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プレスとポジションチェンジの歴史的変移(トータルフットボールについて) GAITI 01/11/17(土) 19:01

   Re(1):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(サッキとミランについて) GAITI 01/11/18(日) 21:03
   Re(2):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(リッピとユベントスについて) GAITI 01/11/20(火) 13:53
   Re(3):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(リッピとユベントスについて) glider 01/11/21(水) 6:18
   Re(3):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(リッピとユベントスについて) mitsu 01/11/22(木) 13:03
   Re(4):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(リッピとユベントスについて) GAITI 01/11/23(金) 2:27
   Re(3):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(... glider 01/11/23(金) 19:14
    サッキのゾーンプレスの位置設定 glider 01/11/23(金) 19:33
    Re(4):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(... GAITI 01/11/23(金) 21:02
    Re(5):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(... glider 01/11/24(土) 0:52
    Re(6):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(... GAITI 01/11/28(水) 15:02
    Re(7):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(... zukunasi_7 01/11/29(木) 17:22
    Re(8):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(... GAITI 01/11/29(木) 18:11
    Re(8):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(... glider 01/11/30(金) 16:02
     Re(9):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(... GAITI 01/12/1(土) 18:18
     Re(10):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(... glider 01/12/1(土) 23:51
     Re(10):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(... zukunasi_7 01/12/2(日) 14:21
      Re(11):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(... GAITI 01/12/2(日) 23:47
      Re(12):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(... Dai 01/12/3(月) 3:58
      Re(13):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(... zukunasi_7 01/12/4(火) 5:37
       Re(14):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(... Dai 01/12/4(火) 9:44
       Re(15):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(... zukunasi_7 01/12/6(木) 2:32
      Re(12):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(... zukunasi_7 01/12/4(火) 5:52
     Re(9):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(... zukunasi_7 01/12/2(日) 18:31
     zukunasi_7さん、GAITIさん glider 01/12/3(月) 5:34
     Re(1):zukunasi_7さん、GAITIさん zukunasi_7 01/12/4(火) 6:19
     Re(2):zukunasi_7さん、GAITIさん glider 01/12/6(木) 19:09
    Re(7):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(... glider 01/11/30(金) 14:16
   Re(2):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(サッキとミランについて) Dai 01/11/22(木) 4:59
   Re(3):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(サッキとミランについて) mitsu 01/11/22(木) 12:22
   Re(3):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(サッキとミランについて) GAITI 01/11/23(金) 2:03
   Re(4):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(サッキとミランについて) Dai 01/11/25(日) 1:19
   Re(5):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(サッキとミランについて) glider 01/11/25(日) 6:53
   もうひとつ glider 01/11/25(日) 7:23
    Re(1):もうひとつ 紅葉 01/11/25(日) 14:46
    Re(2):もうひとつ GAITI 01/11/28(水) 13:55
    Re(2):もうひとつ glider 01/11/30(金) 14:40
   Re(5):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(サッキとミランについて) GAITI 01/11/28(水) 14:43

Re(1):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 GAITI  - 01/11/18(日) 21:03 -

引用なし
パスワード
   次はアルゴ・サッキのミランについてです。

おそらくクライフのトータルフットボールに強い影響を受けたシステムだと思いますが
トータルフットボールの最大の弱点である運動量の増加を削減するために
プレーエリアをコンパクトにすることが最大の目的とされました。

よって、取ったフォーメーションは中盤をすべて横に並べる4−4−2です。
最終ラインは俗に言うフラット4で、積極的な押上げをしました。
(もちろん両方ともプレーエリアのコンパクト化が目的です、
ちなみにDF形式はマンマークからゾーンに移行しました)

より正確に言うとプレーエリアをコンパクトにして、
より効率的にプレスをかけることが目的とも言えます。

で、プレス方法は実はクライフのころとあまり変わらなかったのではと思っています。
要するにボールの近くにいる人で人数をかけて奪ってしまうプレスです。
中盤が激しい運動量で積極的に高い位置からボールを奪いにいって、
そこからの早い展開で勝負するという、現代サッカーの先駆けかもしれません。

しかし、より激しいプレスが求められるようになったので
プレーエリアを狭くしただけでは、運動量を減らすことはできませんでした。
(むしろ、かえって増えたかもしれません)

なぜサッキがより激しいプレスを求めたというと
最終ラインをフラットにして、(プレーエリアを狭くするために)高いラインを保たせたからです。
中盤のプレスがかからないと、ラインが高いですからね、一発で裏を突かれます。
(あちらを立てれば、こちらが立たずですね)

ポジションチェンジについては、4−4−2という安定した形を取った布陣ですから
言及するような画期的なものはないですね。
(それほどゾーンのバランスを崩すポジションチェンジはなかったと思います)
敢えて言えば、ポジションチェンジのパターン2のスタミナ消費を抑えるものは当然行ったでしょう。
(一番近い人がポジションを埋めるというものです、言うまでもなく現代サッカーでは当然必要です)

結論です
この戦術の弱点は3つあります

まず1つ目は意外と中盤のプレスがかからないこと
プレスは上下左右異なる方向からかけることが効果的です。
(例えば3方向(異なる方向)からプレスをかけられると視界に入らない選手が出てきます)
中盤をフラットにすると、プレスがどうしても、1次的(前方からのアタッキングプレス)になってしまいます。
特に相手の中盤が2ラインの時は、相手ボランチまでこちらのCMFのプレスを届かせることは至難の技です。

次の2つ目はクライフの時と同じなのですが個人(特にCMF)の能力にかなり左右されます。
この4−4−2システム自体、かなりの自由度の高いシステムですが
特にCMFはかなりの多方面かつ広範囲のゾーンでの仕事が要求されます。
ミランの成功は、ライカールト、アンチェロッティという2人の優れたCMFがいたことは忘れてはいけない事実でしょう。

3つ目はフラットの4バックです。
1つ目、2つ目とにもかかわってくる問題なのですが中盤のプレスがないとフラット4は成り立ちません。
しかし、4−4−2では上記のような理由で構造的にそれは難しいです。
結果、ラインブレイクなどの対処法が編み出されましたが、
それでもこのままの戦術ではやはり裏抜ける選手に弱すぎます
この最終ラインは改善が必要でしょう。


現在この4−4−2はイングランドを中心にかなり普及していますが
最終ラインをフラットにしているにはアーセナルくらいで、
他のチームは1人にアッタキングさせて3人で守るなど柔軟に対処しています。

しかし、オーウェン、キューウェルなどスピードある裏に抜けるタイプに弱いのはいくら改良しても構造的に仕方ありませんね。

Re(2):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 GAITI  - 01/11/20(火) 13:53 -

引用なし
パスワード
   えーと何かすごく長くなってしまいました(笑)
そこは違うとか思うことがあれば遠慮なく言ってください。

最後にマルチェロ・リッピのユベントスです。
(トルシエの戦術にとても似ています。)
基本的なものはサッキのものと同じです。
で、違うことはプレス方法です。

昔のジダンがいた頃の3−4−1−2で、
フラット3、ボールオリエンッテドDFなどの戦術です。

私は、これを中盤のプレスの強化の最終形態かなと思っています。

リッピは、最初サッキの4−4−2型でこの戦術をやりましたが
プレーエリアをコンパクトにするためにフラットにした中盤では
4人では足りない、囲い込みが出来ない
などの理由でプレスが効率的にかかりませんでした。
そうなるとフラットの最終ラインが維持できなくなります。

そこで、中盤のプレスをもっと効率的にかかるようにするために
3−4−1−2という形に変えました。
中盤を5人にして
さらにボランチ、サイドハーフ、トップ下と三段階の高さのキャップをつけることにより
より効果的なプレスが可能になりました。

この布陣で組織プレスはさらに効率的なものに変化しました
今まではボールホルダーに人数をかけてとりにいっていたプレスが
囲い込みプレスによりパスコースを限定して、
インターセプトする組織的なプレスになりました。
要するに取る場所が「ボールを持った人」から「これからボールを持つ人」に変わったということです。(予測プレスって言う感じかな)

これは昔の方法よりスタミナ消費の面でも効果的かもしれません。
なにより効率的です。


それと3−4−1−2は不安定な崩れやすい布陣です。
逆にいえばポジションチェンジは必須でしょう。
そうしないと自然な流れでボールホルダーにプレスがかかりませんし、
何より遅いでしょう。
(この辺はgliderさんに教えてもらいました)

それと、ボールを取られた場面での攻守の切り替えについての方法は
私は時間をかけさせて(サイドに追い込む、パスコースを限定する)
その間にゾーンを再形成する
という方法が良いのではと思っています。


で、このサッカーの欠点です。
まず1つ目
プレスがかかっていてゾーンが収縮している間はサイドの裏のスペースはつかれませんが
なくなるとガンガンつかれることです。
このサッカーもプレスサッカーですからね、
基本的にスタミナ消費は激しいですし,
まともにやったらまず最後まで持ちません。

交代枠をうまく使う、時間帯によってプレスを緩めて引く
など柔軟な対応が必要です。

次の2つ目
これが最大の欠点ですが
この3−4−1−2は形だけ見ると選手を当てはめやすいんですよ。
3バックに両サイド、トップ下に2トップですからね
チームの最高の選手をパズルのように当てはめられるんです。

しかし、それが悲劇を呼びます。
この3−4−1−2でリッピやサッキのコンセプトを理解しないで
選手をただ当てはめただけでは、
チームが全く機能しなくなって、完全崩壊する危険があります。
要するに個人能力の半分も出すことが出来なくなります。

主に難しいポジションは
トップ下と両サイドです。
本当はこの2つのポジションも中盤のプレスに参加しなければ
中盤を敢えて5人にした理由がなくなってしまうのですが
トップ下はパスやアタッキングだけ
サイドは縦のスペースのプレーだけに終始してしまう場合が多いです。

要するにコンセプトを完璧に理解した選手を
トップ下と両サイドに置かなければ
この戦術は根本から崩壊します。

機能させづらいことがこの戦術の最大の弱点かもしれません。

Re(3):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 glider E-MAIL  - 01/11/21(水) 6:18 -

引用なし
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   ▼GAITIさん:

力作をありがとうございます。
すぐにレスしたいんですが、書く前に確認したいこともあるし、OCの後編もまとめなきゃならんし、少し仕事が忙しかったりもするのでちょっと待って下さいね。

Re(2):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 Dai E-MAILWEB  - 01/11/22(木) 4:59 -

引用なし
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   こんにちは。

 トルシエは、ACミランのサッキに影響を受けたということを現在発売されている日本代表スピリッツの中で語っています。彼のように戦術的にチームを引っ張っていけるような存在に憧れているそうです。ただ、トルシエはサッキに戦術についてなにかを聞いたわけではなく、トルシエがよく観察をし、サッキの戦術はこうであろうと考え、そしてトルシエなりのサッキ戦術を作ったそうです。つまり、サッキのやり方をベースにして、トルシエのやり方にしたわけですね。他にもアヤックスのやり方や、デニッシュダイナマイト時代のデンマークのやり方も参考にしていると思います。

 加茂監督は著作の「モダンサッカーへの挑戦」の中で、プレッシングサッカーについて多くのことを語っています。その中で、当時コーチとして加茂監督のサポートをしていたズデンコ・ベルデニック(現市原監督)が考えるプレッシングサッカーと、サッキのACミランのことについて、次のようなことを記しています。

「ズデンコは、ゾーンプレスをやるには3−5−2システムでないとダメだと主張していた。前に7人いないと、絶対にプレスがかけられない。
 それはACミランの全盛期(90年代のはじめごろ)の3−5−2システムが頭にあったからだ。ミランでは、バレージがリベロを務め、ストッパーをコスタクルタとアルベルティーニ、「ディープミッドフィルダー(守備的MF)」をライカールト、左をマルディーニ、右をタソッティ、ミッドフィルダーの「インサイド」をドナドーニらが担当していた。」(加茂周著、「モダンサッカーへの挑戦」、講談社文庫、1997年、183ページより)

 ちなみに、このACミランのプレッシングについて話をしている時に、ズデンコ・ベルデニックからでた「ソーナ・プレス」という言葉を、加茂監督が英語で「ゾーンプレス」と訳し、横浜フリューゲルスや日本代表に持ち込み、やがてマスコミにも広がっていったそうです。

 GAITIさんのおっしゃっている「ACミラン・フラット4説」と食い違いがあるのですが、ここのところはどうなんでしょうか?

 それから、サッキのやり方は、まずボールを失われたら、定められた順番に沿ってゾーンを作るために定められたポジションに全員が戻り、カバーリングの選手がついたら待たずにすぐに選手がボール保持者への激しいプレスを開始し、定められたルールに乗っ取って全体を横に縦に急激に圧縮してボールアタックを行い、設定したノーマルゾーンへと全体を押し上げ、その中で相手ボール保持者だけでなく、他の相手選手に対しても自らのゾーンにいる場合は全てマークをするということがACミランのプレッシングサッカーの解説書に書いてあるという意見を聞いたことがあるのですが、このあたりはどうなんでしょうか?

