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フラット3とラインブレイクー今、抱える矛盾 glider 01/8/29(水) 23:30

   Re(5):フラット3とラインブレイクー今、抱える矛盾 GAITI 01/9/28(金) 15:44
   Re(6):フラット3とラインブレイクー今、抱える矛盾 glider 01/9/29(土) 13:37
   Re(7):フラット3とラインブレイクー今、抱える矛盾 GAITI 01/10/4(木) 0:51
   Re(8):フラット3とラインブレイクー今、抱える矛盾 glider 01/10/4(木) 16:17
    Re(9):フラット3とラインブレイクー今、抱える矛盾 GAITI 01/10/10(水) 17:34
    Re(10):フラット3とラインブレイクー今、抱える矛盾 glider 01/10/11(木) 6:34
   日本の戦術とシステム GAITI 01/10/10(水) 17:58
   スピードによって「形」は無意味になった glider 01/10/11(木) 6:28
   日本の独自の事情 GAITI 01/10/12(金) 20:33
   Re(1):日本の独自の事情 野球人 01/10/13(土) 1:04
   Re(2):日本の独自の事情 glider 01/10/13(土) 4:01
    Re(3):日本の独自の事情 野球人 01/10/15(月) 4:38
    なげー(笑) kind 01/10/15(月) 16:19
    Re(1):なげー(笑) glider 01/10/17(水) 6:39
     Re(2):なげー(笑) kind 01/10/17(水) 12:41
    Re(4):日本の独自の事情 glider 01/10/17(水) 6:19
    Re(4):日本の独自の事情 mitsu 01/10/18(木) 13:02
    Re(5):日本の独自の事情(長すぎます、失礼) 野球人 01/10/18(木) 22:00
    Re(6):日本の独自の事情(長すぎます、失礼) GAITI 01/10/19(金) 16:30
   Re(1):日本の独自の事情 glider 01/10/13(土) 4:28
   Re(2):日本の独自の事情 glider 01/10/14(日) 9:08
   日本の取るべきサッカースタイル GAITI 01/10/15(月) 18:53
   Re(1):日本の取るべきサッカースタイル GAITI 01/10/15(月) 19:26
   トルシエの方向性 seri 01/10/16(火) 11:15
   Re(1):日本の取るべきサッカースタイル glider 01/10/17(水) 7:06
   Re(2):日本の取るべきサッカースタイル GAITI 01/10/17(水) 19:00
   Re(3):日本の取るべきサッカースタイル glider 01/10/18(木) 16:59

Re(5):フラット3とラインブレイクー今、抱える矛盾
 GAITI  - 01/9/28(金) 15:44 -

引用なし
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   ちょっと待ってください、今頭の中をまとめますから(笑)

えーと つまりはこういうことですよね(間違っていたらごめんなさい)。
DFラインを上下させるタイミングについて、パスの出し手へのプレスだけでなく、ボール以外のところの動き、つまりはいろいろな選手のオフザボールの動きなどフィールド全体を広く見てラインをコントロールする、ということですよね。

たしかに プレスをかけるということは、1人に対して何人も人数をかけるということです。必然的にフリーになる選手も出てきますから、プレスをかけてラインを上げても、そこからプレスをかいくぐられてフリーの選手に出されたら一貫の終わりですよね。

Re(6):フラット3とラインブレイクー今、抱える矛盾
 glider E-MAIL  - 01/9/29(土) 13:37 -

引用なし
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   ▼GAITIさん:

>DFラインを上下させるタイミングについて、パスの出し手へのプレスだけでなく、ボール以外のところの動き、つまりはいろいろな選手のオフザボールの動きなどフィールド全体を広く見てラインをコントロールする、ということですよね。

えっと、わかりにくい書き方してすいません。
DFの選手は位置の関係上、フィールド全体がよく見える位置にいますよね。
なんで、ボールホルダーだけでなく他の相手の動き、とくにこちらの危険地域(ラインの前のスペースを含め)にフリーで入ってくる選手、そこでフリーになりそうな選手も見ておかねばならないと思うんです。
で、そういう場合、たいていはコトは一刻の有余もならない事が多いですから、ラインを無視してもプレスに行って欲しいんですよ。
アジア杯までは、そこでラインを下げディレイをかけることによってしのいできました。
相手のレベルが上がるとそれではしのぎきれません。
例え一瞬でもホルダーに充分な体勢を作らせればきわめて正確にタイミングを計った危険なパスを出されてしまうし、フランスのようにダイレクトパスでスペースサッカーしてくるチームにはパスを受けるまさにその瞬間にプレスがかからなければもう遅いからです。
ほんとうは中盤の底の選手が行けるにこしたことはないんですが、戻ってきてのプレスになってしまうこともある。
それでは効果が薄いし、「プレスがかかっている」という状態ではないと思うんですよ。
だから、そういう場合には3バックの誰かでも、ラインをブレイクしてでも一番早く行ける者が行くべきだと思います。
タイミングとして、DFがディレイしMFがプレスをかける、というよりもDFがプレスしMFがラインをカヴァーした方が効率が良い。
というよりもそうしないとプレスがかからず、ズルズル下げられることになるんです。
それは試合全体で考えても得策ではない。

ぼくは強豪達との一番の差は、そのプレスに行くスピードと厳しさだと思います。
ボールが出る・・相手が受ける・・プレス、ではなく、ボールが出る・・プレス、という感じですかね。
そしてその「プレス」そのものも、日本のは「パスコースを切ってディレイ」する感じです。
ではなく「激しく奪いに」行って欲しい。
ボールを受けるその瞬間にガツンと当たりに行って欲しい。
そういうスピードと激しさで強豪達はサッカーしています。
今のやり方では、フランスやアルゼンチンには赤子の手をひねるよりも簡単に主導権を奪われます。
すべては遅くて緩いからです。
そしてそれは、組織うんぬんではなく、ラインの約束どうこうではなく、個人個人の意識ひとつです。
組織力で戦うのは良いと思います。が、まず組織ありき、なのではなくまず個人があって、それを生かすための組織であることを忘れて欲しくはない。
3バックスにしてもラインで守るのは良いですが、ラインが守ってくれるわけではなく、守るのは人です。


>たしかに プレスをかけるということは、1人に対して何人も人数をかけるということです。必然的にフリーになる選手も出てきますから、プレスをかけてラインを上げても、そこからプレスをかいくぐられてフリーの選手に出されたら一貫の終わりですよね。

そうですね。
そうならないためのボールオリエンテッド、選手間の距離を緊密に保つゾーンバランスです。
それを有効に使うためにも、早いプレッシャーでなければなりません。
フリーの選手ができた、そこにボール出そうだ、ライン下げて危険ゾーン潰そう、ではなく、フリーの選手ができた、ボール出そうだ、行け!です。
そうして行っても全体のバランスは保たれるはずのオートマティスムがあるんですから。

Re(7):フラット3とラインブレイクー今、抱える矛盾
 GAITI  - 01/10/4(木) 0:51 -

引用なし
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   丁寧なレスどうもありがとうございました。

書こう書こうと思っていましたが,考えがまとまらなくて遅くなってしまいました。
(自分はイメージ派なのでそれを言葉にするのは苦手です。)

それで 前回のラインとプレスのことですが、

>DFの選手は位置の関係上、フィールド全体がよく見える位置にいますよね。
>なんで、ボールホルダーだけでなく他の相手の動き、とくにこちらの危険地域(ラインの前のスペースを含め)にフリーで入ってくる選手、そこでフリーになりそうな選手も見ておかねばならないと思うんです。

それは、全くそのとおりですね。
ただ 自分としては,無意識にロングボールをけられる場合を想定していましたので、DFがボールホルダーにプレスに行くという選択肢は頭にありませんでした。(笑)

それで 前回のことを要約すると(ロングボールの場合)ボールホルダーにプレスがかかったら、すぐラインを上げるのではなく、プレスに行くということは常に危険を伴うことなので,もうちょっとボールホルダーへのフォローの選手が来ているかなども見た方が良いのでは、ということです。

ただ、自分で書いておいてなんですが,これは違いますね。(笑)
(あくまでロングボールの場合ですが)ボールホルダーにプレスがかかったら、ライン上げていいですね、フォローの選手に渡ったら下げればいいだけですから、その時間的余裕もあるでしょう。

>アジア杯までは、そこでラインを下げディレイをかけることによってしのいできました。
>相手のレベルが上がるとそれではしのぎきれません。
>例え一瞬でもホルダーに充分な体勢を作らせればきわめて正確にタイミングを計った危険なパスを出されてしまうし、フランスのようにダイレクトパスでスペースサッカーしてくるチームにはパスを受けるまさにその瞬間にプレスがかからなければもう遅いからです。
>そしてその「プレス」そのものも、日本のは「パスコースを切ってディレイ」する感じです。

確かに現状はこうなっています、自分とgliderさんの現在の日本代表の守備に対する認識はかなり近いと思います。
ただ 自分はこの守備方法(ラインを下げて、またはパスコースを切ってディレイする)でもいいのではと思います。

結論を言うと、フランスのようなパスサッカーのチームが相手ならばこの守備方法で防げると思います。
ダイレクトパスにも効果的な場合とそうではない場合があって、意図がなくただまわしているだけでは怖くありません。本当に危険なのは、明確な崩す意図をもったパス回しなのですが,それはくさび、ポストなど縦パスから始まる攻撃でしょう。
中盤にはこの縦パスのパスコースをDFもくさびのボールを通さないことをチーム全体が意識してやれば、ボール回しの意図はどんどん消えていき、流れは停滞します。そこまでいったらボールは簡単に取れます。
(もちろん 全体のバランスがよく、プレスもスペースを消すこともスムーズに流れることが条件ですが)

1対1の対応についてもあれだけ距離を取るのは、見ていて気持ちの良いものではありませんが,相手とのスピードの差を考えてのことでしょう。簡単に飛び込むと確実にぬかれますし、パスやシュートのコースを切って、時間をかけさせ、戻ってきた選手で囲んで取ってしまうことが、一番確実でしょう。

ただ、これはあくまでパスサッカーのチームについてで、南米の個人技、スペインなどのサイド攻撃の強いチームは、現在の日本の守備方法と相性最悪です。
これについては、個人の力を上げるしか解決はありませんね。

それと、DFラインを下げて対応することに関しては,DFがプレスにいける場合は、数的有利のときは、DFのカバーリングとアタッキングの役割をはっきりさせて、ボールホルダーにプレスに行くことは絶対に必要ですが,ロングボールの場合は、ボールホルダーに対するプレスの有無によって、ラインを上下動する対応でいいのではないでしょうか。

