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プレスとポジションチェンジの歴史的変移(トータルフットボールについて) GAITI 01/11/17(土) 19:01

   Re(14):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(... Dai 01/12/4(火) 9:44
   Re(15):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(... zukunasi_7 01/12/6(木) 2:32

Re(14):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 Dai E-MAILWEB  - 01/12/4(火) 9:44 -

引用なし
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   ▼zukunasi_7さん:

はじめまして。レスありがとうございます。ぜひよろしく御願いします。

まずこのような見解になった背景ですが、もうフォーメーションでの表示自体やめたほうが日本サッカーにとってはいいなあと思ってるんです。どうしてもフォーメーションに対する先入観があるために、それが現代サッカーをする上で知らず知らずのうちにスピードの阻害要因になってしまうと思うからです。

高次元でバランスした総合力を持つ選手を、均等に配置しているのが現代サッカーであり、ボールへの対応・カバーリングの連鎖を重視しているのが現代サッカーであると思えます。アルゼンチン代表というチームをみるとそう説明するしかないと思いますし(笑)

戦術的には、はっきりとした複数の約束事が有って、それにしたがってゲームを進めているようにみえますね。マンチェスターにしても、アーセナルにしても、レアルにしても、バイエルンにしても、リバプールにしても、リーズにしても、リールにしても。形式美のようなもの+個人の力強さってものを大いに感じますからね。さらに非常に複雑化しているのに、効率的になっているなという印象です。

現代サッカーはどんどん画一的になってきていますね。フォーメーションも選手も。極端な例に感じられたかもしれませんが、現代サッカーのスピードというのはもうそのぐらいのことを要求しています。

(それでもサッカーが面白く感じるのは、サッカーが将棋やチェスではない証明ですね。1人、1人のプレイヤーが何かしら独自の技術と意思を持っており、そこにコミュニケーションがあり、カオスから生まれる自立とダイナミズムがあるということでしょうね。より、ネットワーク化されていて、個人個人が重要な役割を持っていながら、チームとして表現することも重要で、非常に動きの中で判断をすることが楽しいわけですし、刻々と変化していくということだけでも好奇心がでるのでしょうね。単純なプレーでもタイミングやスピードや迫力でおおって思いますし、技術そのものや、動きそのものや、考え方や、単にゴールの興奮とか、良いプレーへの賛辞とか、そういう感覚的な部分も強いですね。もっといえば、こういう議論していることはあくまでもサッカーの一部であって、もっともっとサッカーには他にたくさん大事なことがあるってことでしょうね。計画と安定を生み出すフォーメーション論の是非を問うても、それはあくまでサッカーのほんの一部にしかすぎず、そこで見られたことが、現実をネガティブに照らし合わせているようにみえても、実際は、ポジティブな他の要素がまだまだたくさんあって、そこを語ることは、言葉ではちょっと難しいってことなのかもしれません。本能的なものもあるかもしれないですし。それが人間のやるサッカーというスポーツの本質にある何かなのでしょうかね。なので、私は監督の仕事は戦術的なものよりも、よりマネージメントの側面が重要であると思っています。)

デフォルトフォーメーションによる制約の基に、何らかのベクトルを持った、ボールへの対応・カバーリングの連鎖なのであろうというのは私もそうだなと思うのですが、そのデフォルトの部分がどのチームも似てきてるんですよね。それに流れの中ではデフォルトに戻ることがあまりないのですよね。さらにデフォルトというのがフォーメーションではなくもっとゾーンバランスやブロックバランスのような意識になってきてるんだと思いますし、それをベースに個人、個人の能力の部分が大きくなってきてますね。ですから数字で指示が出来難いですよね。そうするとこれはシステム上の制約という話でしょうかね。フォーメーションを利用したシステムから、今では別の新しいシステムに進化したのだと。そして個人の役割も進化したのだと。複雑化しましたよね。

そこで、フォーメーションうんぬんの話をしても、もうフォーメーションは折込済みで行われているサッカーですから、そこから話を始めていては現代サッカーのスピードに付いていけなくなるので、それ以外の話をしないといけないと思うのですよね。

さらに、実際にピッチで描かれている事象が、フォーメーションでは説明し難く、これは個人戦術やグループ戦術で成り立っているのでは?と思わせることが多々あるわけです。

また、フォーメーションについて議論したところで、結論はもうでてるとも思いますし、その選択肢は少ないとも思っています。デフォルトでどれを選択するかなどという問題は好き嫌いで決着がついてしまうでしょうし。どうせ、試合が始まったら、形なんて変わってしまいますしね。

それならば、フォーメーション以外の部分。例えば、個人の部分、グループの部分、組み合わせの部分、システムの部分などについて多くの議論をしていったほうが有効だと思うのです。日本サッカー強化の観点から考えても。

