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続・3バックス GAITI 02/2/18(月) 3:22

   Re(1):訂正とお詫び glider 02/3/5(火) 16:37
   現代サッカーのスピード化 GAITI 02/3/5(火) 21:26
   Re(1):現代サッカーのスピード化 glider 02/3/6(水) 2:26
   Re(2):現代サッカーのスピード化 GAITI 02/3/10(日) 2:14
    Re(3):現代サッカーのスピード化 glider 02/3/13(水) 18:12
   Re(1):現代サッカーのスピード化 TK2002 02/3/8(金) 8:54

Re(1):訂正とお詫び
 glider E-MAIL  - 02/3/5(火) 16:37 -

引用なし
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   ▼GAITIさん:

まず、もう一度「トルシエ式フラット3」のラインコントロールに関わる部分の基本的約束事を整理しておきましょう。

ラインコントロールということに関わらず、このやり方では「ボールの移動によって全体のゾーンバランスを細かく修正する」ということです。
そして、最終ラインはフラットにしているので、当然ボールが上がればラインも上がり、ボールが下がればラインも下がり、右へ移動すれば右へずれ、左なら左へ、です。
相手ボールの時、相手が日本陣内に侵入してきた時も同様で、相手が縦へ入れればラインは下がり、バックパスすればラインを上げ、ボールが横移動すれば横へスライドして、ゾーンバランスを整える「基幹」になります。
こういう約束事をたっぷりと時間をかけて叩き込んだ以上、チームが機能している状態ではラインコントロールには誰が入っていても明確な差など出る余地はありません。
また、これまで見て来た中で、日本代表のバックス陣は明確な「オフサイド・トラップ」はあまり使っていません。
一見、トラップに見えるような「ラインの押し上げ」も、実はボールの細かな後方移動によるものがほとんどで、マスコミなどによる「オフサイド・トラップの多用は危険」という批判にも森岡、宮本、トルシエとも、「オフサイド・トラップはほとんど使っていない」とそのインタヴューで答えています。

つまり、チームの守備が正常に機能し、プレッシングがきちんとボールへかかっている時は森岡でも宮本でもラインコントロールに差は出ません。

問題は、ボールへのプレスが後手後手になり、相手がボールをある程度自由に回している時、相手攻撃選手に裏を取られはじめた時(あるいは取られると感じた時)の対応で、ボールへのプレッシャーがかかっていない時に、それでも約束通りラインを上げたりキープしたりするのか、という判断の部分です。
また、こちらが一定の約束事で動いている以上、相手がその約束事を知ることは必然的で、そうした場合の駆け引きはディフェンダーの能力として当然もっていなくてはならない部分であり、ラインディフェンスならばより重要な能力です。
システムとしての約束事がどうあれ、それだけで通じる相手ではない場合に、個人として、あるいは試合の中での打ち合わせによる3バックスとして、どう駆け引きするのか対応するのか、といったことには誰と誰と誰がバックスを構成するのかで「差」が出るのは当然であり、「経験値」が大きくモノを言うのは当然の部分でしょう。

プレッシャーがかかっていないのに安易に押し上げれば裏を突かれるし、かと言ってなるべく押し上げねばますますプレッシャーもかからなくなるし、相手のFWはこちらのラインの上下動に遅れることなく付いてきて裏を狙っているしで、もはや「約束事」なんて言ってられない状況の中でどうやって守るか、ということ。
そうした場合に、オフサイド・トラップを使える場面もあるだろうし、ライン上げずに対応した方が良い場合もあるだろうし、個人として独自に動かねばならないケースもあるだろうし、もっと重要なのはチームとしてゲーム戦略の中でどこにプレイエリアを設定すべき時なのか、今はどういう流れでどうするのがベストな時間帯なのか、という共通意識を持って、守備でも攻撃でも全員の連係をキープしてプレイするということ。
いかに頭脳的に守ろうとも3バックスだけで守れるわけはないのですから。
そういう意味で、チームの約束事がどうであろうと、ライン守備であろうとなかろうと、「やるべき時に全員でやるべき事をする」ということをせねば、試合のモメンタムは相手に傾いて行くのです。

