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秋田召集について・・・「個人的」? glider 01/7/3(火) 15:49

   遅レスのうえ長いです(笑)、すいません(2) kind 01/7/10(火) 17:13
   Re(1):遅レスのうえ長いです(笑)、すいません(2) glider 01/7/11(水) 5:10
   サイドアタッカーとフォーメーション(1) glider 01/7/12(木) 1:29
   サイドアタッカーとフォーメーション(2) glider 01/7/12(木) 1:30
   Re(1):サイドアタッカーとフォーメーション(2) glider 01/7/12(木) 1:45
   サイドアタッカー:追加(オートマティスム) glider 01/7/13(金) 2:50

遅レスのうえ長いです(笑)、すいません(2)
 kind E-MAIL  - 01/7/10(火) 17:13 -

引用なし
パスワード
   >>フランスやスペインのような国々との対戦では、3ボランチでサイドのサポートを厚くせざるを得ない

>これも反対意見を述べざるを得ない。
>フランス戦でもスペイン戦でも、名波にしても伊東にしても与えられていた役割はまったく別です。彼等はサイドの守備をサポートする「DH=ボランチ」として起用されたのではなく、
広い活動範囲を持って中盤での守備もでき、攻撃に切り替わる時には低い位置からでも
組み立てられ、その視野で長いパスも出せ(伊東?)、効率よく攻守に働ける「バランスのとれた」MFとして起用されただけです。そういうケースにトルシエが出した結論は、「3ボランチ」でサイドに厚いサポート体勢を築くことではなく、サイドに強さと守備技術のある選手を配すること、守備に広い選手をひとり置く(戸田)こと、だったようです。

反論に反論です(笑)。2トップでなかった理由とは何の関連性も無いように思います。「前を削って」3ボランチで中盤を厚くする理由は「相手の中盤構築およびサイド攻撃に対処するため」であり、それ以上でも以下でもないでしょう。名波の動き、伊東の動き、戸田の役割は承知ですが、「1トップ3ボランチ」が「2トップ2ボランチ」より「攻撃的に行くための布陣」であるとはとても考えられない。明らかに「まず守備、具体的には中盤での組織によるディレイありき」の布陣と考えます。トルシエは「前からプレスを掛けに行っても奪えないから中盤で」と考えたのでは。もっとも、僕はちっとも守り切れそうには思えませんでしたがね。

とまれ、フランスやスペインなど強力なサイドアタッカーや中盤を持つチームに対し、「小野や中村を起用する場合に」3ボランチにするのは、「まず人数を掛けてボール奪取した後」近い位置から伊東、森島、稲本らが素早くサポートに入り、中距離からのパス交換やクロスランからのスイッチを経て「高い位置に押し出してやる」ことを目的にしたものであると考えます。

>>今迄の「右アウトサイドに『横 』にズレるDH系の選手を置く」やり方を覆し、『縦』への波戸を右に置いたのは、広山などの縦系を同サイドに置きやすくするのみならず、左サイドにもアレックスや本山といった「縦」系を置き、最終的に両サイドを「縦」に動く突破系にしたい、少なくとも「そういったオプションを持ちたい」という意図があるのではないか?と推測する。

>羽戸の起用に関しては、上で述べました。彼は「縦の突破」を一番に期待されて起用されているのではないだろうと。明神にしてもその意図に大差はない。
彼もまた4人目のDFになりうる能力と、プラス戸田がいなかったこれまででは(例えば名波と稲本の時など)右サイドに配されていても窮地に際しては中盤の底でファーストプレッシャーを掛けてまわれる能力などを買われてのこと。

承知ですよ、勿論。ただ、その優先順位は、ぼくはgliderさんとは逆に考えています。波戸の縦突破は「裏のスペースで受けても」「ボールを持った状態」でも可能です。でも、明神は?彼には「ボールを持った状態での」スピードも、ドリブルで仕掛ける能力も無い。

右サイドからの「攻撃」へのてこ入れをするには、波戸は最適のキャラクターだった。明神と「同じ役割」を期待されているというのなら、スペイン戦以後明神が完全にポジションを奪われているのはおかしなことです。波戸が「明神にないもの、縦へ持ち上がる能力」を持ち、且つ「明神に期待されていた能力を遜色なく持っている」ということの証左ではないでしょうか。

>思うに、「縦系」の選手ってどういう選手でしょう?