Re(8):フラット3とラインブレイクー今、抱える矛盾
 glider E-MAILWEB  - 01/10/4(木) 16:17 -

引用なし
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   ▼GAITIさん:

どうもです。
ぼくは、サッカーについて考えて行くこと、それについて誰かと議論を続けて行くことが楽しいので、遅くても何でも全然かまいませんよ。
お互い、負担にならないように掲示板を楽しみましょう(笑)

>無意識にロングボールをけられる場合を想定していましたので

なるほど、ロングボールでしたか。
ロングボールの場合も、
>>なんで、ボールホルダーだけでなく他の相手の動き、とくにこちらの危険地域(ラインの前のスペースを含め)にフリーで入ってくる選手、そこでフリーになりそうな選手も見ておかねばならない
のは同じですね。もちろん、キッカーへのプレスも。
ロングボールの場合には、おっしゃるようにボールの到達までに時間的余裕がありますが、いずれにしても落下点、レシーバーとパスの合流点の早い見きわめと速い位置取りが重要ですね。

>ただ 自分はこの守備方法(ラインを下げて、またはパスコースを切ってディレイする)でもいいのではと思います。

そこがぼくの認識がメディアなんかともズレる部分なんです。
これは、タイミング次第のことで、もちろん「行く」のが遅れれば「そうせざるを得ない」でしょう。
ただし、それを「常態」にしていてはフランスのようなチームには攻め続けられることになるでしょう。
で、人数をかけ、下がり、スペースだけは埋めて・・・
それは現日本代表の戦術、システム、そのシステムの出発点と特性、根本的な思想と目的から大きく矛盾し、根本的な崩壊を招くことになる、というのがぼくの意見です。

「プレス」を「囲い込み」と同義のように捉えたことがそもそもの誤りの初まりです。
ボールが渡ってから「囲み」に行くのではもう遅いのです。
それではボールは奪えない。
今時の速いサッカー、高いスキルを持つチーム相手では、それでは攻め続けられる。
フランスやアルゼンチンは、チームの完成度の高さ、相互理解の高さ、それによる「動きだし」の速さ、オフザボールの動きの質の高さ、ダイレクトコントロールの正確さ、トップギアへのシフトチェンジの速さ、そういうものから眼もくらむようなスピードでボールを動かし、人が流れ続け、相手組織を寸断し、次から次へフリーの選手を作り続けてきます。
「2、3人で囲みパスコースを切って」は、イコール「ノープレッシャー」です。
楔のパスや明確な縦パスでなくとも、フリーで速いテンポで繋がれば意図を持ってどこかに相手守備のコンセントレート・ポイントを作り、そこでのキープから薄い地域へ展開し、一気に崩してくるでしょう。
そういう意味では、彼等のレベルでは「意図なくただなんとなくパス回し」などはありえません。
彼等には「攻撃開始のスイッチ」は無数にあり、日本代表のようにそれを楔のパスに頼るようなこともありません。
そして、ひとたび「スイッチ」が入ったなら「パスコースをきって時間をかけさせ、戻ってきた選手で囲う」のでは遅いのです。
パスコースを切りに行っても時間はさして稼げないし、戻ってくる選手はたいがい間に合わないのです。
唯一、彼等を遅らせることができるのは、パスを受ける瞬間に激しくプレッシャーをかけること。
そこでボール保持に苦労させること。ダイレクトパスのシェイプをブレさせること。
視野の確保を妨げること。

現在、最強最速の攻撃をするのはおそらくフランスでしょう。
現在、最強最速の守備をするのはおそらくアルゼンチンでしょう。
むろん、どちらのチームも攻守のバランスは取れています。
彼等が今、対決したら・・・本当にワクワクします。

彼等のレベルまではいかないにしても、彼等と同じ土俵で勝負したいのなら日本もプレッシングのスピードと方法を近代化するしかありません。
そういう指向でやらなければ、どんどん置いて行かれるでしょう。
ぼくが最も理想的かつ正しいプレスをするチームだと思うのはアルゼンチンです。
あれが本当の「プレス」。
フランス、アルゼンチンでなくても、ブラジル、イングランド、スペイン、そういうレベルのチームと四つの勝負をしたいのなら、本物のスピードの正しいプレスをしなければ。
少なくとも、それをやろうとしなければこれ以上の進歩はないように思います。
それをやろうとしなければ、「トルシエ式フラット3」の真の完成もないでしょう。
今、やらねばならないのだと思います。

Re(9):フラット3とラインブレイクー今、抱える矛盾
 GAITI  - 01/10/10(水) 17:34 -

引用なし
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   ▼gliderさん:

セネガル、ナイジェリア戦みました。
他のレスですが gliderさんが稲本の守備方法を誉めているのを見て納得しました。
私も試合中の稲本の守備を見てこう言う守備を言ってたんだなと思いながら見てたもので。(笑)

>「2、3人で囲みパスコースを切って」は、イコール「ノープレッシャー」です。

中盤でバランスよくプレスがかかっている状態ならある程度のパスコースの限定が出来ますから先読みも可能ですからね。
あくまで気持ち的ですがディレイに気持ちが傾きすぎると、プレスが後手後手に回りますよね。

>楔のパスや明確な縦パスでなくとも、フリーで速いテンポで繋がれば意図を持ってどこかに相手守備のコンセントレート・ポイントを作り、そこでのキープから薄い地域へ展開し、一気に崩してくるでしょう。

私は本当にパスだけのサッカーには限界があると考えています。
組織的にバランスよく守っている相手ならば、守りにもわざとここをあけて攻めさせようなど、攻撃的な守備の意図も発生します。
それにバランスよく守られると、守りが薄いところにまわしても守備はすぐに建て直されてしまうでしょう。
やはり縦パスなくしては、崩せないでしょう。

ただ、そこで攻撃のスイッチとしてドリブルなどの個人技が重要になってくるのではないでしょうか。
レアルのフィーゴ、アルゼンチンのオルテガはそれぞれチームの攻撃の上で欠かせないアクセントになっていますよね。彼らのドリブルがいい前線での「ため」になって、後ろの選手の上がりをやりやすくしているのでしょう。

彼らの所属する両チームは、先端のパスサッカーを展開していますが,それにドリブルなどの個人技がチーム戦術としてもしっかり機能しています。

これからのサッカーの方向性を示しているかもしれませんね。

日本の戦術とシステム
 GAITI  - 01/10/10(水) 17:58 -

引用なし
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   >gliderさん:

書くのが遅れましたが,補足として。
私が例えば3−5−2などのシステムや組織についてこだわっていることには、一応自分なりの理由があります。それを、遅ればせながら書かせてください。
サッカーとはこうあるべきだと言う自分の好みよりも、日本はこうするしか選択肢がないんじゃない、と言う前提です。

>そしてそれは、組織うんぬんではなく、ラインの約束どうこうではなく、個人個人の意識ひとつです。
>組織力で戦うのは良いと思います。が、まず組織ありき、なのではなくまず個人があって、それを生かすための組織であることを忘れて欲しくはない。

フランスやアルゼンチンなど高い身体能力と戦術眼を持つ選手で構成されているチームでは、確かにベースとなる戦術ないしチームの方向性を与えてあげれば,システムやポジションに縛らないである程度自由にやらせた方がかえって良い結果が出ますね。
また彼らは、主に身体能力の高さから来る稼動範囲の広さからどんな戦術も自在に取れます。そのような自在性が彼らの試合の中での判断力をより高い次元まで高めたのかもしれません。


ただ日本の場合はそうはいきません。
何を言うにも身体能力や個人能力のせいにすることは癪ですが
日本の場合、そのような個人能力の差で世界相手に戦う戦術もシステムも限られてきます。
戦術にしても出来るだけ個人ではなく組織であたるようにしなければなりませんし,システムにしても選手のスタートする位置ですから、そこからどれだけ効率的にプレスをかけたり、奪った後攻撃につなげるかなど細かく考えなければなりません。
(日本は選手の稼動範囲が狭いので3−5−2などのシステムを取るにしても、そこが各選手のスタートする位置になり、どのタイプの選手をどこに置くかについての効率的な位置を他の国よりあらかじめ考えなければなりません)

と言うような前提で、他の国よりも日本は、その身体能力のなさなどからシステム、戦術などに縛られてしまいます。(また、そうせざる得ない)
そのような1番効率の良いバランスを取ろうとするので、日本のシステムはいつも微妙なバランスで成り立っていて,それが機能したときは強豪相手にも見事な戦いをしますが,崩れたときの悲惨さは目を覆うばかりです。

スピードによって「形」は無意味になった
 glider E-MAILWEB  - 01/10/11(木) 6:28 -

引用なし
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   ▼GAITIさん:

>サッカーとはこうあるべきだと言う自分の好みよりも、日本はこうするしか選択肢がないんじゃない、と言う前提です。

>フランスやアルゼンチンなど高い身体能力と戦術眼を持つ選手で構成されているチームでは、確かにベースとなる戦術ないしチームの方向性を与えてあげれば,システムやポジションに縛らないである程度自由にやらせた方がかえって良い結果が出ますね。

>日本は選手の稼動範囲が狭いので3−5−2などのシステムを取るにしても、そこが各選手のスタートする位置になり、どのタイプの選手をどこに置くかについての効率的な位置を他の国よりあらかじめ考えなければなりません

>と言うような前提で、他の国よりも日本は、その身体能力のなさなどからシステム、戦術などに縛られてしまいます。

フランスやアルゼンチンも、組織力とチームの完成度がなければ今の強さはあり得ません。
そして今の先端的な戦術とは、どこもまた「出来るだけ個人ではなく組織であたるように」するものです。
システムに縛られるのは、身体能力がないからではなくチームの完成度が低いからです。
そして、これが最も重要なことですが、システムに縛られている限り「強豪なみの速いサッカー」は不可能です。
現代サッカーのキーワードは、スピードです。
トルシエが何故、選手に「ポリバレンス」を求めているのか。
スタートするポジションに縛られていては「遅すぎる」からです。
それに、すべては試合の流れや相手との関係次第です。
それで特に中盤では各選手に求められる主な役割もプレイエリアもまったく変わります。
何人の選手で誰と誰と誰の組み合わせで組むかには意味はありますが、3ー4ー2ー1だの4ー2ー3ー1だのという「形」は、実際の試合の中ではたいして意味をなし得ません、今は。
ひと昔前の「ゾーンプレス」の時代では、4ー4ー2と言えば3ラインの文字どおりの4ー4ー2でした。
相手ボールになれば、自陣の「自分のゾーン」に戻って必ずそういう「元の形」でゾーンを構成し、そこからボールに対して圧力をかけていたから「ゾーンプレス」でした。
今では、あんな悠長なサッカーは一流の間ではやってられません。
ポリバレンス、流動性、すべてはスピードのため。
プレッシングのゾーンの構成も、形は流れで変化します。

