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>>フランスやスペインのような国々との対戦では、3ボランチでサイドのサポートを厚くせざるを得ない
>これも反対意見を述べざるを得ない。
>フランス戦でもスペイン戦でも、名波にしても伊東にしても与えられていた役割はまったく別です。彼等はサイドの守備をサポートする「DH=ボランチ」として起用されたのではなく、
広い活動範囲を持って中盤での守備もでき、攻撃に切り替わる時には低い位置からでも
組み立てられ、その視野で長いパスも出せ(伊東?)、効率よく攻守に働ける「バランスのとれた」MFとして起用されただけです。そういうケースにトルシエが出した結論は、「3ボランチ」でサイドに厚いサポート体勢を築くことではなく、サイドに強さと守備技術のある選手を配すること、守備に広い選手をひとり置く(戸田)こと、だったようです。
反論に反論です(笑)。2トップでなかった理由とは何の関連性も無いように思います。「前を削って」3ボランチで中盤を厚くする理由は「相手の中盤構築およびサイド攻撃に対処するため」であり、それ以上でも以下でもないでしょう。名波の動き、伊東の動き、戸田の役割は承知ですが、「1トップ3ボランチ」が「2トップ2ボランチ」より「攻撃的に行くための布陣」であるとはとても考えられない。明らかに「まず守備、具体的には中盤での組織によるディレイありき」の布陣と考えます。トルシエは「前からプレスを掛けに行っても奪えないから中盤で」と考えたのでは。もっとも、僕はちっとも守り切れそうには思えませんでしたがね。
とまれ、フランスやスペインなど強力なサイドアタッカーや中盤を持つチームに対し、「小野や中村を起用する場合に」3ボランチにするのは、「まず人数を掛けてボール奪取した後」近い位置から伊東、森島、稲本らが素早くサポートに入り、中距離からのパス交換やクロスランからのスイッチを経て「高い位置に押し出してやる」ことを目的にしたものであると考えます。
>>今迄の「右アウトサイドに『横 』にズレるDH系の選手を置く」やり方を覆し、『縦』への波戸を右に置いたのは、広山などの縦系を同サイドに置きやすくするのみならず、左サイドにもアレックスや本山といった「縦」系を置き、最終的に両サイドを「縦」に動く突破系にしたい、少なくとも「そういったオプションを持ちたい」という意図があるのではないか?と推測する。
>羽戸の起用に関しては、上で述べました。彼は「縦の突破」を一番に期待されて起用されているのではないだろうと。明神にしてもその意図に大差はない。
彼もまた4人目のDFになりうる能力と、プラス戸田がいなかったこれまででは(例えば名波と稲本の時など)右サイドに配されていても窮地に際しては中盤の底でファーストプレッシャーを掛けてまわれる能力などを買われてのこと。
承知ですよ、勿論。ただ、その優先順位は、ぼくはgliderさんとは逆に考えています。波戸の縦突破は「裏のスペースで受けても」「ボールを持った状態」でも可能です。でも、明神は?彼には「ボールを持った状態での」スピードも、ドリブルで仕掛ける能力も無い。
右サイドからの「攻撃」へのてこ入れをするには、波戸は最適のキャラクターだった。明神と「同じ役割」を期待されているというのなら、スペイン戦以後明神が完全にポジションを奪われているのはおかしなことです。波戸が「明神にないもの、縦へ持ち上がる能力」を持ち、且つ「明神に期待されていた能力を遜色なく持っている」ということの証左ではないでしょうか。
>思うに、「縦系」の選手ってどういう選手でしょう?