何をもって「純度の高いラインディフェンス」というのかがよくわかりませんが、ラインディフェンスは万能ではなく、その実は言うなれば「駆け引きの能力」に支えられるのは必定であり、またいかに駆け引きに優れようともレベルの高いチーム相手に「ラインコントロール」だけで守れるなどというのは単なる幻想です。
同じく駆け引きに優れたFWを相手にした場合には、最終的には個人の判断のスピードや物理的なスピード、流れを見る目などがモノを言うのです。
コンパクトフィールド創出のため、相手の攻撃選手の動きの自由度を奪うため、動きの主導権をこちらに持ってくるため、プレッシングをかかりやすくするため、プレイエリアをできるだけ高くするため、ポゼッションサッカーを可能にするため、「ラインディフェンス」は必要です。
しかし、それにこだわるあまりにプレッシャーがかからないのでは無意味です。
大前提は、ボールへ可能な限り素早くプレッシャーがかかること。
にわとりが先か卵が先か、ではありません。
今の代表はいつまでもラインを維持しすぎているから、プレッシャーがかからなくなっているのです。

>他の2つ「前方へのプレッシングスピード」「3バックと中盤の連動性が(プレッシングという面では)低い」
>ということは「フラット3」というより「純度の高いラインディフェンス」のもつ生来的な欠点、というより特徴

>上げた場合は、FWをオフサイドを取ってしまい、下げた場合はディフェンスがFWから一定の距離をとりながら(ディレイしながら)下がり、
>MF陣の戻りを待つ、それによって相手選手に「戻ってくるぞ」という心理的プレッシャーをかけられます

いかに「精密なラインコントール」なるものをしようとも、ボールへのプレッシャーがかかっていない状況下では、駆け引きの面でも利は相手にあり、あくまでもラインを維持するなら突破は容易でしょう。
そういった場面でオフサイドトラップに掛かり続けてくれるようなFWは一流チームにはいません。
仕方が無いのでラインを下げて、「ライン前のフリースペース」を相手に与えることになる。
どんどん下がる。全体のプレイエリアも下がる。支配率も下がる。
悪いのは見た目だけじゃありません。
何のためのラインディフェンスかもわからなくなりますね。

最も肝心なのは「いかにボールへ素早くプレッシャーをかけるか」であり、そのためにはライン前に出るボールへのプレッシングをMFだけにまかせていてはいけないのです。
チームの完成度が高く、スペースの創出と使用、正確な瞬時の技術、そのすべてを素早く行える相手に対しては、ラインはライン、MFはMF、では全然追い付きません。
何のために稲本にバックス練習やらせたり、バックス経験のある戸田を起用したり、サイドハーフの選手やチーム全体にラインの動きを叩き込んだりしているのか。
3年近くかけて「オートマティズム」を刷り込んできたのか。
ラインがずるずる下がってディレイして、MFの戻りでいつもなんとかなるような相手なら苦労しません。
意味もないのに3人もで仲良く並んでズルズル下がってても守れるなら、99ユースの時の3バックスでも充分でしょう。
そんなユースレベル、アジアレベルのスピードは卒業しなくてはなりません。

ラインディフェンスに純度の高いも低いもありません。
使用する武器の使用頻度と使用精度があるだけです。
それはあくまでも相手のレベル、相手との力の相互関係にもよるもの。
そして、その武器はどんなに精度が高くとも時として無意味になるのです。
それがつまりはスピード。
相手が同等かそれ以上の速度をもつのなら、こちらも最大限のスピードを得るために、流動性を得なくてはなりません。
そのためのゾーンバランス、オートマティズム。
ひいてはそのためのフラット3。