稼動範囲の広さも、身体能力との関連は薄いと思われます。
それは、視野の広さと判断のスピードです。

日本は、そういう「ワールドスタンダード」のスピードに、個人個人が意識してシフトアップして行かねばなりません。
それは、組織とかシステムとかは関係のない話です。
ひとつあるとすれば、トルシエの「オートマティスム」はそれを後押しする、ということです。

Re(10):フラット3とラインブレイクー今、抱える矛...
 glider E-MAILWEB  - 01/10/11(木) 6:34 -

引用なし
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   ▼GAITIさん:

稲本は、ほんとにアーセナル行って良かったですね。
ああいった広さと早さ/速さがないとプレミアではやって行けないでしょう。
というかあのスピードがスタンダード。Jリーグは遅すぎる。
それを考えても国内組の柳沢には感心します。
そういうイメージを普段から持ってやっているんでしょう。
そういえば中田ヒデもそうでしたね。

>中盤でバランスよくプレスがかかっている状態ならある程度のパスコースの限定が出来ますから先読みも可能ですからね。
>あくまで気持ち的ですがディレイに気持ちが傾きすぎると、プレスが後手後手に回りますよね。

むろん、プレスがかかっていない状況では先読みして動くのは難しいですが、相手の動きをよく把握していれば個人としての速い判断も可能です。
というよりも通常の状態では、有効なパスコースっていうのはある程度限られているものです。
相手の分布と動き、そしてキッカーのモーション。
読みも重要ですが、もっと大事なのは味方同士の距離。それが保たれていて、あとは一歩目の速さがあれば良いのです。
そして、そういうリズムでサッカーをする意識。身体に刷り込まれた慣れ。
くり返します。
「2、3人で囲みパスコースを切って」は、「プレスがかかった状態」ではありません。
それを同義とすることは、誤りです。
そんなことをいくらしても本気になった強豪にはやられます。
1stプレッシャーは、最低でもセネガル戦、ナイジェリア戦での稲本くらいのスピードで行かないと駄目です。
最初からディレイになるのは、1stプレッシャーが間に合わなかった時に仕方なくそうなるのです。
1stプレッシャーは常にかからなければ本来はいけないものです。

>それにバランスよく守られると、守りが薄いところにまわしても守備はすぐに建て直されてしまうでしょう。
>やはり縦パスなくしては、崩せないでしょう。

守りが薄い=スペースがある→フリーになる→精度の高いボールが蹴れる→ピンチ。
守りが薄い=スペースがある→前を向ける→ドリブルできる→守備の集中を生む→ピンチ。
こういったことからも、フリースペースを与えることはプレッシング・サッカーでは禁物です。
特に現代の一流チームのスピードでは、そのスペースを与えたことで次のフリースペースを作られ、それがまた次の・・・という具合に連鎖して行きます。
プレスが後手後手になり、翻弄されることになる。
縦パス、というのは前進方向のパスのことで、それなくしてはもちろん前へ進みませんが、ぼくが言ったのは主に楔のパス、全員の動きだしの合図となるようなピッチに対して明確に垂直方向の「攻撃開始」的なパスの話で、フランス、アルゼンチンといったチームはそれに頼らずとも相手陣のどこかでフリーで前を向きボールを持つ選手ができれば前述のような連鎖を作り崩してきます。
ドリブル、三角パス、ワンツー、いろんな所で瞬間的にスイッチ入っちゃうんですね。
そうしてスイッチが入り、自分達が主導権を握ってしまえば、立て直す時間はほとんど与えないのも彼等です。
そういうスピードなんです。
彼等の強さは、そうして次々とスペースを生み、有効なボールを回せる動きの早さと速さ、相手にそうさせないプレッシャーの早さと速さ。
ボールへの寄せ、組織の集散のはやさ。
そのスピードを可能にする確実な技術。状況判断のはやさ。相互理解の高さ。
最も速いチームが最も強い、と言えるように思います。
勝負のあやは置いといて。

ドリブルは重要ですね。
攻撃とは、複数の優れた個人戦術が有機的に結合した時に「組織的」足り得ます。
組織を有効に成立させうるのは、いつの日もどんな組織であろうと「個」です。
攻撃という創造行為では、特に。

日本の独自の事情
 GAITI  - 01/10/12(金) 20:33 -

引用なし
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   >gliderさん:

組織に縛られると言う表現が誤解を招きましたね。
組織に縛られると言うよりも、フォーメーションを利用すると言うことです。
私もポジションチェンジを繰り返す、流動的なサッカーにはもちろん賛成です,というか日本の取るべき道はそこしかないと思っています。
そこで流動的なサッカーをするにあたって、このフォーメーションの助けを借りようと言うわけです。

3−5−2でも4−4−2でもフォーメーションはそこに配置された選手の最初のスタート位置と考えることが出来ますよね。
つまりいろいろポジションを複雑に変えていくとき、あたりまえの話ですが,左サイドの選手が中にきてたら今左サイドが開いてるんだな、とチームみんながわかります。またポジションチェンジした後のフォローもある程度チームとしてシステマティックに出来ます。

まあ、これは多かれ少なかれポジションチェンジを多用するチームはどこも利用しますけどね。
で、私が思わずポジションに縛られると使ってしまったことは、次のためです。
フランス、アルゼンチンなどのチームはこの最初のフォーメーションをたとえ間違えても(変な表現ですが)大怪我にはなりませんが,日本はなると言うことなんです。

gliderさんは、今のポジションが流動的なサッカーでは最初のフォーメーションなんて関係なくて各自おのおのがそのチームの戦術をベースに状況に応じて自分で判断していけばよいと、その結果最初のシステムなんか平気で変わるし意味をなさないとおっしゃりたいんだと思います。(間違っていたらすみません、それと生意気なことを言ってすみません)

私はそれはアルゼンチン、フランスについては全く正しいと思いますが,日本には当てはまらないと思います。

その理由について、選手の稼動範囲と身体能力という理由を前回挙げたのですが、詳しく言わせてください。


(このプレスの説明に関しては読み飛ばし可です(笑))
ご存知のように、戦術にプレスが導入されて、世界のサッカースタイルは劇的に変わりました。
すごく大雑把に言うとテクニックからフィジカル重視のサッカーになりました。
これはどうしてかと言うと、プレスを効果的にかけるためにプレーゾーンはどんどん狭くなりました。このような状況だとボールがわたったらすぐ数人に囲まれてしまいます。

ここでものをいうのがフィジカルと言うわけですね。
このフィジカルを具体的に言うと「あたり強さ」と足の長さや懐の深さから来る「間合いの広さ」と言うところでしょうか。
プレスはボールを相手から奪い取る行為ですから、この「あたり強さ」と「間合いの広さは」をもっていれば狭いプレーエリアでのボールの奪い合いで圧倒的に有利になれます。

結果世界のサッカーは1部の例外的選手を除き、フィジカルの強さが最優先(もちろんテクニックよりもです)で求められるようになりました。
いまではこれがないと、まともにプレすら出来ない状況になりかけています。(もちろんダイレクトパスやオフザボールの動きの卓越した才能があれば回避可能ですが)

クライフなどが、いつも今のサッカーは進歩したわけではないといつも言っているのは、このような傾向と自分のサッカー間が真っ向から対立するからでしょう。


それで日本の話に戻ります。
ぶっちゃけた話、日本人選手の「あたり強さ」「間合いの広さ」は世界と比べて、かなり見劣りします。
これだけでプレスサッカーの中ではかなり苦しいです。

これで実際試合したらどうなるかと言うと、こっちがプレスをかけても間合いがぜんぜん違うから全く取れないし、びくともしない、逆にプレスをかけられたらすぐ取られるし、吹っ飛ばされる。精神的にもかなりきついです、つまり精神力のスタミナ消費が相手とは比べ物にならないほど大きいと言うわけです。

選手の稼動範囲の差がでるとは、もちろん肉体的なスタミナもありますが,この精神的なスタミナによる要因が大きいです。
このようなチーム全体の決定的不利をどこで挽回するかというと、最初のフォーメーションをものすごく綿密に絶妙のバランスを取るように立てて,稼動範囲の差をカバーするしかないと言うわけです。
本当に絶妙なバランスですからそれが崩れたときは、悲惨としか言いようがありません。
プレスは全く効かず、90分間相手の思うがままです。

私は、そのような状況での例をとって、相手との判断のスピードの差、プレスのスピードの差と断定してしますのには反対です。

日本のこの絶妙なバランスのシステムが成功して、やっと相手と五分の土俵に上がります。そのときに差を見せ付けられたら完璧に認めますが、もろもろの原因で強豪相手にバランスよく戦ったことはほとんどありません。
それも、相手と言うより自分の問題でそうなっているのでなお悔しいです。

(また感情の赴くままに書いてしまいましたので、イメージと違ったことを書いてしまったかもしれません、次回はその訂正と(笑)具体例について(サンドニのフランス戦)書きます(しつこいですね))

Re(1):日本の独自の事情
 野球人 E-MAIL  - 01/10/13(土) 1:04 -

引用なし
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   ▼GAITIさん:
 野球人と申します。文字どおりの野球人で、サッカー素人ですが、ひとこと…。

>それで日本の話に戻ります。
>ぶっちゃけた話、日本人選手の「あたり強さ」「間合いの広さ」は世界と比べて、かなり見劣りします。
>これだけでプレスサッカーの中ではかなり苦しいです。
>

 身体能力とかフィジカルとか語られている言葉について、日本的な見方では「先天的」で「追い付けない」要素であると、あまりに強く信じられているように思われます。
 しかし、実際には「先天的」だと思いこんで、ほかのものばかり磨いているから、一向に進歩しないだけで、後天的に獲得できる要素も多分にある。

 サッカーでいうフィジカルとは、体の大きさもそうでしょうし、あるいは筋力、敏捷性、などなどさまざまな要素があるでしょう。広い意味では「体の使い方」もフィジカルの大きな要素の一つだと考えられます。

