例えば中澤、例えば上村といった選手とは実はまったく趣きを異にするのでは、とすら思うんですよね。誰と同じ文脈でも捉えられない。どなたかが「ディフェンスのスーパーサブ」なんて言い方をされてましたが、一理あるかも知れません。
まあ、今後の動向に注目しますが…
>ボールを持たない選手の裏のスペースへの走り込みに対してマーカーをつけるのならば、
フィジカル系の選手よりもスピード系でしょうから。
そうでしょうね。イメージとして、秋田が右CBの位置で早めの「正の」ラインブレイクからサイドに張り出した場合、アレックスが一時的に左CBの位置を担当することもあるでしょう。逆もまた然り。
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