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秋田召集について・・・「個人的」? glider 01/7/3(火) 15:49
  Re(1):秋田召集について・・・「個人的」? kind 01/7/3(火) 17:08
  秋田を読んだ理由について私見 kind 01/7/3(火) 17:09
   Re(1):秋田を読んだ理由について私見 kind 01/7/3(火) 17:31
   Re(2):秋田を呼んだ理由について私見 kind 01/7/3(火) 17:33
   秋田を呼んだ理由、サイド(長文注意) glider 01/7/5(木) 9:18
   積み上げと目標 glider 01/7/5(木) 9:23
   対空能力 MJDE 01/7/6(金) 6:08
    Re(1):対空能力 glider 01/7/6(金) 15:22
   もうひとつーテストマッチの見方のひとつとして。 glider 01/7/7(土) 12:17
   Re(1):もうひとつーテストマッチの見方のひとつと... kind 01/7/7(土) 13:55
   Re(2):もうひとつーテストマッチの見方のひとつと... glider 01/7/8(日) 4:22
  あえて片手落ち kind 01/7/3(火) 17:35
  Re(1):あえて片手落ち glider 01/7/5(木) 9:36
   Re(2):あえて片手落ち kind 01/7/6(金) 21:24
  Re(1):秋田召集について・・・「個人的」? 緑龍 01/7/3(火) 23:45
  Re(2):秋田召集について・・・「個人的」? glider 01/7/5(木) 11:34
   Re(3):秋田召集について・・・「個人的」? 緑龍 01/7/5(木) 14:43
   もう少し展開を… 緑龍 01/7/5(木) 17:19
   Re(1):もう少し展開を… glider 01/7/6(金) 15:13
   『公式ガイドブックプレビュー号』 緑龍 01/7/6(金) 18:46
  遅レスのうえ長いです(笑)、すいません。 kind 01/7/10(火) 17:13
  遅レスのうえ長いです(笑)、すいません(2) kind 01/7/10(火) 17:13
   Re(1):遅レスのうえ長いです(笑)、すいません(2) glider 01/7/11(水) 5:10
   サイドアタッカーとフォーメーション(1) glider 01/7/12(木) 1:29
   サイドアタッカーとフォーメーション(2) glider 01/7/12(木) 1:30
   Re(1):サイドアタッカーとフォーメーション(2) glider 01/7/12(木) 1:45
   サイドアタッカー:追加(オートマティスム) glider 01/7/13(金) 2:50
  一応最終弁論ということで(笑) kind 01/7/17(火) 12:05
   :一応最終弁論ということで(笑)(2) kind 01/7/17(火) 12:06
   Re(1)::一応最終弁論ということで(笑)(2) glider 01/7/19(木) 5:50
   Re(2)::一応最終弁論ということで(笑)(2) glider 01/7/19(木) 5:51
   Re(3)::一応最終弁論ということで(笑)(2) glider 01/7/19(木) 5:52
   今更ながら(笑) mitsu 01/8/16(木) 17:18
   Re(1):今更ながら(笑) glider 01/8/19(日) 10:20
   自己レス glider 01/8/19(日) 11:39
   Re(1):自己レス mitsu 01/9/19(水) 16:31
   Re(2):自己レス glider 01/9/24(月) 2:46
   Re(3):自己レス mitsu 01/9/24(月) 23:33

秋田召集について・・・「個人的」?
 glider E-MAILWEB  - 01/7/3(火) 15:49 -

引用なし
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   秋田の召集について、トルシエのコメントの中で気になったことがひとつあります。
「個人的に」というのはどういうことか?
「日本代表監督として」は、「個人的に」というのとは少し違うような気がしています。

フランス戦後、トルシエは守備の部分をもう一度たたき直していますよね。
上村、羽戸、戸田、といったフィジカルの強さがあり、守備技術を持ち(上村?)、
「ファイトできる」選手を召集しました。
上村を使うのも中沢の路線からわからなくはありません。
抜け出してきた相手に体を入れ、押し出せる強さ、粘り。
フィードボールに対し前へ出て競り合う時の強さ、高さ。
相手のクロス、センタリングのハイボールに対しての高さ。
そしてなんといってもトルシエはセットプレイをとても重視しています。
それはそうでしょう、得点/失点の確率がもっとも高いのは統計的に見てもセットプレイですから。
中沢がいるとコーナーキックの時なんかはかなり心配度が減ります。
それに中沢はフィードも実はたいしたもんです。彼はよく見えている。
でも、中沢はミスが多い。
で、上村を呼んでみた。最初はなかなか良かった。でもダメな所も見つかった。
以外とあっさり抜かれたりもする。キックも誉められない。
もうすこし見ながら経験させることも必要かもしれませんが・・・
で、秋田を呼んだのでしょうか?
それならばよくわかるし、ぼくはそういうことだと思いました。
でも、「個人的に見てみたかった」とは?
中山でベテランの力を再確認したので、そういう効果も含み、チームへの影響力という「実験」なんでしょうか?
チームのメンタリティとしての「バランス」を含んだ、「個人的な」興味の部分という要素の強い「実験」なんでしょうか?

単なる言葉のあやとして片付けるには、惜しい(笑)セリフだったので、ちょっと突っ込んでみました。
選手起用や構成を、純粋に戦術的な部分だけのものとして捉えるのは片手落ちだと思うからでもあります。
本当はそういう部分にこそ、最大の「サッカーの進歩」があり、「監督の仕事」があるのですから。
(人のことは言えませんが、どうもこの国では「戦術」ばかりが単体として語られすぎているような・・・)

そういう「実験」の部分がぼくの気のせいであるなら、ぼくはこの召集、反対です。
今の3バックのあり方はヘンで、大いに不満です。
戸田が入ったことによって改善の兆しは見えますが、秋田の召集はその面では後退のように思える。
くり返しになりますが、ラインの前やラインの外に相手ボールが出る時にファーストプレッシャーをかけるのを
DHやSHばかりにやらせるのはこのチームの戦術の中では矛盾です。
3バックがもっと早いアプローチをするべき時がたくさんある。
3バックの誰かがファーストプレッシャーをかけるべき時がたくさんある。
それをやらないから、中盤のプレスも苦しくなる。遅れることがある。
サッカーが遅くなる。MFの戻りも遅くなり、バックスも苦しくなる。
秋田の特性やスピードは、そこの所で違うと思うからです。

みなさんは、どうお考えになりますか?

Re(1):秋田召集について・・・「個人的」?
 kind E-MAIL  - 01/7/3(火) 17:08 -

引用なし
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   レスとは微妙に違う気もするんですが・・
いや、この「秋田召集」について是非ここで新しいスレッドを
立てようと思い来訪したところgliderさんが既にお建てになってました(笑)。

ええと、この下にかなりの長文を乗っけます。

秋田を読んだ理由について私見
 kind E-MAIL  - 01/7/3(火) 17:09 -

引用なし
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   (ルモンドやブルナンに書いた奴の再掲です。gliderさんはじめ皆様のご反論を伺いたく再々掲いたしまする。)

http://www.sportsnavi.com/topics/Article/ZZZ5YTTI4OC.html

> ―今回は、秋田選手を招集してますがどのような理由ですか

> どちらかというと秋田をもう一度見たかったんですね。彼は相当変わったとも言えないし、これから変わるとも思えないですけれども、秋田のプラスとマイナスがあって、それはしっかり意識していますが、もう1回グループの中、 今のチームの中で見たかったんです。その後、使えるかどうか、そういうことを考えて、自分の中で決断を取りたいと思います。

以上の部分で気になる、「秋田のプラスとマイナス」について。僕は、今まで秋田を呼ばなかった理由はやはりフィードの問題と考えます。以下その根拠。


トルシエがCBにフィード能力を求めていることは事実であり、そしてそれは世界的なマストになりつつある要求でもある。日本チームにフィジカルとパス能力を両立させているCBが居ないことで、「ポゼッションサッカー」という今迄掲げたテーマに沿って取捨選択、「フィジカルコンタクト」「ディレイ」の秋田と、「フィードおよびフラットラインの習熟度」、プラス「若さによる伸びしろ」の森岡、松田らを天秤に掛けて後者を選択し、だからこそ秋田は外れてきたのだと思う。

しかし、フランスにズタズタにされた試合以後、トルシエは考えを改めた。前線からのプレスが機能しない場合、F3はそもそもフラットになれない。後方から精度の高いパスを供給され続ける相手に対しては当然ながらフラットには出来ず、裏へのスペースをケアしてブレイクせざるを得ない。要するに「ラインブレイクする」頻度が多くなる、もしくは「CBがサイドに張り出して対応しディレイ、同一アウトサイドもしくはボランチのフォローを待ち、中をCB二枚と逆アウトサイドで組む(この3人でフラットラインを形成する場合もある)」ことが多くなる。

だからこそ、上村を試し、再び秋田を招集した。ブレイクして対処する場合のマーキングでこの二人は「強さ」を持っている。カナダ戦の不出来で巷には評判の良くない上村健一だが、サンフレッチェ広島の試合をつぶさに観ている人間として、「左ストッパー」として彼を「明確に」しのぐ日本人DFは思い浮かばない。彼のディフェンス適性は、左サイドで半身になり、左足が後ろになった状態で相手サイドハーフの縦突破に対し右足で踏み切り対処する場合、にもっとも発揮されるように思う。彼がきちんとした体勢で相手に対処した場合、Jレベルで彼のサイドを1対1で突破できた選手はほとんど記憶にない。大概が中を切られタッチライン側に徐々に追いつめられスローインになるか、苦し紛れにボールを当ててCK狙いのプレーをするか、頻度はさほど多くないものの体を入れられて直接ボールを奪われるか。いずれにせよ、「左ストッパー」として、「マンマーキングでディレイを掛け」、「直接ボールを奪取する」能力において彼は中田浩二を大きく凌ぎ、服部年宏に劣るものはないとみる。

では、なぜトルシエは彼を「左CB」で起用せず、「右」で起用するのか?それは、彼のショートパスおよびフィード能力が中田浩二を「大きく下回る」から。彼のプレーが輝くのは、左サイドでボールを「奪うまで」。「奪った」直後、つまり攻守が切り替わった直後から彼は凡庸な選手に成り下がる。彼は基本的にボール扱いが上手くなく、ディフェンスラインでのボール回しでかなり頻繁にボールに目を落としてトラップをする。「ルックアップしながら」受けることも出来ず、それ以前に自分のトラップに不安があるから「受ける前のルックアップ」も満足に出来ない。結果、「トラップしてから」ルックアップすることになり、すなわちそれは「守→攻の切り替えの遅さ」にダイレクトにつながる。


 なるほど、秋田を読んだ理由はそういうことか。(2) kind さん 7月2日(月) 16時36分
[bengal.kwansei.ac.jp] Mozilla/4.73 [ja] (WinNT; U)
トルシエのサッカー、否、現代サッカーの潮流が攻守の素早い切り替えからの少ないタッチ数での攻めを要求している以上、さらに右サイドに守備的なキャラクターをおくトルシエサッカーにおいて中村俊輔、小野伸二もしくは中田浩二の左からの精度の高いフィード能力はマスト。上村のパス能力では攻撃の組み立ては出来ない。中村・小野いずれかと中田浩二を一緒に起用するのは「強豪国に相対するには」危険だが(故にフランスやスペインのような国々との対戦では、3ボランチでサイドのサポートを厚くせざるを得ない)、しかし「いずれも」を外してしまうと今度は攻撃の組み立てに難儀する。「いずれか」は必要。スペイン戦で中田浩二が「簡単に」、しかし「左CBで」起用されたのはそういった事情から。つまり、中村俊輔を失った状態で左サイドに攻めの基点を置こうとする場合、「服部―上村」では話にならない。「守備的に行く」からといって、攻撃の引き金を完全に外す訳にはいかず、それは抵抗のできない「サンドバッグ」を意味するからだ。サッカーという「一つのボールを追う」競技でサンドバッグ状態におかれたチームが瓦解へのレールに載ってしまうのは自然なこと。上村が「右で使われた」のではなく「左で使われなかった」理由は以上。

