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▼kindさん:
どうも。
>こういうサッカー、’99ワールドユース以来ちょっとお目に掛かったことないですね。
なるほど、ガンバ大阪ユース、現代的なサッカーをしていて、且つ完成度の高いチーム、ってことですね。
東京近郊に来て試合することってあるのかな?
そういう機会があれば、ぜひ見てみたいですね。
>前はいくらめまぐるしく動いてもいいのですが、後ろは逆にきちんと「面」になっていないと、ゾーンバランスが崩れる。
この意見には賛成できません。
後ろだって動かないと、「本当にはやい相手」に対し「本当にはやいプレッシャー」がかけられるはずがないからです。
ラインブレイク(この言葉もあんまり好きじゃないな、どうも。なんか違う)の必要性はそこにある。
そうしたからってゾーンバランスが崩れるようでは話になりません。そんなレベルではダメなんです。
相手のボールを動かすスピード、人が流れるスピードがはやければ、1stプレッシャーをかけるのがMFだけでは間にあわないんです。
そこでバックスが「固まり」になっていると、MFにどうしても「犬」的犠牲者が出ることになる。
しかも、1人では間にあわないことも多い。
そうして、そういう相手に対し主導権を失って行く。
プレイエリアが下がってくる。
「主体的なディフェンス」など、どこへやらです。
最後方にすべての「DF」をずっと置いておくこととどちらが「安全」なのか。
ぼくは、答えは明白だと思う。
「ラインを保ちながらマンマーク」っていうのも、いわば「当たり前」のことじゃないかな?
「味方ゴールに一番近付いている敵」を「捉まえて」おかなきゃならないのは当然ですね。
「マンマーク」ってよりも、「ボールと有効な相手位置」によるポジショニング、ってこと。
そして、現代のサッカーでは、きちんと組織だった守備をするチームに対して得点確率が高いのは「後方からの飛び込み」です。
FW(というより一番味方ゴールに近い敵)だけを「マンマーク」してたら簡単にその餌食になります。
まあ言葉の問題だけど。
また、いかに半身の体勢を的確にとろうと「前を向いている足の速いFW」に並ばれてしまえば走り負けるのです、だいたいは。
ボールへの早いプレッシャーと、次の展開を読んでポジションすることが重要。
「レベルの高い相手」に対しては、どんなに習熟度を上げても「ラインコントロール」だけで守れることなど絶対にないとぼくは思う。
「ラインコントロール」は武器の「ひとつ」なんです、あくまでも。
そして、最後にくるのは「人間」です。
もっとも重要なのは「個としてのアタマ(様々な意味でのスピードを含み)」「相手ボールホルダーとの距離を短くとれるスキル」です。
そういう意味では、松田をぼくは評価する。
今の彼には、「個」として世界レベルにチャレンジしようという気概がある。
歩みは遅いけど、森岡もそう。ただ、森岡は代表とJではまるで別の選手のようだけど。
(松田もチームがああならなければそうだった可能性もあるけど。そのへんがJが眠い理由?もちろんチャンピオンシップとか降格がかかった試合になると別。J後期後半はけっこう良くなったと思ってたら天皇杯はあいかわらず眠い)
このあいだ見に行ったトヨタカップ、ボカもバイエルンも、DF達のレベルは高い。
判断のスピード、寄せの速さ、相手との距離。そういう目で見ると、日本人のDF達はまだまだレベルがだいぶ低い。
松田、森岡というチョイスは正当なものとしか思えません。
彼等には、世界レベルのDFというものがどうであるのかが実感としてようやく向こうの方に見えてきた、という所ではないでしょうか。
精密なラインコントロールは前段階で、kindさんが言うように「主体的に守る」ための状況設定を作ることに大きく寄与します。
集合拡散のはやい現代的なゾーン守備をするなら、そして攻守の切り替えをより速くしようと思うなら、必要不可欠です。
しかし、その「ひとつの武器」で最後まで守れるほど甘い相手と勝負するようなことはありません、W杯の舞台においては。
「きちんとオフサイドラインを有効利用する」というのは、もはや「きちんとしたスパイクでサッカーする」ようなこと。
「精密なラインコントロールができる」というのは、ぼくに言わせれば「良いスパイクを手に入れた」のと同じようなもの。
でも、いくら相手より良いスパイクを履いていたからって、それで守れるわけじゃない。
いくぶんかやりやすくなった、というくらいのもんで。
結局は「履いている人」が問題なんですね。
森岡も松田も、「純度の高いラインディフェンス」が「できない」のではなく、「その次にくるもの」の方をこそ重視しているのでしょう。
「ライン」に依存するよりも、もっと守備総体として考えねば強豪相手には通用しないということがわかっているのでしょう。
その上でも宮本ばりのコントロールできれば、もちろんもっと良いわけですが。
それにしても、ぼくは宮本よりも森岡松田の方が、この半年間の世界との戦いの「実感」の中で、現在は1歩進んでいるかな、と思います。
そして中でも松田に、どんどん進んで行こうとするより積極的な推進力を感じています。
「今は」日本人DFの中では松田が最も世界に近い所にいる、と言えるでしょう。
今はまだ、それが「結果」となって実り顕われる時期じゃないにしても。
そしていずれは「初期設定」の違う世代にヒョイと抜き去られる運命としても。
そういう時期、そういう段階なんですよね、今の日本のDFはまだ。いかに歯がみしようと。
それでも半年という短いスパンの中では、よく意識改革したと思います。
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