私は、トルシエのサッカーをベースにした、Daiのサッカーってものを作っていきたいと思っているので、プレッシングのやり方と、そのトレーニング方法について議論していければなと思っています。

Re(3):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 mitsu  - 01/11/22(木) 12:22 -

引用なし
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   解説者でありながら両チームを赤組、白組と呼んで
はばからない男が「ゾーンプレス」という言葉を造っていたとは・・・

加茂は奥が深い・・・。

Re(3):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 mitsu  - 01/11/22(木) 13:03 -

引用なし
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   僕はシステムを簡素に表す数字の並びがプレスの掛かり方に
多大な影響を与えるという考え方がいまいち理解できない
のであまり議論にのれないところなんですが。

>それと、ボールを取られた場面での攻守の切り替えについての方法は
>私は時間をかけさせて(サイドに追い込む、パスコースを限定する)
>その間にゾーンを再形成する
>という方法が良いのではと思っています。

これをして遅い、と言うのではないだろうかと思います。
意識の違いということなのかもしれませんが
事実僕がサッカーをしていた頃は、まさにこの通りでした。
チームがボールホルダーでない場合、チーム最大の目的は
ボールを奪うことにほかならなかった。
今でもそうに変わりはないのかもしれないですが
今で言えばボールをとられた瞬間から、ボールを奪って
速攻をしかけゴールを狙うという一連の狙いがスタートする
と言っていいのだろうと思います。
つまりプレスの体勢を整えるための時間稼ぎというのは
今となっては二次策(つまり一次策はボール奪われると同時に
プレス開始)であり、攻守の切り替えが遅くなる
大きな要因のひとつと言ってもいいくらいなのではないかと
思われます。

現実的にはボールを奪われたときにそのままプレスをスタートする
ことのできるポジションバランスを保っていることが必要に
なると思われます。
このようなこともあって「バランスを保つ」と言う言葉がさかんに
使われ選手間の距離が気にされるようになっているのかと
想像しています。
僕の眼と頭ではなかなか具体的現象としては捉えられませんが(笑)
そういうことかな、と。

そしてこのバランス(とやら)が攻守(と言うかボールを持ってる、持っていない)
に大きく左右されない、とういのが要で難しいところなのだろうと、これもまた
勝手に想像しています。

ついでにほとんど関係ありませんが
サイドにボールを追い込むといことについて
僕がサッカーをやってた頃で言うとその主目的はボールをゴールから
遠ざけることでした。
遠ざけるということ自体がが危険回避であり、同時に守備体勢を整える
時間を作ることだったろうと思っています、てかそう教わりました(笑)。
今でもその意味を持ち続けているだろうと思いますがプレスという
発想が生まれてからは多少意味合いが違ってきたのではないかと
思います。

つまりプレーエリアを狭める為の壁として利用するということですね。
DFラインがボールに対して押し上げてくるのと似たような効果を
得るということです。
ようは縦か横かの違いで。
まぁこれが常識で僕がやってたサッカーのレベルが低すぎたって
可能性大ですが(笑)
なにしろDFラインなんて揃えようと思ったことすらなかったですから(笑)

ちなみに疑問なんですがミランって相手が攻め込んできたとき中盤は
4人並んでプレスしてたわけですか?
どーも状況が想像できなくて。
なにぶん実際にミランの試合なんてほとんど見たことないものですから。
僕の想像では(想像ばかりですみません)ボールホルダーに複数人数で
ボールを奪いに行きつつボールホルダーのパスターゲットにもマンマーク
をかけてボールを奪う方法なのかと思ってました。
マンマークというのは語弊があって実際には自分のゾーンに入ってくる
選手を捕まえるというイメージでした。
全然違うのか、もしかして・・・せつない・・・。

Re(3):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 GAITI  - 01/11/23(金) 2:03 -

引用なし
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   >Daiさん
レスありがとうございます。

>他にもアヤックスのやり方や、デニッシュダイナマイト時代のデンマークのやり方も参考にしていると思います。

そういえば、メキシコWカップのときのデンマーク代表は、
準優勝した日本ユース代表に似ていますね。
お互い超攻撃的で、スペイン相手に撃沈したところとか(笑)
個人的には魅力的で大好きなサッカーです。

なにか関係ないこと話てしまいましたね、
では、本題に行きます。

>「ズデンコは、ゾーンプレスをやるには3−5−2システムでないとダメだと主張していた。前に7人いないと、絶対にプレスがかけられない。
> それはACミランの全盛期(90年代のはじめごろ)の3−5−2システムが頭にあったからだ。
> GAITIさんのおっしゃっている「ACミラン・フラット4説」と食い違いがあるのですが、ここのところはどうなんでしょうか?

80年代後半のミランは4−4−2フラットでした。
私の中ではサッキの逸話として
フラットの4バックのラインコントロールを完璧にするために
ロープで4人をくくりつけて練習したエピソードなどから
フラット4の印象が強いのかもしれません。

サッキの信奉者であるキエーボのデルネリ監督がとっている布陣も
4−4−2フラットですからサッキのイメージがそちらのほうが強いのかもしれません。

ところで私もベルデニック監督と同じく中盤の組織的プレスを機能させるためには
中盤に4人では少ないと思います、5人は必要でしょう。


> それから、サッキのやり方は、まずボールを失われたら、定められた順番に沿ってゾーンを作るために定められたポジションに全員が戻り、カバーリングの選手がついたら待たずにすぐに選手がボール保持者への激しいプレスを開始し、定められたルールに乗っ取って全体を横に縦に急激に圧縮してボールアタックを行い、設定したノーマルゾーンへと全体を押し上げ、その中で相手ボール保持者だけでなく、他の相手選手に対しても自らのゾーンにいる場合は全てマークをするということがACミランのプレッシングサッカーの解説書に書いてあるという意見を聞いたことがあるのですが、このあたりはどうなんでしょうか?

早くも私の言っていることの間違い発見ですね(笑)
勉強になります。

サッキはゾーンによるプレッシングサッカーをしたかったと思うので
ゾーンを縦に圧縮することによってプレーエリアを狭くすることに重点が置かれているのであろうと想像していました。

私は組織的プレスの種類として
ボールホルダーに次々プレスをかけて
ボールを奪ったり、パスコースを限定してプレーの選択肢を減らす
アタッキング型のプレス、個人能力にかなり依存します。
とサッカーの基本であるトライアングルのように上下左右異なる方向からプレスをかける
「囲い込み」型のプレス、個人の戦術理解度とチームなバランスによります。
の2つがあると思います。

プレスサッカーを志すチームは両方やることが普通ですが
初期のフォーメーションによって得手、不得手が出てきます。

個人の意識レヴェルのプレスの変遷として
「ボールホルダー」から「これからボールホルダーになる選手」に変わった
予測プレスもあると思います。

この辺の詳しいことはまた今度議論しましょう。
ひき続き、異論、反論何でもかまいませんのでお待ちしております。

Re(4):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 GAITI  - 01/11/23(金) 2:27 -

引用なし
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   >mitsuさん
レスありがとうございます。

>僕はシステムを簡素に表す数字の並びがプレスの掛かり方に
>多大な影響を与えるという考え方がいまいち理解できない
>のであまり議論にのれないところなんですが。

この辺の「形(フォーメーション)ははたしてどれほど重要か」
ということが実は一番議論したかったことの部分なんです。


>今で言えばボールをとられた瞬間から、ボールを奪って
>速攻をしかけゴールを狙うという一連の狙いがスタートする
>と言っていいのだろうと思います。
>つまりプレスの体勢を整えるための時間稼ぎというのは
>今となっては二次策(つまり一次策はボール奪われると同時に
>プレス開始)であり、攻守の切り替えが遅くなる
>大きな要因のひとつと言ってもいいくらいなのではないかと
>思われます。

誤解があるかもしれませんので、私の意見の補足をすると
プレッシングとは文字通り相手につめてプレシャーを与える行為です。
ボールを奪うことが最大の目的ですが同時に相手がプレーしにくくする(プレーの選択肢を少なくする)意味もあります。
時間をかけさせるとはプレスをかけることも選択肢にあります。

現代サッカーでは高い位置でボールを取って相手の守備組織が整う前に攻めきってしまうことが最大の得点パターンです。
それは相手にもこちらにも同じくいえます。
ボールを取られた後、
かなり厳しいボール奪取を目的としたプレスをかけるか
カウンター阻止のための時間稼ぎプレスをかけるかは、まさに状況によるでしょう。
よって現代サッカーでは攻守の切り替え時の判断がとても大事で微妙で難しいといえます。


>ちなみに疑問なんですがミランって相手が攻め込んできたとき中盤は
>4人並んでプレスしてたわけですか?

いいえ、それでもミランはサッキがゾーンをかなり気にする監督なので現在の普通のチームで4−4−2をする場合よりは自由度はかなり少ないように思います、現在はもう少し自由です。

Re(3):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 glider E-MAIL  - 01/11/23(金) 19:14 -

引用なし
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   ▼GAITIさん:

どうも、遅くなりまして。

前置きはおいといて、さっそく行きますね。

>アルゴ・サッキとミラン

アリーゴ・サッキ です(笑)
茶々はさておき、まずは74年西ドイツ大会のオランダですか。

>簡単に言うと、相手がボールを持ったら近くにいる味方全員で大量の人数をかけて
>ボールを取ってしまうプレスです。
>日本でも加茂監督がゾーンプレスといってやったアノ方法です。

あのオランダは、ゾーンプレスではありませんよ。
ゾーンディフェンスの概念は50年代からありますが、あのオランダは担当ポジションからのマーク、ということをやっていただけでゾーンの受け渡しとかゾーンからのプレスとかを明確にやっていたのではありません。
今、見てみるとポジションチェンジといってもクライフ以外はそれほど好きに動き回っていたわけでもなく、「全員攻撃全員守備」と言われたのは後方選手の頻繁なオーバーラップと前方選手のそのカバー、前線の選手もよく守備したこと等から。
それも、当時のサッカーでは全員が常に激しくプレスに参加していたりするわけでもないし、「ローテーション」の考え方から、それほど運動量が相手に比べて多いってわけでもありません。
あのオランダが強かったのは、実は守備がしっかりしていたからでもあり、素早い寄せと効率的なカバーによってスムースに攻撃に移り、なおかつDFも含めてスキルが高かったから。
斬新に感じるのは、当然でしょう。
決勝戦のミュラーとクライフ(ニースケンスでもいいけど)の動きを比べたら、そりゃ、ね。
ま、ともかく「かなりでたらめに動き、効率が悪い面もあり、スタミナが必要」ってのは誤解です。

次はサッキですか。

>プレス方法は実はクライフのころとあまり変わらなかったのではと思っています。

そりゃあサッキが可哀想だ(笑)
守備者がどうボールホルダーにプレッシャーをかけ、どうフォローに入るか、といった個々の部分ではたいして差はないでしょう。
それはいまだに。
ただ、サッキの「ゾーンプレス」が斬新で世界を席巻したのはそうではなくて、ピッチ全体に明確に3ラインを引き、それをできるだけコンパクトにし、ボールに対してゾーンを移動し、そのボールの位置によってライン上の誰がプレスに行くか、奪ったなら誰が前に上がって受けて攻撃を開始するかも基本的には約束事として決められていたこと等からです。
そしてGAITIさんにしてもそうなのですが、「ゾーンプレス」ということに対する大いなる誤解がこの国にはありますね。
その最大のものは「プレス」を「囲い込み」と同義にしている所です。
今、ぼくの手元には当時のミランの映像はなくて、サッキ戦術を確認できるのはサッキ・アズーリのものに限られるのですが、彼等は最初から「囲い込み」になどは行っていません。
うちには90年くらいのACミランのトレーニング本があって、その「戦術」の項に「ゾーンプレス」についての記述もありますが、「ホルダーに対して3人で囲みに行く」などという記述はありません。
そして94年アメリカ大会のアズーリにしてもそんなことはやっていません。
「相手ボールになった時に、ただちにコンパクトな3ラインを作ることによってボールに対し網の目を張っている状態(つまり囲んでいる状態)を作り、同時にレシーバーに対してもその動きを規制することによってパスの出しどころさえもなくしてしまう」
というのがその基本的方法で、実際にホルダーに対して「3人で囲む」というのは単に「寄せが遅れた」ってだけの話。
よくは知らないんですが、加茂さんがほんとうに「3人で囲め」と命じていたなら、それは何か勘違いしたと言うしかないでしょう。
4人しかいない中盤で3人をひとりに対して同時に行かせてもし間に合わなかったらどうなるかはバカでもわかるし、2人で同時に行ったら奪える確率は低くなりますね。
正しくは早いタイミングで1stプレッシャーをかけ、フォローの選手が限定されたコースで奪う、という方法。
さらに良いのは1stプレスの選手がパスコースを読み、インターセプトもしくは受ける瞬間にプレッシャーをかけること。
もちろん、一発でかわされないボディシェイプを持って、です。
サッキの「ゾーンプレス」でもそれは同じで、ボールとレシーバーの位置によって誰が行くかは明確な取り決めがありました。
それもこれも「3ラインのゾーン」をはっきりと作ることによってなし得たことです。

現代では、そうして「戻ってゾーンを作る」ヒマは与えられなくなりました。
だから攻撃時でも「選手がどう入れ代わっていようとゾーンバランスを保つ」ことが重要になったのです。
それができないチームはもう「組織的」ですらないのです。
だから、ミツさんの言うように、

>>その間にゾーンを再形成する
>>という方法が良いのではと思っています

>これをして遅い、と言う

のです。
再形成しなければならないようでは「組織が崩れている」のです。
「オートマティズムがない」のです。
そしてサッキの時代とは異なり、その「ゾーンの形成」も位置、形状とも「チームの初期設定」などは無意味なもので、サッキの時代に無理にあてはめて言うならば「ボールに対して収縮し」「1stプレッシャーがかかる状態」から始まっているのです。
初期状態が「ボールに対しゾーンを収縮し1stプレッシャーに行く選手がもうスタートしている状態」です。
だから、ゾーンの形状も、どの選手がどのゾーンにいるか、もそれは「流れ次第」であり、誰がどこで中盤が2ー4だとか3ー3だとかは語る意味がまったくないのです。
そういう流動的な時間軸で考えねば、意味を為さなくなったのです。
それが「スピードが上がった」ということです。
だから、早ければ早いほど強い。
そのはやさを可能にする「チームの完成度」と相まって。

リッピにしろ、カペッロにしろ、そういうスピードの中でやっているので、サッキの戦術は「プレス」ということではベースとはなり得ますが、当時のものを当てはめたってダメ。
それはもう「古き良き時代の優雅なテンポのもの」になってしまったのです。

サッキのゾーンプレスの位置設定
 glider E-MAIL  - 01/11/23(金) 19:33 -

引用なし
パスワード
   についても一言だけ言及しておきましょう。

当時のサッキのチームは、ゾーンの位置設定を明確にしています。
相手がボールを保持している時、4人のディフェンスラインはペナルティエリアの前、5〜10mくらいです。
4人の中盤のラインはハーフラインの後方5〜10mくらいです。
2トップはハーフラインの前。
というわけで全員がだいたい30m以内の距離にいます。
状況による「誤差」はありますし、「形成」できない時もあるのですが、ほぼ常にこの位置が基本です。
そして、ここから全ラインが前方へ「プレス」して行くから「ゾーンプレス」という名前がつきました。

今見るとずいぶん低い位置設定なんですが、まあカテナチオの国ですからね・・・

Re(4):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 GAITI  - 01/11/23(金) 21:02 -

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   >gliderさん
レスありがとうございます。

>あのオランダは、ゾーンプレスではありませんよ。
>ま、ともかく「かなりでたらめに動き、効率が悪い面もあり、スタミナが必要」ってのは誤解です。

実は私はクライフサッカーを文献でしか知らなかったんですよ(笑)
よって歴史の流れからこんな感じではという想像で書きました。
なので間違いも多いだろうと思っていました。
(私が適当な事を書いて、それを突っ込む形で議論するという形のほうがやりやすいかなという思いもありました)