 体の縦のサイズ(身長)を伸ばすことは不可能ですが、横幅を大きくして「当たり強く」することは十分に可能だし、筋力やスピード、体の使い方に至っては全て後天的な要素です。
 野球でいえば、大リーガーは「体が違うから凄い」と、日本の評論家は考えがちですが、実際には彼らは肉をたくさん食べて(笑)、暇があったらトレーニングをしている。日本の野球選手は、走り込み(長距離走ってもやせるだけ)ばかりして、ウェ−トなんてやると「動きが悪くなる」と敬遠します。これでは、生まれつきサイズの違いがあるのだから追い付きようがない。その上、「テクニックは日本人が上」と称して、体の使い方まで非物理的な「自己流」を延々と続けているので、永久に追い付くことはない。
 その中で、イチローや野茂といった「突然変異種」だけが、「日本人と米国人に決定的な能力差などないのだ」ということを示してくれています。
 このほか、陸上の伊東浩司、朝原宣治は、決して体格的に恵まれているわけではないが、黒人と渡り合えるだけのスピードを、文字どおり後天的に獲得しました。

 結局、フィジカルなんて鍛えようによって(ある程度)どうにだってなるのです。
 中田ヒデなんかもそうですよね。身長はないが、鎧のような筋肉を身にまとい、ついでに「体の使い方」を極限まで磨くことによって、欧州の人や黒人に劣らない「フィジカル」を見せつけています。

 要は、イチローも野茂も中田ヒデも、突然変異種なんかではなく、極めてロジカルな理由によって活躍できているのだということを、特に指導者層が知ることが、重要ではないかと思います。
 野球界なんて、イチローや野茂の論理的かつ普遍的な活躍の理由には見向きもせず、彼らの特殊なフォーム(物理的に考えると、あんまり特殊ではないように思うのですが)をあげつらって、参考にしようともしていませんから、絶望的です。

 ちょっと「横道」系の話になりましたが、お許しを…。

Re(2):日本の独自の事情
 glider E-MAILWEB  - 01/10/13(土) 4:01 -

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   ▼野球人さん:

ようこそいらっしゃいませ。
野球ファンなのですね。
ぼくも小さい頃、野球をやってました。
リトルリーグに入ってくれないか、と誘われたこともあったんですよ(ちょっと自慢:笑)
プロ野球では、東映フライヤーズの時代からの日本ハムのファンなんですが・・・
今シーズンはあまり言いたくないですけど・・・

イチローはすごいですね。
たゆまぬ努力、けっしておこたらぬ準備、いつもそういうふうに回転しているクリアな頭脳、まさに「達人」ですね。


>あるいは筋力、敏捷性、などなどさまざまな要素があるでしょう。広い意味では「体の使い方」もフィジカルの大きな要素の一つだと考えられます。

野球人さんは、とても重要なポイントを述べてくれていると思います。
「身体の使い方」そしてそれを有効なものにすることを可能にする筋力の、身体の「バランス」、そして筋肉の「質」、そういったことことこそが重要なのでしょう。
少し前に、トルシエ現日本代表監督が代表合宿にて「筋力測定」を行いました。
結果、日本の選手は欧州の選手と比較して筋力的に劣った所はどこもない、との結果だったそうです。
ただし、その「質」に少々差があったそうです。
イチロー選手のトレーニングで、「初動負荷理論」なるものがありましたね。
詳しく書こうと思ったのですが、いろいろと忘れてしまってます、すみません。
もしも御存じでしたら、お教えいただけると助かります。

Re(1):日本の独自の事情
 glider E-MAILWEB  - 01/10/13(土) 4:28 -

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   ▼GAITIさん:

レスありがとうございます。おっしゃりたかったこと、よくわかりました。
その上で。

>まあ、これは多かれ少なかれポジションチェンジを多用するチームはどこも利用しますけどね。

ぼくとGAITIさんの認識が少々違っていると思われるのはこういう所でしょうね。
ポジションチェンジは、しようと思ってやる場合(主に攻撃面)しなければ間に合わない場合(主に守備面)があります。
サッカー自体のレベルが上がれば上がる程、ポジションチェンジは「せねば間に合わない」ものなのです。

例えば。
左サイドで小野が攻撃に出ています。相手にボールを奪われた。
左のスペースを使う。稲本がそこにプレッシャーをかけに行く。バックパス。
戸田がそこへプレス。縦パス。中央へ下がった小野がプレッシャーへ。
という具合に入れ代わらなくてはスムースで速いプレスはかけられない。
上記のプレーをすべてダイレクトか1タッチで行うようなチーム相手には特にそうです。
そして、ぼくが言う「プレス」とは、「パスを受ける瞬間」にかかってなくてはならないものです。
そういう「速いチーム」に対し、最低でも相手のアングルを狭め、時間を稼ぎ、好き放題に回されないためにはそれしかあり得ません。
そして、そういう「プレス」をかけるためには、「最初のスタート位置」など、何の意味も為さないのです。

その後。
小野がボールを奪った。左の稲本へ。稲本は中央の戸田へ。戸田から柳沢へスルーパス。
戸田のスルーパスは相手DFがカット。
この場合、小野はDHの位置、稲本は左アウトサイド、戸田はトップ下、です。
彼等はそこで攻撃し、そしてそのまま守備に入らねばなりません。
相手に「ちょっと待った、今それぞれのポジションに戻るから」とは言えません。
「流動的なサッカー」は、スピードアップされた攻守の切り替えの中では、必然なのです。
もう、いくら最初のフォーメーションをバランスを緻密に取っても、それで固定的なサッカーをしていて通用する時代ではないのです。

そして、世界の潮流はどんどんとそういうスピード・サッカーへと流れています。
先日の南米予選、ブラジル対アルゼンチンを御覧になりましたか?
アルゼンチンのスピードにブラジルは手も足も出ませんでした。
ボールを受けるか受けないかのタイミングで激しく為されるプレスとインターセプトの嵐。
次から次へとスペースへ動き、そこで素早く繋がれるダイレクト・パス。
唯一、アクセントとなりうるスピード豊かなドリブル。
世界のトップは、フィジカル重視のサッカーからスピードがすべての世界へ移行してきています。
そういう中では、
>左サイドの選手が中にきてたら今左サイドが開いてるんだな、とチームみんながわかります。
というようなテンポではスローすぎるのです。
サイドが中に入るのと同時に、あたかも無意識のごとくカヴァーリングは為されなければなりません。
「あいつ行ったな、えっと、俺が一番近いな、じゃあ俺がカヴァーに行こう」などと考えているヒマはないのです。

ポジションを移動するもそれをカヴァーするも一瞬の共通理解のもと、同時に瞬時になされなければならないのです。
そしてそれを可能にするのが「オートマティスム」と「高いチームの完成度」です。
「ゾーンバランスを常にとり、選手間の距離を緊密に保つこと」。
それが掟。

それと、野球人さんもおしゃっていますが、日本人のフィジカルをはなから弱いと決めつけるのは早計だと思います。
相手と当たる時に、吹っ飛ばされるか吹っ飛ばすかは、身体の大きさや筋力よりもタイミングと体勢が大きな要素でもあります。
コンフェデ杯で、小野がカメルーンのウォメを吹っ飛ばしたシーンを覚えているでしょうか?
あれをして「小野は当たりに強くなった」と評するマスコミやファンは大勢いましたが、あれはそうではなく小野が抜群のタイミングと充分な体勢をもって当ったからです。
セリエの中では小さな中田ヒデが競り勝てるのもそうしたことの方が全然大きい。
大きな身体と優れた筋力が有利なのは言うまでもないですが、「当る」のもひとつの技術であるという側面は忘れてはなりません。
そしてまた小さく俊敏な身体はそれもまたひとつの武器足り得るということも忘れてはなりません。
スポーツ選手にとって重要なのは筋力のバランスなのです。

もうひとつ。

>強豪相手にバランスよく戦ったことはほとんどありません。

確かに。
慣れない組み合わせ/構成で個々の役割が不明瞭なままな事が多かったですね。
しかしながら、バランスが失われたのは、そういった自分達の問題だけではありません。
サンドニの構成でも相手がもっと弱いチーム、例えばタイならば、十二分に機能しうるでしょう。
伊東や名波、稲本が交互に上下し、前へ顔を出し、中で外で組み立て、支配する中で、個々の役割分担を状況によって作り上げて行くでしょう。
慣れないコンディション、整わない体調、対して絶好調のフランス相手では、個々のそしてチーム全体のスピードに差が出て当然です。
遅れてプレスに行く、もうボールは出されている、あるいは遅いから相手に充分な体勢を取られて簡単にかわされる。
そうしてひとつもボールが取れないのでは、バランスなど崩れて行くのが当たり前です。
たまに攻撃しても、判断も動きだしも遅いからすべての動きを相手にみきられ、ボールは簡単に奪われて行く。
なおかつフランスは世界最高のプレイスピードを持つチーム。
対してこちらはひさしぶりの代表戦、Jの遅いサッカーに日常的に染まり、プラス時差ボケで動かない身体。
慣れない柔らかい芝は雨でいっそうすべりやすくなり、足を取られ、ますます動きのキレを奪って行く。
あれは「論理的」な結果です。
どんなフォーメーションで挑んでいようと結果にそう差はなかったでしょう。

フォーメーションは、誰と誰と誰を組み合わせるのか、どんな選手構成で、どういう戦い方を目指すのか、ということ「だけ」であり、数字や形で考えても何も意味を為しません。
それはおわかりだとは思いますけれど。

   - -

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Re(3):日本の独自の事情
 野球人  - 01/10/15(月) 4:38 -

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   ▼gliderさん:
 不勉強が災いして、レスが遅くなりました。
 現在、プレーオフのプレーボールを待っているところです(クリーブランドは雨)。
 
>イチロー選手のトレーニングで、「初動負荷理論」なるものがありましたね。
>詳しく書こうと思ったのですが、いろいろと忘れてしまってます、すみません。
>もしも御存じでしたら、お教えいただけると助かります。

 詳しくは存じ上げません(小山裕史さんの名前だけは、かなり前から知っているのですが…)。私なりの理解では、

 本来、人体の筋活動が最大にパワーを発揮するには、まず初動作に絶対的パワーとスピードが必要。それは体の根幹部(上半身なら肩甲骨周辺、下半身なら股関節周辺)から生み出されるもので、その力が末端部に伝達される。
 トレーニングでは、動作の最初に大きな負荷を与えるだけで、あとの動きは伸縮、弛緩と慣性に任せる。理にかなった筋肉の動きが得られ、血流もスムーズ、乳酸がたまることもなくしなやかな筋がつくられる。