(「じゃあ中田浩二を左アウトサイドに置かなかったのはなぜ?」という疑問はもちろん出てくる。これは簡単。「ポジション適性が見極められない」から。「左アウトサイド」というポジションで彼を先発起用させた試合は未だなく、その「テスト」を行なうにはスペイン戦は時期(大敗直後)・相手国のレベルを考えるに不適当、ということ。それよりは、「左アウトサイドが出来ることがわかっている」服部を置く方がしっくりくるし、それ以前に中田浩二は「左CBの位置からの同一サイドへのロングフィード」「逆サイドへのクロスパス」という明確なアドバンテージを持っている。「その時期に」わざわざ左アウトサイドに起用する理由はない。「守備再編」がテーマであるのに、いたづらにポジションを変えて混乱を招く必然性はない、ということ。もう一つは「左アウトサイドに攻撃のタレントがいないから」というものもあるがそれについては説明は不要であるように思うので割愛。)

トルシエは、上村の「ストッパーとしての能力」を「右サイド」でも発揮してくれることを期待した。しかし、彼は左足に重心を置いた状態ではあまり俊敏ではなく、実際カナダ戦では11番の縦突破にまったく対処できなかった(上村自身のコンディション不良に加え、伊東輝のポジショニングが中よりであったことや、ディレイ能力の拙さも明記する必要がある。上村一人の責任ではない)。彼は「左CB」、否、「左ストッパー」でしか使えないのだ。彼は、トルシエジャポンの中では図抜けて「ユーティリティ性」に欠ける選手、といえる。

上村を右に置く試みは失敗したものの、秋田はまだ分からない。彼のフィード能力がトルシエの要求する「最低水準」(具体的にどう、といえば想像にしかならないが、例えば「プレッシャーの掛からない状態ならインサイドキックで受け手の利き足へ「確実に」出す」、「同一サイドの前方スペースに走りこむ味方に対してインフロント回転でタッチを割らないように出す」、等および「フィードを狙う姿勢」にあると思われる)に達したのかどうか、今回の召集でトルシエももう一度見極めてみたくなった、ということだろう。それは、「チームにフィットすれば彼以上にステディなCBはいないから」と考える。

今回のパラグアイ戦で秋田や宮本を起用しなかった理由は定かでない。が、トルシエがCBにフィード能力の高さを求め、それが比較的優る選手を優遇し、選出してきたことは間違いないと思われる。中田浩二のCBコンバートなど、「フィジカル」を求めたはずがない。「中田浩二のCBコンバート」こそ「トルシエの求めるF3像」を示す道標とみて差し支えないと思う。

Re(1):秋田を読んだ理由について私見
 kind E-MAIL  - 01/7/3(火) 17:31 -

引用なし
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   (トルシエが「ラインブレイク後のマンマーキングをより重視し始めた、少なくとも視野に入れはじめた」とする根拠、補足。タイミングがなく未発表部分です。)

これについては「フィードのまずい上村・秋田が招集され、上村は実際に『強豪国』であるスペイン戦で『いきなりスタメンで』使われた事実」を挙げた。加えて10月に『一人で縦にボールを運べる』アレックスが加入する可能性があり、その場合左CBにはフィード能力よりもむしろアレックスが上がった後のカバーリング、フォローアップ、ターンオーバー時のディレイなどが求められるようになるであろうから、左CBに服部もしくは上村が入ることは十分に考えられる(勿論、中田浩二が入らないという訳ではなく、その場合彼には自然と守備的な役回りが求められる、ということ。サイドに張り出して1対1の局面でマンマーキングする場面も当然増え、その際にはきちんとディレイを掛ける能力が必要になってくる)。

今迄の「右アウトサイドに『横 』にズレるDH系の選手を置く」やり方を覆し、『縦』への波戸を右に置いたのは、広山などの縦系を同サイドに置きやすくするのみならず、左サイドにもアレックスや本山といった「縦」系を置き、最終的に両サイドを「縦」に動く突破系にしたい、少なくとも「そういったオプションを持ちたい」という意図があるのではないか?と推測する。

名波が怪我しているという事情もあるが、戸田と稲本の両ディフェンシブハーフを並べ、それが十分に機能してきたということも「追い風」になっているように思う。とくに戸田の右サイドへのフォロー、カバーリング能力は、上記の「両サイド縦系」という構想をすでに半分実現可能にしている、明日アレックスが帰化できればすぐにでも使える状態に置いているようにすら思える。

では、なぜトルシエはそんなことをする必要があるのか?今までのデフォルトは「左攻撃的・右守備的」でなく「左にプレーメーカー、右にDH」であったはず。さらに言えば、「ボランチ一枚にDH一枚、トップ下が1枚もしくは2枚(アジアカップ)」という形。この「形」で並べた選手達に対する一抹の不安・不満がなければ、トルシエは『フランス戦後私は考えを改めた』などという発言はしないし、スペイン戦のような8人で守るような布陣は敷かない。明らかに「迷っている」のだと思う。

Re(2):秋田を呼んだ理由について私見
 kind E-MAIL  - 01/7/3(火) 17:33 -

引用なし
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   そこには、「強豪国相手にはどうしても5バック気味になって対処せねばならない」、加えて「5バック気味に押し込まれる展開から低い位置でボール奪取が続く場合、縦への物理的スピードが必要になってくる」、といった事情があるように思う。その場合、出来れば両アウトサイドは走力・持久力・アジリティに優れた「受け手」タイプの選手が望ましい。小野や中村などの「出し手」タイプでは、「フォローの少ない局面で一人で持ち上がる」ということが出来ない。

オリンピック代表のスタッツで彼が並べた「中村―稲本・明神―酒井」という「2DH2アウトサイド」を観れば、結局彼も「日本の個人能力では、強豪国に立ち向かうためには中央に『最低2枚』の『DH』が必要である」という現状を認識している、ということなのだろう。さらにいえば、「トップ下で使えるのは結局ヒデだけ」ということも、「サイドにはある程度単独で突破する力が必要」ということも。そう考えると、多くの批判を受けたフランス戦・スペイン戦での「3ボランチ」の意図が見えてこようというもの。つまり、あの3ボランチは「小野・中村を使う場合はああするしかない」というトルシエなりの回答であり、同時にトルシエの小野・中村に対する「個人解法を暗喩的に求める布陣」であるような気もするのだ。

余談だが、そうなるとトップに一瞬の縦へのスピードでは柳沢と並んで日本有数のFW久保竜彦がずっと招集され続けている理由も分かるような気がするし、また現状の西澤では今後選出の可能性は薄いのかな、という気もする。蛇足。

-実際、トルシエはかなり迷っていると思う。「失敗をする人間」として、自分の理想と現実の相克に日々葛藤する彼の仕事、及び選手の力量を把握する眼力の鋭さには敬服する(伊東輝の継続起用のみ未だに謎であるのだが)。「役割分担のない理想的なトータルフットボール」を追求し続けたい。が、それではやはり「来年の六月には間に合わない」。「日本のサッカーが将来目指すべき形」はまぎれもなく「リゾーム」だが、現状を見るにそれはW杯の鉄のグループリーグを突破するには優しすぎるし、洗練され過ぎている。トルシエの「迷い」の根元にはこういった考えがある、というように推察する。


最後に…このキリンカップで何かが分かるとは思えない。トルシエの迷いに対してコンフェデ杯メンバー主体の現代表が何か答えを出せるとは思えない。

パラグアイ戦、日本の1点目。小野の相手GKとバックラインの間のスペースに測ったように出された、バックスピンを掛けたロブボール、そしてそれにいち早く反応してパラグアイDFを置き去りにした柳沢の反応は素晴らしかった。が、ボール保持時、味方ボールホルダーに対する第二第三の動きおよびその継続性が皆無に等しかった、コンディション劣悪のパラグアイに何が出来たから、そしてそのパラグアイに完敗したユーゴに何が出来たからといって意味があるとは思えない。ケットシー氏のおっしゃるように「『いつも心にサンドニを』、意識を高く持ち続ける」必要は勿論あるが、それにもやはり限度がある。自分たちが幾ら高い意識を持っていても、相手のサイドアタックが鋭くなる訳ではない。

サイドに強烈なアタッカーを置いているチームに対する守り方・攻め方は依然不透明なまま。サイドアタッカーを擁するチームには5バックで臨むというのは良いが、そうすると両サイド、特に左サイドには誰を使うべきなのか。小野なのか中村なのか、アレックスなのか本山なのか。未だトルシエの中で答えは固まって居ないように思える。だからこそ、秋田や上村と同時に宮本を呼ぶことが出来るのだろう。

だが、キリンカップを含め本番までにこなす試合は残り4試合程度と聞く。トルシエの迷いに対して、答えを出してくれる対戦相手すら、もう本番まで望めないかも知れない。この疑義は、本番の試合を待つまでは答えの出ぬまま延々と継続して僕の中に残ることになりそうだ。

来年六月、この疑義は杞憂に終わるか、それとも…。(この項・了)


あえて片手落ち
 kind E-MAIL  - 01/7/3(火) 17:35 -

引用なし
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   に挑んでみましたが・・・純粋に戦術的な意味が「皆無」では
ないであろう、という淡い期待を持って臨みました。

まあ、トルシエのコメントを見る限りでは「カンフル剤」とも
「純粋な戦力」としても、両方の意味で取れるように思いましたね。

Re(1):秋田召集について・・・「個人的」?
 緑龍  - 01/7/3(火) 23:45 -

引用なし
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   ▼gliderさん:

これには、私もかなり驚きました。
その上で、明日のユーゴ戦、ピクシー対策として出すのでなければ出番はないだろうし、トルシエがそういう用兵をするとも思えません。結局、今回ピッチで秋田を見る可能性は低いと思っています。

じゃあ何で呼んだのか?
私が最近『Blues Number』で展開したように、ピッチに出なくても必要な選手というのはあり得ます。秋田について、その点の検証をしたかったという可能性もありますが、それも低いでしょうね。それでは、井原やカズではなかった理由が立たない。

>中山でベテランの力を再確認したので、そういう効果も含み、チームへの影響力という「実験」なんでしょうか?

前述の私の文脈は、gliderさんのこういった展開と似ています。しかしおそらく違うでしょう。

>「個人的に」というのはどういうことか?
>「日本代表監督として」は、「個人的に」というのとは少し違うような気がしています。

>でも、「個人的に見てみたかった」とは?