縦への突破が持ち味の、縦に抜け出すことの多い選手。小野が縦系の選手ではないように、アレックスは「横系」ではない。彼ら二人が同じプレーが出来る訳ではないですから、そういった分類を一概に無意味とすることには反対です。ぼくは「便宜上そう分類したら判りやすい」から「縦横」のタームを使っているに過ぎず、

>羽戸にしても、「縦の突破」ばかりでは、すぐに読まれる。手詰まりになる。
J2じゃあるまいし、そんなことはわかりきったことです。
中と有効に絡みながら、臨機応変に攻撃方法を選択していかなければ、縦にえぐったって
まるきりの無駄です。縦に突破してセンタリング上げるだけなら、適当に相手して遅らせといて中へ入ってくる方をきちんと捉まえておきゃいい。
これから対戦する強豪相手に空中戦で日本が優位にたてるともあまり思えないし。
フローとか、mitsuさんとか(笑)、2mの選手がいるわけじゃないですからね。
そうではなく、そこからさらに入りこんできたり、ドリブルして外から抉ってきたり、パスを使って崩してきたりもするから脅威になるのであって、「縦の突破」だけで仕舞いなら、しかも個人の走力だけに寄るものならなおさら、気をつけるべきはカウンターの場合だけになります。

当然です。例の「当たり前」というターム、使いましょうか(笑)。ぼくはそんな「プロレタリアート」は嫌いですし、もう流行らないでしょう。

>ピレスにしろデュガリーにしろ、ぼくは「縦系」のサイドのスペシャリストとは思わない。
彼等は「FW」です。縦系とかパサーとか、そういう分類に意味があるとは思えない。
「受け手」「出し手」も同じ。その時々で両方になれなくては半人前。

そう。故に小野は「半人前」です。スピードを伴った単独突破が出来ないから。それはアレックスも同様で、「効果的な中盤参加が小野に比べると出来ていない」から。ただ、「低い位置でボールを奪い、前線へのサポートが十分でない場合に速攻を仕掛ける、仕掛けざるを得ないシチュエーション」に当て嵌めると、僕はアレックスを起用する方がよりチャンスに繋がると考えます。

>足が速いのも、ドリブルが上手なのも、良いパスを持っているのも武器のひとつであって、
どこのポジションだろうとどちらにかに優位性があるわけではないと思う。
チームとしてそれを生かせる時に生かせれば良い。うまく役割分担して工夫すれば良いこと。

上記してきた通り、僕はgliderさんのこのご意見とはまったく違う立場ですね。「プレーする位置」が「低いことが多くなる」のなら、足が速く縦への推進力を持っている選手の方が、「極上のパスセンスを持ちながら縦へのスピードに欠け、スピードある個人突破が出来ない選手」よりも有用であろう、という考えです。

>ちなみに本山は「縦系」ではありません、全然。センタリングの精度にあまり自信がない彼はどちらかと言えば中へ入ってくる方が多いし、ペナルティエリアの前では人を使うことも多い。

彼は僕の中でも「全方位型」です。各試合トピにgliderさん宛てのレスを返しましたが(サイドアタッカーの話のときですね)、その時に明記したと思います。

>次に、同じくユーゴ戦の前半13分。
敵陣内サイドライン際で稲本からのパスを受けた小野は、ダイレクトで自分の前方へ。
走り込んだ柳沢はこれまたダイレクトでゴールラインからセンタリング。
中には3対2で鈴木と森島がいましたが、ボールはキーパーがキャッチ。
例えば、この時小野が三浦で、ダイレクトパスではなく縦へのドリブル突破をしかけていたら?
柳沢はゴール前にいたかもしれません。でも相手のDFも、あと2人くらいいたでしょう。
サイド攻撃は速くなくては効果はうすれる。そして人がドリブルするよりもボールが走る方が断然速い。突破に時間をかけて中の人数を揃えられてしまうくらいなら、早めにクロスを入れた方がマシ。駆け上がるスピードに目が行きがちだけど、ぼくはそれよりもキックの精度の方が重要度が高いとも思う。