 といったところでしょうか。

 普通のウェートトレーニングでは、最初から最後まで負荷がかかってしまうので、それとは違った器具を使う必要があるようです。


 私が現役時代(大学生)のウェ−トといえば、とにかく筋肉をつけるということだったのですが、スポーツをやる上ではそれだけでは不十分で、関節部、腱といった部位をしっかり鍛えないといけない、さらにはスピードをつけるためには、筋肉をスピードに慣れさせる必要がある、といった方法論が確立されてきました。
 小山さんの理論はさらに、「筋肉の作り方」を定義したところに意義があるのでしょう。イチローもそうですが、伊東浩司も「小山門下生」です。
 彼らに共通するのは「世界に通用する(あるいは、世界を震撼させる)スピード」。

 なお、初動負荷理論には、「初動負荷が重要な動きもあるが、最初から最後まで負荷がかかる部位もある」という「部分的反論」も出ています。例えば、走る時のふくらはぎなど。
 これは無責任な発言なので、聞き流していただきたいのですが、伊東浩司が10秒00を出した後、故障がちだったのは、このあたりの「欠陥」によるものではないかと、私は勘繰っています。

 イチローの成功のカギは、「理にかなったフォーム」(そうではないと指摘する人もいますが、私なりの根拠があります。サッカーの掲示板なので、細かい説明は省略します)「相手の動きを先読みする観察眼」「確かな戦術眼」を「爆発的な初動のパワーを生む筋肉」と結びつけたところにあると思います。
 こうした点は、サッカーでも共通しているはずです。

 イチローは確かに特別なアスリートで、彼の成功はほかの人の参考にはならない。中田ひでもそうだと思います。
 ただ一つ言えることは、彼らの肌の色や体格は我々と同じで、恵まれている部類ではないということ。やればできる可能性は大いにあると思いますので、「特殊事情」でくくることに抵抗を感じるわけです。

なげー(笑)
 kind WEB  - 01/10/15(月) 16:19 -

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   いや、すいません。これは野球人さんへのレスではなく、
このスレッドの投稿数および圧倒的な文章量について(笑)。
もうちょっと余裕のある大学生だった昨年までなら
こういう議論にも首を突っ込みたかったところなんですけど
最近自分のHPを立ち上げたこともあって、一見さんにしかなれず残念です。

んで、一見さんは一見さんらしく、少しだけレスを・・・。


>身体能力とかフィジカルとか語られている言葉について、日本的な見方では「先天的」で「追い付けない」要素であると、あまりに強く信じられているように思われます。
>しかし、実際には「先天的」だと思いこんで、ほかのものばかり磨いているから、一向に進歩しないだけで、後天的に獲得できる要素も多分にある。
>サッカーでいうフィジカルとは、体の大きさもそうでしょうし、あるいは筋力、敏捷性、などなどさまざまな要素があるでしょう。広い意味では「体の使い方」もフィジカルの大きな要素の一つだと考えられます。


まったくもって賛成ですね。フィジカル的に差があるのは間違いないし、
現時点でフランス、ナイジェリア、セネガルあたりと張るのは無理。

でも、その「差」は、フィジカルを鍛えて縮める以外にも
埋める方法はある。ナイジェリア戦の宮本のように、
中盤のディフェンスをバックラインの精密な上げ下げによって助けるだけでなく、
相手を制御下におくまさに「攻撃的ディフェンス」が出来れば、
その差は埋まる。

正確に言えば、中盤と最終ラインをコンパクトに高い位置で保ち、
「ボールの動きを自由にさせない」ことで結果的に彼らの
自由な動きを制限し、身体能力の差が顕在化する状況つまり1対1の局面を
極力少なくすること。それが出来れば、高度に組織化されていない
アフリカンのチームに対しても対等以上に戦える。
あの試合、松田が海本か秋田だったら勝ってました。
ミスのシーンだけじゃなく、彼は反応が遅い。
2失点目のミスのシーンなんて、相手が右側から来てるのに
なんで右足アウトで扱おうとする?ちょっとでもミスったら
すぐ奪われるじゃないか、それって球扱いの基本・・・
おっと脱線(汗)。


まあ、つーことで日本は連中とのフィジカルの差を
トレーニングで埋めることと、組織の整備と、両方行うべきですね。
ほいでは一見は去ります(笑)。

日本の取るべきサッカースタイル
 GAITI  - 01/10/15(月) 18:53 -

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   >gliderさん
>Daiさん

えーとkindさんが言うように、本当に長くなってしまいましたね。(笑)
私がシステムや組織にこだわりを見せる前提を話したのですが
私の言いたいことを100%伝えるには、これから日本がどのようなサッカースタイルを取るべきか,日本独自のサッカースタイルとはどのようなものか、について考えていることを言わないと伝わらないと思います。

また長くなりそうです、すみません。(笑)

まず解りやすく、これからの話の流れを書きますね

1、ヨーロッパ型近代サッカー(この約束事がオートマティズムというのかな?)と言われているものとはどういうものか
2、日本はこれをただコピーするだけではだめだ
3、じゃあ、日本の取るべきサッカースタイルはなにか
4、どうしてこれが日本独自が可能なのか
5、この戦術に適しているのはどの選手か


1、まず、ヨーロッパ型近代サッカーについてです。
簡単に言います。
大前提として守備優先のシステムです。どんな状況でも守備力は落としたくありません。
(フランスの守備力はイタリアのカテナチオに匹敵します、しかもあれほどバランスの悪い布陣を取ることなくです)
それで、攻撃は中盤での組織的なプレスで高い位置でボールを取ることのよって、相手の守備組織が整わないうちにゴールしてしまう、と言うことが基本です。
(ある意味カウンターに近いかもしれません)
攻撃について大事なものがもう1つ、セットプレーです。

このシステムの最大の欠点は、引いた相手、組織的な守りが崩れていない相手だと自分たちから崩すことは大変難しいと言うことです。(このシステムじゃなくても難しいですが)
それの解決の手段としてセットプレーがあります。
セットプレーが現代サッカーで重要性が増したのはこのようなわけです。

ここで断っておきたいことは,
ミランでサッキが引いた4−4−2(DFラインも中盤もフラット)や
ユーべでリッピが引いた3−4−1−2(この2つが代表的ですね)
というようなフォーメーションの問題ではなく、このような考え方が近代サッカーと言うことです。(この注釈は余計ですね)

Jリーグでいえばジェフのサッカーがまさにこれです。
あの監督は優秀ですね、よく組織されています。

それとこれが重要なのですが、この近代サッカーは、私が今まで言ってきた自由にポジションチェンジする流動的なサッカーとは、ある意味違うということです。
(この違いは微妙ですから、後で説明します)


2、これを日本がそのまま取ってはいけない理由です。
前にも言いましたが,これはプレスサッカーです。
フィジカルがものすごく重要です。
そこでフィジカルについてです。
確かにフィジカルは後天的にも鍛えることは充分に可能です。
しかし、無計画にこれを鍛えると日本人の長所である俊敏性やスピードが失われてしまうかもしれません。(カズがそうだとラモスは言っています)
最近の選手はこれらをいかに落とさないでフィジカルを鍛えるか慎重にやっています。

そのほか、もちろん体の使い方、タイミングなどあります。これらはどんなサッカーをする上でも大切な要素なのでどんどん鍛えてください。

しかし、足の長さや懐の深さなどどうしょうもないことも多いですし(しかもこの「間合いの広さ」がプレスサッカーでものすごく有利な要素になったりする)、そのほかでも骨格などから違ったりします。

日本人がこれからいくらフィジカルを鍛えても本質的にこの戦術はヨーロッパ人が自分たちのオーダーメイドに作ったものだから追いつくことはないでしょう。

それにメンタリティーについてもこれは点さえ取られなければ、たとえ点が取れなくて0−0でもオッケーというヨーロピアンなメンタリティー(トルシエいわく引き分けのメンタリティーってところですね)から来た戦術なので、その辺も日本人にはあいません。


3、これから日本の取るべきシステム
簡単に言うと、このヨーロッパ型近代サッカーを破るサッカーです。
先ほど、近代サッカーでは引いた相手や組織的に守備が整っている相手は崩すことが難しいと言いました。

でも、引いた相手や組織的守備の相手を崩すことが可能なサッカーはあります。
レアルなどのスペースサッカーです。

ダイレクトでどんどんパスを回してプレスをかいくぐり、お互いがポジションチェンジを繰り返し、スペースを作りそれを利用する、とにかくないスペースは作る、相手のゾーンを崩すと言うところでしょうか。

このサッカーに要求される能力はテクニックとアジリティです。
(まさに日本人にぴったり)

Jリーグでいうといわずもがな、ジュビロ磐田です。

先ほど言ったこのサッカーと近代サッカーの違いを説明します。
はっきり言ってものすごく似ています、守備戦術は同じと言ってもいいくらいです。
違いは「選手選択」です。

先ほど言ったように近代サッカーでは守備力は絶対落としたくはありません。
よって選手選択にもそれが現れます。
つまりフィジカル、守備力が最優先で選ばれます。

反対にスペースサッカーは、乱暴に言うとテクニック、アジリティなどが高い選手を出来るだけ使いたい、という感じで選ばれます。(笑)

もちろんレヴェルの高い選手は、すべての能力を持っていますが,やはり人間ですから苦手なものもあります。
例えば、ジダンはアジリティが足りません、レアルで苦戦しているのはそのためでしょう。
フランスは、やはり選手の圧倒的なレベルの高さから、守備力を中心に選んでも攻撃力もすばらしいです。
しかし、やはり引いた相手や守備組織が整っている相手を崩すことは苦手としています。
もちろんポジションチェンジも行いますが、あまり効果的には行えていません。
選んでいる選手が本質的にこういう事を得意としませんから。
例えばカリエールなどは得意でしょうが、彼では守備に不安があります、
それはチームコンセプトと違いますし、おそらく起用されないでしょう。


それで日本の話です。
もちろん守備については、この近代サッカーのオートマティズムをもって守らなければいけません。
それで、攻撃についてはスペースサッカーです。
ようするに、日本的なテクニックやアジリティの高い選手に近代サッカーの守備とスペースサッカーの攻撃をやらせると言うことです。

でも実は、ここまではレアルやポルトガル代表の普通のスペースサッカーと違いません。

この戦術は、言うまでもなくテクニカルな選手を多く配置する分守備のリスクが大きいです。
そこでレアルやポルトガルでは4バックをひいて効率的にスペースを埋め、バックの高い個人能力に依存する形で守備のバランスを取っています。