もう一度、断言します。
いくらラインを上げてコンパクトフィールドを作り、ゾーンバランスを整えても、それだけではプレスはかからない。

だからといって、中盤の人数を増やし、中盤に守備力のある選手を配しても、局地的な時間軸の中では無意味になることも多い。
そして、そういった構成をすることによるデメリット。
やはり本質的な改善を計らねばならない。
それは各選手のプレッシングスピード、つまりは判断のスピード、1歩目のスピード、速く広く動く意識、それを可能にする連係とチームの完成度。
フラットラインを構成するのが常にバックの選手である必要などどこにもありません。
ライン前でプレッシャーをかけるのが常に「ボランチ」の選手である必要など、どこにもありません。

対人能力を優先して森岡を入れ、そのことによって波戸を入れて4バック化し、戸田を入れてライン前のプレスを強化している、というのは間違いです。
宮本を入れてラインオリエンテッドに守れば波戸や戸田の役割は変化するのか?
相手が強いチームならそれは今よりもっとひどくなるでしょう。
ましてや宮本は本気の強豪を相手にしたこともなく、フラットラインという武器が通じない時に総合的にどう対処するのかも未知数であり、それは経験でしか得られないということを考えれば、森岡や松田に対し明確に一歩遅れを取っている。
ラインの前への積極的なプレスのタイミング、プレッシャーのスピード、外も含めたプレスの中盤との連係と流動性、そういった面であきらかに遅れている選手を使うなら、戸田はもっと犬になり、波戸は完全にDFになって行くでしょう。

今の日本代表が強豪に相対する時に、ラインコントロールで守れるシチュエーションを増やして行くには、手段はひとつです。
ラインの前、外、あらゆる場所でもっとすばやくプレッシャーをかけれらるようになること。
そのためには、「まず」3バックスの選手がもっとスピーディに稼働範囲を広げること、中盤との流動性によるスピードアップ。(同時にカバーリングのスピード、連係の強化)
全員がゾーン移動の反応をもっともっと速くすること。

現代の強豪チームの極端なスピード化は、もはや3とか4とか言っている場合ではないように思います。
それはどこかの人数を増やせばいいというようなものではなく、局地的時間軸の中での選手の頭脳と判断速度の問題です。
限られた局地的時間軸の中では、いかに中盤の人数を増やしたとて、「ボランチ」を増やしたとて、それだけで速度アップに対応できるというようなことじゃありません。

「後は個人の能力をいかに上げて行くかだ」というトルシエの言葉は本音でしょう。

現代サッカーのスピード化
 GAITI  - 02/3/5(火) 21:26 -

引用なし
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   ▼gliderさん

お忙しい中、レスありがとうございます。
しかも、呼び出しに近い形をとってしまい、すみませんでした。

で、お互い長文なので、
分野ごとに何回かに分けて聞いていきたいのですが
よろしいでしょうか?
(まあ、答えを聞く前に質問してしまうのですが・笑)


>現代の強豪チームの極端なスピード化は、もはや3とか4とか言っている場合ではないように思います。

まず、根本的なことですが
gliderさんは現代サッカーの極端なスピード化は何が原因だと思いますか?

私は、上記のようなことが原因だと思っているのですが
文体からも分かるように、極端なスピード化を必ずしも肯定しているわけではありません。
これは、ラインディフェンスのみをさしているわけでなく
どのような戦術においても極端なスピード化は、マイナス面も内包しているように思います。

私の上げた例のうちの1つ「ボールが落ち着かない」状態というものを見てみると
(中盤を横並びで均質に近い形にするプレミアなどのCMFがその原因か?)