どうしてこのようなプレスやポジションチェンジの歴史の議論をしたかったかというと、サッカーに関する国際的な違いなどに議論はしてきたのですが、
歴史的なものはあまりしてきていなかったからなんです。
自分のサッカー観を再構築するのにこの歴史的な流れを知ることは良い機会かなと思い書かせていただきました。

具体的に議論したかったことは
プレスの歴史的な変移(個人、組織両方)
フォーメーションは重要か(ポジションチェンジについて言及したのはこのため)
です。
これらを中心に議論していければと思います。


>>プレス方法は実はクライフのころとあまり変わらなかったのではと思っています。
>
>そりゃあサッキが可哀想だ(笑)

サッキのサッカーも89年のトヨタカップしかありませんが
これは私がクライフサッカーのプレスを誤解していたせいですね(笑)
まあ、あのころはボール周辺の数人しか動いていないかもなとは思っていたのですが(笑)

>そしてGAITIさんにしてもそうなのですが、「ゾーンプレス」ということに対する大いなる誤解がこの国にはありますね。
>その最大のものは「プレス」を「囲い込み」と同義にしている所です。

下のレスでも書いたのですが、
私は組織プレスには、
今guliderさんが書いてくれた「アタッキング」型、
と「囲い込み」型の2種類があると思っています。

詳しくは下を見てほしいのですが
併用した形として
今年のジュビロのプレスのイメージですが
アタッキングで相手を思い通りの場所に追い込み
そしてもうそこから効果的なプレーは絶対でない、
といういわゆる「死に体」になったとき囲い込んでとってしまう
という感じです。

>それもこれも「3ラインのゾーン」をはっきりと作ることによってなし得たことです。

コンパクトゾーンを形成する明確な意図は確かに感じますね。
ということはゾーンをコンパクトにした上で
「アタッキング」型のプレスをかけるという感じでしょうか。

>現代では、そうして「戻ってゾーンを作る」ヒマは与えられなくなりました。
>だから攻撃時でも「選手がどう入れ代わっていようとゾーンバランスを保つ」ことが重要になったのです。

私の言うことで、この点がいつも誤解を受けているところだと思いますが
自分の担当ゾーンが埋まっているか確認したうえでプレスをかけろといっているのではありません。その辺は流れの中で流動的になることが普通でしょう。
そういった意味では自然なポジションチェンジは必須でしょう。
(スタミナ消費を抑えることにもなりますし、何よりそうしないとguliderさんが言っているように遅いでしょう)
ただ、例外として今年のリールみたいな攻めにまったく人数さかないチームがあります。
こういうチームはポジションチェンジは必要ないかもしれません。

それと、サッキのプレスの説明をDaiさんとguliderさんから受けて思ったのですが、
私の今までのプレスやフォーメーションの意見がサッキぽく聞こえたのかな?
私の言っているサッカーはサッキのゾーンにこだだわ選りすぎるものとは違いますよ。
しかし、その上でもフォーメーションは重要だと思っています。
次回それを書きます。

Re(5):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 glider E-MAIL  - 01/11/24(土) 0:52 -

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   ▼GAITIさん:

>今guliderさんが書いてくれた「アタッキング」型、と「囲い込み」型の2種類があると思っています

えーと、何度でも言いますが「囲い込む」のは次善的手段であり、例に上げてくれたジュビロの場合で言うならそれは「複数のフォロー」ということにしか過ぎません。
はじめから「三人で三方向を囲む」なんてプレス方法はあり得ません。
「プレス」とは文字通り「プレッシャーを与えること」であり、GAITIさんの言う「アタッキング」がイコール「プレス」です。
「プレス」によってホルダーが「死に体」になった時に、結果的に「囲まれ」たりすることはあっても、それを最初から目的にする「プレス」方法などはありません。
運動量的に言ってもリスクの面から言っても、そんな「戦術」は不可能です。
ダビッツが6人いたらもしかしたらできるのかもしれませんが。

加茂ジャパンの「囲い込み」は何かの勘違いか、寄せの遅さが結果的にそういう状態を招いていたのどちらかでしょう。
それにしても、ビデオでサッキ・アズーリを今さら確認してみるに、何と加茂ジャパンとはまったく別の「ゾーンプレス」であることか。
何だったんだろ?加茂さんの「ゾーンプレス」って。
そういえば、フリューゲルス時代に加茂さんはエドゥーに「あなたのはゾーンプレスではない。これではコンパクトにはならない。」とか言われていたような・・・
ぼくはエドゥーに賛成です。

>私の言うことで、この点がいつも誤解を受けているところだと思いますが
>自分の担当ゾーンが埋まっているか確認したうえでプレスをかけろといっているのではありません。

では、
>その間にゾーンを再形成する
とはどういうことでしょうか?
まだ御理解頂けていないようですが、現代サッカーでは「ゾーンバランスは常に保たれていなければならない」のですから、「再形成」は「不必要」なんですよ。
そして「プレスがかかっている」状態とは、正しいタイミングでGAITIさんの言う「アタッキング」が為されている状態でしかないのですから、いかに守備に人数を割こうと「固定的ゾーン」では「不可能」なんです。
それを「ポジションチェンジ」とは一般的にはあまり言いません。
単純に「プレスとカヴァー」です。
そして、常にゾーンバランスが取れていて、あらかじめボールに対し収縮していて、1stプレッシャーがかけられる状態(つまり状況に応じて『ゾーン』は不定形であり、担当者も不定であるということ)を前提にしているのですから、その面でフォーメーションはすでに意味を失っています。
速い攻守切り替えを目指すのならなおのこと。

繰り返します。
「フォーメーション」でサッカーを考えるのは絶対的に無意味です。
プレイの特性、プレイエリアの問題等から「選手一人ひとりの個性とその組み合わせ」からでしか意味は持ち得ません。
「誰と誰が配されているか」を抜きにして、3ー4ー2ー1だの4ー2ー3ー1だの言うのは滑稽でしかありませんよ。
「数」なんか試合の流れと相手次第でどのようにも変わる。
「基本の形」なんか「意味ない」んですよ、今は。「意味がなくなった」んです。

その意味でぼくは現日本代表の3バックスが「流れの中」でも担当者固定であることに不満が大なのです。
それは「アタッキング」の判断、スピード故に「そうなってしまう」ことはわかってはいるのです。
それは「戦術のせい」ではないけど、トルシエにだって責任はある。
「3年たってまだそれかよ」と言いたくなるんですよね。
宮本なんかが妙に「ゾーンバランス」に縛られていたりするのを見ると「そんなんなら『フラット3』なんてやめちまえ!」って言いたくなったりね。
まあ、松田あたりに「きざし」が見えるんで、なんとか気持ちは少しおさまるんですがね・・・

Re(4):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 Dai E-MAILWEB  - 01/11/25(日) 1:19 -

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   アタッキング型プレスと囲い込み型プレスの違いですが、これは、ゾーンプレスの発展の話ですね。両方やってはじめてトルシエのプレッシングサッカーということになるのでしょうかね。(ただトルシエの場合「アタッキング」という言葉の概念はあっても「囲い込み」という言葉の概念はないかもしれません。何故なら「囲い込む」というようなスピードでは間に合わないと考えているし効率も悪いと思っているからです。「かたまり」って言葉ならばイメージあると思いますよ。)

それはどういうことかというと、囲い込み型というのは、相手を自分たちのゾーンに入れてそこからプレス&アタックをするわけです。正式名称は「ブロックディフェンス」ってやつでしょうかね。3ラインを作って、数人のブロックの中で自分の前に入ってきたらそこで相手を止めてプレス&アタックして、前のラインの人間も後ろからプレス&アタックを仕掛けるわけです。それでまあMFとFWの間に選手が入ってきたときにはディープMFとサイドの選手がマークとカバーリングの関係になって、マークの役目のほうはすぐにアタックにいき、他の選手がポジショニングによって逆サイドへの展開も切っておいて、トップとトップ下の選手がプレス&アタックをかければこれは見た目上は「囲い込み」になるのでしょう。ここでは均等な距離によるポジショニングバランスが大事です。だから、囲いを作ってかたまりになって相手の攻撃を待ち構える状態です。引いて守る中では最高峰のゾーンディフェンスだと思います。その時に何人でプレスに行けいう指示まででるはずです。コンパクトにして、ボールが移動したらゾーンも移動させますし。


              ○      ○
             
             ●  ○
           
           ○   ○    ○    ○


             ○   ○   ○


んで、プレッシングってのは、文字通り「圧縮サッカー」なわけです。プレスですからね。んで、何を圧縮するのかなんですが、まずはゾーンだったわけです。とにかくコンパクトにしましょうと。その基準は「ボール」ですね。ボールを持っている選手に対して、急激にゾーンを縦にそして横に圧縮しましょうってことです。縦に圧縮し、横に圧縮するのですから、ボールを「囲い込む」ってのはこの段階ですね。そうすれば、相手に自由を与えずに早い段階でボールを奪うきっかけになるんじゃないかってことでしょう。この場合はスペースを与えることは厳禁ですから、全員サッカーって話になるわけです。逆サイドの人間が絞らないといけない理由は中にスペースができるからです。逆サイドにスペースを作っても良い理由はそこへはパスをださせないように守るからです。で、「囲い込む」わけですから、囲い込めるような「トラップ」を仕掛けないといけませんよね。それがゾーンの形成です。ブロックディフェンス、トラップディフェンス、サンドディフェンスなどとも言われたりします。もちろん一発でボール奪取してもいいし、パスを出したところで奪うってことでも良いのだと思います。そこも予測してゾーン作ってますから。次に渡りそうな人へもマークしますから。

アタッキング型は正式名称で言えば「ボールオリエンテッドディフェンス」ですね。まさにボール優先のプレッシングサッカーです。

サッキの場合は、プレッシングのやり方も当時としては画期的だったのがわかるのですが、私の印象では、計画された攻撃、システマティックな攻撃、ゾーンプレスにおける攻撃ってものが印象にあります。んで、これは今の市原にも言えることです。まあ、サッキのサッカーを「ボールオリエンテッドディフェンス」ということでご説明されているかたもいらっしゃりますので、そのぐらいボールに対して組織的にディフェンスをするやり方ができていなかったのでしょう。まあ、サッキのはボール優先の前に、ゾーンありきですけどね。トルシエの場合は、ボールオリエンテッドディフェンスとブロックディフェンスを同時にやってしまおうという感じでしょうかね。それで、ボールオリエンテッドゾーンディフェンスなんていう長い言い回しになってしまうのですが(笑)

トルシエの場合は、ブロックディフェンスがあって、ボールオリエンテッドディフェンスがあって、最終ラインの細かいコントロール(特にこれは日本に新しい技術として持ち込まれたと思います。)があるわけですね。ですから、サッキのやり方のようにしっかりとブロックを作ってからゾーンプレスで守る時もあるし、相手の最終ラインがボールを持っていてもプレッシャーをかけにいって、それに対して中盤が連動してついていって、バックも連動してついていって、流れの中でブロックを形成してしまい、ゾーンプレスもしてしまうってこと(こちらが本道です。)もありますね。高い位置からのプレスが基本ですから、高い位置からどんどんいけるように、最終ラインは押し上げるし、FWは前からプレス&アタックするし、MFも後ろと前と横のバランスを保ちながら近くにきたらプレス&アタックするわけですね。最終ラインを細かく動かしながらいろんな状況に備え、近くの人から順にどんどんゾーン形成していくわけです。高い位置からプレス&アタックもできるし、低い位置からでも守れるし、カウンターにも備えられるしで、万能なディフェンス方法だと思います。課題は3バックのサイドのスペースと、ボールホルダーにプレッシャーがかからなかった時ですね。サイドからやられているケースは割とありますね。特にアジアカップの中国戦のやられ方とか、五輪のブラジル戦のやられ方とか、コパのパラグアイ戦のやられ方とかは典型でしょうか。あとは、通常の状態では3バックの裏のスペースは何も問題はないのですが(ラインコントロールしてるんですからね。)ボールホルダーにプレッシャーがかからない時は裏を付かれてしまうことがありますね。もちろんミドルシュートもありますし。しかし、全体的には失点は少ないですし得点もとっているので個々を取り上げることはあんまりよくないこととは思いますけどね。

んで個々の状況なんですが、常に1人はボールに対してアタック、最悪プレッシャーをかけられるようにします。これは絶対条件ですね。本当に最悪ならば、ボールが入って来るであろうゾーンにブロック作って圧縮作業だけはしておきます。そしてごく稀にディープMF,サイドMF,DFとか、FW、サイドMF、センターMFの3人ぐらいでやることがありますが、これはほとんどサイドか相手陣内での状況です。そんなにその場で相手は止まっていないので、まあ複数人で直接ボールにプレッシャーは多くて2人までですね。現場ではどうなっているかというと「常にボールにプレッシャーをかける」のが相当に難しいわけなんです。ですから、ほとんど1人ですね。1人でもボールに常にアタックできるようにするだけでもう相当にすごいです。そのぐらい相手が早い。アタッキングできてるように見えたり、囲い込んでるように見えるのは、それだけ「良いブロックが作れている」と見て良いですし、良いゾーンが形成されている証拠でしょう。そして相手も遅くなってることを表します。ただ、自陣の中央でボールにプレッシャーするのにブロック作るのは良いのですが囲い込みでボール奪取しようとしたらだめでしょうね。サイドに追い込んでいった時にそうなるのならわかりますし(タッチラインがあるから)、相手の高い位置でならわかりますが(ゴールラインがあるから)、中央でそれやったら悪い時の浦和レッズみたいなことになりますね(笑)マラドーナからカニーニャへ出たパスや、俊輔から坂田へでたパスはその典型です。それをバランスを崩すと言うのですし。フットサルなんかやってもらえばわかると思いますが、前からプレッシャーかけてボールを囲っちゃおうとすると失点する原因になるのですよ。一昨日もやられました・・・。囲ってやろうって考えるのではなく、その場、その場で、しっかりとブロック作って、バランスを崩さずに、ゾーンプレスして、相手のボールホルダーにアタック&カバーしておこうってことですね。あと局面だけを見る時代も終ってしまったので、トライアングルって言葉も基本ではありますがそれでくくるのは無理になりました。トライアングル作ろうなんて考えていたら遅くて、それは結果的にそう見えるだけであって、実際は11人全員でブロック作ってるって意識ですよね。1対1ってのは基本なんですが、それだけではダメですね。1対1で強くてもチームバランスを理解できないなら厳しいです。約束事も相当にすごいでしょうね。このレベルに来ると。だから監督の手腕ってものはもろにでそうです。