日本では守備の個人能力不足からこれすらも出来ません、そこでフラット3のご登場です。
ラインコントロールによって、個人で出来るだけあたらないようにすることと、ラインを高く保つことによっての中盤のプレスの助けなどをします。

で、このバックラインは本質的にはこのスペースサッカーに合っています。
しかし、これでは、中盤のリスクをバックで減らすどころか、かけて何倍にも増やしています。(笑)

これが、日本の戦術がタイトロープのように微妙になるもう1つの要因でもあります。


すみません、長くなりすぎました。
また次回続きを書きます。

Re(1):日本の取るべきサッカースタイル
 GAITI  - 01/10/15(月) 19:26 -

引用なし
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   >Daiさん
と書いたのは、実はこれはDaiさんのスレットに書こうと思っていた内容だったからです。(笑)

>守備が組織的に整った相手
これは近代サッカーのオートマティズムをもった組織的なチームの守備と定義してください

>タイトロープのようになる
アジアカップの日本代表はこのスペースサッカーにかなり近いところまで行きました。
現在もその名残が中途半端な形で残っているので、(とくに1番の欠点であるこの安定感のなさだけは見事に残っている)このようになっていると思われます。


ところで、コンフェデのカメルーン戦は日本は見事な戦いをしました。
あれは、みごとなヨーロッパ型近代サッカーでした。(笑)
日本人の能力ではほぼ完璧な完成度でしょう。
あのサッカーでアレ以上はもう出来ません、あれで負けたらフィジカルの差でしょうし、残念ながら南米やヨーロッパの強豪国には多分負けるでしょう。
(セネガルなどには勝てるでしょうが、アフリカンの1番苦手な戦術ですから、ちなみにアフリカの中で組織的といわれているセネガル、南アフリカでさえ近代サッカーのオートマティズム(中盤の組織的プレスなど)は身につけていない)

カメルーン戦でだけなぜあれだけの完成度を誇ったかと言うと、間違いなく選手選択ですね。
右に明神を入れることにより、中盤のプレスが劇的によくなりました。

別に波戸を悪く言うつもりは全くありません、しかし波戸がオートマティズムを学ぶ時間があったでしょうか。しかも彼のポジションは日本の変則左肩上がりのシステムの右サイドです。1番難しい、1番高い戦術理解度が必要とされるポジションです。

波戸は頭の悪い選手ではありませんので、ベルデニックが村井や坂本に半年でプレスを仕込んだように、もう少し時間があればいけたかもしれませんが。

トルシエの方向性
 seri  - 01/10/16(火) 11:15 -

引用なし
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   GAITIさんの言うことには全面的に賛同です。
やはり個人能力、フィジガル能力などを考えた場合
欧州の選手との圧倒的不利は感じずに入られません。
日本が同様の戦術をとるなら結果はおのずとみえてきます。

ではなぜトルシエがこの戦術に至ったかを簡単に考えてみたいとおもいます。
やはり原因はサンドニでの大敗でしょう。
あのときとった戦術が3ボランチでなくても負けていたのは確かですが
3ボランチであったために日本の良さが消えてしまったのも確かです。

きっとトルシエはこう思ったはずです、
「私の考えは間違っていた。やはりあれはアジアだから通用したのであって
欧州相手には通用しないのだ。その前に守備から何とかしなくては・・・」
「守備をしっかり組み立ててから攻撃力を上げる。攻撃は守備の目処が
立ってから考えよう。守備のために短期的に攻撃力が下がっても仕方ない。」
その後のトルシエの発言を考えても妥当な内容だと思います。

その後はご存知の通りコンフェデで近代サッカーの集大成とも言える試合を
わずかではありますが見せてくれました。

ただ残念なことにトルシエの考えは間違っていませんが方向性は間違っています。
トルシエは近頃、
「フィジカルをもっと上げなければならない。」
「メンタリティーが足りない。」
「個人の能力が足りないからもっと海外でプレイすべきだ。」
「もう戦術的に私がやることはない。後は選手が能力を上げるだけだ。」
などと発言しています。

これはまったくもって正しいです。正しすぎます。
この戦術を遂行するには上にあげたものは欠かせないものばかりです。
ただ悲しいことにどれも日本人では到底実現不可能な課題ばかりが並んでいます。
要は、この戦術を実行することは可能でも実際には強くはならないのです。
なぜなら強さとは極めて相対的なものですから似たような戦術を
もっと適正のある欧州のチームにとられたら日本は歯が立たないということです。

つまりトルシエは戦術を遂行することは得意でもそれがこの国にあっているかは
考えない理想主義者的な視点から監督をしていることになります。
結論はどちらかといえばクラブチーム向きの監督ですね。
ただ戦術家としては一流でも、選手の能力を見誤るところは弱点ですね。

余談ですが、彼がアフリカでもかたくなに自分の戦術を曲げなかったために
南アフリカが無残に散ったことがあるのは有名な話ですね。

Re(4):日本の独自の事情
 glider E-MAILWEB  - 01/10/17(水) 6:19 -

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   ▼野球人さん:

> 初動負荷理論

御説明ありがとうございます。
大切に保存させていただきます。

> イチローの成功のカギは、「理にかなったフォーム」(そうではないと指摘する人もいますが、私なりの根拠があります。サッカーの掲示板なので、細かい説明は省略します)「相手の動きを先読みする観察眼」「確かな戦術眼」を「爆発的な初動のパワーを生む筋肉」と結びつけたところにあると思います。
> こうした点は、サッカーでも共通しているはずです。

まさしく、共通していると思います。
特に、いろいろな面でのスピードが求められている現在のサッカーにおいて、上記に揚げられた「理にかなったフォーム」以外の3点は特筆すべき「最重要項目」でしょう。

フォームに関しても、サッカーにおけるボディコンタクト時の姿勢、ボールキープ時やボールを競り合う時のボディシェイプ、ボール位置や相手の動きに対するボディアングル等と置き換えれば、サッカーにもあてはまります。
そして、中田ヒデはそういう面で特に優れた選手です。
だからこそ、彼よりは大柄な欧州人に混ざってもフィジカル面で見劣りしません。
つまり、中田ヒデも「理にかなったフォーム」でサッカーしているということですね。
そうしたフォームを維持することができるバランスの良い筋力、という裏付けを持って。

少なくともぼくにとっては大変に参考になり、かつ重要な御意見でした。
ありがとうございます。

Re(1):なげー(笑)
 glider E-MAILWEB  - 01/10/17(水) 6:39 -

引用なし
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   ▼kindさん:

ひさしぶりです。

>でも、その「差」は、フィジカルを鍛えて縮める以外にも
>埋める方法はある。ナイジェリア戦の宮本のように、

いや、なんか論点が少しズレてる気がするけど(笑)
まあいいか。

そして宮本はやっぱり控えだな〜と思いました。


>あの試合、松田が海本か秋田だったら勝ってました。

ぼくは松田が一番良いと思いました。
秋田がどうかはよくわからないけど、Jを見る限りでは秋田じゃ無理。
最近の海本は見てないけど、もう一度呼んでみたら?と思うのは大岩くらい。
最近の大岩はJの中では良い。目立ってます。

何を持って遅いと言っているのかはわかるけど、出足と判断はあの試合のDFでは松田が一番速かった。
ミスのシーンは単なる大ポカ。たまにあるけど一瞬気がぬけてたね。
んでも松田が一番おもろいよ。可能性を感じました。

Re(1):日本の取るべきサッカースタイル
 glider E-MAILWEB  - 01/10/17(水) 7:06 -

引用なし
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   ▼GAITIさん:


ほんとうに、ずいぶん長いスレッドになりましたね(笑)
いくつか、賛成できる点と説明が必要だと思われる点と反論のある点があったので、GAITIさんの揚げたポイントに関して、ぼくの考えを書いて行きます。

>この約束事がオートマティズムというのかな?

日本は「ゾーンバランスド&ボールオリエンテッド・ディフェンス」を敷いています。
トルシエの言う「オートマティスム」とは、意味は時として多岐にも渡るようですが、つまりは「動きの約束事」をオートマティックに遂行する能力のこと。
あたかも、考え、判断する前に身体が自動的に動くがごとくに遂行すること。
そして、その動きの約束事の一番の基盤となるものは、「ボールの動きによるゾーンの移動・収縮」「ゾーンバランスのキープ=選手間の緊密な距離のキープ」です。
基本的には、これを守ることによって各選手間の距離は近く保たれることになるのでプレス&フォロー、そして攻撃への切り替えはスピーディに行われ、ロストボールから守備への切り替えも同様にスピーディに行える、というのがその主旨です。
ボールの移動によりゾーンを移動/圧縮し、1stプレッシャーとフォロー、そしてそのカヴァー、カヴァーのカヴァー、攻撃においてのスペースメイキングとフリースペースへの進入、そういうことによって人がポジションを入れ替えていてもゾーンバランスと選手間の距離はキープされるのでボール奪取〜攻撃、ボールロスト〜守備への切り替えはタイムラグを生ずることなく行える。
そして、ゾーンの素早い移動とカヴァー、連続的なスペースへの動きだしとそのスピードを考えれば、「流動性」は必要不可欠なものです。

>セットプレーの重要性


これはまったく賛成です。
統計的にもセットプレイは得点率が最も高い。
そのことは相手がどのように戦ってこようと変わらないことですが。

>ヨーロッパ型近代サッカー

ヨーロッパ型近代サッカーと一口に言っても、その「プレッシング・サッカー」はもう世界的なものであり、例えばアルゼンチンもそういう意味ではヨーロッパ型のプレッシングサッカーですが、かと言ってフランスともイングランドとも違います。
守備優先とは言いがたいし。
アルゼンチン人がオランダ人やアフリカ人に比べ、「間合い」が広いかと言えばそんなことはなく、フィジカルが強いかと言えばそんなこともなく、でも何故に今アルゼンチンがフランスと並んで「2強」と評されるかと言うならば一番単純に言えば「速いから」です。
何度も言うようで恐縮ですが、「流動的なサッカー」とは、趣味趣向の問題などでは決してなく、それは速度的な必然です。
世界を制しようとするチーム、そういうチームと同じ土俵で勝負せんと欲するチームならば、それは「マスト」です。
フランスは充分に「流動的」です。当然アルゼンチンも。