縦への突破が持ち味の、縦に抜け出すことの多い選手。小野が縦系の選手ではないように、アレックスは「横系」ではない。彼ら二人が同じプレーが出来る訳ではないですから、そういった分類を一概に無意味とすることには反対です。ぼくは「便宜上そう分類したら判りやすい」から「縦横」のタームを使っているに過ぎず、
>羽戸にしても、「縦の突破」ばかりでは、すぐに読まれる。手詰まりになる。
J2じゃあるまいし、そんなことはわかりきったことです。
中と有効に絡みながら、臨機応変に攻撃方法を選択していかなければ、縦にえぐったって
まるきりの無駄です。縦に突破してセンタリング上げるだけなら、適当に相手して遅らせといて中へ入ってくる方をきちんと捉まえておきゃいい。
これから対戦する強豪相手に空中戦で日本が優位にたてるともあまり思えないし。
フローとか、mitsuさんとか(笑)、2mの選手がいるわけじゃないですからね。
そうではなく、そこからさらに入りこんできたり、ドリブルして外から抉ってきたり、パスを使って崩してきたりもするから脅威になるのであって、「縦の突破」だけで仕舞いなら、しかも個人の走力だけに寄るものならなおさら、気をつけるべきはカウンターの場合だけになります。
当然です。例の「当たり前」というターム、使いましょうか(笑)。ぼくはそんな「プロレタリアート」は嫌いですし、もう流行らないでしょう。
>ピレスにしろデュガリーにしろ、ぼくは「縦系」のサイドのスペシャリストとは思わない。
彼等は「FW」です。縦系とかパサーとか、そういう分類に意味があるとは思えない。
「受け手」「出し手」も同じ。その時々で両方になれなくては半人前。
そう。故に小野は「半人前」です。スピードを伴った単独突破が出来ないから。それはアレックスも同様で、「効果的な中盤参加が小野に比べると出来ていない」から。ただ、「低い位置でボールを奪い、前線へのサポートが十分でない場合に速攻を仕掛ける、仕掛けざるを得ないシチュエーション」に当て嵌めると、僕はアレックスを起用する方がよりチャンスに繋がると考えます。
>足が速いのも、ドリブルが上手なのも、良いパスを持っているのも武器のひとつであって、
どこのポジションだろうとどちらにかに優位性があるわけではないと思う。
チームとしてそれを生かせる時に生かせれば良い。うまく役割分担して工夫すれば良いこと。
上記してきた通り、僕はgliderさんのこのご意見とはまったく違う立場ですね。「プレーする位置」が「低いことが多くなる」のなら、足が速く縦への推進力を持っている選手の方が、「極上のパスセンスを持ちながら縦へのスピードに欠け、スピードある個人突破が出来ない選手」よりも有用であろう、という考えです。
>ちなみに本山は「縦系」ではありません、全然。センタリングの精度にあまり自信がない彼はどちらかと言えば中へ入ってくる方が多いし、ペナルティエリアの前では人を使うことも多い。
彼は僕の中でも「全方位型」です。各試合トピにgliderさん宛てのレスを返しましたが(サイドアタッカーの話のときですね)、その時に明記したと思います。
>次に、同じくユーゴ戦の前半13分。
敵陣内サイドライン際で稲本からのパスを受けた小野は、ダイレクトで自分の前方へ。
走り込んだ柳沢はこれまたダイレクトでゴールラインからセンタリング。
中には3対2で鈴木と森島がいましたが、ボールはキーパーがキャッチ。
例えば、この時小野が三浦で、ダイレクトパスではなく縦へのドリブル突破をしかけていたら?
柳沢はゴール前にいたかもしれません。でも相手のDFも、あと2人くらいいたでしょう。
サイド攻撃は速くなくては効果はうすれる。そして人がドリブルするよりもボールが走る方が断然速い。突破に時間をかけて中の人数を揃えられてしまうくらいなら、早めにクロスを入れた方がマシ。駆け上がるスピードに目が行きがちだけど、ぼくはそれよりもキックの精度の方が重要度が高いとも思う。
それは別に小野と「縦系」の比較というよりは「判断ミスをしたか否か」でしょう。別に「縦系一般」がそういったシーンですべからくドリブル突破を挑む訳ではない。「インテリジェンスに欠ける選手一般」がそういった判断ミスをするものと思います。ゆえに、そのシーンで縦系より小野の方が良い、といった結論を導き出すことはやはり出来ないですね、僕は。
さらに、人が走るよりボールが走る方が速いのはそのとおりですが、「ボールが走っていく先に人が居ない、少ない」状況が頻繁に起こるのであれば、人がボールと共に走らざるを得ないことだってあります。
>それと、現在の配置構成では、例えば左サイドにアレックスを置くのは難しいと思います。
それをやるなら、例え森島でなく中田を選択するにせよ「最低2枚のDH」は置けないし
(そもそも稲本はDHとは言えないが)アレックスが名波や小野のような構成力を身につけないかぎりは、やはりオプショナルな起用ということになるでしょう。
アレックス 中田英 波戸
戸田 明神
で十分可能ではないでしょうか?名波―戸田が可能なら尚嬉しいのですが。
つ、疲れた…(笑)。とりあえず、こんなところです。
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