それとですね、ボールホルダーに次々プレス&アタックをかけてボールを奪ったり、パスコースを限定してプレーの選択肢を減らすってのは、アタックにいくのは1人でも十分ですね。囲い込みというのは、それをやるために必要なバランスのことですね。多分、分けなくて良いと思いますよ。この2つ。この2つがないとプレッシングサッカー(ボールオリエンテッドディフェンス)にならないので。だから、これはプレスのための2つの段階的要素でしょうね。ブロックを作るーアタックするーアタックするーアタックしながらブロックを作るとかです。

んでプレスって言葉なんですけど、これはアタックとかボール奪取とかとはやっぱ意味が違うんではないかと思ってきてるんですよね。プレスってのはゾーン形成とゾーンの圧縮であって、ボールに直接アタックかけるのとはまた違う意味があって、プレスって言ったときは「ボールを基準に全体でバランスとってボールに対して圧縮しろ」と同義で、アタックとか、ボールに行けってことの前の段階ではないかなと思うんですよね。じゃないと、プレッシングサッカーは、囲い込みサッカーと同義にならないとおかしいじゃないですか(笑)でも実際はプレッシングサッカーっていったときにボールを直接で囲って奪うわけではなくてあるバランスのなかで囲ってるわけです。みんなで囲い奪いにいったらその他の危険なエリアにスペースができてバランスが崩れてしまいますから。あっ良い言葉があった。「包囲網」です。包囲網を敷いて、アタックは1人。ちなみにプレッシャーってのは人によって感じる距離が違うんですよね。んでプレッシャーを与えるってことは、マークと同義ではあるんでしょうね。そうすると普通のマークってのは大体2メートル〜3メートルですからね。密着じゃなければ。あっ後、アタックってのは相当に強烈なアタックが必要ですね。

んで結論は組織的プレスは1種類だと思うんですよね。次々にアタックする道しかないと思うんですよ。その方法論としてまず包囲網敷いて、その包囲網を移動させながら、ボールに一番近いゾーンの選手がアタックしますかと。んで結局は1種類しかないですから画一的になっていきますよ。どんどん世界のサッカーって。

ちなみに、トルシエはサッカーの「データ」を重視しています。確率論を大切にしますね。

Re(5):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 glider E-MAIL  - 01/11/25(日) 6:53 -

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   ▼Daiさん:

>プレスってのはゾーン形成とゾーンの圧縮であって、ボールに直接アタックかけるのとはまた違う意味があって、プレスって言ったときは「ボールを基準に全体でバランスとってボールに対して圧縮しろ」と同義で、アタックとか、ボールに行けってことの前の段階ではないかなと思うんですよね。

このへん、言葉の問題になっちゃうかもしれないんだけど、「ボールを基準に全体でバランス取ってボールに対して圧縮」を「プレス」っていうのは、たぶん正しい。
本来的意味としては、ね。

ただし、「ボールオリエンテッド」にゾーンを収縮すること、そうして形成された「守備ブロック」としてのディフェンス体制、そこまでは日本代表はよくできています。
(時間的なズレや反応速度の問題はままあるにせよ)
で、そうして「ゾーンバランス」が取れ「ブロック」ができていたとしても、それで「プレスがかかっている状態」とは言えません。
これがぼくがよく言う、「ゾーンは埋まり人数は揃っているのに『プレス』がかかっていない状態」という奴ですね。
いや、正確には「プレスが効いていない状態」というべきか。
やはりぼくは、有効な1stプレッシャーがかけられている状態までをもってして初めて「プレスがかかっている」としたいです。
という意味では、そこまで含めて「プレス」と言うべきではないかと思う。今の速度、強豪達のスキルの中ではね。

ただし、監督がチームに施せるのは「ゾーン収縮とブロック形成」までの手段と道筋まで。
「オートマティズム」ですかね。
そこから先の「いつ、どのようなシェイプを持ってしてプレッシャーに行くのか」は判断、DF技術とも個人の問題。
基本はともかく(プロなんだからそれは持っているだろうし)としても、状況によってってことになるし、「アグレッシヴに行く気持ち」を浸透させることはするにしろ、判断の速度なんかはなかなかねえ。

というわけで「こんなもんなのかよ〜」という気持ちになってしまうのですが・・・

もうひとつ
 glider E-MAIL  - 01/11/25(日) 7:23 -

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   サッキのやり方(アズーリでしか確認してないけど)を見ると、やはり「1stプレッシャー」は常に早め早めにかけられていて、それはどうやら「このボールの位置の時は誰が行くか」も決められているようです。
さらに「奪った場合に誰が前へでて起点になるか」さえも。
そこまで含めて「サッキ式ゾーンプレス」なんですね。

今見ても本当によくできた戦術。
ただ、テンポは今とは違う。
最近のアルゼンチンなんかのスピードから見たら、もうカローラとフェラーリくらいに。
見ていて違和感すら感じます。
あれ??みんなで戻ってゾーン整えてるよ、っていうのがその大きなポイントかな。
相手陣にボールがあると、せいぜい2トップの二人しかプレッシャーに行かないとか、全体の位置が低いなあ、とかってこともあるんですけど。

7年前に今の日本代表だったらもしかしたら決勝戦出られるかもな〜、なんておバカなこと考えちゃいました(笑)

Re(1):もうひとつ
 紅葉 E-MAIL  - 01/11/25(日) 14:46 -

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   初めて、投稿します。
gilderさんの深い造詣を楽しみにして読ませていただいています。


▼gliderさん:
>7年前に今の日本代表だったらもしかしたら決勝戦出られるかもな〜、なんておバカなこと考えちゃいました(笑)

ご冗談を取り上げるのは失礼だとは思いますが、私は大会が行なわれる大陸とその季節という要因が、その大会で展開されるサッカーの重要な要素になると考えています。
7年前というと、アメリカ大会ということだと思いますが、あの大会で各チームが一番重要だと考えていたことは「暑さ」対策だったと思います。優勝したブラジルでさえ、省エネサッカーを展開していました。それをして面白くない大会だったと決めつけている評論家諸氏が多かったのは残念でした。
さて、もし、あのとき今のトルシエの日本チームが出場していて、今のサッカーを展開していたとしたら、間違いなく自滅していたんじゃないかと思われます。
という話はまあ、よく御存じの上だと思います。

ヨーロッパだけで展開されるクラブチームでのゲームと別の大陸で行われる本来ならオフシーズンに行われるワールドカップでは自ずから違った展開が必要になりますから、94年大会でのイタリアチームを前提にサッキのサッカーとしてお話を展開されるのはちょっと無理があるかと思います。
その辺りのことも加味した上での議論の展開を楽しみにしてます。

Re(2):もうひとつ
 GAITI  - 01/11/28(水) 13:55 -

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   はじめまして
GAITIです。

>私は大会が行なわれる大陸とその季節という要因が、その大会で展開されるサッカーの重要な要素になると考えています。

来年のWカップは日本ではちょうど梅雨の時期です
この日本独特の高温多湿に気候に以下に対応できるかも勝負の分かれ目ですね。
この辺は日本のアドバンテージになるかもしれません。

>アメリカ大会
ブラジルが優勝した大会って「暑い」大会が多いですよね
ブラジルは試合中に相手を走らせるために
敢えて「横パスを多くさせたりする」駆け引きがうまいですから
そのあたりの関連もあるかもしれません。

Re(5):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 GAITI  - 01/11/28(水) 14:43 -

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   >Daiさん

おしゃられていたことほとんど同感です。
漠然と考えていたことが明文化できました。

そういわれてみればプレスは1種類かなとも思うのですが
しかし1つ反論というか誤解があるとすれば
私の言う「囲い込み」型プレスというのは
本当に「囲い込む」ということだけではなくて「挟み込む」ということでもかまわないんです。
(結局複数人でプレスをかけることには変わりませんが)
(それとフランスWカップ時のフランスのような典型的な「スペースを埋める」形の待ち構えて囲い込むものとも少し違うんです)

そしてこれが重要なのですが
同時に複数人が1人に対してプレスを始めるわけではないんです
囲い込みプレスが遅いと思われているわけは
当然とプレスをかける人が同じ距離にいるわけではないので
距離が遠い人が行く分だけ遅くなる
囲い込みが完成するのは一番遠い人がプレスに行ったときだから遅くなる
という幹事の理由だと思います。

で、ここが誤解なのですが
アタックは別に1人がプレスをかけた時点で始まっています
そこで取れたらもちろん良いのですが簡単に取れない場合がほとんどです
よって「プレー限定」が重要になってきます
(パスコースをきったり、縦をきったり)

で、これをボールホルダーに1人行く形でずっと続けるものが
「アタッキング」型プレス(これだけでも相当すごいですが)

それで、例えばボールを出された次の選手に
その選手にプレスをかける人のほかに
前のボールホルダーにプレスをかけていた選手が引き続きプレスをかけると
挟み込みの形になります、
これをもう1回続けると3人引き連れる形になりますので
囲い込みの形になります。

で、はっきり言ってこの違いは
初期フォーメーションの違いだと思います
4−4−2の中盤フラット型のプレスは
のプレスだとどうしても(いくらゾーンを立て横に圧縮しても)アタッキング型になってしまいます。
その分4−4−2フラットなどは、難しい約束事はありません
(誤解しないで下さい、難しいものです、約束事自体はたくさんあります)
よって個人能力にかなり依存するプレスです。

一方3−4−1−2のような中盤2ラインのプレスは
機能させるための約束事が複雑で難しくなる分
中盤に5人いるという形上、機能すると自然と上記のような囲い込みの形のなります。
機能したときは、組織力で個人の力に上回る相手を押さえ込めたりもします。
で、このプレスが私の言う「囲い込み」型なんですよね。

でもこの「囲い込み」型は、はっきり行ってDaiさんの言う
「ボールオリエンティッドゾーンディフェンス」と同意なんですよね。
なので、組織プレスは、その2つをあわせて1つだ
(ショボイチームの4−4−2フラット型のプレスは組織プレスじゃない、これを組織プレスまで昇華させるにはものすごい個人能力が必要だ)
といわれれば「そうです」とも思っちゃいます(笑)

Re(6):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 GAITI  - 01/11/28(水) 15:02 -

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   >gliderさん

これから議論を進めていく上で
まずフォーメーションは重要化という認識の問題があると思います。
それで、それについての自分の考えを書きたいと思います。

(確か前には日本人の身体能力という観点からでしたが、今度はもう少し普遍的なことです)

お話を聞いていると
「現代サッカーには、それを実行するために必要な包括的能力(オートマティズム)があって、それがあればフォーメーションなど全く関係ない、全ての実力差はこの包括的能力を身につけている割合で決まる」
というように聞こえてしまいます。
(もし私が読み取り違いをしていたら大変すみません)

私のサッカー観では、このフォーメーション(初期フォーメーション)が全く関係ないという部分は賛成しかねるんです。

確かにサッカーに限らず、チームスポーツの究極の理想は究極のオートマティズムを持った選手で形を固定しないでプレーすることかもしれません。
しかし、いまだかつてどの競技でもそんなチームは生まれていません。

この理想状態を100とすると
100は実現不可能です
攻撃に人数をかければ,守備にリスクを負う
「あちらを立てれば、こちらが立たず」
と言うことがサッカーに限らず必ずありますし、100を目指そうとすれば必ず破綻します。

なので、大体どの監督も実現しようと目指すものは理想の80くらいでしょう。
この80を監督の概念とすると
さらにその概念を選手に分かってもらうために
「妥協」して具体的に形に表されたものが
「初期フォーメーション」だと思うんです。

この「妥協」と言う部分がポイントで
概念を実際形に表した「初期フォーメーション」には
概念から足りない部分もあれば、余計な部分もあります。

私は教えられたことはあっても、教えたことはない立場ですが、
監督が自分の考えを選手に一番「効率良く」理解させるためには
「初期フォーメーション」(基準)を設定する以外ないでしょう。
(何か基準がないと動き1つとっても教えようがない)

で、この監督の「概念」と「初期フォーメーション」を合わせたものが「戦術」ではないかと思います。

結論ですが
「形だけ見ていても何も論じることはできませんが、形を無視していてもまた何も論じることができません」

図形化して説明すると
この理想状態を大きな円(100)とすると
この大きな円(100)の中に
監督の概念がそれよりも小さい円(80)としてあります。
この監督の概念は、当然監督によって違いますからそれぞれ何通りもあります、
お互い重なり合っているところもありますし
理想からはみ出しているところもありますが(笑)
全く同じと言うことはありえません。

そしてフォーメーションはその色々な概念を
さらに妥協して形に表したものなので
同じ概念ですら違う形を取ることもあります。
(逆もまたそうです)

よって様々な概念やフォーメーションごとに同じロジックもあれば、全く違うこともあります。
この戦術では働くけど、別の戦術では全く働かないと言う選手も当然出てきますし、
当然シンプルなフォーメーションもあれば機能させにくい複雑なものもあります。

そして、トルシエの戦術は間違いなく後者だとも思います。

Re(7):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 zukunasi_7  - 01/11/29(木) 17:22 -

引用なし
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   ▼GAITIさん:
始めまして、ズクナシと申します。J−NETでのご意見も踏まえてレスしたいと思います。宜しくお願いします。

gliderさん、いぜんarchi matumotoというHNで投稿いたしました。新HNでの初投稿になります、今後とも宜しくお願いします。

さてGAITIさん、まず私のフォーメーションに対する認識を、多少長くなりますが確認させて下さい。その上で意見を申述べさせていただきます。

A〜Kまでのそれぞれに個性と能力を持った選手11人がいると仮定します。
その選手たちにたとえば442フォーメーションを適用した場合と、352を適用した場合を比較した時、この選手たちには442が合っている強い。という事はあると思います。
またJ〜Tの11人には、442よりも352が合っていて強いと言う事もあります。

で、A〜K442とJ〜T352が戦った場合、どちらが強いか? これはやってみなければ分らない。たとえばA〜K442が勝ったとしても、442と言う戦術が352より優れていたとは言切れない。戦術が優れていたかもしれないし、選手の総合力が442のほうが上回っていたかもしれないし、選手たちの戦術理解度がA〜Kのほうが浸透していて442の良さを発揮できた為かもしれないし、J〜Kグループのコンディションが悪かっただけかもしれません。
442と352を単純に比較するのは難しく、具体的な選手の名前が入ったフォーメーションでなければ議論する意味がほとんど無いと言って良いでしょう。

また別のアプローチから、

ある監督は、CB3枚で中央を固めれば簡単には失点しないと言う事を経験として認識しています。また、ゴールの確率が高いのは、多くとも2・3本以内のパスでのシンプルな攻撃であり、それ以上手数を掛けるととたんに確率が低くなると言う統計を信じています。ゆえに3バックでフラットディフェンスを構成し、中盤を厚くして高い位置でボールを奪い、最小の手数でゴールするシンプルなサッカーを指向し352と言うフォーメーションをもっぱら多用ます。そしてそれに合った選手を集めます。