上記に書いたようなトルシエの「オートマティスム」、日本の理想の状態も確かに「ヨーロッパ型プレッシング・サッカー」ですが、一言で言うなら「要素の純粋抽出性」において他チームとの差異はやはり存在します。
ぼくの意見を言わせてもらえれば、サッキから始った「プレッシング・サッカー」はもう遠くサッキのミランを越え(あれはもうすでに前近代)、そこから「発展して行ったもの」は欧州に留まらずすでに世界的なスタンダードであり、それでもやはり各国のいろいろな要素による差異は必然的・宿命的にあり、当然日本もまたその中にあって日本独自のものは「出てしまう」ものとしてもある。
トルシエの方法論は欧州スタンダードからの発展系であり欧州のメンタリティの中にもあるが、それは幸運にも要請される今の日本の状況に偶然合致したものとも言える。
(このへんのことは、ブルサポでのぼくのコラム、
http://bluish.jp/html/glider/g006.html
http://bluish.jp/html/glider/g005.html
で思う所を詳しく書きました。書いたのはトルシエ・バッシング盛んなりし頃だったので少々現在との皮膚感覚の差も感じますが、基本的にはぼくの見方は変わっていないので、面倒でなければ御一読を)

何よりも、フィジカルと運動量が一番に重視されるサッカーの時代は、もう終わっています。
むろん、「大事なひとつの要素」であることには変わらないでしょうが、勝敗を分ける最大の要素は個人とチームのスピード、野球人さんが説明してくれた「相手の動きを先読みする観察眼」「確かな戦術眼」「爆発的な初動のパワー(とスピード)」ということにどんどんなって行くでしょう。
そうしてますます上がって行くスピードの中では、プレッシングサッカー、スペースサッカーと分けては考えられません。
それは同一のもの。そして攻撃も守備も同一のもの。

フランスの守備力の高さは、守備重視で選考した故に「守備力」が高いのではなく「ボールキープ力」の高さ、「支配力」の高さによるものでもあるということです。
選手の選考は、守備力、攻撃力、スピード、テクニック、アジリティ、戦術眼、判断力、すべての複合的要素を鑑みて、相手との兼ね合い、試合の展望と戦略(戦術ではなく)、そして身体とメンタルのコンディション、等々から最適の「組み合わせ」を探るしかないのです。
そこに至るまでの「チーム作り」の面から見ても、「ウチはプレッシングサッカーだから」とか「スペースサッカーだから」といった分け方で選ばれるのではなく、全体の相対的な力量とコンセプトとのバランスや、選べる中での特性、特徴といった要素を生かしつつ作って行くしかないのです。
その中での最大のチームとしてのフレキシビリティを持たせつつ。

トルシエの「ゾーンバランスド&ボールオリエンテッド・フットボール」も、大きな括りの「プレッシング・サッカー」です。
くり返しになりますが、従来のものとの差異は、その発展性、いわば純粋抽出性です。
「ボールオリエンテッド」なゾーンの移動と収縮は、プレッシングサッカーの常識ですが、日本代表のものは組織的徹底性と純粋性において差異が見られます。
その先にある、選手個人の判断としての囚われない動きは、強豪達には前提としてあるもの。
トルシエがやったオートマティスムの徹底は、そこに向けての下準備、いわばそれをやりやすくするためのベースでもあるでしょう。
もともと、戦術なんてそういうものですし。

システムや戦術なんて実は2次的なもの。
大切なのは個人と、その個人同士の結びつき、そしてそのチームのチームとしての完成度です。
それがピッチ上のリアル。
それがチームの本当の「個性」になって行く。そこからだけが本物の「チームの個性」を生みだします。

そして、どんな戦術だろうと、有名選手がいようといなかろうと、高いモティベーションを持って「ひとつ」になったチームは強いのです、いつの時代も。

Re(2):なげー(笑)
 kind WEB  - 01/10/17(水) 12:41 -

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   ▼gliderさん:
>▼kindさん:
>
>ひさしぶりです。
>
>>でも、その「差」は、フィジカルを鍛えて縮める以外にも
>>埋める方法はある。ナイジェリア戦の宮本のように、
>
>いや、なんか論点が少しズレてる気がするけど(笑)
>まあいいか。
>
>そして宮本はやっぱり控えだな〜と思いました。
>
>
>>あの試合、松田が海本か秋田だったら勝ってました。
>
>ぼくは松田が一番良いと思いました。
>秋田がどうかはよくわからないけど、Jを見る限りでは秋田じゃ無理。
>最近の海本は見てないけど、もう一度呼んでみたら?と思うのは大岩くらい。
>最近の大岩はJの中では良い。目立ってます。
>
>何を持って遅いと言っているのかはわかるけど、出足と判断はあの試合のDFでは松田が一番速かった。
>ミスのシーンは単なる大ポカ。たまにあるけど一瞬気がぬけてたね。
>んでも松田が一番おもろいよ。可能性を感じました。


うーん、いや、まあいいすわ(笑)。
一段落したらこのあたり議論させていただきたいです。
論点ズレてますよ、ええ(笑)。いちばん言いたかったのは
宮本とダーマツ・森岡は並列には並べられないな、ということなんで。

時間がほしい・・・

Re(2):日本の取るべきサッカースタイル
 GAITI  - 01/10/17(水) 19:00 -

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   gliderさん:

>ほんとうに、ずいぶん長いスレッドになりましたね(笑)

全くその通りですね。自分でもこんなに長くなると思っていませんでした。(笑)
しかし、これでもかなり省略して書いたので伝わらなかったこともありましたね。

で実は、gliderさんのレスを読みましたが,自分と意識を共有している部分も多々ありました。
違いは、ちょっとしたサッカー観の違いだと思います。
今回はその共有する部分について書きます。(たぶん誤解もあると思うので)


>トルシエの言う「オートマティスム」とは、意味は時として多岐にも渡るようですが、

そうですね、彼はいろいろ場合によって使い分けているとおもいます。

>つまりは「動きの約束事」をオートマティックに遂行する能力のこと。

このことに関しても異に関しても異論はありません。

>ヨーロッパ型近代サッカーと一口に言っても、その「プレッシング・サッカー」はもう世界的なものであり、例えばアルゼンチンもそういう意味ではヨーロッパ型のプレッシングサッカーですが、かと言ってフランスともイングランドとも違います。

もちろんそうです。ヨーロッパ型というよりもヨーロッパ発祥の近代サッカーとでも捉えててください。


>上記に書いたようなトルシエの「オートマティスム」、日本の理想の状態も確かに「ヨーロッパ型プレッシング・サッカー」ですが、一言で言うなら「要素の純粋抽出性」において他チームとの差異はやはり存在します。
>ぼくの意見を言わせてもらえれば、サッキから始った「プレッシング・サッカー」はもう遠くサッキのミランを越え(あれはもうすでに前近代)、そこから「発展して行ったもの」は欧州に留まらずすでに世界的なスタンダードであり、それでもやはり各国のいろいろな要素による差異は必然的・宿命的にあり、当然日本もまたその中にあって日本独自のものは「出てしまう」ものとしてもある。
>トルシエの方法論は欧州スタンダードからの発展系であり欧州のメンタリティの中にもあるが、それは幸運にも要請される今の日本の状況に偶然合致したものとも言える。

ここも私の意見は全く同じです。
前回も書きましたが,プレッシングサッカーといっても、近代サッカーのオートマティズムを前提として「選手選択」や「その国のサッカーに対するメンタリティー」などでそれはいくらでも姿を変えますから。
(オートマティズムといっても戦術の1歩手前の下準備みたいなものですから)
それと、プレッシングサッカーを前提とした各国のサッカースタイルについてですが、たいていは明確な完成後のイメージをもって出来る、というよりもその国の固有の考え方や選手のタイプによって偶然出来るものでしょう。

もう少しこれについて説明させてください。
で、この近代サッカーをベースに出来ると予想されるであろうサッカースタイルについて書きます。(現実に今あるか、ないかにかかわらず、あくまで生まれることが可能なサッカースタイルについてです)

1、まずは、いかにもヨーロッパのテクニックはなくてもフィジカルだけはあると言う国に生まれがちな守備の極北、守備最優先の選手選考から生まれる(オフェンス時の)ポジションチェンジなんて起こりようもないような(あくまでイメージです、実際はやっているでしょう)固い感じの布陣です。戦術としては乱暴にカウンターと分類されるでしょう。
(例 フランスのリールなど)

2、もっと実力のある選手がそろえば、1から守備能力を落とさないで、ボール支配率が高い攻守にバランスの取れた布陣が取れます。
(このへんが、サッキやリッピが取った比較的スタンダードなものでしょうか)

3、そこからさらにFW、中盤などにテクニカルな選手をそろえると私の言ったスペースサッカーになります。
(例 レアルなど)

4、こうなったらDFラインまでテクニカルな選手にしてみませんか。
スパースペースサッカー、狂気の攻撃サッカーの極北。(笑)
(例 私が言った日本の将来の目指すサッカースタイル)


ここで断っておきたいことは、近代サッカーのオートマティズムをもつ選手を11人そろえると例外なく強いチームが出来るでしょう。(最低限の個人能力を持っていればですが)(そういうチームは実際は思ったよりも少ないです)

その結果できるであろう1から4のサッカースタイルは、どれも近代サッカーであり、どこも強いと言うことですね。
1のチームももちろん強いです。彼らの守備を破ることは大変でしょうし、カウンターといっても旧来のカウンターとは一線を画す近代サッカーのカウンターです。

私は,フランスを一番スタンダードな2と分類し、前回2のサッカースタイルの特徴を書いたまでです。それはこのように選手選択によってすぐ変わるものなので、あくまでも便宜上のものとしてみてください。
とくにフランスはいくらでも変身可能でしょう。(笑)

Re(4):日本の独自の事情
 mitsu  - 01/10/18(木) 13:02 -

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   > イチローの成功のカギは、「理にかなったフォーム」(そうではないと指摘する人もいますが、私なりの根拠があります。サッカーの掲示板なので、細かい説明は省略します)「相手の動きを先読みする観察眼」「確かな戦術眼」を「爆発的な初動のパワーを生む筋肉」と結びつけたところにあると思います。
 こうした点は、サッカーでも共通しているはずです。

興味深いすね。
1,情報の取得→2,判断→3,動作、の一連の動きを支えるものといった感じでしょうか。
さらに動作の効果を上げるための「理にかなったフォーム」ですかね。
日本の選手(サッカーです(笑))に足りないのはどれだ?って言うと
全部なのかな?やっぱり・・・。

動作において日本人が他より本質的にすぐれているわけではない、とは思っていますが
やはり肝心なのは1と2だろうか。
野球でもそうなのかもしれませんが(野球全くわかりません・・・)サッカーでは
1と2は90分間継続して行われるものだと思うが(3も90分続けば言うことないが(笑))この速さに問題があるのだろうか?
それとも質か?
1,2において日本が世界に比べ劣っているのは確実だと思うが原因はなんだ?
ボール保持時においてはテクニックの差違が影響するだろう。
ボールを正確に扱うことに集中するため1,2がストップしてしまう空白の時間(大袈裟だな)が存在してしまう。