それは『トルシエ革命』に、おそらく書いてあったように思いますね。トルシエが、自分の現役時代のプレースタイルを評して「鹿島の秋田のような頑強なストッパータイプだった」、云々と。
つまり私は、いっそ徹頭徹尾「個人的な話」なんじゃないかとも思っています。たかが2試合のための招集ですから、2、3人なら、確かに完全に「個人的な話」で呼ぶ余地もあるとは思いますが、結局はエピソードに終わる可能性が高い。
コンフェ杯も終わりました。トルシエはここで、それを否定するにせよ肯定するにせよ、いわば自分の原点と改めて向き合ってみる必要を感じたのかも知れません。

秋田が実際にピッチの上で何が出来るかという問題だけをみていては、おそらく彼の招集を理解は出来ないんじゃないかという気がします。おそらくトルシエは、本番に先立って、どうしても秋田を自分の合宿、自分の練習のなかでもう一度みたかった。少し余裕ができた段階で、それをした。私はそれを無駄だとは思いません、指揮官のなかに当然あるだろう数々の迷いやら懸案やらをクリアするための手続きとして必要なのだろうと思います。というか、トルシエが必要に思ったのなら、トルシエが指揮を執る限りにおいては必要に違いない(笑)

戦術論でも、戦略論でもない。純心理学的な「個人性」の匂いがぷんぷんします。だからこそそういう言葉を使った可能性が高い。

その上で、これは確かにトルシエの人間的な弱さみたいな部分を示しているかも知れないとは思いますがね(笑) しかし、とがめだてするほどのことでもないでしょう。多分、ピッチ上のフォーメーションで秋田がどこになるのかを考える以前の話だと思います。無論、出す展開になればF3の右端以外にはないでしょうが、ないんじゃないかなあ。

秋田を呼んだ理由、サイド(長文注意)
 glider E-MAILWEB  - 01/7/5(木) 9:18 -

引用なし
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   さてと。

秋田に関してのぼくの感想は最初のコメントに書いた通りです。

その上で。

>しかし、フランスにズタズタにされた試合以後、トルシエは考えを改めた。前線からのプレスが機能しない場合、F3はそもそもフラットになれない。後方から精度の高いパスを供給され続ける相手に対しては当然ながらフラットには出来ず、裏へのスペースをケアしてブレイクせざるを得ない。要するに「ラインブレイクする」頻度が多くなる、もしくは「CBがサイドに張り出して対応しディレイ、同一アウトサイドもしくはボランチのフォローを待ち、中をCB二枚と逆アウトサイドで組む(この3人でフラットラインを形成する場合もある)」ことが多くなる。

ここはぼくはまったく違う感想を持っています。
まず、フランス戦以降に「負への早めのラインブレイクが増えた」ことはまったくない。
逆に、オフサイドトラップを多用するようになっています。
以前は、セットプレー以外の流れの中で、トラップをしかけることはそれほどありませんでした。
「オフサイド・トラップ」と言われたものの多くは実はトラップではなく、
細かなゾーン、ラインの位置修正により相手のFWが取り残されたり、合わせきれていなかったりした
ことがほとんどで、ここ最近のように明確にオフサイドトラップをかけるケースはそれほどでもなかった。
むろん、3人がいつも仲良く直線上に並んでいる必要などありません。
特に中盤の出所にプレスがかかっていないような場合では、ラインを押し上げるのはほぼ自殺行為にも等しいでしょう。
ぼくはあまり気に入りませんが、そういう場合には引きぎみに構え、5バック化も含めて人を増やして、
対応しているようです。でも、その場合にも早めにラインブレイクしてマンマークに移行しているようなケースは、
スペイン戦、コンフェデ杯、キリンカップのどの試合でもあまり見られていない。
やはりぎりぎりまでラインは維持し、左右も含めてゾーンを埋め、オフサイドトラップを狙える時は狙い、
裏をケアしながら駆け引きしながら、ボールに対してゾーンを収縮して行く、といった守り方は変わっていない。
「危ないと思ったらラインを崩してマンマークせよ」とトルシエが指示しているような
形跡、状況証拠はまるっきり伺えないんですね。

では、トルシエがそういう「個人の判断」を込みで、期待して、上村や秋田を呼んだのか?
それもぼくはあまり考えられないと思う。
ボールを持たない選手の裏のスペースへの走り込みに対してマーカーをつけるのならば、
フィジカル系の選手よりもスピード系でしょうから。
例えば、羽戸のような選手が適任ですね。
だから、羽戸は起用されている。縦系のサイドのスペシャリストとして、ではなく4人目のDF、としても。
誰かをマークするのではなく、サイドのスペースを潰すとともに3バックの後方のケアも
スピードを持ってできうる選手として。
上村や秋田の召集は、やはり中沢と同じ文脈で考えているのだろうと思いますね。

秋田に関しては、何よりも「ベテラン」としてチームに与える効果がいかほどか、ということがあり、
(そのことが「もう一回グループの中」という言葉にもなっているとも思う)
一石二鳥としての信頼に足るDFのバックアップ探し、という意味合いでしょう。
上村、秋田、宮本と呼び、「探している」ことには違いないだろうと思いますが、考えを改めたとは思えない。
ぼくは、先にも書いたことから、中沢はともかく上村、秋田では、スピードが足りないと思うし、
中盤でプレスがかかりきらない場合には、逆にバックが正のラインブレイクをして
出所にファーストプレッシャーをかけ、SHやDH等が後ろや外をカバーするようなこともやらないと
(コンフェデ杯以降では、森岡と戸田、中田浩二と小野などの間でそういうプレーも見られはじめてはいるが)
相手にとっては楽で、守備組織全体のスピードとしてもこちらは遅れがちになり、後手になり、
攻撃への切り替えも難しく、コンパクト・フィールドを作るのも困難になり、自分の首を自分で絞めることになる、と
思うので反対です。まあ、もっとも危険なセットプレイや、サイドを崩された時などにおける
彼等の高さと強さを考えれば、わからなくはありませんが。

>フランスやスペインのような国々との対戦では、3ボランチでサイドのサポートを厚くせざるを得ない

これも反対意見を述べざるを得ない。
フランス戦でもスペイン戦でも、名波にしても伊東にしても与えられていた役割はまったく別です。
彼等はサイドの守備をサポートする「DH=ボランチ」として起用されたのではなく、
広い活動範囲を持って中盤での守備もでき、攻撃に切り替わる時には低い位置からでも
組み立てられ、その視野で長いパスも出せ(伊東?)、効率よく攻守に働ける「バランスのとれた」
MFとして起用されただけです。そういうケースにトルシエが出した結論は、「3ボランチ」で
サイドに厚いサポート体勢を築くことではなく、サイドに強さと守備技術のある選手を配すること、
守備に広い選手をひとり置く(戸田)こと、だったようです。

>今迄の「右アウトサイドに『横 』にズレるDH系の選手を置く」やり方を覆し、『縦』への波戸を右に置いたのは、広山などの縦系を同サイドに置きやすくするのみならず、左サイドにもアレックスや本山といった「縦」系を置き、最終的に両サイドを「縦」に動く突破系にしたい、少なくとも「そういったオプションを持ちたい」という意図があるのではないか?と推測する。

羽戸の起用に関しては、上で述べました。彼は「縦の突破」を一番に期待されて起用されているのではないだろうと。
明神にしてもその意図に大差はない。
彼もまた4人目のDFになりうる能力と、プラス戸田がいなかったこれまででは(例えば名波と稲本の時など)
右サイドに配されていても窮地に際しては中盤の底でファーストプレッシャーを掛けてまわれる能力
などを買われてのこと。
思うに、「縦系」の選手ってどういう選手でしょう?
羽戸にしても、「縦の突破」ばかりでは、すぐに読まれる。手詰まりになる。
J2じゃあるまいし、そんなことはわかりきったことです。
中と有効に絡みながら、臨機応変に攻撃方法を選択していかなければ、縦にえぐったって
まるきりの無駄です。縦に突破してセンタリング上げるだけなら、適当に相手して遅らせといて
中へ入ってくる方をきちんと捉まえておきゃいい。
これから対戦する強豪相手に空中戦で日本が優位にたてるともあまり思えないし。
フローとか、mitsuさんとか(笑)、2mの選手がいるわけじゃないですからね。
そうではなく、そこからさらに入りこんできたり、ドリブルして外から抉ってきたり、パスを使って
崩してきたりもするから脅威になるのであって、「縦の突破」だけで仕舞いなら、しかも
個人の走力だけに寄るものならなおさら、気をつけるべきはカウンターの場合だけになります。
ピレスにしろデュガリーにしろ、ぼくは「縦系」のサイドのスペシャリストとは思わない。
彼等は「FW」です。
縦系とかパサーとか、そういう分類に意味があるとは思えない。
「受け手」「出し手」も同じ。その時々で両方になれなくては半人前。
足が速いのも、ドリブルが上手なのも、良いパスを持っているのも武器のひとつであって、
どこのポジションだろうとどちらにかに優位性があるわけではないと思う。
チームとしてそれを生かせる時に生かせれば良い。うまく役割分担して工夫すれば良いこと。
ちなみに本山は「縦系」ではありません、全然。センタリングの精度にあまり自信がない彼は
どちらかと言えば中へ入ってくる方が多いし、ペナルティエリアの前では人を使うことも多い。

よって、サイドの選手の起用に単独で突破することに主眼を置いた起用をすることが求められるとは、
ことトルシエ・ジャパンでのサイドハーフに限ってもぼくは全然思わないんですね。

例えば、昨日のユーゴ戦の前半6分。
松田からのパスを再度受けた羽戸は、ドリブルで抜けようとしたけど、上がってきた松田にダイレクトで出す、
または、自分の斜め前方のフリーの選手(たぶん森島)に出して、ワンツーのような形で
受け直せば簡単に前を向いてもらえて、抜けだせたでしょう。
結局、羽戸はボールを奪われてしまい、相手に最初のコーナーキックを与えます。
逆にキレがなく調子が今ひとつで途中交代させられた小野は、自分でひとりかわせば抜けだせた所を
簡単に相手に奪われてリズムを失ったケースがありました。
全部を完璧にやれとは言えませんが、そういう積み重ねで主導権が推移するのがサッカーです。
状況の中で、求められていることはやらねばならない。せめてやろうとしなければ始まらない。

次に、同じくユーゴ戦の前半13分。
敵陣内サイドライン際で稲本からのパスを受けた小野は、ダイレクトで自分の前方へ。
走り込んだ柳沢はこれまたダイレクトでゴールラインからセンタリング。
中には3対2で鈴木と森島がいましたが、ボールはキーパーがキャッチ。
例えば、この時小野が三浦で、ダイレクトパスではなく縦へのドリブル突破をしかけていたら?
柳沢はゴール前にいたかもしれません。でも相手のDFも、あと2人くらいいたでしょう。
サイド攻撃は速くなくては効果はうすれる。そして人がドリブルするよりもボールが走る方が断然速い。
突破に時間をかけて中の人数を揃えられてしまうくらいなら、早めにクロスを入れた方がマシ。
駆け上がるスピードに目が行きがちだけど、ぼくはそれよりもキックの精度の方が重要度が高いとも思う。

それと、現在の配置構成では、例えば左サイドにアレックスを置くのは難しいと思います。
それをやるなら、例え森島でなく中田を選択するにせよ「最低2枚のDH」は置けないし
(そもそも稲本はDHとは言えないが)
アレックスが名波や小野のような構成力を身につけないかぎりは、やはりオプショナルな起用ということになるでしょう。

積み上げと目標
 glider E-MAILWEB  - 01/7/5(木) 9:23 -

引用なし
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   昨日の試合では、日本代表はあるテーマを持って試合に臨んでいたと思います。
低い位置から、遅攻でも崩す。最終ラインからきちんと組み立てていっても崩せるようにする。
そういう姿勢、意図が伺えました。何度も何度も、意図的にそれをやっていたと思います。
おかげで試合がノロくなって、眠くなりましたが(笑)
縦への突破系に頼ろうと思ってるようにはまったく見えません。迷っているようにも。
むしろ、今までやってきたこと、その方向性に自信を持ち、さらに果たすべき課題を見つけ、
まっすぐに前を向いて取り組んでいるように見えます。
(見たかったけど、広山も使ってくれないしね・・・まあ、競争原理もあるだろうし、順番もあるだろうし)