ボールが落ち着かないバタバタした状態では、選手の集中力も低下しますし
殴り合いに近い形になってしまいますよね

で、この状態で有利な方って、この状態になれている方なんですよね。
よくプレミアのサッカーは特殊なので慣れるのに時間がかかるといわれているのはこのあたりが原因かなと。
(アンリ、ヴィエラクラスでも慣れるのに時間がかかりましたよね)

で、ラインディフェンスが崩壊したことは、これが原因なのではというわけです。

また、サッキがプレーエリアの縦横への圧縮をはじめて以来
ラインディフェンスの主な目的はコンパクトフィールドの創造に傾けられましたが
いわゆるサッキ型の高純度ラインディフェンスは(それ以前からもあったように)、もっとラインに良い意味でも悪い意味でも依存した形の極端なものになっています。
例えば、ラインの上下動だけで相手FWを押さえ込んでしまうことも部分的には可能です。

しかし、リスクが高いので対人能力があればできればやらない方がいいとは思いますし
相手がそれになれてくるにしたがって、それは破綻し始めました。

それ以降は、ラインコントロールでコンパクトフィールドを創造という部分のみ継承されていますが、元はそれそれだけではなかったと思います。

今の組織的守備の王道は、ラインコントロールでコンパクトフィールドをつくり、中盤より前のプレスを助け、またディフェンダー自身も中盤と連動した形でプレスを仕掛け、カバーリングもきっちりする。
まあ、ディフェンダーにはラインコントロールもプレス&カバーリングもできる総合的に高い能力が要求されてますよね。

私が監督でそういうディフェンダーがいれば間違いなくそのようなフランス代表みたいなサッカーを目指しますが
日本代表のディフェンダー陣は主に対人能力面で大きく劣ります
最低でも世界で戦う上では松田程度の対人能力は必要です。
(ちなみに、秋田はラインコントロール能力が・・・)

そのような現状を考えると世界のスタンダードから多少対人能力をごまかせるラインコントロールの方にスライドすることもやむなしかなと思います。

さすがに、サッキのやり方そのままでは破綻しますが、
スタンダードよりもそれに近づけるのはありかなと、
例えばサッキイストで有名なキエーボのデルネリも
「私の戦術はサッキから改良が加えている」
といっているように決してそのままやっているわけではないですし
トルシエの戦術はもっと違います
あえて言うならばデルネリとクーペルの間って感じかな
(なんて分かり分かりづらい例え・笑、ちなみにクーペルは組織守備のスタンダードって感じです)

その曖昧で揺れやすい感じが魅力的かなって感じます。
デルネリのキエーボもクーペルのバレンシア(今はインテルか)もやることに迷い無し
って感じのチームじゃないですか、
トルシエの場合もっと揺れを感じますよね、
それこそ、キエーボにバレンシアにもなりうると思います
ただ、そのちょうど中間の日本代表にピッタリあった対人能力とラインコントロールのバランスを見つけてくれはしないかと妄想しています(笑)

Re(1):現代サッカーのスピード化
 glider E-MAIL  - 02/3/6(水) 2:26 -

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   ▼GAITIさん:

>まず、根本的なことですが
>gliderさんは現代サッカーの極端なスピード化は何が原因だと思いますか?

何事によらず競技であれば相手を上回ろうとするのは当然で、アリーゴ・サッキによる「ゾーンプレス」なる守備戦術の席巻と一般化が、それをかいくぐるための切り替えの速度アップと全体的なプレイスピードの上昇、スペースを作ることとそれを使うための人とボールの速い流れを呼ぶことになったのだと思います。
とはいえそれはひとつの結果論であり、ひとつの競技の進化としての速度上昇は何がどうであったろうと必然的なことと思います。
そしてぼくはこういった進化を肯定的に見ています。
なぜなら、今のそういったスピードアップがサッカーの本質的なものを明確に蘇らせると思っているからです。
サッカーは、敵味方11人ずつでひとつのボールを追うゲームです。
トルシエの言う通り、「サッカーとはボールを使ったコミュニケーションのゲームである」(この考え方がまずぼくがトルシエを支持する大きな理由です)
ということがより一層、鮮明になると思うからです。
速いプレスの中でスペースの創出をし、それを使い、人もボールも素早く流れるサッカーをするには、選手間のコミュニケーション、共通意識、良い連係がなければ無理であり、そういった攻守の中でプレイするにはますます頭脳をフルに使って、つまり創造的にプレイすることが有効になってくるからでもあります。