>その時々で構成されるフォーメーション(この言葉を使って良いか分りませんが)に弱点が生じます。

これは面白いご意見ですね。そういうことはあるかもしれませんね。その時々で構成されるフォーメーションに弱点が生じている可能性はあります。攻撃側は、そこを付くところがポイントかもしれません。ちなみにこれをゾーンバランスと言うのだと思いますし、個人、個人の問題が大きいところだとも思います。フォーメーションという言葉をあえて使わなくても、例えばバランスという言葉なら使えると思いますし、他には連動性とか、全員サッカーとか、個人の早さとか、そういう言葉なら使えると思いますし、これらの問題についてならば、意味があるかもしれませんね。

>監督のチーム造りやゲームプランの基にポジティブなベクトルを持つと言う事だと思うのです。そういう意味で、デフォルトフォーメーションは無意味ではないと思いますし、無視も出来ない、やはり重要な要素ではないでしょうか。

無意味ではないし、無視もできないですが、重要な要素ではなくなってきましたね。今では。トルシエ日本が、3−3−2−2でスタートしても、3−4−1−2でスタートしても、基本的にやることは同じですからね。たとえ、4−4−2でスタートしても、やることは変わりませんからね。もちろん選手の部分で違いがでるでしょうけど。アジアカップの時に、トルシエ日本が3−5−2から1人退場して、デフォルトが2−5−2になっても、やってることは同じでしたよね。フランス代表は、4−4−2というデフォルトでスタートしても、試合中は3バックにしょっちゅうなりますし。バイエルンは2バックにしたり、4バックにしたり、3バックにしたりいろいろ使いますね。逆に同じ3−5−2であっても、全く別のチームにすることも可能ですね。

トルシエにしても、デフォルトフォーメーションにこだわりはないですよね。この3年間、いろんなデフォルトを見ましたからね。システムは同じ中で。

そう考えると、何通りかのパターンで、流れの中のデフォルトフォメーションの議論はできるかもしれませんね。それでも種類は少ないですし、重要度はそれほど高いわけではないですね。それでも確かに、1つの要素としては存在しますね。

ガイチさんの「形だけの議論も10%ぐらいは意味がある」というのは流れの中ではもう少し割合が低いと思いますが、あるかもしれませんね。サッカーの基礎講座の部分では。

>従来のフォーメーション論に嫌気し、その無意味さを強調されるあまり、少し説明不足に成っているのでは有りませんか?

これはそのとおりです。反省しないといけません(汗)鋭いっすね(笑)

とにかくフォーメーションがサッカーの基本的な構造を決定してしまうという議論があるのならば、それはサッカーを的確に表しておらず、あまり的を得た意見ではないなと思いますし、フォーメーションは重要か?というのみの議論が、現代サッカーにとっては重要な議論でなく、今となってはさほど意味を見出せないというのが本音です。その他により多くの時間を割いて語らなければならないものがあるはずですし。

現実に繰り広げられているサッカーをみて、スピードというキーワードで考えると、自ずとフォーメーション論では説明も解決もできないことは理解できると思いますし、フォーメーションとしてもデフォルトに戻るということが許されず、それでも新しいブロックを作りあげていくその過程が、とても激しさを感じさせます。デフォルトよりも、ポジショニングって言葉ならわかりやすいですけどね。いるべき時にいるべきところに誰かがいるというのがサッカーだと思いますし。

私自身は指導の現場ではフォーメーションというものは使いませんし、それによって、個人・個人の判断を成長させ、広く、早く、できるようにしていこうと思っています。逆にスペースがあって1対1の局面が増えるようなやり方をしたい場合にはデフォルトフォーメーションを使わせてもらうことがあります。

4バックを使うか、3バックを使うかは、好き嫌いな部分が大きいかもしれませんね。選手との絡みもありますし。それでもどっちかですし、他の要素がやはり重要でしょうけど。

デフォルトフォーメーションの話でいえば、西村日本ユース代表と、アルゼンチン代表、アルゼンチンユース代表は共に3−4−3で同じですね。しかし、日本とアルゼンチンでは違うサッカーになってしまいましたし、構造的にも違いがでていました。

分けて考えられないものですね。フォーメーションと選手を。そして単純にも考えられないものですね。この選手をこう置けばこういう流れになるなという読みの部分も、人それぞれですしね。それを直感でできる人は優秀でしょうね。

最後にコーチとして肝に銘じている部分としてなのですが、このフォーメーションから、こういう風に追い込んで、ここでボールを奪ったら、この選手とこの選手はこう動き、パスを通して、最後はこの選手がゴールを決めるというような理想の形はあるかもしれませんが、それを決め付けることはできませんよね。アメフトなら監督がいちいち指示すればいいですが、サッカーはグラウンドにでたら選手個人にまかせるしかないのですから。

どういう形を作ったらいいのか?などというやり方で、監督が選手にアプローチしても、選手がグラウンドで自ら解答をだしていくような姿勢が見につくはずはありません。

もちろん、サッカーのシステムというものは存在しますし、それはフォーメーション以上に重要なことですが、個々のプレーを選択するのは結局は個人、個人であることをもっと理解していかないといけないと思います。

ちなみに、私はフォーメーションが今でも有効である分野が存在すると思っています。それが、キックオフ、コーナーキック、フリーキック、スローイン、ゴールキックなどのセットプレーという分野です。ここでは大いに、フォーメーション論しても良いなとは思っています。