それは別に小野と「縦系」の比較というよりは「判断ミスをしたか否か」でしょう。別に「縦系一般」がそういったシーンですべからくドリブル突破を挑む訳ではない。「インテリジェンスに欠ける選手一般」がそういった判断ミスをするものと思います。ゆえに、そのシーンで縦系より小野の方が良い、といった結論を導き出すことはやはり出来ないですね、僕は。

さらに、人が走るよりボールが走る方が速いのはそのとおりですが、「ボールが走っていく先に人が居ない、少ない」状況が頻繁に起こるのであれば、人がボールと共に走らざるを得ないことだってあります。

>それと、現在の配置構成では、例えば左サイドにアレックスを置くのは難しいと思います。
それをやるなら、例え森島でなく中田を選択するにせよ「最低2枚のDH」は置けないし
(そもそも稲本はDHとは言えないが)アレックスが名波や小野のような構成力を身につけないかぎりは、やはりオプショナルな起用ということになるでしょう。

アレックス   中田英     波戸
    
      戸田   明神

で十分可能ではないでしょうか?名波―戸田が可能なら尚嬉しいのですが。


つ、疲れた…(笑)。とりあえず、こんなところです。

Re(1):遅レスのうえ長いです(笑)、すいません(...
 glider E-MAILWEB  - 01/7/11(水) 5:10 -

引用なし
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   >しかし、フランスにズタズタにされた試合以後、トルシエは考えを改めた。前線からのプレスが機能しない場合、F3はそもそもフラットになれない。後方から精度の高いパスを供給され続ける相手に対しては当然ながらフラットには出来ず、裏へのスペースをケアしてブレイクせざるを得ない。要するに「ラインブレイクする」頻度が多くなる、もしくは「CBがサイドに張り出して対応しディレイ、同一アウトサイドもしくはボランチのフォローを待ち、中をCB二枚と逆アウトサイドで組む(この3人でフラットラインを形成する場合もある)」ことが多くなる。

なるほど、上のことは「フランス戦以降、トルシエが修正したこと」ではなく、kindさんの
「高い位置、良い位置でのボール奪取そのものが不可能・望み薄、となった場合日本はどういう布陣を組むべきか」
に関しての御意見だったわけですね?そうすべき、との。
「〜トルシエは考えを改めた」という部分でぼくは勘違いしたようです。

で、このシチュエーション、まだちょっとわからないんですけど・・・
「後方からの精度の高いパス供給」とは、どういったケースを指すのでしょう?
例えば、後方からのロングボール、あるいはアーリークロスのような場合には、
もちろんフラットではいられませんが、それは「ラインブレイク」というよりも、
着地点に相手よりも早く入るというだけのことだろうし、それは今までも変わりませんね。
そうではなく、例えばフランス戦でピレスにサイドを使われ、アンリがラインの間隙を
縫って裏へ抜け出してくるような場合、または後ろから飛び込まれて裏のスペースを
突かれてしまうような場合のことでしょうか?
でも、そのケースと上村、秋田の召集との関連の部分はぼくにはいまいちわかりません。
そうした場合でも、例え早めのブレイクをして裏のスペースを潰す、というような守り方
をするにしても、必要なのは相手FWとパスの合流点の正しい予測に基づく位置取りであり、
ひとりをスイーパー的に余らすにせよ、パサーはスイーパーよりも味方が有利な合流点
を狙ってくるわけですから、フィジカルの強い選手というよりはスピードのある選手、
そしてポジショニングによって「危険地域」を狭くできる選手、でしょう。
その意味でも、川口の起用は正しいと思いますし。

あるいは、CBがサイドに張り出してサイドを抜けてくる選手に対応するような場合のことなのでしょうか?