また、これまでの起用、インタヴュー、その発言、いずれを考えてもトルシエは、サイドに置く選手を
縦系、10番系、ボランチ系というようにわけて使っているとは思いません。
能力が攻撃に振れている選手、守備に振れている選手、バランスのある選手、という程度の分け方
しかしていないように思いますね。
今はホームでも相手がフランスなら服部だろうしパラグアイなら小野でも行けるだろうしサウジなら本山でもいい。
「トルシエ革命」では、それを本番までには、フランスやブラジル相手でも小野や本山で行けるようにしたい、
というような「宣言」を行っています。
それは2002年には「世界の5強」と互角に渡り合うことを目標にする、という宣言である、ということです。
「5強」相手に、互角に渡り合い、主導権を奪って自分達のサッカーをしたい、という。
手っ取り早い話、それは目標はあくまで優勝をも狙えるチームを作りたい、ということ。
やっていることを見れば、そのための階段をひとつずつのぼっているように思います。
「考えを変えた」のは、アジア杯のチームのまま、あのやり方のまま熟成して行くのではなく、
礎の部分から、もう一度強化して行こう、さらに煮詰めて行かなくては、ということにすぎないだろうし、
「トルシエ革命」を読む限りでは、ワールドカップでのサウジの戦績についての言及など、
それも折り込みずみ、予定の行動である、というようにもとれるし、
「考えを変えた、反省した」というのも世間やマスコミに対する恣意的発言というようにもとれる。
サンドニのフランス戦の時点で、スペイン戦のようなことをやったら非難の嵐だったでしょうし、
ちょうど良いタイミングでちょうど良い機会を得た、って感じにも思える。

ぼくの不満は、あとは、先に書いた3バックスのありかたについて。
ぼくは「役割分担」は当然なくてはならない、と思うけど、それは役割をわかりやすく固定すること
とはまったく違うと思うし、「流動性」というものは「楽しさ」「美しさ」のためにあるのではく、
現代サッカーのスピードにおける戦術的効率的必然であると思うし、それは「優しすぎる」ものでも
「洗練されすぎている」ものでもハイレベルなテクニシャンばかりで構成された中盤だけがやればいいというものでもない。
多少うまかろうが体が強かろうが、そんなこともできない脳みそのない選手はワールドクラスじゃない。
できなければ「5強」には勝てないもの、というふうに捉えます。
一途に基本通りのサイド攻撃をくり返すシドニーのアメリカのようなチームは、
トルシエの言うように「ひたむきで好感が持てる」が、あれではワールドチャンピオンははるかに遠い。
完成度の低かったシドニー五輪の日本代表から、「チーム」としての力を得たアジア杯を経て
サンドニでの経験を上積みし、さらなるもう一段上の難路を歩みはじめた日本代表。
まだまだ不満はあるものの、ここまではなかなか順調ではある、と思います。

Re(1):あえて片手落ち
 glider E-MAILWEB  - 01/7/5(木) 9:36 -

引用なし
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   ▼kindさん:
>に挑んでみましたが・・・純粋に戦術的な意味が「皆無」では
>ないであろう、という淡い期待を持って臨みました。


純粋に戦術的な部分ですか・・・あんまり切り離してもしかたがないとは思いますが、あるでしょうね。
たまたまそれが秋田であった、という部分と、秋田だからこそ呼んだ、という両面から考えるべきと思います。

いずれにせよ、力作をお寄せ下さってどうもありがとうです!
読みごたえがあって、考えがい、書きがいがありました。
感謝いたしております。

Re(2):秋田召集について・・・「個人的」?
 glider E-MAILWEB  - 01/7/5(木) 11:34 -

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   ▼緑龍さん:

秋田は、戦力として考えられている部分もないとは言えないとぼくは思います。
それはkindさんへの長文レスで書いたのでくり返しませんけど。

トルシエが、昔、秋田のような選手だったから時期的に少し余裕のある今、秋田を呼んでみた
というのは、ロマンのある話しだけど、う〜ん、どうでしょうね・・・

井原よりは秋田の方が現時点では現代表でも使える可能性は高いでしょうし、
カズはFWの競争が激しい今となってはかなり結果を出さなくては呼べないでしょう。
ここの所、ポストプレーが不得意選手は呼ばれてませんし、ゴンとカズ、どちらかと言われたら
やはりゴンでしょうから。でも、結果さえ出せばカズはまたいつ戻ってきても違和感のない
「ファミリー」の一員でもあります。試合に出るでないはおいといても。
ぼくはやはり、秋田の経験がもたらすものをも期待したのではないかと思えます。
それと、ある種のベテラン選手がその経験から得る柔軟性や知性、といったものにも。
フラット3の基本的な動きでガチガチに縛っていた初期段階では秋田は使えなかった。
でも、そういう時期を過ぎ、皆がある程度個人の判断を生かしながら柔軟にやるようになった
段階でなら、秋田も対応しやすいかもしれない、モティベーションも高いだろうし
前よりもチーム戦術から離されすぎず、うまくやれるかもしれない、と思ったのかもしれない。
チーム戦術が秋田に寄ったわけでもないが、前よりは今の方が自然なすりあわせがしやすいかもしれない。
そうすれば、秋田の経験は財産として利用できる、と。

練習見てないんで、今回のトレーニングや合宿で秋田がどうだったのかはよくわかりません。
でも、そこで結論が出てなければまた呼ぶんじゃないでしょうかね?
秋田のことを、マンマーカーと捉えるふしが多いように思うけど、前だって加茂ジャパンで
井原とフラットラインはやってたんだし、いつまでも「ウォー」と叫んで相手のFWに
へばりつく秋田でもないでしょうしねえ・・・
「中沢、上村・・・まだまだ経験が足りねーなー、どうも肝心なトコでヒヤっとさせやがる・・・
誰かいないかなー、そうだ、じゃこの際秋田でも呼んでみっか。うん、チームに良い刺激になるかもしれないな」
なんてことじゃないかと。

でも、前も秋田の名前は出してたし、何かひっかかる所がなかったとも言い切れませんね。

・・・まあ、やっぱり候補としては森岡、松田、服部、中田、中沢、宮本の次だと思いますけどね。

Re(3):秋田召集について・・・「個人的」?
 緑龍  - 01/7/5(木) 14:43 -

引用なし
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   ▼gliderさん:

>秋田は、戦力として考えられている部分もないとは言えないとぼくは思います。
>それはkindさんへの長文レスで書いたのでくり返しませんけど。
>
>トルシエが、昔、秋田のような選手だったから時期的に少し余裕のある今、秋田を呼んでみた
>というのは、ロマンのある話しだけど、う〜ん、どうでしょうね・・・

>ぼくはやはり、秋田の経験がもたらすものをも期待したのではないかと思えます。
>それと、ある種のベテラン選手がその経験から得る柔軟性や知性、といったものにも。

もちろん、Kindさんやgliderさんのおっしゃることがまず第一でしょう。9割方はそういう理由で呼んでいるはずですし、私自身、『Blues Number』の『トルシエ雑感』の末尾ではそうした視点で書いています。私は秋田が全く戦力として考えられていないとは主張しません。
ただ、ピッチ上の戦術論やチームバランスにおける経験の意味についての議論を90分間積み重ねたとしても、絶対に「個人的に」という言葉は出てきませんよね(笑) それはあくまで代表監督としての判断であって、「個人的」ではない。そこが問題です。

私の主張、つまりトルシエが秋田に過去の自分をみているから、というのは、「トルシエが秋田を呼んだ理由」というよりも、正確には「トルシエが秋田を呼んだ理由を聞かれて『個人的』という言葉を使った理由」というべきなんでしょう。

personnel、individuel、prive、「個人的」と訳されそうな日常的なフランス語の単語といえばこのぐらいと思いますが、この場合はまず間違いなくpersonnelだったと思います。individuelを使うのはちょっと意味不明だし、「prive(プライベート!)で呼んだ」はずはないし(笑)
しかしpersonnelにしても、priveほどではなくとも「私的」とも訳され得る、少なくとも「公的」ではない言葉です。だからこそ、突出した印象をgliderさんにも与えたわけですしね。

監督が選手をパーソナルな理由で呼ぶ、これはよく考えると結構「失言」に近いものがありますし、あるいはトルシエの自分に対する苦笑のようなものも感じられる表現です。
だから、私は私なりに割と自信はあります。秋田の招集は、90%あるいは99%までは戦術やチームバランスを考慮した結果だが、同時に10ないし1%の「ロマン」が混入していて、トルシエはそのことに自覚的である、ということに。トルシエにはロマンチストの側面もありますからね(笑)

>「中沢、上村・・・まだまだ経験が足りねーなー、どうも肝心なトコでヒヤっとさせやがる・・・
>誰かいないかなー、そうだ、じゃこの際秋田でも呼んでみっか。うん、チームに良い刺激になるかもしれないな」
>なんてことじゃないかと。

私もそんなことじゃないかと思います。ただ一言つけ加えて、

「中沢、上村・・・まだまだ経験が足りねーなー、どうも肝心なトコでヒヤっとさせやがる・・・誰かいないかなー、そうだ、じゃこの際秋田でも呼んでみっか。うん、チームに良い刺激になるかもしれないな。それにあいつのプレースタイル、昔の俺に似てるんで気になるんだよな」

「それに…」以下は、もちろん主要な理由ではありません。しかし付け足しとしてでも要素としてあり、それをトルシエが自覚していなければ、「個人的」という表現は出てこないでしょう。
もちろんこの部分は、十分に「個人的」であればなんでもいいので、

「それにあいつの顔みると妙にほっとするんだよな」(監督個人の精神安定剤)
「それにうちの娘があいつのファンなんだよな」(こないだ『天国と地獄』で出た冗談)
「それにあいつ俺の息子なんだよな」(おいおいノムさん…)

等々、可能性としては何でもあります(笑) ただ「証拠」(?)として現在使えるのは、トルシエが自分の現役時代についての言及で秋田を引き合いに出した、ということだけですから。

>でも、前も秋田の名前は出してたし、何かひっかかる所がなかったとも言い切れませんね。

そして、そのひっかかり方に少々「個人的」な部分があるのでしょう。

もう少し展開を…
 緑龍  - 01/7/5(木) 17:19 -

引用なし
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   『「個人的な」興味の部分という要素の強い「実験」なんでしょうか?』とgliderさんは問題提起されましたが、秋田がラインの右で使えるかという実験であれ、秋田の経験がチームに何をもたらすかという実験であれ、いずれも「個人的」ではありません。代表監督として、やってみようと思えばやってみるべき、立派に「職務上」の実験です。
『「個人的な」興味』としての実験があるとすれば、それはやはり、次のようなものでしょう。

「俺が作り上げたこのチームに、昔の俺の居場所があるのかどうかの実験」

こうした実験なら、それは十分に「個人的」です。しかも、非常に抗しがたい魅力をもった実験でもあります。そして、試合でピッチに出さなくても練習だけで判断できる。

>どちらかというと秋田をもう一度見たかったんですね。彼は相当変わったとも言えないし、これから変わるとも思えないですけれども、秋田のプラスとマイナスがあって、それはしっかり意識していますが、もう1回グループの中、 今のチームの中で見たかったんです。その後、使えるかどうか、そういうことを考えて、自分の中で決断を取りたいと思います。

kindさんが引用した日本語訳では、「個人的」という語は落とされていますね。「どちらかというと」のすぐ後に入っていたのだと思います。
「変わった部分、変わる可能性を見たくて」とも「やっぱり経験があるから」とも言えず、しかもぽろっと「個人的」などと言ってしまい、その後を適当に言い繕ったという印象です。
私の仮説に従って「料理」すると、彼のホンネに近いのはこっちでしょう(笑)