またある監督は、サッカーは守備が基本であり、得点されなければ負けないと言うロジックを信じ、安定感の有る守備の為には4枚のバックスが必要であると考えています。攻撃はサイド攻撃が有効でありその為、サイドに厚みの有る442と言うフォーメーションが好きで、それに合った選手を集めチームを構成します。

さてこの2チームが戦った場合、どちらが勝つかはやはり分りません。上のケースと同じく勝敗を決する要素が多すぎて、フォーメーションそのものの優劣は決しがたい。フォーメーションは勝敗に対しそれほど大きな要素ではないと言えるでしょう。

しかし、具体的な選手群が有り、その能力を依り多く発揮する為に。あるいは、監督としてイメージするサッカーを実現する為に、フォーメーションと言うのは非常に重要であると言う事は断言できると思います。
以上の事に付いて、私とGAITIさんの間にそれほど大きな隔たりはないと思います。

>「現代サッカーには、それを実行するために必要な包括的能力(オートマティズム)があって、それがあればフォーメーションなど全く関係ない、全ての実力差はこの包括的能力を身につけている割合で決まる」
>というように聞こえてしまいます。
>(もし私が読み取り違いをしていたら大変すみません)
>私のサッカー観では、このフォーメーション(初期フォーメーション)が全く関係ないという部分は賛成しかねるんです。

私はグライダーさん始め皆さん、私が上で述べたような事は議論上の前提として「オートマティズム・・・・・」と言われていると思っています。

さて、前置が長くなってしまいましたが、これからが本題です。

GAITIさんはJ-NETで、352はバックスの両サイドが空く為、構造的にその弱点を抱えている。対して442は、フィールドに万遍なく選手を配置している為、安定していてシンプルであると言う発言をされています。

さてこれは本当なのでしょうか。私は疑問に思っています。
現代のプレスサッカーは、ボールがサイドにある場合、フォーメーション全体をボールサイドに強く圧縮します。それがたとえ4バックであろうと、逆サイドはがら空きになります。さて、程度の問題は有れ、ボールを逆サイドに振られた場合の対応に、それほどアドバンテージが有るとは思われません。
さらに、日本代表を想定した場合、前回WCの時、岡田監督が3バックに変更した理由、すなわち優勢な敵2トップに対し日本のCB2枚では抑え切れない、というロジックを私はある程度肯定しています。その場合、たとえば左サイドにボールがある時、直接対応は左SBが行うとして、中央を3枚で固めようとし、DFラインを中に絞り逆サイドはMFがカバーするのか、あるいはDHが2CBをフォローし逆サイドはSBがそのままカバーするのか、何らかの対応は必要になります。
事実、4バックを基本とするチームでも、押込まれた時5バックになっているケースは少なくありません。
中央に3枚必要であれば、3バックスにしたほうが対応がシンプルであると言えない事は無いと思います。
また、4バックスでもSBがどんどん攻撃に参加するようなチームであれば、サイドはがら空きになり当然それに付帯するカバーリングが発生します。

どのようなフォーメーションでも、一概にどちらがシンプルであるとか、弱点が有るとか言う指摘はほとんど意味が無い。チームのコンセプト、選手構成、敵の状態、あるいはゲームの展開などに依り、弱点が利点になったり、利点が弱点になったり、それぞれに比較的単純な対応策が準備されていれば問題ないと思います。
そういう意味で選手の対応能力が勝っているチームが強いと言う事は言えるのではないでしょうか。

GAITIさんの言われる事を否定する訳ではなく、その上で私が感じた事を申上げました。

>当然シンプルなフォーメーションもあれば機能させにくい複雑なものもあります。
>そして、トルシエの戦術は間違いなく後者だとも思います。

トルシエ戦術のどの辺が機能させにくい複雑な物とお考えなのでしょうか、出来れば具体的にご指摘いただければ幸いです。

大変長文になり失礼しました。素人ですので深い議論は不可能ですが、もし宜しければお付合いをお願いします。

Re(8):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 GAITI  - 01/11/29(木) 18:11 -

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   >zukunasi_7さん

始めまして
レスありがとうございます
また後で詳しく書きますが
簡単に1つだけ

私は実は日本は3−5−2で行くべきだと思っているんです

それを前提にして聞いてくださいね(笑)

それで議論したいことは
4−4−2も3−5−2もプレーエリアを狭くする現代サッカーでは
大きな違いがでないのではないか
ということですよね

で、具体的にはチームの約束事が全然違う
というのが私の意見ですが

これだけでは通じませんね

すべての問題は
「サッカーには理想の形があって、それを行う包括的能力がある(これを仮にオートマティズムとします)」
ということを信じるか否か
ということに収縮してしまうんですよね

このことについて詳しくはまた後で

Re(7):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 glider E-MAILWEB  - 01/11/30(金) 14:16 -

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   ▼GAITIさん:

まず、「読み取り違い」されていることがひとつ。

>「現代サッカーには、それを実行するために必要な包括的能力(オートマティズム)があって、それがあればフォーメーションなど全く関係ない、全ての実力差はこの包括的能力を身につけている割合で決まる」

オートマティスムとは能力のことではありません。
チームの攻守を「組織化」するための「必要最低限の約束事」です。
だから、「それさえあれば」とか、「全ての実力差はこの包括的能力を身につけている割合で決まる」とかってことではまったくありません。

そしてぼくは、「チームスポーツの究極の理想は究極のオートマティズムを持った選手で形を固定しないでプレーすること」というのはよくわかりません。
そういう観点から「初期フォーメーションは無意味」と言っているのではありません。
どうもそのへんを大きく誤解されているような。
ぼくが書いたことを「イメージ」で捉えずに「昨今の強豪の実際的な試合の中のできごとの多く」として御理解されることを切に願います。

昨日、トヨタ・カップを観戦に行きました。
幸いにして非常に良い席を得ることができましたので、両チームの選手の全体的な動きをある程度落ち着いて見ることができました。
両チームとも「初期フォーメーション」という「形」がピッチ上に描かれるのは相手のゴールキックの時だけ。
後は「ボールの位置と敵味方の選手のポジショニング」による「選手個人の判断」と「選手間の意思疎通」、その間のタイムラグをなくす「オートマティスム」によって「形」は不断の変化を見せる。
「初期フォーメーションがこうであるから、この位置にボールがある時この選手がプレッシャーに行き、こうカヴァーリングされてこういう形になる」というのはあくまでも「見る側」としての理屈であり理解であって、「やる側」のものではありません。
実際にプレイする選手はもはやそんなことを考えているヒマなどないし、そういう理解の仕方でプレスとフォローとカヴァーを行っているのではありません。
それはその場に応じた選手達の判断、選手間の意思疎通と、それこそ「オートマティスム」と言われるもの。
「ボールの位置によって誰がどうプレスに行き、誰がどうカヴァーするか」は、その場に最善なものはいつも同一ではないのですから。
何度も言いますが、それが「今」のスピードです。

トヨタカップは、試合としては面白みに欠けるものでした。
様々な理由から、ボカはボカらしく戦えなかったように思います。
勝ちたいという気持ちはものすごく伝わってきましたが、ああいう試合になってしまうと「バイエルンの試合」にどうしてもなっちゃいますね。
両チームともすばらしく「組織的」で、その中にあっても両チームのディフェンダー達の意識はとても高く、判断は速く、すごく「大人」でした。
技術的にはイマイチって選手もいるんだけど、「かっこいい」んですよね。
日本代表はまだまだ子供だなあ、なんて思ってしまいました。
GAITIさんに言うのではないですが、ぼくも含めオートマティスムとかフォーメーションとか、そんなことを言っているうちはレベルが低いってことですねえ。

Re(2):もうひとつ
 glider E-MAILWEB  - 01/11/30(金) 14:40 -

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   ▼紅葉さん:

はじめまして、ようこそ。

>私は大会が行なわれる大陸とその季節という要因が、その大会で展開されるサッカーの重要な要素になると考えています。

その通りですね。
暑さ寒さだけではなく、気候や環境そのものの影響はとても大きいでしょう。
というわけでホームのボリビアは強い(笑)

>もし、あのとき今のトルシエの日本チームが出場していて、今のサッカーを展開していたとしたら、間違いなく自滅していたんじゃないかと思われます。

あの時の「暑さ」、それを踏まえて「間違いなく自滅」ということはない、というのがぼくの考えですね。ぼくは全然そう思わない。
そして、今の日本クラスでも決勝戦に出ておかしくないくらいに当時と今ではスピードに差があるってことです。
それは、94年大会だけでなく、代表間の試合だけでなく、って意味においても。
でもまあ、仮に日本がそういうサッカーすれば即座に対応するのが「世界」ですから、やっぱり「日本の決勝進出」はあり得ないでしょうけど(笑)

>94年大会でのイタリアチームを前提にサッキのサッカーとしてお話を展開されるのはちょっと無理があるかと思います。

まあちょっと不勉強でしたね。
今、サッキ・ミランのヴィデオを手配中です。
ただ、スピードや強さそのものは別として、サッキ式という「やりかた」そのものはアズーリでもミランでも変わる所はないでしょう。
でなければサッキがサッキとしてアズーリの監督になった意味もないし、準優勝もあり得なかったかもしれません。
というくらいに際立った個性を持つ「やりかた」です。
当時のスピード、テンポ、レベル、ということから考えても、プレッシングの方法、攻守切り替えの方法、ゾーンの設定、アズーリとミランの間に習熟と成熟以外の差はないだろうと思ってます。

Re(8):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 glider E-MAILWEB  - 01/11/30(金) 16:02 -

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   ▼zukunasi_7さん:

おひさしぶりです。
ずいぶん御無沙汰ですよ〜(笑)あの時約束した通り、コンテンツ増えたでしょう?
やっと「サイト」らしくなってきてホっとしてる今日この頃です。
C&Rのほうもよろしくです。
まあ何より、再登場に感謝です。これからはズクナシさんですね。

>さてこれは本当なのでしょうか。私は疑問に思っています。

ぼくも疑問に思います。
というか、ぼくは「やさしくない」(by mitsu)ので(笑)「全然そんなことはありません」と断言してしまいます。
一体、フランス代表でもボカ・ジュニオルスでもいいけど、最終ライン上に4人が並んでいるシーンってどれくらいあるんでしょう?
先日のトヨタカップでも、2、3、4、5、さらには6人と、状況によって刻々と変化してます。
ボカで言えば3人っていうのが一番多かったかも。
それも「サイドバックのひとりが"攻撃"に出ているから」なんて単純なことではなく。
仮に「固定的概念」に立って言ってみれば、ボカの両サイドバックはCBでもありMFでもあります。
2人のCBはサイドバックにもなります。
バイエルンも同じ。
両チームを「4ー4ー2」と言うことにいかほどの意味があるのか。
そういう考え方が及ぼす悪影響、日本の(メディアなどの)サッカー感を現代の世界にフィットしたものにする妨げ、そういう面もあると思う。
だからぼくは「数なんか意味ない」って声を大にしたい。
3ー4ー2ー1とか4ー2ー3ー1とかに至っては「アホか」って感じです。
そういうのって10年前の感覚じゃないかな、と思います。

監督が4ー4ー2にするか3ー5ー2にするか、そういうことはもちろん無意味ではないとぼくも思いますよ。
おっしゃられているように、それが「選手の組合わせ」を考える上で、選手の起用を考える上で、その能力を発揮させる上で。
さらには「どういう『戦略』(戦術ではなく)で戦うか」という意味でも。
ほんとうに、誰と誰を組み合わせるか、誰をどう配置するか、ってことなんですよね。
フォーメーションが戦ってくれるわけじゃないですからね。

日本代表が「サイドに弱い」っていうのは全然別の問題だとぼくは思ってます。
それはDF選手のせいでもあるし、トルシエのせいでもある、と。
まあ、はっきり言えば「日本のレベル」のせいですかね(笑)
それをして4バックにすれば・・・というのは何の根本解決にもならんし、将来のためにもならんと思います。

そして、トルシエの戦術は別に複雑でも何でもありません。

Re(9):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 GAITI  - 01/12/1(土) 18:18 -

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   >gliderさん
>zukunasi_7さん

>具体的な選手群が有り、その能力を依り多く発揮する為に。あるいは、監督としてイメージするサッカーを実現する為に、フォーメーションと言うのは非常に重要であると言う事は断言できると思います。
以上の事に付いて、私とGAITIさんの間にそれほど大きな隔たりはないと思います。

私が議論したかったことは
つまりはここについてで
「フォーメーションは重要か」
ということなんです。

別に各フォーメーションごとに優位があるとは全く思っていませし、
フォーメーションですべてが決まるとはこれまた全く思っていません。
ただ、フォーメーションごとに差異はあると思っています
(なければ誰1人の監督も頭を悩ますことがなくなるでしょうが、
やることといえば選手のメンタルコントロールなどだけです)
よって差異があるので各フォーメーションごとの特徴もあると思いますし
選手によって得意なフォーメーションやポジションもあると思っています。

それでこのフォーメーションの差異についての詳細は
「まずフォーメーションは必要か」
という共通認識がないと議論できないので
まずはその確認をしましょう。

私とズクナシさんはフォーメーションは重要という点では共通していると思うんですよ。

ズクナシさんは上記のことは、gliderさんは当然踏まえた上で議論している
とおっしゃいましたが、そのあたりどうでしょう。

Re(10):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 glider E-MAIL  - 01/12/1(土) 23:51 -

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   ▼GAITIさん:

どうもこれまで書いてきたことは伝わっていなかったようで。
もう一度言わねばならないようですね。
ぼくはもうそれについては十分に言っているつもりなんですが。

「フォーメーション(数)でサッカーを語るのは無意味。
4ー4ー2ならできるが3ー5ー2だとできない、等と言う選手はもう未来はない。
フォーメーションは、監督が選手の組み合わせと構成、それによる戦略を考える上では無意味ではないが、それは数が重要なのではなく組み合わせの方が重要である。
例え3ー5ー2だろうが相手と試合の流れによっては5ー3ー1にも4ー4ー2にも4ー5ー1にも変化できなくてはならない。
そもそも、選手が違うのに4ー4ー2と一括りにする事自体に意味がない。
それを区別するために4ー3ー2ー1だの4ー2ー3ー1だのいうのはさらに滑稽である。」

