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続バランスって何? mitsu 02/1/30(水) 12:44

   Re(2):ボールオリエンテッド glider 02/2/6(水) 1:29

Re(2):ボールオリエンテッド
 glider E-MAIL  - 02/2/6(水) 1:29 -

引用なし
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   ▼kindさん:
▼mitsuさん:

え〜、全部読んでから参加しようと思ったんですが、どれが誰の投稿だかわからなくなりそうなので順番に読んで思いついたものだけレスして行くことにします。
だから、誰かのレスとかぶってたらごめんなさい。

>残念ながら俺はなぜコンパクトフィールドという概念ができたか知らない。
もともとは何を志向したのかを知らない。

たぶん、それを最初に明確に形にしたのはサッキでしょう。
コンパクトフィールドという概念が何を志向するのか?
それは、フィールド全域に網を張り、相手にボールを好きに動かさせないようにするため。
一人のボールホルダーに対し、プレスとフォローを効率よくすばやく行えるようにするため。
だからこの時はフォーメーションという形は大事でした。
4ー3ー2ー1、あるいは4ー3ー1ー2、あるいは4ー4ー2と変化しても、相手ボールになればまず3ラインを作って、そこからプレスに行く。
30mの間に3本のラインを作ることの有利さは
(1)敵に対してスペースを与えないことによってチャンスを作らせない。
(2)ラインの中に入っている選手は近くの味方をすぐにサポートできる。
(3)そのため、敵に対するマーカーをいつでも2倍に増やせる。
故にこのシステムが有効に機能するためには、常に正しくゾーンを形成しなくてはならない・・・

さて、御存じのようにこの基本的概念は現代でも生きています。
今のあり方もここからの発展にすぎません。
では、何が変わって、何が新しくなったのか。
まず一番の差はスピードです。
もう、ボールを奪われた、さあラインを作れ、では間にあいませんね。
このサッキ式ゾーンプレスを破るためには守〜攻への切り替えの速度をあげることが第一だったのです。
そうしてそれへの対応として、攻〜守の切り替えの速度アップが求められた・・・
(1)ボールを奪われる
(2)ゾーンを整え、3ラインを作る
(3)プレス
という過程を踏んでいたのを
(1)ボールを奪われる
(2)プレス
という時間軸の変化が起こったわけですね。
これを実行するためには、ゾーンの形成はよりタイトに、つまりボールを軸としてすでにゾーンが収縮した状態を作っておらねばならず、ボールの移動に対して速いゾーンバランスの再構築(収縮した状態)が行われなければならなくなったのです。

こうしたことを「オートマティズム」として約束づけ、誰がどのように動いても選手間の距離は緊密に保たれ、誰と誰がどのように入れ代わっていてもある程度ゾーンバランスは崩れない、ということは、イコールとして守〜攻への切り替えの速さ、ももたらします。
攻撃時にボールが動く速さも副次的にもたらされます。

ただし、いくら
(1)ボールを奪われる
(2)プレス
となっても、(1)と(2)の間にはプレイヤーの人間としての判断と反応の速度という物理的要因が入るのは避けられないので、攻撃側の人とボールの動くスピードが守備側の速度を上まわれば守備側は振り回されるだけになりますね。
こうして、スピード勝負のサッカーになっているのが現代です。
ではどこに一番スピード差が出るのか?
守備面では、言うまでもなく個人としての判断、反応の速度です。
攻撃面では、小規模なグループとしての側面での「次のプレイ」への共通理解の速度と個と個の動き出す速度です。
それが守備側の速度を上回り、個と個と個と個、というふうに有機的に結びついて行けば、守備側はなすすべがなくなるのです。

話を戻します。
mitsuさんの言う通り、コンパクト・フィールドが作られた上でボールの位置によってゾーンが収縮している(つまりゾーンバランスが取れている状態)ならば、相手の動きも把握しやすくなり、ボールの次の動きを「読む」ことはやりやすくなります。
以前はあくまでも個人としての「読む守備」だったものを、「チームとしての大前提」にすることも可能になります。
そうしてひとりが動いても、「オートマティズム」が実行され続ける限り、リスクは最小限になるからでもあります。

こうした「ボールの移動によるゾーンバランスの絶えざる再構築」と「ボールの次の動きへの読みと反応を前提とすること」を総称して「ボールオリエンテッド」と呼びます。

であれば、むろん「コンパクト・フィールド」を創出する上で「ラインコントロール」は大前提であり必須となりますが、それと同時に、その最終ラインを形成する3バックスも「ボールの次の動きへの読みと反応」もまた必須となるのです。
そうでないと
(1)ボールを相手が保持している
(2)ゾーンバランスは取れている
という状態が繰り返されるだけで、いっこうにボールへプレスはかからないのです。
上に書いたような攻撃をしてくるチーム(グループ)に対して、「個」としての「ボールの次の動きへのはやい予測と反応」がないと、ボールは相手に保持され続け、エリアの面でもボールの面でもポゼッションをやすやすと明け渡すことになるのです。
故に、危険位置にボールがある時、あるいはそこにボールが入ろうとしている時、ポジションがMFであろうとDFであろうと、コンマ1秒でもはやく行ける者が行かなくてはなりません。
そしてたいていの場合、DFの方がよく見える位置にいる分、はやく行けるはずなのです。
なおかつ、日本代表においては、3バックスにそういった動きがないと、中盤の構成に悪影響が出ています。
ラインの前、ラインの外、守備のスピード、いえ、全体としてのサッカーのスピードと攻撃性を求めるのならばそこはDFが行くべきなのです。
オフサイドラインとは、フラットであろうとなかろうと、ひとりだろうと3人だろうと、常に存在するものです。
それを有効に活用するのは、コンパクトフィールドでゾーン守備であるのならば当然の前提なのです。
ギャップができるのが危険なのかラインの前で相手にボールを保持され続けるのが危険なのか、状況によっての正しい判断が必要であることは言うまでもありません。
ぼくに言えるのは「いつもいつまでも3人並んでなくたってラインディフェンスはできる」ってことだけです。
「『真に正しいタイミング』でボールにプレッシャーがかからなければすべては絵に書いたモチになる」ってことだけです。
そして、「オートマティズム」とはそこにも生きているはずだ、ということだけです。
スピードを求めて行けば選手間の流動性なんて当然、それは最終ラインも変わらない、ってことだけです。
フットボールは「ゾーン構築ゲーム」ではないのですから。
「正しいゾーンバランスの構築」ができるようになった(まだ遅いけど)のはもう充分わかった。
監督にできるのはそこまで。
今、求められているのは「それから」のことです。
「世界と戦う代表選手として、そこからどう守るか、どうボールを取りかえすのか」ってことです。
何度でも言いますが、最終的にボールを取るのはシステムではなくて個人です。
システムとは、それを補助するものにすぎないのです、例えそれがどんなに先進的であろうと。
それが大昔から変わらぬフットボールの真実です。

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