>どちらかというと個人的に秋田をもう一度見たかったんですね。相変わらず昔の私みたいなスタイルでやっていて、これからも変わらないと思いますけれども、そうしたスタイルには限界があって、それはわかってはいるつもりなんですが、もう1回今のチームの中で見たかったんです、個人的に。やっぱり使えないということを確認できれば、自分の中で、個人的に一つふんぎりがつくと思います。

実に感傷的で、秋田にしてみればたまったものじゃない話ですが、私が結構この仮説を気に入っているのは、トルシエは結構感傷的な人物だとも思っているからです。少なくとも感情的ではあるし(笑)

まあ、この話の真偽はおそらく永遠に判らないでしょう。やはりというべきか、結局キリン杯で秋田はピッチには出ませんでした。もう一度招集される可能性は、残念ながら低いと思います。

ところで招集や用兵には、ピッチ上の戦術、刺激を与える等のチーム・マネージメントとしての戦略のほかに、もう一段大きな視野での戦略もあると思います。頻繁に選手を入れ替えて競争心を刺激することは、単に「代表チームを強くする」だけでなく、それを支える日本サッカー全体に対する刺激にもなります。

実際、私は刺激されました。つまり驚いたわけです、秋田の招集に。

トルシエがどの程度本気で秋田に期待していたかどうかとは別に、この招集によって、日本のほかのDF達は間違いなく刺激を受けたでしょう。コパ・アメリカでいわば「引導を渡された」かのように思われていた選手の再招集は、ほかのたくさんの選手の希望に再点火することにもなる。仮に実は純粋なデモンストレーションであり、薄々それが気付かれてはいても、自分の可能性が0だと断言することは出来ない。「枠の10%を最後まで開けておく」という宣言だけではなく、実際に新しい選手を呼ぶことも、トルシエは多分最後の最後までやめないでしょう。ある意味非常に残酷な話でもあります。

結局使いませんでしたが、広山の招集は、少なくとも波戸に対する刺激要因にはなったはずです。それにひきかえ、秋田を呼んだことで森岡や松田や中田浩二がさほどの危機感を覚えるとは、私には思えない。gliderさんやkindさんの議論での「秋田招集の戦術的正当性」については、もちろん最大公約数的な部分では存在しているのでしょうが、やはり「なぜ今秋田なのか?」という疑問があるからこその議論に思えます。つまり基本線としては、やっぱり判りにくいってことですよね。

彼の経験がチーム全体に与えるプラスアルファ、というgliderさんの着目点が、やはり「普通の議論」としては説得力があるように思います。「普通じゃない議論」としては、私自身の先述のトルシエ郷愁編(笑)
で、もう一本「普通の議論」の方で立てておきたいのが、日本サッカー界への刺激と危機感を継続する、という視点です。「可能性はもちろん0ではないけれど、普通に考えて多分使えない可能性の方が高いけど、でも呼ぶだけ呼んでみよう、今回呼ぶことすら出来ない選手達に対する意味もあるのだ」というレベルの議論も存在し得る、ということですね。
それにトルシエは、一度でもどこかのカテゴリーで呼んだことのある選手は、その時は結局使わなくても後で再招集して使うという例が多い。我々ファンは、合宿だけで結局ピッチに出なかった選手が誰と誰かなんてことはすぐ忘れてしまいますが、選手自身は忘れないはずです。WY準優勝のメンバー達は、小野を横目でみながらせめて2006年と思う部分もあるでしょうし、五輪世代にとってはそれこそ戸田や、あるいは藤本の招集でさえ強烈なモチベーションになったはずです。

私が仮に名良橋の立場で、しかも『トルシエ革命』の記述とコメントを突き合わせてシニカルな仮説を立てるような性格でなければ(笑)、秋田の招集は強力なモチベーションになるでしょう。もし波戸が調子を落とし、広山がそれほどは信頼できないのなら、まあ明神や望月もいるとはいえ、経験が尊重されるのであれば、右アウトサイドに俺がサブ程度でも呼ばれる可能性は完全に0ではない、と考えますね。
もちろん、本来の私の視点からすると、名良橋が招集される可能性はそれでも低い。しかし第三者の私にとっては「可能性」であることも、本人にとってはすなわち「希望」です。他人の可能性を見積もることにくらべ、自分自身の可能性を冷静に見積もりきることは難しい。

広い意味での「人事」に関わるあらゆる立場の人間が直面する問題ですが、とりわけメトード・フランセーズでサッカー監督をやるということは、いわば「極限的な冷徹さ」をも持っていないといけないようです。『公式ガイドブックプレビュー号』のジャッケのインタビューは、色々な面で示唆的だと思います。

対空能力
 MJDE  - 01/7/6(金) 6:08 -

引用なし
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   最近忙しくてキチンと返事が出来ないまま、
秋田論争にちょっとだけ入ります。

私は理系で文章も下手なので要点だけ。

私は経験とかそんなオカルティック(笑)なもので
秋田が呼ばれたとは全然考えてません。
ただ単に、今のF3の最大の弱点(と思う)である
空中戦の補強として呼ばれただけで、
森岡の身長があと5cm高ければ呼ばれなかったでしょう。

攻撃能力、ラインコントロール能力・・・
トルシエなりの優先順位で選んだ選手達が、
2年経ってやっと使えるようになってきたけど、
依然として残った、いや、
使えるようになったからこそ目に見えてきた、
対空の弱さというリアル。
DFの裏に放り込まれる単なるハイボールの競り合いに
敗けないまでも、勝てない。

みなさんは今のF3の対空能力は今のままで
満足してますか?

あと
> よって、サイドの選手の起用に単独で突破することに
> 主眼を置いた起用をすることが求められるとは、
> ことトルシエ・ジャパンでのサイドハーフに限っても
> ぼくは全然思わないんですね。

とのことですが、私は全く反対意見です。
小野にしろ本山にしろ、単独で突破する能力があるから
相手にプレッシャーをかけて、DFラインを下げること
が出来る。味方が上がる時間を稼げる。
三浦もこのことに関しては毎回キチンと仕事が出来ている。

> サイド攻撃は速くなくては効果はうすれる。
> そして人がドリブルするよりもボールが走る方が断然速い

確かに、パスが出来ればそっちの方が速い事が
多いでしょうが、長いサイドチェンジ後など、
孤立している時に、一人で勝負する必要があると思います。

Re(1):もう少し展開を…
 glider E-MAILWEB  - 01/7/6(金) 15:13 -

引用なし
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   >実に感傷的で、秋田にしてみればたまったものじゃない話ですが、私が結構この仮説を気に入っている

うーん、お気に入りですね(笑)
実はぼくも、秋田の召集を知ってそのことを考えなかったわけじゃありません。
だから、最初のドラゴンさんのレスを見た時「あ、やっぱり来たか」とも思いました(笑)
誰か言うかも、とは思ってたんですよ。
まあ、ぼくは書かなかったけど、最初にパっと浮かんだのはそれなんですよね、実は。
ただぼくは、最初にパっと浮かんだことはまず消して考える、ってのがあって、後で可能性を
考え直した時にも、>「普通の議論」 を選択したわけです・・・
まあ、ドラゴンさんがおっしゃるように、真偽が判らない話ですね。
いつかトルシエが日本代表監督を退く時にでも、誰かジャーナリストが聞いてくれると
面白いですね。
kindさんに期待しましょうかね。

もうひとつ、『トルシエ革命』の中で、トルシエは中田のリーダーシップについての話で、
シドニーで中田にそれを期待したこと、でもそれは中田の哲学やスタイルとは違ったこと、
そのことを「私にとってこれはいい経験になった」と語っています。
そんなことから、そういった面での「実験」には、「個人的な意味合い」も
あるんじゃないかとぼくは思ったんですよ。

まあそれはさておき。

>単に「代表チームを強くする」だけでなく、それを支える日本サッカー全体に対する刺激にもなります。

トルシエも、
「ワールドカップでできるだけ良い成績を残すことが私に課せられた使命だ。
それはワールドカップまでに日本代表と日本のサッカーを、どれだけ進歩させられるかと同義だ」
と書いています。
>日本サッカー界への刺激と危機感を継続する、という視点
は見逃せないでしょうね。

ところで。
奈良橋、呼んでみたら面白いのに、とも思います。
今の奈良橋は昔に比べてもめちゃくちゃ動きの質が高いと思います。
技術は不足気味かもしれないけど・・・

『公式ガイドブックプレビュー号』
ってなんですか?普通に書店で買えるものですか?
トルシエは、22人に絞らなくてはいけないワールドカップにむけての最終選考を
「監督としてもっともつらい仕事」と言っているようですね。
フランス98では、「負けたら即時国外逃亡」を決めていたというジャケ。
どんな「極限的な冷徹さ」を持って世界チャンピオンの座を手にいれたのか・・・
興味をそそられます。
あ、でももしかしてフランス語?

Re(1):対空能力
 glider E-MAILWEB  - 01/7/6(金) 15:22 -

引用なし
パスワード
   ようこそ、MJDEさん。

さっそくですが

>私は経験とかそんなオカルティック(笑)なもので秋田が呼ばれたとは全然考えてません。ただ単に、今のF3の最大の弱点(と思う)である空中戦の補強として呼ばれただけ

そうですね。空中戦の高さ、強さ。
それはぼくも書きました。トルシエはセットプレイを重視しています。
「どうも日本ではセットプレーに対する認識が低いような印象を受ける・・・モダンフットボールにおいては
セットプレーの重要性が以前にも増して高まっている。監督は誰でもセットプレーの練習
(攻撃と守備の両面で)に時間を費やす。戦術的な効果が最も現れやすいのがセットプレーであるからだ。
アメリカンフットボールがそうであるように、である。アメフトの戦術が高度で多岐に渡るのは
アメフトというスポーツがすべてセットプレーから成り立っているからに他ならない」
と『トルシエ革命』の中では語っています。
空中戦の高さや強さは、その面からもどんどん高めて行かなければならないでしょう。

しかし、同時に「経験」の重要性もくり返し述べています。
ピッチの中での経験は、具体的なスキルに関してのディティールであり、1対1の戦い、
駆け引きにおいてはそういったスキルが有効なのだ、と。
そしてさらに重要なのが、「ピッチの外での経験」であり、それは試合の中での状況判断、
時間空間の枠組みの中で、「自分達」が今どういった状況の中にあるか瞬時に把握し最善の
選択、決断を重ねて行くこと、個人のプレーでもチームとしてどう戦って行くか、を的確に
決めて行ける能力能力であり、そこには「人間的深さ」が求められる、と名波の例などをあげながら
述べています。「サッカーは成熟した大人のスポーツである」「サッカーでは人間性も重要」と。
そのへんは、ぼくはまったくもって賛成なんですね。
経験という要素は、決して「オカルティックなもの」じゃなく、具体的なものです。

また、これも前にも書いたけど、ピッチの外でのチームのまとまりがピッチの中に及ぼす
影響の強さという面があります。
マリナーズのルー・ピネラ監督は、そのことを「監督としての仕事で最も重要なこと」としています。
トルシエもまた、そういった面に大きな比重をかけます。
そういった面で果たす「ベテラン選手」の好影響、ということは決して無視してはならないと思います。

それと・・・

>小野にしろ本山にしろ、単独で突破する能力があるから相手にプレッシャーをかけて、DFラインを下げることが出来る

ぼくは、小野だから単独突破しなくてもいい、と書いたことは一度もありません。
小野も、必要な時にはそれもしないと相手に怖さを与えきれないと思うし、小野は自分自身が
「アタッカー」になることをもっとしないといけない、と思ってもいます。
コメントを見る限り、小野自身もそれはわかっているようですし、小野の能力からそれほど心配はしていませんが。
あのレスは、サイドの選手の起用に関して、そこに主眼を置いた起用、そこに第一義を置いた起用をする
必要性があるのかどうか、に関してのものであり、ぼくの考えは「否」である、ということです。

『公式ガイドブックプレビュー号』
 緑龍  - 01/7/6(金) 18:46 -

引用なし
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   ▼gliderさん:

>『公式ガイドブックプレビュー号』
>ってなんですか?普通に書店で買えるものですか?
>トルシエは、22人に絞らなくてはいけないワールドカップにむけての最終選考を
>「監督としてもっともつらい仕事」と言っているようですね。
>フランス98では、「負けたら即時国外逃亡」を決めていたというジャケ。
>どんな「極限的な冷徹さ」を持って世界チャンピオンの座を手にいれたのか・・・
>興味をそそられます。
>あ、でももしかしてフランス語?