>「そういう場合5バック気味にして中央にF3を残す」とかそういった守り方では明らかに「駄目だ」という感想をもっているのですね。

それには賛成です。だからこそぼくは、その面では上村や秋田では後退だと思う、と書きました。
中盤で素早く回されてプレスがかかりきらず、サイドの深い位置で起点を作られてしまう
ような場合には、SHが戻ってきながら対応するのでは遅すぎる。
両サイドが最初から引ききっていたのでは攻撃ができない。
だから、左右のバックスには判断とスピードの速い選手を入れ、サイドに出た/出る、
「その時」にプレッシャーがかからなくてはダメだと思うのです。
SHは、あくまでもそのフォローで良いし、場合によってはDHと位置交換し、中へ絞って
守ることも必要でしょう。
最終ラインにだって流動性は必要、中盤との素早い連係が必要、ましてや本番でぶつかる
列強の速いサッカーに対応せんとするならば、ということです。

ただし、今のところトルシエはそういうふうに考えている節はない。
ぼくにしても上で書いたようなことを一朝一夕でできるとは思えないし、スペイン戦では
早晩に守備面での結果が求められたわけだし、それはピッチの上で選手達が作って行く部分にもかかわるし
ということもあるかもしれない。
トルシエは、全然別の方向、ぼくらが思ってるのとはまったく別の方向で考えているように思います。
彼は、戸田にファースト・プレッシャーをかけてまわることを命じています。
これはつまりは「5バック」は、「守りの時間」としての「オプション」だということ。
だから「世界のベスト5相手であっても、中村や本山をサイドに配せられるようになることが今後の課題」
というセリフがでてくる。トルシエは、別に3バックの両サイドの守りの不安(?)に対し、
恒常的に5バックを選択したわけではないのです。
相手がどこであろうと目標はあくまでも中盤支配であるし、中盤での激しいプレスに重点がおかれている。
強豪に対して、90分間それを続けられるということも難しいだろうから、全体的にフォーリング・ダウンして
5バック化して守るような時間帯も必要であろう、ということにすぎないと思う。

今はまだ、相手が強ければそういう時間が長くなってしまう。
そういう中でも抵抗の手段を持たなければならないから、低い位置から攻撃を組み立てられるようにも
しておかなければならない。で、キリンカップではそれも意識した。
攻撃と守りの試合状況の中でのペース配分や切り替えも意識した。
そういう流れの今でしょう。だから、ぼくにはトルシエが外を縦に崩すことの得意な選手を
望んでいるとはまったく思えないし、方向性が違っていると思う。
それはまるで、「低い位置からのカウンターが重要だから、FWには幡戸を」と言うことと大差ないように思えるのです。

>端的に言えば、僕は「秋田がトルシエの組織に、トルシエの要求通りの形でアジャストするなんて考えられない」んですね。
アジャストできなければもう呼ばれないでしょう、単純に。それだけのことだと思います。
一人の選手の能力を優先し、組織のあり方を今さら変えることなど、どんな監督でもやらない。
やるわけがない、と思いますね。それは非現実的で、トルシエの主義にも反する。
そんなことでフランス人は迷わない(笑)
秋田にも10%の門戸は開かれている、ということにすぎないであろうし、「ベテランの効用」
から、ケガの中沢の「代理を兼ねて」呼ばれただけ、と見るのが普通だと思う。
また、ぼくは秋田が単体としての強さにおいて森岡を大幅に上回るということもないと思います。
それといくら押されたにせよ、秋田が「秋田という単体だからこそ」守れるケースが組織で守るケースを大きく
その数において上回るということも考えにくい。そんなことで組織性を犠牲にはできない。
いつでも組織は遵守されねばならない、ということではありません。
組織性のためには、他は犠牲にされても仕方がない、と言っているのでもありません。
システムはあくまでも「利用される時に利用すべきもの」です。
でも、チームとしての「哲学」に矛盾をきたせば、チームは半ば崩壊します。
秋田もまた、「今ならばアジャストしうるかもしれない」と考えられたからこその召集でしょう。

ということから、kindさんの「秋田召集」に関しての特殊性は、論拠が希薄だと思われます(失礼)
想定されておられるケースの数的一般性も。いや、想定自体がまだよくわかってないんですが。
セットプレーやセンタリングに対する高さの優位、という面ではありえるかもしれませんが。