とりとめなさすぎるけど昼休み終わったんでまた今度・・・。

 

  E-MAIL  - 01/10/18(木) 16:59 -

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subject Re(3):日本の取るべきサッカースタイル
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web http://homepage.mac.com/beggars_banquet/index.html

▼GAITIさん:

>全くその通りですね。自分でもこんなに長くなると思っていませんでした。(笑)

ずいぶんと独善的な書き方をしてしまっているのに(そんなつもりは本当はないのですが、ついそうなってしまいます。それでよく人を怒らせてしまいます。書き方って難しいですね)、真摯におつきあい下さって本当に感謝しております。

2点だけ。

>オートマティズムといっても戦術の1歩手前の下準備みたいなものですから

ぼくは、オートマティスムがチーム全体に浸透されれば戦術的には監督がやるべきことは終わっていると考えます。
後はピッチ上で選手達がコンビネーションを高め、工夫して行くべきこと。
アイデアや個性を絡めつつ、個と個の繋がりを強化して行くこと。
そうなれば監督の仕事は、組み合わせのバランスを見極めること、どうバランスを取って行くか、良いバランスの選択枝を増やし、それをどう維持して行くか、に移行して行くと思います。
さらに重要な「ピッチの外の部分」の仕事、チームのまとまり、モティベーションの維持、選手・スタッフのチーム全体のファミリーとしての人間的部分やオーガナイズの部分の仕事がもっとも大きいわけですし。
戦術なんて信号機みたいなもんです。
監督はそれを作って走りやすくしてやるだけ。
どう走るかは選手達がきめるべきこと。
必要ならば信号無視したってかまわない。
「自分で安全だと判断したら赤信号でも渡れ」と言ったのもトルシエだし(笑)

>で、この近代サッカーをベースに出来ると予想されるであろうサッカースタイルについて書きます。

2、と3、は同じだとぼくは捉えています。
例えば 2、のチーム同士があたり、プレッシングスピードがどんどん上がって行けば攻撃においてはスペースサッカーにならざるを得ません。
ならなかった方が主導権を失うことになるでしょう。
そして、4、 とも関連しますが、そうして極度に(一昔前にくらべれば)狭められスピードアップされたプレイエリアの中ではそうしたスピードの中で正確にボールを扱う技術、野球人さんへのmitsuさんのレスに書かれているような >1,情報の取得→2,判断→3,動作、の一連の動き といった要素の速さ正確さ無駄のなさ、そうしたことはFWやMFに限らずDFでも必要になってくるでしょう。
別に、意表を突くようなパスが出せたりトリッキーな技術などは必要ではないけれど、正確なボールコントロール技術、ダイレクトで正確に繋げることができる技術や30m以上のロングパスを素早く正確に蹴れる技術、キックの質、そういったものはすでに必要不可欠だと思います。

日本代表のシステムは生来的にそうした「スペースサッカー」に対応したものです。
いえ、プレッシング・サッカーというもの自体、そうなって行くのが正常な進化だと思います。
相手との関係やコンディションも大きいですが、1、 が2、にならないのは単純にレベルが低いから、2、が3、にならないのはコンビネーション不足か遅いだけ、3、が4、にならないのは守備能力との兼ね合いだけ、その中で何に力をかけてどういうサッカーを指向するかは選手の個性と文化次第だと思います。

Re(5):日本の独自の事情(長すぎます、失礼)
 野球人  - 01/10/18(木) 22:00 -

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   ▼gliderさん
▼mitsuさん
▼kindさん

 レスありがとうございます。涙が出るほどうれしいので、迷惑とは思いますが、長文のレスを書いてみました。

mitsuさんは
「1,情報の取得→2,判断→3,動作、の一連の動き」に関して、
>>1,2において日本が世界に比べ劣っているのは確実だと思うが原因はなんだ?
とおっしゃいました。
 やっぱりそこが問題ですよね。

 参考になるかどうかわからないのですが(個人的には、参考になるかなという淡い期待を抱いてるってことです)、野球に関する「現状」を書いておこうと思います。

 もし、簡単なルールがおわかりならば、午前中にメジャーの試合(マリナーズ、ヤンキース、ブレーブスあたりが最適??)、夜に日本のプロ野球の試合(「巨人」が最適!!)を観てみて下さい。
 「このスピード差は何なのだ」と、愕然とすること請け合いです(要するにJと他国リーグの差と似たようなお話)。1も2も3も、日本の野球はダメです、全然。間もなく、オーストラリアに、そしてもうしばらくしてイタリアに負ける可能性は極めて高いと思います。

 で、行き着く先はというと、「理にかなったフォーム」(笑)そして何より「教育」に問題があるのかなと…。
 mitsuさんの話と「かぶる」のですが、技術の裏づけがないために、判断にまで頭が回らない。なおかつ、判断するためのベースが与えられていない。そう思います。

 「日本人=基本に忠実」「ガイジン=個性的」なんてことを、野球の世界のヒトは繰り返しアピールするんですが、これが一番アヤシイ。日本野球っていうのは、「野球道」に起源があるためか、常に「型」が優先されるのです。

 こう構えて、その時手足はこう動かして、目はこうで、頭の向きはこうやって…。守備も走塁も同じ。作戦もやっぱり「型」があって、1点を狙う時は絶対送りバントで、それ以外をやると「冒険」なんです。

 こうした「型」を、野球を始めた時からしっかりと「たたき込む」ので、もうそれは「ばっちり」身につくわけです。教育を受け続けた素直な子には…。

 一方、アメリカのコーチは、子供にも大人にも「好きにやらせる」ことが大前提です。試行錯誤を繰り返して、その結果、自分に一番フィットするやり方を見つける。彼らにも「型」はあるのですが、それはその人その人によって、全く異なったものになっているはずです。

 ところがです。興味深いことに、インパクトの瞬間だけを撮影した写真を見ると、アメリカ人の方が「画一的」で、日本人はもっと「個性的」です。肝心の「力を加える動作」が、日本人はさっぱりできていないのです。

 「型=基本」と解釈しておられるのが日本の皆さん。アメリカの人はたぶん、「基本」というのは「遠くに投げる」「速く走る」「遠くに飛ばす」という、プレー本来の「目的」にかなった「方法論」ということなんでしょう。

 どちらが良いか?議論の余地はないように思われます。

 さあ、いきなり話題をサッカーに飛ばします。
 ここ、少しあやふやなので、間違ってたら訂正して下さい。
 サッカー協会は共通の「技術書」つまりマニュアルを作ってますよね。これはトレセン制度の一つの「キモ」で、こういう技術が優れているという共通理解に基づいて、違うコーチであっても優れた能力を持った「ホープ」をピックアップでき、正しく育てることができる。

 競技の普及段階では極めて優れたやり方だと思います。
 少なくとも、共通理解に適う子供ならば、どこにいても漏れ無く拾い出せるわけですから…。一方で、中村俊輔などの「特異な才能」が漏れる(確かそうでしたよね?)こともあり得る。

 結局、マニュアルに従った教育というのは、「平均点」を平均以上に上昇させるには適しているけれど、「突出した才能」を育てるには、むしろ害悪でさえあるってことなんじゃないでしょうか。

 しかもです。
 型を先に教えこむということは、「考える余地」「工夫する余地」を与えないということです。行き着く先はというと、「教えられていない状況が眼前に現れると、すぐにパニック状態に陥る」。ですね。

 これはもう、日本人の病理みたいなもので、「まず目的ありき」ではなく、Due Process を大事にして、結果はその後に考える。数学を教える時も、山を登るにはいくつも道があることを示さないまま、ひたすら「早く山頂に到達するための型」を教え続ける。
 皆さん、受験勉強には悩まされたと思いますが、数学の場合「例題をどれだけこなして、試験の時にパニックしないようにするか」が勝負であって、時間をかけて考えさせようとはしない。
 考える習慣がないので、「経験した例題の類題」ならすぐに解けるのだが、「未知の問題」になると白旗。
 ここまで3つの書き込み、みんな演繹法みたいで恐縮なんですが、私の答はつまり、「考える習慣」を身につける土壌が、選手育成においても、学校教育においても、希薄であるということです。

 焦点がぼやけ過ぎたでしょうか??

Re(6):日本の独自の事情(長すぎます、失礼)
 GAITI  - 01/10/19(金) 16:30 -

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   >野球人さん

レスどうもありがとうございました。
そして、レスが遅れてすみません。

>私の答はつまり、「考える習慣」を身につける土壌が、選手育成においても、学校教育においても、希薄であるということです。

この部分は同感です。
この部分について、少し話させてください。

この自分で考える習慣を持つことによって、具体的にサッカーにおいてどのようなメリットが発生するかです。

ブラジルがWカップで優勝するときって、気温が高い、つまり暑い大会が多いです。
ブラジルの選手(昔強かったころ)は、今日は暑いから、横パスで相手を走らせて、後半ばてたところでとどめを刺そう、などや攻撃の緩急のつけ方など、自分で考えて状況に応じたプレーをする(つまり個人戦術かな)ことが最大の武器だと思います。

そういうような ブラジルの個人戦術が、暑くてプレスなどの組織戦術の効きづらい大会でより生きたのかなと思っています。
(初めての相手でもすぐ呼吸を合わせられる、と言ったようなことはこのような個人戦術の高さが影響していると思う。)

日本選手は、ブラジル人から変なとこばかり学ばないで、こういうところを学んで欲しいですね。(笑)

それと、日々の試合やトレーニングなどでも、自分で明確な目標を決めたり、その結果どうなるのか、といったことを具体的にシュミレーションしてみることによって効果は全く変わりますし、それも試合中のことと並んで、自分で考えることの大きな効果ですよね。

それと、サッカーを考えるといったことは楽しいことでもあるんです。

イングランドの若手はサッカーの話をすると何時間でもとまらないようです、Wユースでアルゼンチン代表は試合中自分たちで問題を調整していました、日本は悪い意味で監督の指示を守りすぎています(これが長所にもなりうるのですが)、例えば、Wユースでもサイドがボールを持つと必ず中に切れ込むといということをやっていましたが、あまりにやりすぎで 相手にも読まれ始めました。理論は解るのですが、もう少し自分で考えて臨機応変にやってもよいですね。

日本と世界との差は案外このあたりかもしれません。

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