ということで、ぼくが言っているスピードとは、イングランドリーグにおけるダイレクト・サッカー(ダイレクトパスによるサッカーという意味ではない)とは別の話です。
なので、「ボールが落ち着かないバタバタした状態」ということや、殴り合いのような試合(それはそれで面白いですが)というものとは無関係なのであしからず。
いずれにせよ、テンポのコントロール、試合全体を俯瞰した上での緩急の使い分けなどは絶対に必要なこと。

また、対人能力と言われることがどうスピードと関係するのかよくわかりませんが、ぼくはラインブレイクを早めにして対人マークせよ、と言っているわけではなく、あくまでも素早い判断と反応による正しいタイミングでの正しいプレスをして欲しいと言っているのであって、一発でかわされない守備技術とそれによる正しい距離の取り方が必要であれ、特に高い身体能力とか対人能力とかが必要とは思いません。
最も必要なことは流れを正しく見分ける眼と誤りのない素早い判断力、そして常に積極的にプレイするための良い連係でしょう。
DFはもちろん、キーパーにもそういった能力が必ますます必要とされてきているところにぼくは良いものを感じています。

Re(1):現代サッカーのスピード化
 TK2002  - 02/3/8(金) 8:54 -

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   ▼GAITIさん:

>それ以降は、ラインコントロールでコンパクトフィールドを創造という部分のみ継承されていますが、元はそれそれだけではなかったと思います。
>
>今の組織的守備の王道は、ラインコントロールでコンパクトフィールドをつくり、中盤より前のプレスを助け、またディフェンダー自身も中盤と連動した形でプレスを仕掛け、カバーリングもきっちりする。
>まあ、ディフェンダーにはラインコントロールもプレス&カバーリングもできる総合的に高い能力が要求されてますよね。

>私が監督でそういうディフェンダーがいれば間違いなくそのようなフランス代表みたいなサッカーを目指しますが
>日本代表のディフェンダー陣は主に対人能力面で大きく劣ります
>最低でも世界で戦う上では松田程度の対人能力は必要です。
>(ちなみに、秋田はラインコントロール能力が・・・)

トルシエの指導で面白いと思ったのは、フィジカルが弱いとされる日本人に、必要な局面であれば積極的にボディーコンタクトさせたところにありました。これは対人でも当てはまるように感じます。

>そのような現状を考えると世界のスタンダードから多少対人能力をごまかせるラインコントロールの方にスライドすることもやむなしかなと思います。

考え方としては分かります。

>さすがに、サッキのやり方そのままでは破綻しますが、
>スタンダードよりもそれに近づけるのはありかなと、
>例えばサッキイストで有名なキエーボのデルネリも
>「私の戦術はサッキから改良が加えている」
>といっているように決してそのままやっているわけではないですし
>トルシエの戦術はもっと違います
>あえて言うならばデルネリとクーペルの間って感じかな
>(なんて分かり分かりづらい例え・笑、ちなみにクーペルは組織守備のスタンダードって感じです)

監督によって要求する優先順位は違って、クーペルの場合は細かい上下動というよりは押し上げるスピードと距離に拘っていたような気がしました。

>その曖昧で揺れやすい感じが魅力的かなって感じます。
>デルネリのキエーボもクーペルのバレンシア(今はインテルか)もやることに迷い無し
>って感じのチームじゃないですか、
>トルシエの場合もっと揺れを感じますよね、
>それこそ、キエーボにバレンシアにもなりうると思います
>ただ、そのちょうど中間の日本代表にピッタリあった対人能力とラインコントロールのバランスを見つけてくれはしないかと妄想しています(笑)