>「1トップ3ボランチ」が「2トップ2ボランチ」より「攻撃的に行くための布陣」であるとはとても考えられない。明らかに「まず守備、具体的には中盤での組織によるディレイありき」の布陣と考えます。トルシエは「前からプレスを掛けに行っても奪えないから中盤で」と考えたのでは。

そうです、「攻撃に行くための布陣」ではありません。
そういったつもりはありません。
目的はあくまでも「中盤での主導権をできるだけ握りたい」からです。
だからといって「前からプレスを掛けに行っても奪えないから中盤で」と考えたわけでもないと思います。
「サイド攻撃に対処するため」でもまったくないと思う。
実際に名波も伊東もサイド攻撃の対処に力をさいてたわけじゃないし。
サンドニでのフランス戦は、最初から守備的に戦おうとしていたわけではありません。
ボールの保持率が得点差ほどに差があったわけではないし、その保持率もただ後ろで回してたから
思ったよりは高い、ってわけでもない。
中盤での主導権争いにガップリと四つで挑もうとし、そこで脆くも破れたことが目論み違いだったわけで
強豪同士の試合に見られるような、火花散る中盤での主導権争いを日本がフランスと
演じることができる、と考えたのが目論み違いだったわけです。
それは今の時点ではまだまだでした、これからできるようにもう一度細部を詰めて、修正しつつ
強度を増し、そしてもっと「ファイト」できるように、再出発します、というのがトルシエの発言の意図であり、
スペイン戦以降の意図であり流れだということだと思います。

それに対してぼくは「はい、それは本を読んでみても試合を見てもよーくわかりました。
あと1年あるし、きっとできるようになると思っているからがんばって下さい。
でも、守備の仕方は他に工夫できる所もあると思うし、できたらそれはやって下さいね。
チームのスピードやクレバーさを、もっともっと高めていって下さいね。期待してます」
という感じなわけです。

サイドアタッカーについては、また別にもう少し書きます。

サイドアタッカーとフォーメーション(1)
 glider E-MAILWEB  - 01/7/12(木) 1:29 -

引用なし
パスワード
   えっと、サイドアタッカーに関してです。

ぼくは、アレックスに特別な期待はしていません。
見てみたくはあるけど、広山を見てみたいのと差はありません。
エスパルスでアレックスが機能しているのは、あくまでもエスパルスの攻撃がチームとして
機能しているからであり、日本代表において、そうでない場合にアレックスがひとりで
(例えばサンドニでの中田のように)活躍できるかと言えば、未知数ではあるけれど
ぼくは無理だと思う。今、代表に入ったとしての話しですけど。
アレックスには国際舞台での経験もまだなければ、欧州や南米の一流を相手にした経験もほとんどなく、
彼がいくらブラジル人で、ブラジル人のボールタッチやボールコントロール能力を有して
いると言っても、彼のフットボーラーとしてのキャリアはほとんど日本で積まれたものです。
高校生から日本にいたわけですから。
だから、たとえ帰化選手とはいえ、藤本や広山に対する期待度とさして変わりはないのです。

その上で。

>「縦系」だからといって「縦突破ばかりやっている」と捉えることは勿論していないです。今後、その手のご心配は無用です(笑)。

それでも、ぼくはやはりサッカー選手を「縦系」「パサー」と分類することには反対です。
アレックスにはアレックスの、アツにはアツの、羽戸には羽戸の、本山には本山の個性があり
ぼくにとってはとても同じ系統とすることはできない。
誤解を招く表現だと思います。

ワイドオープンに攻めることの有用性は十分理解しているつもりです。
でも、それを個人の突破に依存しなくてはならない、またはサイドの選手「だから」突破力が
最も重要視される、というのはわかりません。それはチームの他の選手や戦術と対でしか考え得ないこと。
そして、kindさんは、そのチーム戦術としてサイドの突破力の重要性を言っておられるわけですね。
では次にそのことを。

>「逆サイドのスペース目掛けて蹴って波戸を走らせる」ためには十分と考えます。
>そうなると、彼が小野以上に高い位置、否、「3バックよりも遠い位置」でプレーする機会はかなり多いと思うんですよね。