これは2002日韓の『公式ガイドブックプレビュー号』ですよ。本屋で買えます。講談社、5月23日発行、本体1238円。あくまで前大会優勝監督としてのジャッケのインタビュー。
その中でジャッケは、トルシエのやり方を『まさにフランス流のやり方』『フランス人監督のスペシャリティー(特性)』と評した上で、
『具体的には選手をメンバーから外してみたり、選手の組み合わせを変えてみたり。とにかくチーム内にライバル意識をもたせることが重要になってきます。
 確かに人の気持ちを揺さぶるようなことをするのは、気持ちのいいものではありません。でも必要なのは、チーム内につねに緊張度の高い雰囲気を作りだすということなのです』
と語っています。

つまり、ジャッケ、トルシエ、ルメール、ルシャントルといったフランス人監督達がとっている手法は、当然それぞれの個性はあるでしょうが、こと「チーム作り」に関しては80年代前半以来のクレール・フォンテーヌにおける指導理論に基本的には従っているのではないかと思われます。それがアヤックスを一つのモデルとしていることも考えられます。
ヴェンゲルの場合は世代的にも、クラブ監督という意味でも少々違うかもしれませんが、絶えざる新人発掘、クラブハウスの施設といったインフラの整備を重要視していることなど、やはり大きな意味でのメトード・フランセーズに思えます。あるいはジェラール・ウリエも。

こうした育成と一体になったやり方は、一方で短期間では結果が出にくいという欠点があるでしょう。協会が経済的に破綻寸前かつせっかちで、内部分裂の激しいアフリカ大陸にはかえって不向きですらあるかも知れません。実際ピエール・ルシャントルは、カメルーン監督になったり解雇されたりの連続です。彼はアフリカ選手権に優勝させたあと退任し、後任のアコノ監督が、シドニーで五輪組を優勝させてからWC予選で少々足踏みしたところで解任された後呼び戻され、コンフェ杯GL敗退で今度は解任。
しかし、単に「誰かフランス人がずっと代表監督でいるかどうか」を別にすれば、カメルーン・サッカーの躍進は、ロジェ・ミラ〜エムボマという系譜だけでなく、クロード・ルロワ〜ルシャントルというフランス人監督の系譜としても捉えることが出来ますし、アコノ監督もそれに学んできたはずです。ブルキナファソでは、トルシエの後にベルギーのテールマンを呼び、その解任後は、トルシエの下でコーチを務めた2人の同国人による二頭体制を選択しました。
つまりメトード・フランセーズの実効性は、フランス代表やトルシエ、プレミアにおけるフランス人監督の成功などだけでなく、その時にフランス人が監督をしているかどうかに関わりなく、カメルーン、セネガル、モロッコといったフランス語圏のアフリカ諸国が、各世代でどの程度安定した成績を残していけるか、によってもある程度検証することが出来るでしょう。

もちろんこれはフランスだけではないので、オランダのヨンフレールによるナイジェリアの五輪金メダルなどもそうですが、「アフリカ勢の躍進」は一面では「欧州的育成・指導の躍進」であるといってよく、それがアフリカ特有の経済的・民族(紛争)的側面に制限されながら進んでいると考えられます。一方、先日の対パラグアイ1.7軍戦や、コンフェ杯の対ブラジル戦、韓国の対メキシコ純国内代表戦などにもみられるように、「強者としての南米とは、要するに欧州リーグ在籍の南米選手である」といってもいいような状況にも拍車が掛かっています。つまり現在のサッカー勢力図は、いかにして欧州に学ぶかあるいは欧州を利用するか、という様相を呈しているといってもいい。

現在のアルゼンチンは、リーベルとボカを頂点とした国内リーグがすでに十分「南米際的」であるということに加え、特にイタリア・スペインとの歴史的な太いパイプの影響もあってか、実に理想的なかたちでセリエとリーガを利用しています。バティ、クレスポ、ヴェロン、アイマール、リケルメと、同国の才能は早くから欧州リーグによって見出され、育てられ、最終的な仕上げをされて代表へと環流します。ブラジルは何でそれがうまくいってないのか、というのはちょっと判りませんが(笑)、もともと南米で最も欧州的な国ではあります。
ところが、こうした構図を欧州自体のなかで探すと、それはやっぱりまずはフランスなのですね。フランスリーグのレベルは欧州トップではないにも関わらず、同国の才能は、ただちに四方に位置するセリエ、リーガ、プレミア、ブンデスに吸収され鍛えられる。自身が欧州の中央に位置しながら、欧州を利用する面でもフランスは、少なくともオランダを追い抜きつつあるわけです。

日本の場合、明治大正期以来の交流もあってブラジル・サッカーの影響が強かったわけですが、プロ化とある程度自力で行ってきた育成システムの整備、そして安定した経済と政情という点を生かせば、短期間にアフリカのトップ・グループに肉薄することも不可能ではないと思います。
フランスを現時点での頂点とする欧州に育成・戦術面で学び、一方選手移籍という形で欧州リーグのトップレベルを利用しつつ、ブラジルのスピリットとテクニックの吸収を続け、お隣の韓国のフィジカルや競争心と常に切磋琢磨する、という理想的な構図が、徐々に形成されつつあります。
これは、日本が上ばかり見て下を見ることをおこたらない限り、つまりベトナムやタイをはじめとする近隣諸国のサッカーに対しても「強敵の育成」という態度でのぞむなら、東アジアのサッカーにおける真の「盟主」としての地位を約束してくれるでしょう。

ああああ、ぶち上げてしまったな(笑)
私の場合、最初にあるいは勢いで浮かんだことは、すぐに書くかどうかはともかく、消さないんですよ。だってプロでも何でもないし(笑)

Re(2):あえて片手落ち
 kind E-MAIL  - 01/7/6(金) 21:24 -

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   なげー(笑)。10時に図書館閉まるってのに
これはちょっとムリっす(笑)。また明日までに
脳味噌フル回転してレスを考えてきます(笑)。

>純粋に戦術的な部分ですか・・・あんまり切り離してもしかたがないとは思いますが、あるでしょうね。
>たまたまそれが秋田であった、という部分と、秋田だからこそ呼んだ、という両面から考えるべきと思います。

キモに命じます。

>いずれにせよ、力作をお寄せ下さってどうもありがとうです!
>読みごたえがあって、考えがい、書きがいがありました。
>感謝いたしております。

gliderさんにそう仰っていただけるのは光栄です!こちらこそ
長ったらしい文章に対し要点を抑えた読解、反論をしていただいて
感謝してます。ルモンドの反論はいまいちだったんで(ナイショ)、
嬉しいですね。

もうひとつーテストマッチの見方のひとつとして。
 glider E-MAILWEB  - 01/7/7(土) 12:17 -

引用なし
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   > コンディション劣悪のパラグアイに何が出来たから、そしてそのパラグアイに完敗したユーゴに何が出来たからといって意味があるとは思えない

もうひとつ、言っておきたいのは今回のパラグアイはそこそこ力のあるチームだったと言うこと。
フル代表の完全なレギュラーは、チラベル、カニサ、エンシーソの3人くらいだけど、
他の選手もほぼ代表グループの常連であり、中でもガビラン、クエバスは期待の新星。
フェレイラは、リベルタドーレス杯でも活躍したセロポルテーニョの文句なしの司令塔。
ガビラン、カセレスはわざわざヨーロッパから呼ばれた選手。
南米予選を戦うチームと同じ戦術をきちんと消化し、マルカリアン監督は「スピードではこっちのチームの方が上」
と自信をみせるチーム。パラグアイは、アジャラ、ベニテス、アクーニャらの後に続く世代の
強化を重要課題にして取り組んでもいて、そういう意味でも「期待のチーム」でした。
そして、サイドを使ったカウンターアタックが得意なパラグアイの左サイドのカニサは
南米予選のチームの左サイドのプレイヤー。

それでも、このパラグアイが「本気のパラグアイ」であるわけではない。
それほどコンディションが劣悪だったとも思わないけれど、
やっぱりアウェーの、テストマッチでの戦いなわけです、当然。
W杯の予選と同じように準備もして戦ってくるわけじゃない。
そしてそれは、日本もやっぱり同じですね。
日本代表もまた、テストマッチ(大会だけど)として、個人でもチームでも課題を持って取り組み、
そのテーマに沿って、試合をしているのです。
そういう所を予想し、観察し、発見し、やろうとしていることと現在の段階のギャップを見て、
試合後の選手のコメント等と照らし合わせ、チームの状態や先々を推察するのも楽しみのひとつです。
「何ができたか、できなかったか」は、そういう面からみるべきものであり、
むろん相手の状態次第ということはつきものですが、まずは相手がどうであれ、
チームとしてはどうであったか、どういう段階なのか、が重要。
そういう意味では、日本代表はまだ先のあるチームだ、ということがわかったキリンカップでした。
そして、その自覚もあるチーム。当たり方ひとつ取ってもサンドニの時とはえらく違う。
本人達はマスコミが言うように「できあがった」なんてこれっぽっちも思っちゃいない。

ユーゴは、けっこうヒドかったけど、それでもあの「ユーゴ代表」を途中から完全に
「動くコーン」のようにして自分達の練習をする日本代表を逞しいな、と思いました。
余計な楽観視も悲観視も無用、とぼくは思うし、指摘すべき所はし、できていることは認めて
応援して行くのが良いと思います。時には「いいぞ!」ということも必要。
課題を持って「自分達の練習」をした代表を、ぼくは誉めたい。
いたずらに勝敗ばかりに左右されず、そういうことはどんどんやって欲しいから。

Re(1):もうひとつーテストマッチの見方のひとつと...
 kind E-MAIL  - 01/7/7(土) 13:55 -

引用なし
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   すいません、レス書いたフロッピー忘れました(汗)。えーと、とりあえず例の
「ラインブレイク云々」の前に説明が不足しており「コンフェデ、キリン杯を
通じての感想」と受け取られかねない書き方をしたことの反省、その上で
自分としてはボランチに割く人数は2枚が限度であろうということ
(前線へのプレッシャーの掛け易さ)、5バック気味に守る現在のシフトでは
縦への推進力が絶対に必要だということ(事実5バック気味になった布陣で
日本はまったく決定機を作り出せていない)、その為には3バックに
カバーリング能力に長け、単独でのボール奪取が可能な人材が必要になる
であろうということ・・・