ということです。
極論すれば、ぼくは別に最近の日本代表のフォーメーションを4ー4ー2と言ったってかまわない。
波戸はDF登録されていることが多いですからね。
「いや、あれはやっぱり3ー5ー2だろう」とか、「いやいや、実質的には4バックだよ」とか、そんな議論に意味があるとも思えない。
「この時間帯では4バックスになっている」とか「5バックスになった」とかいうことはできるとは思うが、ボールの位置によるゾーンの埋め方もチームによって状況によってまちまち。
さらにいえば、森岡や松田や中田が頻繁にラインブレイクし、戸田がそのカヴァーを主にするのなら、戸田を含めて4バックと言ったって良い。
そうなればそんなのはただの言葉の問題。

DF(としての能力の高い選手)を3人にするのか4人にするか、ということの意味がないとはいいません。
FWもまたしかり。
しかしそれは、つまるところそれだけの問題。
10年前とは違い、「初期フォーメーション」に戻る時間は極端に少なくなったのです、今は。
だから、そういうことを踏まえた上で、MFはやはり5人いた方が良い、とか、ボールの奪取位置やメインのプレイエリアの設定を考えた上で攻撃に能力が振れている中盤選手を何人にするか(もちろん相手との力関係を踏まえ)、とか、そういう議論はできるでしょう。
だから、いずれにしても数や形が「重要」なわけではありません。
重要なのは「誰と誰と誰をどのように組み合わせるか」なのです。
「形」や「図面」で捉えようとするのは無意味なこと。
選手は将棋のコマではなく、常に自分の判断も持って動いているのですから。

Re(10):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 zukunasi_7  - 01/12/2(日) 14:21 -

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   ▼GAITIさん:

レスが遅くなり失礼しました。gliderさんのご意見などを踏まえながら、私なりに思う所を申上げます。

>「フォーメーションは重要か」

フォーメーションといった時、人が具体的に配置された物であれば、YES
フォーメーションといった時、人が具体的に配置されて無い物であれば、NO

>別に各フォーメーションごとに優位があるとは全く思っていませし、
>フォーメーションですべてが決まるとはこれまた全く思っていません。
>ただ、フォーメーションごとに差異はあると思っています
よって差異があるので各フォーメーションごとの特徴もあると思いますし

これに対するお答も上と同じです。
誤解を恐れずに言えば、具体的な人が配置されたフォーメーションは、優劣が有り、勝敗がそれで決する事もあると考えています。

GAITIさんは、単に数字だけで352とか442とか言った時、具体的にそれがどのような戦いをするか想像できますか?私には全く不可能です。
352と442が戦った時、どんな戦いになるか想像できますか?私には出来ません。

たとえば、442の場合、フラットな2ラインで形を維持しながら、敵の攻撃陣を網の中に誘い込み、囲い込んでボールを奪いカウンターをするチームも有るでしょう。
両SBがガンガンとオーバーラップし、攻撃するチームも有るでしょう。

バックスの両サイドが弱点などといわれる352でも、両サイドハーフが下がり目に構えたら、442よりも強くなるでしょう。

GAITIさんに問いたい。どれがホントの442ですか?352のほんとの姿は何ですか?

しかも、グライダーさんの言われるように、ゲームの中ではものすごく流動的に動いている訳で、そのときの状況次第で、2・3・4・5・・・・・選手はそのどの状態に有っても的確に対応できなければならない訳です。ボランチ戸田は、バックが2枚の時、3枚の時、4枚の時、それぞれに応じて最も適切な対応をしなければなりません。
442に適してる、352に適してるなんて言ってはいれれないと思うのですが。

現状の日本代表を例に取れば、352と言われていますが、右SBが少し高目に構え、右SHが中に絞り込んだ442であると説明する事も出来ます。波戸はDF登録です。
そういう意味では、現代表は4バック442のチームです。それすら相手によって当然変るでしょうし、どれがホントの日本代表?などと問うのは愚かしい。
日本代表を352とか442とか評価する事は、全く無意味だと思っています。

>ズクナシさんは上記のことは、gliderさんは当然踏まえた上で議論している
>とおっしゃいましたが、そのあたりどうでしょう。

グライダーさんは、数字が一人歩きし、352あるいは442とは、こういう性格が有り、こういう弱点と利点が有る。という議論に嫌気が差し、少々強めにそれは無意味だよと言われていると思うのですが。
トルシエが3CBを基本にフォーメーションを組む事。ベンゲルが442を好んで使う意味に付いて、それは無意味と言ってはおられないと思います。それはベンゲルがやりたいサッカー、トルシエがやりたいサッカーが色濃く反映されていると思うからです。
私はグライダーさんが、ベンゲルがどのような意図を持って、選手を配置しフォーメーションを考えているか、どんな戦略が結果としてあの442フォーメーションに現れているか、全く無意味で興味が無いと考えているとは思えないのですが。

トルシエがどのような戦略(少し大袈裟ですが)を持って、今のフォーメーションを組んでいるかに付いて、近日中にグライダーさんへのレスで書きたいと思います。
良かったら目を通して下さい。(少し書くのに時間がかかりますが)

Re(9):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 zukunasi_7  - 01/12/2(日) 18:31 -

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   ▼gliderさん:

レスありがとうございます。

>ずいぶん御無沙汰ですよ〜(笑)あの時約束した通り、コンテンツ増えたでしょう?
>やっと「サイト」らしくなってきてホっとしてる今日この頃です。
>C&Rのほうもよろしくです。

その節は失礼いたしました。正直な所、私のサッカー理解力では、参加できない事のほうが多いだけでして、興味ある書込みが無いか楽しみで、しょっちゅうチェックさせて頂いてます。

>それも「サイドバックのひとりが"攻撃"に出ているから」なんて単純なことではなく。
>仮に「固定的概念」に立って言ってみれば、ボカの両サイドバックはCBでもありMFでもあります。
>2人のCBはサイドバックにもなります。

私は最近、選手とポジション名をリンクさせる事を止めないと、これからのサッカーは理解できなくなるのではないかと思っています。「司令塔中田」とか。
この事は、以前ヤフーの代表カテで、リゾーム論が盛んだった頃考えたのですが。ポジション名(役割)は、選手に附属するのではなく、ピッチの上でその選手のいる相対的位置、そのものに有るのだろうと。場所が変れば、役割も変る。
「ボランチ稲本」ではなく、中盤の底中央あたりにいる時、稲本は何をしなければいけないか。最前線の左にいる時、稲本は何をしなければいけないか。何を期待されているのか。稲本だけでなく全ての選手が、俺は右DFだ、俺はFWだ、という意識から、今いる相対的位置の中で、今何をしなければいけないかを把握し、実行する。しかも速く。それを期待されていると思いますし、それが出来なければ生残れないのではないかと思ってます。見る側も、そのように意識を変えないといけないかなと。
まあ、実質が何か変る訳ではないので、単に意識の問題だと思いますが。

>そして、トルシエの戦術は別に複雑でも何でもありません。

実は私もそう思っています。グライダーさんとは少し違うかもしれませんが、私なりの視点からその事に付いて少し書かせて下さい。

イタリア戦をのあのゴールを見て、ハッと気がついたと言うか、感じたと言うか、トルシエ監督のやりたい事って、これだったのね!って。
高い位置でボールを奪って、少ない手数でゴールを狙う。
言葉としては、以前から言われていましたし、知ってもいました。
でも、ふに落ちたのは、あのゴールを見た瞬間でした。

それまで、F3、攻撃的プレス、コンパクトフィールド、ポジションチェンジetc・etc・・・・・言葉に踊らされ、トルシエのサッカーのコンセプトは?F3?現代的サッカー?などと一生懸命考えていました。
しかし目的無しに、技術論を分析してみてもあまり意味の無い事だと思えたのです。

攻撃のコンセプト「高い位置でボールを奪って、少ない手数でゴールを狙う」
これを実現する為の、コンパクトフィールド、ゾーンプレス、その他・・・であったのだろうと、今は思っています。
そして守備の信念「CB3人で中央を固めれば、簡単には失点しない」
だから3バックでありそれを基準にバランスを考える、だから多少サイドを崩されようと気にしていないのではないかと思うのです。
その事をトルシエ流に表現した結果が、あのフォーメーションなのかな。

そこは違うよ、別にこんなのも有る。というご指摘が有れば喜んでお受けします。
あんた、根本的に違うぞって言うご指摘でも結構です。

まあ素人の薀蓄ですので、間違っているかもしれませんし、今さらと思われるかもしれません。しかし、目的と手段を取違えると何も見えなくなる、と言う事は言えるのではないでしょうか?
フォーメーション論も同じ事かと、監督の意図を理解せずに語るのは意味が無い。
反対に、フォーメーションから監督の意図が読取れたら、本当に面白いだろうと思います。いつの日か、私にもそんなことが出来るように成らない物だろうか。

Re(11):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 GAITI  - 01/12/2(日) 23:47 -

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   >zukunasi_7さん

>フォーメーションといった時、人が具体的に配置された物であれば、YES
>フォーメーションといった時、人が具体的に配置されて無い物であれば、NO

90%は同意権です
で、残りの10%は人ナシでも関わってくるところがあると思います
この10%があるかないかが私とズクナシさんの相違点ですね

>グライダーさん

何度も同じところでもめてしまい
ほんとすみません
で、実はgliderさんのおっしゃりたいことは十分わかった上で言っているのです
簡単に言うと
「コンパクトゾーンにおけるプレスサッカーでは
ポジションを気にしていたのでは全てが遅くなる」
ということだと思います。

それはその通りだと思います

それで、議論する上での確認事項というか
私の考えの経緯を記させてください

まず、サッカーをフォーメーションなど形だけで語るのは無理だし、全く無意味
そういう人は私も嫌いです

で、本当なら例えば戦術解説などは監督の考え(概念)などを語るべきなのですが
ヨーロッパや南米など歴史のある国のサッカー解説も
フォーメーションを中心に語られることが多いです

これは監督の概念と言うような抽象的なものではなく
フォーメーションというような具体的なものの方が語りやすいからでしょう
事実、監督の考えを完璧に知ることができる可能性のあるのは選手だけでしょう

結果、形を重視しすぎた批評が多くなりました
中には有意義なものもありますが、
形だけにとらわれた解説は時代が進むごとに有効性を次第に失っていきました。

もともと少し無理のあった批評形式でしたが
サッカースタイルの変化とともにそれは更に無意味になっていきました。

よって形だけの批評は
「選手が入ってないと無意味、入る選手によってサッカースタイルが全然変わる」
などの元からある批判のほかに
「運動の量や質が増え、選手は昔とは比べ物にならないくらい流動的になった」
「フラットラインの導入でプレーエリアが狭くなった」
などサッカースタイルの変化によってこういう批判も出てきました

これらは
1つ1つことごとくもっともだと思います。

では、今度は初期のポジションは何処まで関係があるのか
という問題が出てきました

別に今回の議論だけでなく、多くの議論でこのあたりがあいまいなまま議論されているように思うんです

それでフォーメーションの重要度を4段階に分けて考えて見ます

1、フォーメーションは全く関係ない
この場合は、何を基準にして選手が動くかがポイントです
とりあえず考えられるものは、まずは相手ですね
相手が2人だと3人で守るという感じです
ただ、これは相手もポジション関係無し
となったら使えません

もう1つ考えられることは
動きの約束事を作る
ただ、変数が11(10)の場合で約束事ごとのみで選手を動かすことは
ちょっと人間の能力限界を超えてしまいます
それこそクライフが11人いなければ無理でしょう

2、人の入ったフォーメーションのみ意味がある
たぶんgliderさん、ズクナシさんはこれに当てはまると思います
私は「戦術」は「監督の概念」と「フォーメーション」のあわせたものだと書きましたが
それと大体一緒ですね。
これは完璧正論なので特に説明は要りませんね

3、ほとんど2だけれど形のみにも「少し」意味がある
これが私の立場ですね
このことについては、後でまた詳しく書きます

4、形のみでも十分にサッカーを批評できる
さすがに無理がありますが、現在も結構います
こういう人達のおかげでフォーメーションについて
「少し」の部分もすっかり語りにくくなってしまいました

Re(12):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 Dai E-MAILWEB  - 01/12/3(月) 3:58 -

引用なし
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   フォーメーションというのは、ピッチ上にいる11人のデフォルトのポジショニングということですよね。

しかし、ボールの位置でポジショニングのデフォルトを作るというのが今のサッカーなので、もうフォーメーションは1種類しか存在しないといっても過言ではないと思います。

ここにボールがあったら、こういう風になって、ここにボールがあったら、こういう風になって、ここにボールがあったら、こういう風になってってのを、3−5−2になったら、4−4−2になったり、3−6−1になったり、3−3−3−1になったり、3−7になったり、5−4−1になったりしながら、試合中その姿をがんがん変えていってしまうわけです。さらに、同じ3−5−2でも、何種類もの3−5−2を使うことになります。

ですから、デフォルトフォーメーションについて語る意味はないわけです。4−4−2にはこういう長所と短所があって、3−5−2にはこういう長所と短所があってというのが今までのフォーメーションの語りだったと思いますが、今はそれを状況によって相当複数使いわけちゃう時代ですからね。しかも、フォーメーションといわれるものは意識せずに。それにフォーメーション論はあまりにもサッカーというものを単純化してとらえすぎていて、全く現実的ではないですから。言葉遊びとしては十分に使えますけど(笑)

キックオフの時のフォーメーションはこう、試合中はボールの位置で何十通りのフォーメーションになって、相手ゴールキックの時はこういうふうなフォーメーションになるって具合ですよね。んで、それは中に入ってる選手は、別にフォーメーションをどうしようという意識は全くなく、回りとのポジショニングバランスに気を使い、ボールホルダー、ボールレシーバー、有効スペースなどをみて、各自が次の展開を読んで、プレッシャー&パスカットなどのボールカットにいくわけですね。そしてそれをシステムとしてやる。


            ○   ○


        ○   ○   ○   ○

    
        ○   ○   ○   ○


こういうフラット型を選択した場合・・・と語ったところで、実際はこんな感じになったりします。


        ○   ○   ○


          ○  ○
      ○ 
         ○  ○

        ○  ○   ○ 


フラット型を選択したチームの試合中です。これが現実です。さらに


       ○  ○

      ○   ○  ○

    ○  ○  ○   ○
            ○


こんな形になってしまったりします。4−4−2フラット型の試合中ですよ。これ(笑)