要するに、5バックで全体にフォーリング・バックさせられた時の「カウンター」を考えておられるわけですよね。
それはそれで、一理も二理もある考え方だと思います。
ただし、それは「5バック」が来年の本番でも「恒常的」であることを想定するならば、です。
そうであるなら、主武器のひとつとしてありえるでしょう。
主武器になるのなら、小野よりもアレックスを、というのもわかります。
でも、先に書いたように現代表の道のりはその路線上にある、その方向性で行こうとしている
ようにはまったく見えません。そこまでの路線変更、これまでの哲学の放棄をしたようには。

それは相手のレベルがどうであるかは関係のないことです。
そこまでの路線変更をするのならば、相手が弱くたってその路線で行くことがある程度でも
見えてこなければならない。いかに迷っていようと、です。
そういう戦略を前面に出したサッカーをするのならば守備方法も変えていないといけませんが、
コンフェデ、キリンカップと森岡達は相変わらず自分達が主体で守ろうとしているし、
それができていたことを喜んだりもしています。そしてそういう守り方がその先に示すものはやはり、
高い位置でのコンパクト・フィールドの創出でありポゼッション・サッカーです。
設定が複雑化した、あるいは新たな設定が加わっただけでその根本になんらの変化も見られません。
そして、そこまでのこれまでの積み重ねとの矛盾、自己破壊をするならトルシエは解任です。
岡田監督にでもまかせればいい。アレックスよりもエメルソンを無理矢理にでも帰化させればいい。
暴論だけど、その方がずっと話しが早くてわかりやすい。
チームは生き物です。チームの哲学に矛盾が生ずれば、一気に崩壊へのカウントダウンです。
どの監督、どのチームを見てもあきらかなように。
今の代表にはそんなかけらすらも微塵も感じられません。
そして、ぼくもトルシエ同様そんな変更をしなければならないとはまったく思わないんです。

次にフォーメーションの面から、少し考えてみます。
ここ数戦のフォーメーションは、大きく時計回転でねじれていますね。
小野をなるべく前に出そうとしていたのは、チーム全体の共通意志でした。
前に横にボールにプレッシャーをかける稲本、あちこちでファーストプレスをかけてまわり、
側方後方のカヴァーもこなす戸田、「守備が第一」と命じられ時にラインインしながら守った羽戸、
「サイドに張り付いてばかりいないで、中へももっと入れ」とトルシエに修正された小野、
いずれもそれがトルシエも含めたチームの意志であったことを伺わせます。
それは、両サイドを除く「戸田、稲本、森島」という中盤の構成とも大きく関わってくること。

コンフェデレーションズ杯では、トルシエは森島に中盤の繋ぎ役もやってくれ、と頼みました。
それはあの試合(どの試合だったか失念)では有効でしたが、やはりそれでは森島が森島である意義が薄れる。
そこで右サイドの羽戸の特性、起用の理由も含め、1トップとしての、森島の相棒としての
西沢の不在もまた含め、小野が左サイドでなくてはならなかった。
そうして、捻るべき時には捻ってしまえば、いろいろな一石二鳥三鳥が得られます。
そういうキリンカップでした。ユーゴ戦で小野を早い段階で代えたのは、小野のデキと積極性の不足に対する
ペナルティであると思います。それも服部を入れることによって、無失点で終えるというオマケをつけて。
どうもトルシエって、ひとつぶで2度おいしくないと嫌みたいなフシがあるようです。
選手の起用、交代、修正、試合のテーマ、いつもそういう所が見える。