GAITIさんの考え方はなんとなく分かりました。

遅くなった上に簡単なレスですが。

Re(2):現代サッカーのスピード化
 GAITI  - 02/3/10(日) 2:14 -

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   ▼gliderさん

まずレスが遅れて大変スミマセン。

>何事によらず競技であれば相手を上回ろうとするのは当然で、アリーゴ・サッキによる「ゾーンプレス」なる守備戦術の席巻と一般化が、それをかいくぐるための切り替えの速度アップと全体的なプレイスピードの上昇、スペースを作ることとそれを使うための人とボールの速い流れを呼ぶことになったのだと思います。
>とはいえそれはひとつの結果論であり、ひとつの競技の進化としての速度上昇は何がどうであったろうと必然的なことと思います。

競技としてより洗練されてきた
ということですね。
確かに、テレビ画面が白黒の頃のサッカーと現在では競技としての洗練度は全然違いますよね。
そういった個人のアスリート能力的なスピードや攻守の切り替えのスピードなど
競技としての速度上昇は必然的であったということは同感です。

>そしてぼくはこういった進化を肯定的に見ています。

そういった速度上昇は私も当然肯定できます。

>>ということで、ぼくが言っているスピードとは、イングランドリーグにおけるダイレクト・サッカー(ダイレクトパスによるサッカーという意味ではない)とは別の話です。
>なので、「ボールが落ち着かないバタバタした状態」ということや、殴り合いのような試合(それはそれで面白いですが)というものとは無関係なのであしからず。
>いずれにせよ、テンポのコントロール、試合全体を俯瞰した上での緩急の使い分けなどは絶対に必要なこと。

で、私が否定的(全否定というより部分否定ですが)でラインディフェンス崩壊の直接的な原因となっていると思われるのは
こちらの方の速度上昇で競技全体の必然的速度上昇ではないと考えています。

例えば攻守の切り替えの速さを促進するためのコンパクトフィールドは
確かに展開を早くさせてしまう面もありますが、
同時にプレスなどで相手のプレーを制限できる機会も格段に増えるので、
結果的には差し引きゼロかなと
なので、私は競技としての必然的な速度上昇がラインディフェンスを成り立たせなくなったとは思っていません。
実はもっと表層的な部分であるシステム面
つまりサッキ型ラインディフェンス創設期の形である
中盤フラット型4−4−2というシステムそれ自体では成り立ちにくくなってきたかなというわけです。

断っておきますが
私は、どのシステムが優れているとかは全く無いと思いますし
同じ4−4−2でも配置される選手によって、
さらに言えば同じ選手たちでも監督によって
サッカースタイルは様々に変化していくと思います。

しかし、工夫次第で緩和できはしますが
フラット型4−4−2ではボールが落ち着かないんですよね。
このシステムからくる展開面での落ち着きのなさというものが
ラインディフェンスを機能させにくくなっている直接の原因ではないでしょうか。

>また、対人能力と言われることがどうスピードと関係するのかよくわかりませんが、ぼくはラインブレイクを早めにして対人マークせよ、と言っているわけではなく、あくまでも素早い判断と反応による正しいタイミングでの正しいプレスをして欲しいと言っているのであって、一発でかわされない守備技術とそれによる正しい距離の取り方が必要であれ、特に高い身体能力とか対人能力とかが必要とは思いません。

すみません、対人能力とかはTK2002さんのほうへ書くべきことでした

でも、1つ質問が
相手との正しい距離といっても自分と相手の能力の兼ね合いや
DFやMFなどの抜かれてもカバーリングがいるいないなどポジション的な面も出てくるので
適切な距離は人それぞれですよね。

で、1番見えやすい能力であるスピードを見てみても
それによって取る距離は人によって変わっていきますよね
身体能力などが関係ないということはないのではないでしょうか?
(なにか、間違った解釈をしてしまっていたらスミマセン)

そういった目で見ると
現日本代表のディフェンス陣が、例えば相手FWに対してある程度距離を取って守ることは、ある意味適切な対応であると思うのですが、どるでしょう?