驚くことに


          ○   ○


      ○   ○   ○   ○


      ○   ○   ○   ○


こういう形にはまずなりません。そう、キックオフとゴールキック時ぐらいしか。

だから、構造上どうのこうのと語っても意味ないわけです。


         ○  

           ○  ○
           
         ○ ○ ○ 

          ○ ○ ○ ○


4−4−2フラットでこういう形にだってできるのですから。これをデフォルトとして。


ただし、フォーメーション論のなかでひとつだけ可能性があるのが、フラットラインですね。フラットな最終ラインを形成しておくことは重要だというのは可能性がありそうです。ラインという形にはこだわろうという。その中の人間が誰であるかは別にいいのですが。なぜかといえば、フラットで守れていない時(凸凹でオンサイドゾーンができて)にスペース突かれて失点するケースがわりとあるからです。さらにいえばボールホルダーにプレッシャーがかかっていない状況でも、ラインで守りきることができるんじゃないだろうかというところで。コーナーキックなんかは、ボールホルダーにプレッシャーがかかっていないのに、ゾーンで守れるわけですし。キエーボも結構そういうところあるみたいですし、中盤が4人しかいなくても、フラットな最終ラインで守りきるアーセナルみたいなところもありますし。

それからトルシエの形作りですが、3ラインを作ってボールを危険エリアに侵入させないようにブロックで守るという部分は徹底させてるようです。そこでは3−5−2とかそういう話は全くしないとは思いますけど。10人のある決まった形というのは求めていませんね。10人でのポジショニングの距離感についてはうるさく言ってるとは思いますが。ただ、後ろは中央に3人でライン作って守ろうっていう話はしそうですね。これがフォーメーションの話といえばそうかもしれません。

まあどちらにしろ既存のフォーメーションの話では、今の「フォーメーション」が語れないのですよね。だから、どうしてもフォーメーションを語りたい場合には新しい物差しを用意するしかないでしょうね。

今はフォーメーションすらないのかもしれませんし(笑)というかもともとそんなものは存在してなかったかもしれませんしね。単にピッチ上で描かれた現象の一端を表したにすぎない単純化されたモデルだったということのみで。

フットサルもやるんでそのあたりはもうかなり経験的につかんでますけどね。形よりバランスですね。

フォーメーションの話ってほんと現実的じゃないのでそれを指導の現場に持ち込んでも使えないのですよね。実際。机上の空論みたいに思われて馬鹿にされて終ってしまうし(笑)監督さんの頭の中だけでならまあフォーメーション論しててもよいかもしれないのですが、選手にそれは伝わらないってことは覚悟しないといけませんね。現実的ではない話ですから。ピッチに思い描いたフォーメーションを描くことはできないですし。ほんの一瞬、1秒ぐらいならそれができあがるかもしれないですが、もう1秒後には違う形になってしまいますし(笑)ピッチに思い描いたゾーンバランスと収縮活動は描けるでしょうけどね。

スタメン発表とか、選手交代とか、その時に、お前はここのポジションに入って、こういう働きをして欲しいみたいなことでは使いますけどね。ただピッチに入ったら、ボールにあわせて動かないといけないのでもう3−5−2とかの意識は使えないですけどね。自分がどこのエリアにいて、まわりとの距離はどれくらいだってのなら使いますけど。

zukunasi_7さん、GAITIさん
 glider E-MAIL  - 01/12/3(月) 5:34 -

引用なし
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   ▼zukunasi_7さん:
▼GAITIさん:

ズクナシさんには、どうもかなり見抜かれているようですね(笑)
意見の違うお二人にまとめレスで失礼なんですが、この話題に関してのぼくの考えということで書きますので、御理解を。

>私は最近、選手とポジション名をリンクさせる事を止めないと

そう、その通りだと思いますよ。

>全ての選手が、俺は右DFだ、俺はFWだ、という意識から、今いる相対的位置の中で、今何をしなければいけないかを把握し、実行する。しかも速く。

これもまさに。
サッカーのスピードが上がってきた現在、「ボランチのオーバーラップ」とかまぬけなことを言っている場合じゃないんですよね。
「ラインブレイク」なんてのも、もういい。

正直に書きましょう。
フォーメーションは、監督が「その試合」の戦略を考える時、どのような選手達をどう組み合わせて「どこでどうサッカーしたいか」を計る上では意味はあります。
ただし、それは図で表されるような「形」ではない。
図に表すのはあくまでも「便宜上」のことと知るべきです。
背番号を図面の上にならべて戦い方を「イメージ」するのは、あくまでも「イメージ」であって、それを持ってして「こういう『形』にしたからうまく行かなかった」の「相手がこういう『形』でこっちがこうだからうまく行った」のと言うのは的外れです。
「ダブルボランチだから良かった」だの「トリプルボランチだからダメだった」だの、現実のサッカーはそんなことでカタはつきはしませんよね。
「トリプルボランチ」などとヘンテコな名称つけて3人を横一直線に並べて書いたりするから妙な誤解を生じてる。
トルシエの意図とは思いっきりかけはなれているでしょう。
「3バックだからサイドが弱い」なんてのも同じ貧弱な発想です。
そういう意味でもぼくは「フォーメーションなんて忘れた方が良い」と言います。

ただ、GAITIさんの「初期フォーメーションの重要性」についての意見に対する反論は、「各選手のゾーンのわりふりの初期設定」という意味においてはそれとは少し別のこともあります。
それはもう繰り返しませんが、「10年前には有効だったが、今では無効である」ということにつきます。

また、4バック、3バックということで言えば、フランス代表やアルゼンチン代表、先日のボカジュニオルス等を見てもその区別はますますあいまいに、しにくくなっています。
あれを4ー4ー2とか3ー5ー2とかいうふうに分ける意味をぼくはもうあまり感じません。
それはもう選手の選択の問題にすぎないのではないか、とすら思うのです。
指向するサッカーが、ポジション登録の数に滲む時代は終わりかけているのではないか?

>イタリア戦のあのゴールを見て

トルシエは、とても論理的な思考をする監督でもあります。
非論理的な発言も多いのですが(笑)
セットプレイの重要性、得点シーンをもたらす状況、確率、彼の戦術にはそういった論理的裏づけも当然あります。
トレーニングの内容もそれを証明してますよね。

ひとつ気になったこと。

>「CB3人で中央を固めれば、簡単には失点しない」
>だから3バックでありそれを基準にバランスを考える、だから多少サイドを崩されようと気にしていない

トルシエが本当にそう考えているなら、それは問題だとぼくは思います。
サイドを捨て、ゴール前を大人数で固めるのなら、それはそれです。
しかし、ゾーンバランスに腐心しフラットラインで守り、しかもできる限りはラインを上げて行こうとするのなら、それでは失点します。
いえ、その前にラインもあげられないし、簡単に相手に主導権を渡してしまうことになります。
一流の選手が、プレッシャーのない状況でどういうボールを蹴ってくるのか。
日本の3バックスが、前を向いて飛び込んでくる、あるいはラインの中へ入ってきて「駆けっこ」を仕掛けてくる足が速くてスキルの高いFW相手に守れるのか。
3バックスが3バックスとして「ひとつのかたまり」になっているのでは、ぼくはダメだと思っています。
ボカのCB達が、状況によっては「SBになる」ということ、その意識、その判断、そのスピードが大事です。
そうした時に、「ゾーンバランスを維持する」オートマティスム、視野、その「スピード」、そして「ポリバレンス」。
「人は揃っているのにプレッシャーがかかっていない」状況や、プレッシャーに行くのが遅いために距離を空け過ぎ、ほとんどフリーと同じような状態になっていたり、ダイレクトや1タッチでスパンスパン回されていたりするのは、見ていて歯ぎしりものです。
あるいは、「ゾーンバランスをキープしろ」という約束に縛られすぎて、いつまでも意味のないゾーンに留まっていたりするのには脱力します。
あるいは、相手のキッカーが大きく逆サイドに降ろうとしていて、その逆サイドに走り込んでいる敵までいるのに、ボールが到達してから重い腰を上げるように動いているのを見ると、ため息が出ます。

日本代表チームの、スキルは上がりました。
現代的な戦術の動きの基本もマスターしました。
考えてプレイすることもできているでしょう。
昔に比べたら、そうとうにハイレベルです。
でも、ことスピードってことになると、特に「個人としての判断のスピード」ってことになると、強豪とのあまりの差に呆然とします。
まだまだ、そういう段階なんですね。
やっぱり階段を一段ずつ登って行かなければならないんだなあ、と最近実感しています。
一歩ずつでも、良い方向に、そして確実に登っているじゃんか、と思い直したりしています。

Re(13):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 zukunasi_7  - 01/12/4(火) 5:37 -

引用なし
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   ▼Daiさん:

始めまして、宜しくお願いします。

>しかし、ボールの位置でポジショニングのデフォルトを作るというのが今のサッカーなので、

納得です。今まで自分の中で考えたこと、また今回の議論に参加して考えさせられた事々を整理する上で、自分の中で収まる所に収まった感じのするお言葉です。

>もうフォーメーションは1種類しか存在しないといっても過言ではないと思います。

これは・・・・一種類と言うか無数と言うか・・・・形而上の問題ですか。

>ここにボールがあったら、こういう風になって、ここにボールがあったら、こういう風になって、ここにボールがあったら、こういう風になってってのを、3−5−2になったら、4−4−2になったり、3−6−1になったり、3−3−3−1になったり、3−7になったり、5−4−1になったりしながら、試合中その姿をがんがん変えていってしまうわけです。さらに、同じ3−5−2でも、何種類もの3−5−2を使うことになります。
>ですから、デフォルトフォーメーションについて語る意味はないわけです。

しかし、何の前置もなく単純にこう言いきられてしまうと、何か究極のオートマティズムが有って、それにしたがってゲームを進めるだけであると、読めてしまいます。
さらに、ボールへの対応・カバーリングの連鎖のみでサッカーを説明した場合、行着く所は選手の均質化だと思われます。さもなければその時々で構成されるフォーメーション(この言葉を使って良いか分りませんが)に弱点が生じます。それを避ける為には、高次元でバランスした総合力を持つ選手を、均等に配置するしかありません。選手も人間である以上そのような事は不可能ですし、サッカーの面白さも半減すると思います。

やはり、デフォルトフォーメーションによる制約の基に、何らかのベクトルを持った、ボールへの対応・カバーリングの連鎖なのであろうと思います。
これは何もネガティブな対応と言うことでなく、監督のチーム造りやゲームプランの基にポジティブなベクトルを持つと言う事だと思うのです。
そういう意味で、デフォルトフォーメーションは無意味ではないと思いますし、無視も出来ない、やはり重要な要素ではないでしょうか。

そして、Daiさんがそのような事を無視しているとは到底思えません。
従来のフォーメーション論に嫌気し、その無意味さを強調されるあまり、少し説明不足に成っているのでは有りませんか?

それとも、私の想像の範疇を越えた別次元のお話なのだろうか?

Re(12):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 zukunasi_7  - 01/12/4(火) 5:52 -

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   ▼GAITIさん:

>で、残りの10%は人ナシでも関わってくるところがあると思います
>この10%があるかないかが私とズクナシさんの相違点ですね

どのような所なのでしょうか?
具体的にという要望はご面倒でしょうか。
ご指摘頂ければ考えてみたいのですが。

Re(1):zukunasi_7さん、GAITIさん
 zukunasi_7  - 01/12/4(火) 6:19 -

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   ▼gliderさん:

>ひとつ気になったこと。
>>「CB3人で中央を固めれば、簡単には失点しない」
>>だから3バックでありそれを基準にバランスを考える、だから多少サイドを崩されようと気にしていない
>トルシエが本当にそう考えているなら、それは問題だとぼくは思います。

トルシエ氏の名誉の為に、
上記は私が試合を見た結果そう感じている、と言う事でしかありません。

>あるいは、「ゾーンバランスをキープしろ」という約束に縛られすぎて、いつまでも意味のないゾーンに留まっていたりするのには脱力します。
>あるいは、相手のキッカーが大きく逆サイドに降ろうとしていて、その逆サイドに走り込んでいる敵までいるのに、ボールが到達してから重い腰を上げるように動いているのを見ると、ため息が出ます。

正に、守備の最終局面でのおっしゃられるような現象を見て、上記のように感じたのです。
選手の判断の遅さなのでしょうか、それとも、トルシエの意図なのでしょうか。私としては、トルシエの意図を排除しきれないのです。主観にもとずく事ですので、何ほどの根拠も有りませんが。しいてあげれば、なぜF3なのかと言う問に対し「中央に3人いる事が大きい」と答えています。(何かのインタビュー記事で)

Re(14):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 Dai E-MAILWEB  - 01/12/4(火) 9:44 -

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   ▼zukunasi_7さん:

はじめまして。レスありがとうございます。ぜひよろしく御願いします。

まずこのような見解になった背景ですが、もうフォーメーションでの表示自体やめたほうが日本サッカーにとってはいいなあと思ってるんです。どうしてもフォーメーションに対する先入観があるために、それが現代サッカーをする上で知らず知らずのうちにスピードの阻害要因になってしまうと思うからです。

高次元でバランスした総合力を持つ選手を、均等に配置しているのが現代サッカーであり、ボールへの対応・カバーリングの連鎖を重視しているのが現代サッカーであると思えます。アルゼンチン代表というチームをみるとそう説明するしかないと思いますし(笑)

戦術的には、はっきりとした複数の約束事が有って、それにしたがってゲームを進めているようにみえますね。マンチェスターにしても、アーセナルにしても、レアルにしても、バイエルンにしても、リバプールにしても、リーズにしても、リールにしても。形式美のようなもの+個人の力強さってものを大いに感じますからね。さらに非常に複雑化しているのに、効率的になっているなという印象です。

現代サッカーはどんどん画一的になってきていますね。フォーメーションも選手も。極端な例に感じられたかもしれませんが、現代サッカーのスピードというのはもうそのぐらいのことを要求しています。

(それでもサッカーが面白く感じるのは、サッカーが将棋やチェスではない証明ですね。1人、1人のプレイヤーが何かしら独自の技術と意思を持っており、そこにコミュニケーションがあり、カオスから生まれる自立とダイナミズムがあるということでしょうね。より、ネットワーク化されていて、個人個人が重要な役割を持っていながら、チームとして表現することも重要で、非常に動きの中で判断をすることが楽しいわけですし、刻々と変化していくということだけでも好奇心がでるのでしょうね。単純なプレーでもタイミングやスピードや迫力でおおって思いますし、技術そのものや、動きそのものや、考え方や、単にゴールの興奮とか、良いプレーへの賛辞とか、そういう感覚的な部分も強いですね。もっといえば、こういう議論していることはあくまでもサッカーの一部であって、もっともっとサッカーには他にたくさん大事なことがあるってことでしょうね。計画と安定を生み出すフォーメーション論の是非を問うても、それはあくまでサッカーのほんの一部にしかすぎず、そこで見られたことが、現実をネガティブに照らし合わせているようにみえても、実際は、ポジティブな他の要素がまだまだたくさんあって、そこを語ることは、言葉ではちょっと難しいってことなのかもしれません。本能的なものもあるかもしれないですし。それが人間のやるサッカーというスポーツの本質にある何かなのでしょうかね。なので、私は監督の仕事は戦術的なものよりも、よりマネージメントの側面が重要であると思っています。)