サイドアタッカーとフォーメーション(2)
 glider E-MAILWEB  - 01/7/12(木) 1:30 -

引用なし
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   まあそれはさておき、チーム全体の構成、役割の分担、戦略、そういう観点から見ても
羽戸の重用は縦突破が理由でないことはあきらかです。その羽戸と明神について、
「意図に大差がない」と書いたのは、「同じ役割」を期待されているということではなく
「4人目のDFとして」という意味において。
トルシエは戸田のことを「すでにチームには戦術的にかかせない選手」と評価しています。
戸田は守備においての活動範囲はやたらに広い。
稲本と戸田を配したなら、右サイドにDHを置く必要性は薄い。
故に、明神よりもスピードがありフィジカルがあり、よりDF的な羽戸のほうが良い。
攻撃においては羽戸がドリブルで突破しようが明神がタイミングよくスペースを突いて行こうが
「大差はない」ということ。ドリブルだろうがパスだろうが速く崩せる方を選択すればいいし
単独突破がそれほど得意でないのなら人を使って崩せばいい。
「パスの先に人がいない状況」なら「センタリングの先に人が足らない」のと同じ状況。
そんな縦突破にたいした意味はないです。コーナーフラッグまでドリブルしたら1点というルールなら別ですが。
ぼくが本当に求めたい「単独で突破できるアタッカー」は、ペナルティエリアの近辺や中でそれができる選手です。
中村や小野とアレックスや本山の差は、中村と小野も全然違うしアレックスと本山も全然違うけど、
あえて言うなら後者のほうがよりFW的な色が強い、という所でしょうか。

そういう意味あいでは「トレス・ボランチ(?)」にも可能性を感じます。3ー3ー3ー1とでも言いましょうか。
3人の中盤選手には負担がかかることでしょうが、両サイドの高い位置にFW的なアタッカーを置くことができる。
それでこそ「サイドの脅威」足り得ると思います。
「ワイドオープンな攻撃」を速いリズムでやることが比較的容易になるでしょう。
ただし、現在まで稲本を重用する理由、それ故に左サイドの小野をわざわざ捻っていることや、
コンフェデで森島に繋ぎ役を命じたこと、攻守のオートマティスム、デメリットなどから
トルシエがそれを選択する可能性は薄いと見ますけど。
そうしたことから、kindさんの

 アレックス   中田英     波戸
     
       戸田   明神

には、悪いけどぼくは可能性を見出せない。アレックスが小野並みの構成力を身につけるか
明神が名波並みの範囲と構成力を持たない限りは何かのオプションでしかあり得ないと思います。

あえてもう一度言います。
中盤を中と外にわけてもしょうがない。
ドリブルはピッチのすみっこなんかじゃなく「アタッキング・ゾーン」でやってこそ本当の脅威になる。
MFがすみっこの長い距離を走って苦労してひとり抜いて縦に抜け出して、なんて非効率的なことを
最重要に置く起用なんて今の世界のスピード・サッカーの中でできるわけがない。
そんなことをするなら開いたFWにさっさと出して、後ろから飛び込んで行ったほうがチャンスは広い。
そんなことをするならフランスのように3人のFWのうちの2人をウィング的に使ったほうが断然サッカーが速い。
あるいはユース代表のように1トップの後ろにシャドウ・ストライカーを二人配し、
アタッキング・ゾーンのあちこちでドリブルしたり、左右に揺すったり、裏を狙った方が効果的。
その場合でも左右のMFは、最低どちらか一方でも構成力を備えた選手が欲しい。
あるいは中のMFの二人のうち一人が「ボランチ」、あるいは「センター・ハーフ」たる選手であること。
そう考えています。

そして、最大の課題、「1トップ」・・・
化けられるか、高原、柳沢、そして久保。間に合うのか前田。
そして間に合うのか、本山、アレックス、大久保・・・・
・・・・・

            高原(柳沢、久保) 
       
  アレックス(本山) ヒデ(中村)   森島(大久保) 
   
      名波(稲本)     小野(伊東)    
   
            戸田(明神)

   中田浩二(服部) 森岡(宮本)  松田(中沢)

            川口(曽ケ端)

それとも

            柳沢(前田)

        ヒデ(本山) 森島(アレックス)
          
     小野(中村) 名波(稲本)  羽戸(広山)

            戸田(明神)
     
     中田浩二(服部) 森岡(宮本)  松田(中沢)

            川口(曽ケ端)