Re(3):現代サッカーのスピード化
 glider E-MAIL  - 02/3/13(水) 18:12 -

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   ▼GAITIさん:

>まずレスが遅れて大変スミマセン。

ぼくの方こそです。
今月はかなり忙しくて、御無沙汰してしまうことが多いと思いますが何分御勘弁を。

>このシステムからくる展開面での落ち着きのなさというものが
>ラインディフェンスを機能させにくくなっている直接の原因ではないでしょうか。

確かにダイレクトサッカーをしてくるチームにはラインディフェンスは機能させにくいでしょうが、ライン操作や反応の速度を上げれば良いことではないでしょうか。
4ー4ー2フラットのシステムとの関係はよくわかりません。
フォーメーションがサッカーのやり方をどこまで要求するものなのか、ということについてぼくはそれほど関係ないと思っているので。
チームの約束事、チームがやりたいサッカー、起用された選手の特徴、そういうもの次第でしょう。

ぼくはラインディフェンスというものが崩壊したとか廃れたとか思ってはおらず、コンパクトフィールドの構築とオフサイドルールの有効利用、主体的な守備という観点から、それは必然的に「使いこなすべきもの」と思うし、「それだけで」守れるというのは幻想に過ぎないが「それなしで」守るのもまた厳しいものがあると思うので。

いかにスピーディにダイレクトに攻撃をしてこようと、ボールが落ち着かなろうと、ラインディフェンスがそれだけで完全に崩壊したり必要性がなくなったりするとは到底思えず、そういう場合のライン守備に求められるのは反応の速度と2次的な対応への切り替えの速度であり、個人としての判断力とその速度であり、そういう相手に対しても、いやそういう相手だからこそ、あえてラインを押し上げコンパクトなポゼッションサッカーをやる意義はあるはず。
2、3本のパスをすばやく繋いで相手のゴール前へできるだけ早くボールを持ち込もうとするサッカーに対しても相手攻撃選手のポジショニングに対し規制を与える意味でもディフェンスラインを動かすことは必要だろうと思うし、ボールが入ったあと、必要な場合にラインを崩すのが早いからといってライン守備でないということではないし、こぼれ球からの2次3次攻撃に対してもオフサイドラインの利用ということは考えなければいけないことと思います。
ぼくは、もはやラインディフェンスを「ラインなチーム」と「ラインでないチーム」と分けることがもうそろそろ時代遅れであり、それは「必要な時に必要なもの」と認識した方が良いと思います。

>相手との正しい距離といっても自分と相手の能力の兼ね合いや
>DFやMFなどの抜かれてもカバーリングがいるいないなどポジション的な面も出てくるので
>適切な距離は人それぞれですよね。

自分と相手の能力の差を消すという意味でも、なるべく早いタイミングでのプレスが為されなければなりません。
そして、カウンター時などの例外を除けば、カバーリングがいない等ということは「あってはならない」ことです。
そのためのオートマティズム、コンパクトフィールド、ゾーンバランス、ボールオリエンテッドです。
プレッシャーに行くのが遅いから、抜かれないように距離を必要以上に取ったりせねばならなくなるのです。
「正しい距離」とは相手に自由にプレイさせない距離のことに他なりません。
スピードのある相手に対しているならば、それなりの事前のポジショニングを考えておくのは当然だし、それによってボールがそこに入ろうとする(入ると予測される)時に正しいタイミングでプレスをかけられねばならない、と言っているのです。
現に本代表のディフェンス陣が、距離を取っているのは単純に行くのが遅いからであり、あんなに距離を取っていては能力のある相手ならばフリーと同じです。
ラインの前、外、そうして正しいタイミングでプレスがかからないことが今の構成なりプレイエリアなりの諸悪の根源と思いますね。

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