Re(15):プレスとポジションチェンジの歴史的変移(...
 zukunasi_7  - 01/12/6(木) 2:32 -

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   ▼Daiさん:

レスが遅れ大変失礼しました。内容の濃い、しかも大変長文のご返事をいただき有難うございます。

>高次元でバランスした総合力を持つ選手を、均等に配置しているのが現代サッカーであり、ボールへの対応・カバーリングの連鎖を重視しているのが現代サッカーであると思えます。

私がフォーメーションに対する考えを新たにしたのは、ヤフーのリゾームの議論が切っ掛けでした。オートマティズムの元、ポジションチェンジを繰返しながらゾーンを伸縮させ、新たなバランスを構築して速いサッカーを目指す、という主旨だったと思います。
当時、私は非常に斬新な印象を持ちましたが、そのままの形でないにせよ、サッカー先進国では既に実現されていると言う事でしょうか。

リゾーム論を目にしてまず思い浮んだのが次の2点です。
1.従来のポジション名と選手とのリンクを切離さなければならない。
2.選手の能力の均一化。高次元でバランスした総合力の有る選手が不可欠。
と言う事でした。

1.についてはグライダーさんへのレスで触れましたが、ポジションチェンジを繰返す選手にとって、ポジション名は無意味です。この事は多分に意識的な問題ですが。

2.については、非常に大きな問題を含んでいると思います。
理論をそのまま延長していけば、理想のチームには、優秀なゴールキーパーと、均一で高度な能力を持つフィールドプレイヤーが必要になります。そうでなければポジションチェンジを繰返した結果、フォーメーション(ポジショニング)に大きな弱点が生じてしまいます。
もしそのような理想のチームが作れたら、初期フォーメーションに頭を悩ます必要も、選手交代に頭を悩ます必要も本当に無くなってしまいますね。
しかし、もし仮にそのような理想のチームが出来たとして、敵味方ともそのような状態に成ったとき、求められるアドバンテージは、高い総合力の上に上積としての個性的な能力を持った選手になります。結局総合力と個性(特技)との追いかけっこに成ってしまいます。
やはり理論的にどこかおかしいと感じます。

現実的には、選手個々にはその能力にばらつきが有り、高い総合力を希求しつつも、多様な個性(特技・弱点)を持った選手の集合体としてのチームを作るしかありません。

その前提の上で、ボールへの対応・カバーリングの連鎖を重視し、高いスピードを持った現代サッカーを実現するには、その連鎖を、ポジションチェンジによって生ずるであろう弱点を避けあるいはカバーし、選手の個性をより活かす方向性を持った連鎖、としなければ成らないはずです。

さらに、現実のサッカーではその連鎖が永遠に続くわけではなく、プレーが止りリスタートが有ります。しかも結構頻繁に。
キックオフのデフォルトと、リスタートのデフォルトと、たとえ違うにせよ、監督がどのようなゲーム戦略の基に、どのような個性を持つ選手を、どのようにバランスさせポジショニングするかと言う事は、ゲームにおいて非常に大きな要素ではないかと思っています。

>現代サッカーはどんどん画一的になってきていますね。フォーメーションも選手も。極端な例に感じられたかもしれませんが、現代サッカーのスピードというのはもうそのぐらいのことを要求しています。

上に記したことを基に、特に「画一的」と言う部分に本当にそうなのかと言う疑問を感じます。あるいは「画一的」で良いのかと言う疑問です。スピードについては同感ですが。

しかし、Daiさんが個性に付いて触れた( )内の部分や下のご意見を読むと

>デフォルトフォーメーションによる制約の基に、何らかのベクトルを持った、ボールへの対応・カバーリングの連鎖なのであろうというのは私もそうだなと思うのですが、そのデフォルトの部分がどのチームも似てきてるんですよね。それに流れの中ではデフォルトに戻ることがあまりないのですよね。さらにデフォルトというのがフォーメーションではなくもっとゾーンバランスやブロックバランスのような意識になってきてるんだと思いますし、それをベースに個人、個人の能力の部分が大きくなってきてますね。

ほとんど変らないご意見なのかとも思います。
私も352・442など数字を使ったフォーメーション論には、ほとんど意義を感じません。またそれがゲームの中で激しく変容している事は認識しています。
また、その他のご意見に付いて、うなずける事が多く非常に参考になりました。

にもかかわらず、デフォルトフォーメーションの重要度に付いて意見のくいちがいが出るのはなぜなのだろう。単にフォーメーションと言う言葉の受取り方の違いなのでしょうか。

何れにせよ、意に添わぬフォーメーション談義にお付合い頂き有難うございます。また本職のサッカー指導者の方の指導を受けられるなど、望外の喜び、感謝致します。

>さらに、実際にピッチで描かれている事象が、フォーメーションでは説明し難く、
これは個人戦術やグループ戦術で成り立っているのでは?と思わせることが多々あるわけです。

この事について是非教えて頂きたい事が有ります。日を改めて一文書きますので宜しくお願いいたします。

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