デフォルトフォーメーションによる制約の基に、何らかのベクトルを持った、ボールへの対応・カバーリングの連鎖なのであろうというのは私もそうだなと思うのですが、そのデフォルトの部分がどのチームも似てきてるんですよね。それに流れの中ではデフォルトに戻ることがあまりないのですよね。さらにデフォルトというのがフォーメーションではなくもっとゾーンバランスやブロックバランスのような意識になってきてるんだと思いますし、それをベースに個人、個人の能力の部分が大きくなってきてますね。ですから数字で指示が出来難いですよね。そうするとこれはシステム上の制約という話でしょうかね。フォーメーションを利用したシステムから、今では別の新しいシステムに進化したのだと。そして個人の役割も進化したのだと。複雑化しましたよね。

そこで、フォーメーションうんぬんの話をしても、もうフォーメーションは折込済みで行われているサッカーですから、そこから話を始めていては現代サッカーのスピードに付いていけなくなるので、それ以外の話をしないといけないと思うのですよね。

さらに、実際にピッチで描かれている事象が、フォーメーションでは説明し難く、これは個人戦術やグループ戦術で成り立っているのでは?と思わせることが多々あるわけです。

また、フォーメーションについて議論したところで、結論はもうでてるとも思いますし、その選択肢は少ないとも思っています。デフォルトでどれを選択するかなどという問題は好き嫌いで決着がついてしまうでしょうし。どうせ、試合が始まったら、形なんて変わってしまいますしね。

それならば、フォーメーション以外の部分。例えば、個人の部分、グループの部分、組み合わせの部分、システムの部分などについて多くの議論をしていったほうが有効だと思うのです。日本サッカー強化の観点から考えても。

>その時々で構成されるフォーメーション(この言葉を使って良いか分りませんが)に弱点が生じます。

これは面白いご意見ですね。そういうことはあるかもしれませんね。その時々で構成されるフォーメーションに弱点が生じている可能性はあります。攻撃側は、そこを付くところがポイントかもしれません。ちなみにこれをゾーンバランスと言うのだと思いますし、個人、個人の問題が大きいところだとも思います。フォーメーションという言葉をあえて使わなくても、例えばバランスという言葉なら使えると思いますし、他には連動性とか、全員サッカーとか、個人の早さとか、そういう言葉なら使えると思いますし、これらの問題についてならば、意味があるかもしれませんね。

>監督のチーム造りやゲームプランの基にポジティブなベクトルを持つと言う事だと思うのです。そういう意味で、デフォルトフォーメーションは無意味ではないと思いますし、無視も出来ない、やはり重要な要素ではないでしょうか。

無意味ではないし、無視もできないですが、重要な要素ではなくなってきましたね。今では。トルシエ日本が、3−3−2−2でスタートしても、3−4−1−2でスタートしても、基本的にやることは同じですからね。たとえ、4−4−2でスタートしても、やることは変わりませんからね。もちろん選手の部分で違いがでるでしょうけど。アジアカップの時に、トルシエ日本が3−5−2から1人退場して、デフォルトが2−5−2になっても、やってることは同じでしたよね。フランス代表は、4−4−2というデフォルトでスタートしても、試合中は3バックにしょっちゅうなりますし。バイエルンは2バックにしたり、4バックにしたり、3バックにしたりいろいろ使いますね。逆に同じ3−5−2であっても、全く別のチームにすることも可能ですね。

トルシエにしても、デフォルトフォーメーションにこだわりはないですよね。この3年間、いろんなデフォルトを見ましたからね。システムは同じ中で。

そう考えると、何通りかのパターンで、流れの中のデフォルトフォメーションの議論はできるかもしれませんね。それでも種類は少ないですし、重要度はそれほど高いわけではないですね。それでも確かに、1つの要素としては存在しますね。

ガイチさんの「形だけの議論も10%ぐらいは意味がある」というのは流れの中ではもう少し割合が低いと思いますが、あるかもしれませんね。サッカーの基礎講座の部分では。

>従来のフォーメーション論に嫌気し、その無意味さを強調されるあまり、少し説明不足に成っているのでは有りませんか?

これはそのとおりです。反省しないといけません(汗)鋭いっすね(笑)

とにかくフォーメーションがサッカーの基本的な構造を決定してしまうという議論があるのならば、それはサッカーを的確に表しておらず、あまり的を得た意見ではないなと思いますし、フォーメーションは重要か?というのみの議論が、現代サッカーにとっては重要な議論でなく、今となってはさほど意味を見出せないというのが本音です。その他により多くの時間を割いて語らなければならないものがあるはずですし。

現実に繰り広げられているサッカーをみて、スピードというキーワードで考えると、自ずとフォーメーション論では説明も解決もできないことは理解できると思いますし、フォーメーションとしてもデフォルトに戻るということが許されず、それでも新しいブロックを作りあげていくその過程が、とても激しさを感じさせます。デフォルトよりも、ポジショニングって言葉ならわかりやすいですけどね。いるべき時にいるべきところに誰かがいるというのがサッカーだと思いますし。

私自身は指導の現場ではフォーメーションというものは使いませんし、それによって、個人・個人の判断を成長させ、広く、早く、できるようにしていこうと思っています。逆にスペースがあって1対1の局面が増えるようなやり方をしたい場合にはデフォルトフォーメーションを使わせてもらうことがあります。

4バックを使うか、3バックを使うかは、好き嫌いな部分が大きいかもしれませんね。選手との絡みもありますし。それでもどっちかですし、他の要素がやはり重要でしょうけど。

デフォルトフォーメーションの話でいえば、西村日本ユース代表と、アルゼンチン代表、アルゼンチンユース代表は共に3−4−3で同じですね。しかし、日本とアルゼンチンでは違うサッカーになってしまいましたし、構造的にも違いがでていました。

分けて考えられないものですね。フォーメーションと選手を。そして単純にも考えられないものですね。この選手をこう置けばこういう流れになるなという読みの部分も、人それぞれですしね。それを直感でできる人は優秀でしょうね。

最後にコーチとして肝に銘じている部分としてなのですが、このフォーメーションから、こういう風に追い込んで、ここでボールを奪ったら、この選手とこの選手はこう動き、パスを通して、最後はこの選手がゴールを決めるというような理想の形はあるかもしれませんが、それを決め付けることはできませんよね。アメフトなら監督がいちいち指示すればいいですが、サッカーはグラウンドにでたら選手個人にまかせるしかないのですから。

どういう形を作ったらいいのか?などというやり方で、監督が選手にアプローチしても、選手がグラウンドで自ら解答をだしていくような姿勢が見につくはずはありません。

もちろん、サッカーのシステムというものは存在しますし、それはフォーメーション以上に重要なことですが、個々のプレーを選択するのは結局は個人、個人であることをもっと理解していかないといけないと思います。

ちなみに、私はフォーメーションが今でも有効である分野が存在すると思っています。それが、キックオフ、コーナーキック、フリーキック、スローイン、ゴールキックなどのセットプレーという分野です。ここでは大いに、フォーメーション論しても良いなとは思っています。

Re(15):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 zukunasi_7  - 01/12/6(木) 2:32 -

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   ▼Daiさん:

レスが遅れ大変失礼しました。内容の濃い、しかも大変長文のご返事をいただき有難うございます。

>高次元でバランスした総合力を持つ選手を、均等に配置しているのが現代サッカーであり、ボールへの対応・カバーリングの連鎖を重視しているのが現代サッカーであると思えます。

私がフォーメーションに対する考えを新たにしたのは、ヤフーのリゾームの議論が切っ掛けでした。オートマティズムの元、ポジションチェンジを繰返しながらゾーンを伸縮させ、新たなバランスを構築して速いサッカーを目指す、という主旨だったと思います。
当時、私は非常に斬新な印象を持ちましたが、そのままの形でないにせよ、サッカー先進国では既に実現されていると言う事でしょうか。

リゾーム論を目にしてまず思い浮んだのが次の2点です。
1.従来のポジション名と選手とのリンクを切離さなければならない。
2.選手の能力の均一化。高次元でバランスした総合力の有る選手が不可欠。
と言う事でした。

1.についてはグライダーさんへのレスで触れましたが、ポジションチェンジを繰返す選手にとって、ポジション名は無意味です。この事は多分に意識的な問題ですが。

2.については、非常に大きな問題を含んでいると思います。
理論をそのまま延長していけば、理想のチームには、優秀なゴールキーパーと、均一で高度な能力を持つフィールドプレイヤーが必要になります。そうでなければポジションチェンジを繰返した結果、フォーメーション(ポジショニング)に大きな弱点が生じてしまいます。
もしそのような理想のチームが作れたら、初期フォーメーションに頭を悩ます必要も、選手交代に頭を悩ます必要も本当に無くなってしまいますね。
しかし、もし仮にそのような理想のチームが出来たとして、敵味方ともそのような状態に成ったとき、求められるアドバンテージは、高い総合力の上に上積としての個性的な能力を持った選手になります。結局総合力と個性(特技)との追いかけっこに成ってしまいます。
やはり理論的にどこかおかしいと感じます。

現実的には、選手個々にはその能力にばらつきが有り、高い総合力を希求しつつも、多様な個性(特技・弱点)を持った選手の集合体としてのチームを作るしかありません。

その前提の上で、ボールへの対応・カバーリングの連鎖を重視し、高いスピードを持った現代サッカーを実現するには、その連鎖を、ポジションチェンジによって生ずるであろう弱点を避けあるいはカバーし、選手の個性をより活かす方向性を持った連鎖、としなければ成らないはずです。

さらに、現実のサッカーではその連鎖が永遠に続くわけではなく、プレーが止りリスタートが有ります。しかも結構頻繁に。
キックオフのデフォルトと、リスタートのデフォルトと、たとえ違うにせよ、監督がどのようなゲーム戦略の基に、どのような個性を持つ選手を、どのようにバランスさせポジショニングするかと言う事は、ゲームにおいて非常に大きな要素ではないかと思っています。

>現代サッカーはどんどん画一的になってきていますね。フォーメーションも選手も。極端な例に感じられたかもしれませんが、現代サッカーのスピードというのはもうそのぐらいのことを要求しています。

上に記したことを基に、特に「画一的」と言う部分に本当にそうなのかと言う疑問を感じます。あるいは「画一的」で良いのかと言う疑問です。スピードについては同感ですが。

しかし、Daiさんが個性に付いて触れた( )内の部分や下のご意見を読むと

>デフォルトフォーメーションによる制約の基に、何らかのベクトルを持った、ボールへの対応・カバーリングの連鎖なのであろうというのは私もそうだなと思うのですが、そのデフォルトの部分がどのチームも似てきてるんですよね。それに流れの中ではデフォルトに戻ることがあまりないのですよね。さらにデフォルトというのがフォーメーションではなくもっとゾーンバランスやブロックバランスのような意識になってきてるんだと思いますし、それをベースに個人、個人の能力の部分が大きくなってきてますね。

ほとんど変らないご意見なのかとも思います。
私も352・442など数字を使ったフォーメーション論には、ほとんど意義を感じません。またそれがゲームの中で激しく変容している事は認識しています。
また、その他のご意見に付いて、うなずける事が多く非常に参考になりました。

にもかかわらず、デフォルトフォーメーションの重要度に付いて意見のくいちがいが出るのはなぜなのだろう。単にフォーメーションと言う言葉の受取り方の違いなのでしょうか。

何れにせよ、意に添わぬフォーメーション談義にお付合い頂き有難うございます。また本職のサッカー指導者の方の指導を受けられるなど、望外の喜び、感謝致します。

>さらに、実際にピッチで描かれている事象が、フォーメーションでは説明し難く、
これは個人戦術やグループ戦術で成り立っているのでは?と思わせることが多々あるわけです。

この事について是非教えて頂きたい事が有ります。日を改めて一文書きますので宜しくお願いいたします。

Re(2):zukunasi_7さん、GAITIさん
 glider E-MAIL  - 01/12/6(木) 19:09 -

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   ▼zukunasi_7さん:

>選手の判断の遅さなのでしょうか、それとも、トルシエの意図なのでしょうか。私としては、トルシエの意図を排除しきれないのです。

どうなんでしょうね。ぼくもよくはわかりません。

ひとつ言えること。

監督がやれることと選手がピッチ上で成すこと。
基本的な約束と実際の流れの中での判断。
監督は「あいまいさ」は排除しなくてはなりません。
そして「60%の組織と40%の個人」(でしたっけ?)ということの意味。
ぼくはトルシエが例え「ラインを崩すな」と命じたにせよ、それがそのまま「どんな状況になっても常に絶対に崩してはならない」とトルシエが考えているとは思いません。
そして、「ラインを崩しても個人の判断を優先すべき時」の個人のやり方について、監督が教えなくてはならないとも思いません。

ひとつの判断として。
サンドニ以降、主に松田と森岡に「正方向へのラインブレイク」へのチャレンジが増えたように思います。
森岡などは「ブレイクする→はたかれる→慌てて戻る」というような状態が当初は繰り返されていましたが、少しずつそれを有効なものにするタイミングを掴みつつあるように思います。
松田はさらに思いきりが良い。逆にそれ故に危険なこともあるでしょうが。
プロスト的アプローチの森岡、マンセル的アプローチの松田、とでも言ったら良いでしょうか(わからない?)。
ちょっとずつやってみて上げて行く森岡とバーンとやってみて失敗して補正して行く松田、というか(笑)比較していると面白いです。
それが継続されている限り、ぼくはトルシエが「それを認めない」ということではないと思います。
「後は個人」と言っているのは、まさにそういう種類のことでもあるのではないか、とも。

そうしてそれが「縦方向」だけでなく、360度に広がった時に日本代表の「フラット3」が「国際規格」になったと言えるのではないでしょうか。
3バックだけでなく、そうしたことが全員、当然のように行えるようになって初めて強豪と互角に渡り合える「組織的速度」を持つに至るのではないでしょうか。
「国際規格」の選手によって構成された「真の組織」と呼べるのではないでしょうか。
もちろんそれは相手との差によってできないこともあるでしょうけど、ぼくは少なくともそれが「世界の大人のサッカー」と認識しています。

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