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▼Daiさん:
こんにちは、ご無沙汰していました。
korgさん、始めまして。と言うか、以前ヤフーでリゾーム論の時、すこしだけ参加した事が有ります。そのときは別HNでしたが。
興味ある話題なので、横から失礼します。
私も最近の宮本を非常に高く評価する意見と、精密ラインコントロール論に多少の疑問を持っています。
私は選手の能力を評価するだけの目を持っていないので、ご紹介のサイトなどで宮本選手の能力についての記述を読むと、「なるほど」と納得できますし、細かなラインコントロールの説明なども、そういう事もあるのだろうと思える部分が少なくありません。
しかし、トルシエの戦術と絡めて考えた時、疑問を抱かざるを得ません。
各所で議論される「フラットスリーディフェンス」自体も、本当にトルシエが意図している事なのか、と言う疑問を覚えます。場合によっては「宮本F3」などとも言われます。
これらの「フラットスリーディフェンス」は、トルシエのフラットスリーから、遊離してしまい意図するものと違ってきているように感じます。
私はトルシエ監督は「攻撃はワイドに、守備はコンパクトに」と言う事を忠実に実行しているように感じています。
コンパクトな守備については散々議論されていますので敢えて触れません。
高い位置からの強力なプレスを可能にする、コンパクトなフィールドを作る為の手法として、3人のCBによる、フラットなラインを形成していると言う事は、共通の認識としてどなたも異論は無いと思います。
しかし、中盤やFWを含めた総体としてのF3でなく、あたかもF3のみで守備が完結するようなニュアンスの議論には賛同できません。
F3論の中でとくに気になるのは、敵ボールホルダーと対峙した時、「ラインを崩さずディレイする」という部分です。この事がF3ディフェンスの大事な要素として取上げられています。
しかし、これはあくまで緊急的対処法であり「もし最終ラインの前で、敵にボールを持って前を向かれてしまったら、その時は仕方が無いから、無理にボールを奪いに行って隙を造るより、中盤の帰りを待て」という事であり、そういう場面を造らないようにする事が本来のF3の目的のはずです。
フィールドをコンパクトにして、高い位置からプレスをかけ、ボールの出所を押え。且、スペースを造らず、ボールの受け手をもコントロール下に置く。この事がF3の目的であると思います。
ですから、中盤に穴が出来た時には積極的にDFが関与しても良いと思いますし、フリーの敵がいてボールが渡りそうな時はフォアチェックを行って、出来ればパスを出される前に敵の意図をくじいてしまう事。たとえパスが渡っても少なくとも前を向かせない事。これが最優先されなければならないと思います。
その為にDFは、ラインにこだわらず中盤との連携の基に積極的に前に出て行くべきだと思います。
この事を前提に考えた時「宮本F3」という物は本当に存在できるのでしょうか?
非常に精密でデリケートなラインコントロールというのは有得るのでしょうか?
たとえは、宮本がフォアチェックなどでラインを離れた時、宮本独自のラインコントロールは既に存在しません。
F3はF4にもF5にもなります。ボランチやサイドの選手全てが、宮本の精密なラインコントロールを理解しているのでしょうか。
あるいは宮本以外の誰かがラインを外れた時、MFがその穴を埋めたとします。宮本独自のラインコントロールに追随できるのでしょうか?
たとえ追随できても、宮本の動きを追う為、敵やボールにに対する注意が散漫になってしまっては本末転倒でしょう。
わたしは、ラインコントロールはオートマティズムの範囲内で、誰がラインに参加してもある程度追随可能な、約束事の基に行われれば良いと考えます。
そうでなければ、実用的な戦術とは言えないでしょう。
もちろん、ラインに参加する可能性のあるメンバーが、依り戦術理解を深め、精密なラインコントロールを出来るようになれば、それに越した事はないと思いますが。
色々な宮本に対する意見を参考にすると、宮本選手はボールや敵の動きを予見する能力に優れているようです。是非その能力をフォアチェックなどに生かしてもらい、DFラインがずるずると下がるような事態を、未然に防いでもらいたいと思います。
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