・・・なんて布陣でスピーディなフットボールができるようになると嬉しいのですが。

Re(1):サイドアタッカーとフォーメーション(2)
 glider E-MAILWEB  - 01/7/12(木) 1:45 -

引用なし
パスワード
   >故に、明神よりもスピードがありフィジカルがあり、よりDF的な羽戸のほうが良い。

大事な要素をひとつ書き忘れました。
「高さ」です。トルシエはこれをかなり重視しているように思います。
セットプレーを重視していることと重なって。

サイドアタッカー:追加(オートマティスム)
 glider E-MAILWEB  - 01/7/13(金) 2:50 -

引用なし
パスワード
   書き忘れたことがあるんで、もう一つ。

トルシエ・ジャパンでは、オートマティスムが徹底されているということです。
スペースに動いて受ける、1タッチで出してまた動いて受ける、ウェーヴ等を使って動き、フリーで受ける、速く出す。
オフェンスに入った選手の動きはそれぞれ連動しながら、トルシエの言う「波」を作って行きます。
トレーニングでもそれは反復されています。
そういったオフザボールの動きを攻守の基本としてますよね。
それに囚われてはいけませんが、それをうまく使えば、そういった全員の「連動性」はやはり武器です。
(ただし、その「攻撃開始」のスィッチが「トップにボールを当てる」こと、ともすれば現在はそこに囚われすぎていて、
ポストの選手の状況や相手との関係に関わらず当てて奪われる、といったケースが見られること等の不満がある。
DFやMFと、FWとのより高いコンビネーション、ポストプレイの質を高めること、オフェンスに力をかける時間の共通意識の徹底、
そうした時の「スィッチ」に頼らないタイミングの共通意識と連動性を求めたい)
サイド攻撃も、そうやってコンビネーションを使いながら行っています。
本山は、そこにもクレバーさ、うまさを見せてもいますよね。「ウェーブ」も彼が一番うまいように思います。
ぼくが本山を一番の左サイドの適任者だと思うのは、そのスピードだけでなくそういう所に一番の理由があります。
小野はその面では、彼のダイレクトパスのセンスと精度はマッチします。
例にあげたユーゴ戦前半13分の場面などは、小野ならではのサイドの崩しだったと思いますね。
そして柳沢は、オフザボールの動きの鬼(笑)
そうやって、ひとりひとりがその個性を生かして役割分担しながら、うまくシステムを使いながら、
それぞれのやり方で工夫してどこでも突破して行けばいい。良いチーム、強いチームとはそういうもの。

ここまで2年半以上100人以上の選手を召集し、そういったことを刷り込み、要求してきた以上、
攻撃の「基本」をそこから変え、サイドハーフの個人突破に比重をかけるようなことは、やはりあり得ないでしょう。

余談ですが、もうひとつ思うのは「キックの精度、スピード、タイミング」です。
これまで、ピッチのスミを深く抉って長いセンタリングを上げてゴールになったシーンってありましたっけ?
トルシエになって、ユース、五輪、A、と3つの代表でかなりの得点シーンがありますけど、
いくら抉ることが少ないと言っても、アツも市川もいた中で、羽戸も入った中で、どれくらいの
そういったシーンがあったでしょう?
アツのアシストにしても、斜めの切れ込みからってのが多かったように思います。
長いクロスから得点になったのも、アーリークロスがドンピシャに入った時。
ワールドユースでの酒井、小笠原のアーリークロスや、五輪代表での一度ファーに振ったアーリークロスとか
みな抜群の精度とタイミングだったからゴールになったように思います。
せっかく抉っても、だいたいの所に上げてたんじゃたいして得点の匂いはしない。
たいして強くない日本の攻撃陣の空戦能力で、フランスのDFが揃ってる中におおよそで放り込んだって得点の匂いはしない。
せっかく抉って上げたけどゴール前には人が足りなかった、ってのもイライラします。
やっぱりタイミングの判断とキックの精度の方が大切だと思います。

戻ります。

トルシエは「時にシステムを破り、自分の判断で打開する大人」を望んでもいます。
「今はまだ日本代表にはクレイジーがいない」とも発言していますね。
オートマティスムとクレイジー。
システムは道具であり、うまく使えば強力な武器になります。
しかし、それにふりまわされてもしかたがない。
そこに高次元でのバランスが見られた時、日本代表は本当の強さを獲得できることでしょう。

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