等々を書いてきたんですが(汗)。月曜までまってくださいまし。
えーとそれまでこちらにレス。

>もうひとつ、言っておきたいのは今回のパラグアイはそこそこ力のあるチームだったと言うこと。

>それでも、このパラグアイが「本気のパラグアイ」であるわけではない。
>それほどコンディションが劣悪だったとも思わないけれど、
>やっぱりアウェーの、テストマッチでの戦いなわけです、当然。
>W杯の予選と同じように準備もして戦ってくるわけじゃない。
>そしてそれは、日本もやっぱり同じですね。

異論アリです。チームとして、ボールホルダーが持った瞬間の周囲の動き出しの早さと質、共有するイメージ、すべてにおいて継続性に欠けていたように思います。チームとして有機的な攻撃が出来たのは前半の数回だけではなかったでしょうか?「どの程度強いのか」などという議論は水掛け論になりそうですが、いずれにせよ「強いチーム」でないことは明白。それに、向こうはW杯予選という「本番」がある上での「テストマッチ」でも、日本にとっては違う。日本には「本番」はW杯本戦までない。だからこそ僕はあと5試合「強いチーム」とのアウェイ戦を組んで欲しいのですね。この程度の相手で何が出来たと言っても、それが本番へ向けた調整の一環に成りうるのか、あまり楽観視は出来ません。

この試合で確認できたことは、小野がある程度フリーになれば極めて精度の高いパスが供給できること、中田浩二ー森岡ー松田のF3では高い位置でフラットになりきれずオフサイドラインが後退してしまうこと、松田のマンマークはそこそこ安定してきたこと、柳沢の一瞬の動き出しは世界レベルのものであること、など玉石混合の様相を呈していたように思います。

とはいえ、やっぱりパラグアイの組織的な攻守は継続して観られず。1点目はDFが三枚居ながら全員柳沢の動きに置いて行かれているし、小野へのプレスも甘い。2点目は小野と森島のコンビから柳沢の上手い動きだしで取った点ですが、DFラインの統率がバラバラだったことも一つのポイントでしょう。フラットにするのか、スイーパーが柳沢を観るのか、どっちつかずのポジショニングをとったカニサのお陰で裏に決定的なスペースが生まれた。その割には、そんなパラグアイ相手にもガビランとフェレイラに二人でカットインされて川口を破るアウトサイドシュートを放たれるなど(柳沢の2点目直後のシーン)、決して「完勝」といえる内容ではない。テンションやコンディションがこれだけ違う相手とやって明白な差を示せないようではまだまだ楽観は出来ないですね。


まあ、選手達はまったく楽観していないようだし、それだけは非常に良いことなのですが、この程度の相手とは絶対に当たらないのがW杯本戦。もう数試合、あのサンドゥニやコルドバのような極限状況に置いてやって欲しいんですよね、僕としては。ああいう試合を経験し、世界レベルとの差を肌で感じることこそ進歩への早道。幸い、稲本も小野も川口も海外移籍するようだし、欧州での試合にはすぐ駆けつけられる。協会の交渉の腕の見せ所だと思うんですけどねー・・・・。どうせやんねーだろーなー。


>応援して行くのが良いと思います。時には「いいぞ!」ということも必要。
>課題を持って「自分達の練習」をした代表を、ぼくは誉めたい。
>いたずらに勝敗ばかりに左右されず、そういうことはどんどんやって欲しいから。


そういうことはgliderさんにお任せした方が良さそうです(笑)。僕は基本的に性格歪んでる方なんで・・・(笑)。こんな奴が大手振って大通り歩くのはあまり良いことではないだろうし(笑)。

つーことで、レス月曜までお待ち下さりませ。

Re(2):もうひとつーテストマッチの見方のひとつと...
 glider E-MAILWEB  - 01/7/8(日) 4:22 -

引用なし
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   日曜、月曜と仕事(もう今日じゃん!)と仕事なんで、月曜のレスのレスは火曜以降になると思います。
別にいつでもいいっすよ。急ぐ必要はないんで、ゆっくりどうぞ。

>いずれにせよ「強いチーム」でないことは明白。それに、向こうはW杯予選という「本番」がある上での「テストマッチ」でも、日本にとっては違う。

別に弱くはないですよ。あのパラグアイ。
でも、向こうには向こうの事情があるんであって、「もっと真剣にやってくれ」たって
仕方ないし、こっちだってそれほど真剣勝負してたわけでもない。
テストマッチなんてそんなもんです。

パラグアイ戦も先制点を取るまでは御指摘の「ボールホルダーが持った瞬間の周囲の動き
出しの早さと質、共有するイメージ」もちゃんとしてた。良かったと思いますけど。
その後、明確にペースを落とし、テンポもずいぶんノロくなるけど、あれは狙い。
はっきりわかりすぎるくらい、あからさまにやってる。
そして、はっきりとした追加点のチャンスにはちゃんとみんな動きだしてる。
そういう所を意識的にやるようになったことこそを認めなければならない。

キリンカップではコンフェデで明らかになった攻撃の弱点、遅攻になると形にならない、
って所をなんとかしようとしていたと思うし、試合の流れの中でのペース配分にも気を
使ってやってたわけだし、みんなJリーグの疲れもあって、そんなガンガンくる相手でも
ないし、でそういうふうにやってた。
「遅攻になった時の構成力」や「流れの中でのペース配分」は前からあった日本の課題
であり、ある程度試合をコントロールできている状況の中で、いつもなら早く縦に入れ、
スペースに動いてカウンター気味に優位を作る、って時にも「あえて」戻して組み立て直す、
ってことをさんざんやってたと思うし(たいくつだったけど)、
まだまだそれがうまくできないのは今の状態ではしょうがないと思うし、別に心配もない。
特に相手のデキが悪すぎたユーゴ戦なんかはその傾向が顕著に出てた。

「テスト・マッチ」に常にベストの状態で90分フルに力を出すことを望むのは決して
正しいと思わない。時間的なチームの段階があり、チーム作りがあり、「調整」があるんですよ。
だから、ポルトガルはフランスにアウェーで4ー0で負けたって、たいして騒がない。

本番まであと1年、今から極限状態を作る必要性もあまり感じません。
ジャケも言っているように、「チームは生き物」であり、ピークは本番に合わせなくてはならない。
10月の欧州遠征があり、来年にはまた出かけても行くだろうし、コンディションを
うまく調整しながら、チーム作りを一歩一歩着実に進めて行くしかない。
今、どういう状況なのかどの段階なのか、を見極めない批判は、チームにとっては単なる
「雑音」になってしまう。去年のマスコミがそうだったように。
必要な時に、ちゃんと批判も聞いてもらうためには、良い時には良い、今はそういう段階
で、やっていこうとしていることはわかった、と言うこともしなければならないとぼくは
思うし悪い方にとってあげつらってもしょうがないと思う。
「南米予選2位チームのレギュラー」カニサにさえも中途半端なポジションを取らせた、
のが小野と柳沢のコンビネーションなんだから。

遅レスのうえ長いです(笑)、すいません。
 kind E-MAIL  - 01/7/10(火) 17:13 -

引用なし
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   さーて、どうやってレスを付けたら良いものやら(笑)。

ええと、色んな部分で補足、加筆訂正が必要ですね。僕の主張が何か今一つ伝わっていず、その理由を考えるに、自分の中での起承転結、その「起」と「結」の間が今一つ不明瞭かな、という気ががします。こりゃー、youkooさんにも謝罪しなきゃいけないかもなー。まず、このくだり。

>>しかし、フランスにズタズタにされた試合以後、トルシエは考えを改めた。前線からのプレスが機能しない場合、F3はそもそもフラットになれない。後方から精度の高いパスを供給され続ける相手に対しては当然ながらフラットには出来ず、裏へのスペースをケアしてブレイクせざるを得ない。要するに「ラインブレイクする」頻度が多くなる、もしくは「CBがサイドに張り出して対応しディレイ、同一アウトサイドもしくはボランチのフォローを待ち、中をCB二枚と逆アウトサイドで組む(この3人でフラットラインを形成する場合もある)」ことが多くなる。

>ここはぼくはまったく違う感想を持っています。
>まず、フランス戦以降に「負への早めのラインブレイクが増えた」ことはまったくない。
逆に、オフサイドトラップを多用するようになっています。

僕も同様の感想を持っています(笑)。つーかですね、僕の挙げたシチュエーションは上記に書いた通り「後方から精度の高いパスを供給され続ける相手に対して」なのですね。例えばフランス、例えば強いときのブラジル、アルゼンチン。技術的問題あるいは布陣の問題として前線からのプレスが効率的に掛からず「高い位置、良い位置でのボール奪取そのものが不可能・望み薄、となった場合日本はどういう布陣を組むべきか」というテーマからこの文章は出発しているつもりだったんです。どうも、「コンフェデ杯・キリン杯を経てどういう感想を持ったか」という文脈で捉えられかねない書き方ですね。申し訳ありません。

で、僕は「そういう場合5バック気味にして中央にF3を残す」とかそういった守り方では明らかに「駄目だ」という感想をもっているのですね。というのは、確かにこの守り方ならある程度は守れる。サイドでディレイを掛けパスコース限定、F3がフラットになることにより裏へのボールをオフサイドに追いやり、中央ボランチ或いは3バックスいずれかがパスカットをしやすくするディフェンス。同時に、ガツガツドリブルでサイド突破を試みてくるチームに対しても、サイドハーフとボランチ或いは3バックがサイドに張り出して守る、と。スペースをケアしながら同時に人に対してもプレッシャーを掛けられる、なかなか高度なディフェンスだと思いましたね。

でも、この守り方をした試合で日本は得点出来たでしょうか?スペイン戦、コンフェデ杯ブラジル戦、フランス戦。得点はおろか、決定的なチャンスすら殆どゼロだったのではないでしょうか。

もちろん大敗したフランス戦から僅か3ヶ月と少ししか経ってませんし、チームも選手も劇的に変わるなんてオカルティックなことは望みません。が、結局日本は今の配置のままでは「守れるけど攻められない」状態は変わらず、ということでしょう。守れるけど攻められない、それは即ち攻撃がシュートで終わらない、ターンオーバーの繰り返しで守備の機会が長くなる、消耗の度合いが烈しくなる、やがて集中力が切れ失点、その失点を返せずにゲームオーバー…そんな予定調和に陥るものだと考えます。

で、そこから僕のアレックス、両サイド「縦系」待望論に繋がる訳です。今後のため、gliderさんに是非とも共通理解を求めさせて戴きたいのですが、僕はgliderさんのおっしゃるような「状況に応じて色々出来なくてはならない」ことは「勿論」承知です。「縦系」だからといって「縦突破ばかりやっている」と捉えることは勿論していないです。今後、その手のご心配は無用です(笑)。

アレックスほど個人技術に長けた選手なら、「5バックになって守っている」トルシエの組織に容易にアジャストできると考えています。彼の持ち味は、縦へのスピード・緩急あるドリブルワーク、ターンの切れ、インサイドへの切れ込み、振りの早くおそらくは筋力的にも強さがあると思われるキックからの、ハイスピードボールでのサイドチェンジ、左サイドを縦突破して、相手マーカーから遠い方の足で蹴る精度の高いクロスボール。特に彼のサイドチェンジは小野ほど正確かどうかは判りませんが、「逆サイドのスペース目掛けて蹴って波戸を走らせる」ためには十分と考えます。

そして、「縦への動きを得意とし、縦へ抜け出すことの『多い』」アレックスがサイドを務めるとなれば、彼が「単独で」深い位置まで持ち込んでクロスを上げたりするシーンは、小野が務めている現在のチーム、俊輔が務めていた3月までのチームに比べ格段に増えるものと思います。それは、彼の持ち味を活かそうと思えば、「小野よりも」ポジショニングは恒常的にサイドに張り気味になり、ボランチとの連携で「外側から」崩していくシーンが増えるからと。小野のように森島や稲本に預けて「中へ」切れ込んでいくよりはむしろそちらの方が多いでしょう。中に切れ込むことを「やらない」訳では勿論ないですが。

で、そうなると、彼が小野以上に高い位置、否、「3バックよりも遠い位置」でプレーする機会はかなり多いと思うんですよね。

>上村や秋田の召集は、やはり中沢と同じ文脈で考えているのだろうと思いますね。

>秋田に関しては、何よりも「ベテラン」としてチームに与える効果がいかほどか、ということがあり、(そのことが「もう一回グループの中」という言葉にもなっているとも思う)一石二鳥としての信頼に足るDFのバックアップ探し、という意味合いでしょう。
>上村、秋田、宮本と呼び、「探している」ことには違いないだろうと思いますが、考えを改めたとは思えない。ぼくは、先にも書いたことから、中沢はともかく上村、秋田では、スピードが足りないと思うし、中盤でプレスがかかりきらない場合には、逆にバックが正のラインブレイクをして出所にファーストプレッシャーをかけ、SHやDH等が後ろや外をカバーするようなこともやらないと(コンフェデ杯以降では、森岡と戸田、中田浩二と小野などの間でそういうプレーも見られはじめてはいるが)相手にとっては楽で、守備組織全体のスピードとしてもこちらは遅れがちになり、後手になり、攻撃への切り替えも難しく、コンパクト・フィールドを作るのも困難になり、自分の首を自分で絞めることになる、と思うので反対です。

この部分に対して一気にレスです。

ベテランの効果はともかくとして、「バックアップ」には異論アリですね。バックアップ探し、なんてとうに終わっているものではないでしょうか。トルシエは何年日本の監督をしているか。3年ですよ?3年あって、日本に居る有力選手達の実力のすべてを把握しきれていないなんてちょっと考えられない。「門は10%開かれている」とトルシエは言いますが、それは「まだ未招集の、主に若い選手たち」、藤本・広山・服部公太あたりに向けられたもので、「3年近く干していた」「自分の現役の頃のような古いタイプのDF」にはあまり関係ないのでは。

トルシエのコメントを額面通り受け取るなら「彼が今のチームでもう一度やれるかどうか見たい」ということですが、僕はそれを「迷っているのだ」と受け取れるとも考えます。それは、CB単体として「強さ」の評価をする場合、松田・森岡・中田浩二らと秋田とは「比較にならない」からです。文字通り秋田が「大幅に上」だということだし、そもそも「DFとして持つスキルの種類が違う」、と。

端的に言えば、僕は「秋田がトルシエの組織に、トルシエの要求通りの形でアジャストするなんて考えられない」んですね。秋田が「後方から精度の高いフィードを放ち、狙い、機を見てサイドを駆け上がる」シーンなんて想像を絶します(笑)。が、彼が「フラットラインの一角を担い、早めの『正の』ラインブレイク(負のラインブレイクはなるべくならやりたくない、ご指摘の通り彼にはスピードが足りない)から相手ボールホルダーに的確なディレイを掛けること」は十分に考えられるんです。秋田は、そのあたりのディフェンススキルは森岡より遥かに上です。加えて、彼には今のチームの選手には殆どない「W杯でプレーした経験」がある。

つまり、こと秋田に関しての招集は、例えば宮本、例えば中澤、例えば上村といった選手とは実はまったく趣きを異にするのでは、とすら思うんですよね。誰と同じ文脈でも捉えられない。どなたかが「ディフェンスのスーパーサブ」なんて言い方をされてましたが、一理あるかも知れません。

まあ、今後の動向に注目しますが…

>ボールを持たない選手の裏のスペースへの走り込みに対してマーカーをつけるのならば、
フィジカル系の選手よりもスピード系でしょうから。

そうでしょうね。イメージとして、秋田が右CBの位置で早めの「正の」ラインブレイクからサイドに張り出した場合、アレックスが一時的に左CBの位置を担当することもあるでしょう。逆もまた然り。

遅レスのうえ長いです(笑)、すいません(2)
 kind E-MAIL  - 01/7/10(火) 17:13 -

引用なし
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   >>フランスやスペインのような国々との対戦では、3ボランチでサイドのサポートを厚くせざるを得ない

>これも反対意見を述べざるを得ない。
>フランス戦でもスペイン戦でも、名波にしても伊東にしても与えられていた役割はまったく別です。彼等はサイドの守備をサポートする「DH=ボランチ」として起用されたのではなく、
広い活動範囲を持って中盤での守備もでき、攻撃に切り替わる時には低い位置からでも
組み立てられ、その視野で長いパスも出せ(伊東?)、効率よく攻守に働ける「バランスのとれた」MFとして起用されただけです。そういうケースにトルシエが出した結論は、「3ボランチ」でサイドに厚いサポート体勢を築くことではなく、サイドに強さと守備技術のある選手を配すること、守備に広い選手をひとり置く(戸田)こと、だったようです。

反論に反論です(笑)。2トップでなかった理由とは何の関連性も無いように思います。「前を削って」3ボランチで中盤を厚くする理由は「相手の中盤構築およびサイド攻撃に対処するため」であり、それ以上でも以下でもないでしょう。名波の動き、伊東の動き、戸田の役割は承知ですが、「1トップ3ボランチ」が「2トップ2ボランチ」より「攻撃的に行くための布陣」であるとはとても考えられない。明らかに「まず守備、具体的には中盤での組織によるディレイありき」の布陣と考えます。トルシエは「前からプレスを掛けに行っても奪えないから中盤で」と考えたのでは。もっとも、僕はちっとも守り切れそうには思えませんでしたがね。

とまれ、フランスやスペインなど強力なサイドアタッカーや中盤を持つチームに対し、「小野や中村を起用する場合に」3ボランチにするのは、「まず人数を掛けてボール奪取した後」近い位置から伊東、森島、稲本らが素早くサポートに入り、中距離からのパス交換やクロスランからのスイッチを経て「高い位置に押し出してやる」ことを目的にしたものであると考えます。

>>今迄の「右アウトサイドに『横 』にズレるDH系の選手を置く」やり方を覆し、『縦』への波戸を右に置いたのは、広山などの縦系を同サイドに置きやすくするのみならず、左サイドにもアレックスや本山といった「縦」系を置き、最終的に両サイドを「縦」に動く突破系にしたい、少なくとも「そういったオプションを持ちたい」という意図があるのではないか?と推測する。

>羽戸の起用に関しては、上で述べました。彼は「縦の突破」を一番に期待されて起用されているのではないだろうと。明神にしてもその意図に大差はない。
彼もまた4人目のDFになりうる能力と、プラス戸田がいなかったこれまででは(例えば名波と稲本の時など)右サイドに配されていても窮地に際しては中盤の底でファーストプレッシャーを掛けてまわれる能力などを買われてのこと。

承知ですよ、勿論。ただ、その優先順位は、ぼくはgliderさんとは逆に考えています。波戸の縦突破は「裏のスペースで受けても」「ボールを持った状態」でも可能です。でも、明神は?彼には「ボールを持った状態での」スピードも、ドリブルで仕掛ける能力も無い。

右サイドからの「攻撃」へのてこ入れをするには、波戸は最適のキャラクターだった。明神と「同じ役割」を期待されているというのなら、スペイン戦以後明神が完全にポジションを奪われているのはおかしなことです。波戸が「明神にないもの、縦へ持ち上がる能力」を持ち、且つ「明神に期待されていた能力を遜色なく持っている」ということの証左ではないでしょうか。

>思うに、「縦系」の選手ってどういう選手でしょう?

縦への突破が持ち味の、縦に抜け出すことの多い選手。小野が縦系の選手ではないように、アレックスは「横系」ではない。彼ら二人が同じプレーが出来る訳ではないですから、そういった分類を一概に無意味とすることには反対です。ぼくは「便宜上そう分類したら判りやすい」から「縦横」のタームを使っているに過ぎず、

>羽戸にしても、「縦の突破」ばかりでは、すぐに読まれる。手詰まりになる。
J2じゃあるまいし、そんなことはわかりきったことです。
中と有効に絡みながら、臨機応変に攻撃方法を選択していかなければ、縦にえぐったって
まるきりの無駄です。縦に突破してセンタリング上げるだけなら、適当に相手して遅らせといて中へ入ってくる方をきちんと捉まえておきゃいい。
これから対戦する強豪相手に空中戦で日本が優位にたてるともあまり思えないし。
フローとか、mitsuさんとか(笑)、2mの選手がいるわけじゃないですからね。
そうではなく、そこからさらに入りこんできたり、ドリブルして外から抉ってきたり、パスを使って崩してきたりもするから脅威になるのであって、「縦の突破」だけで仕舞いなら、しかも個人の走力だけに寄るものならなおさら、気をつけるべきはカウンターの場合だけになります。

当然です。例の「当たり前」というターム、使いましょうか(笑)。ぼくはそんな「プロレタリアート」は嫌いですし、もう流行らないでしょう。

>ピレスにしろデュガリーにしろ、ぼくは「縦系」のサイドのスペシャリストとは思わない。
彼等は「FW」です。縦系とかパサーとか、そういう分類に意味があるとは思えない。
「受け手」「出し手」も同じ。その時々で両方になれなくては半人前。

そう。故に小野は「半人前」です。スピードを伴った単独突破が出来ないから。それはアレックスも同様で、「効果的な中盤参加が小野に比べると出来ていない」から。ただ、「低い位置でボールを奪い、前線へのサポートが十分でない場合に速攻を仕掛ける、仕掛けざるを得ないシチュエーション」に当て嵌めると、僕はアレックスを起用する方がよりチャンスに繋がると考えます。

>足が速いのも、ドリブルが上手なのも、良いパスを持っているのも武器のひとつであって、
どこのポジションだろうとどちらにかに優位性があるわけではないと思う。
チームとしてそれを生かせる時に生かせれば良い。うまく役割分担して工夫すれば良いこと。

上記してきた通り、僕はgliderさんのこのご意見とはまったく違う立場ですね。「プレーする位置」が「低いことが多くなる」のなら、足が速く縦への推進力を持っている選手の方が、「極上のパスセンスを持ちながら縦へのスピードに欠け、スピードある個人突破が出来ない選手」よりも有用であろう、という考えです。

>ちなみに本山は「縦系」ではありません、全然。センタリングの精度にあまり自信がない彼はどちらかと言えば中へ入ってくる方が多いし、ペナルティエリアの前では人を使うことも多い。

彼は僕の中でも「全方位型」です。各試合トピにgliderさん宛てのレスを返しましたが(サイドアタッカーの話のときですね)、その時に明記したと思います。

>次に、同じくユーゴ戦の前半13分。
敵陣内サイドライン際で稲本からのパスを受けた小野は、ダイレクトで自分の前方へ。
走り込んだ柳沢はこれまたダイレクトでゴールラインからセンタリング。
中には3対2で鈴木と森島がいましたが、ボールはキーパーがキャッチ。
例えば、この時小野が三浦で、ダイレクトパスではなく縦へのドリブル突破をしかけていたら?
柳沢はゴール前にいたかもしれません。でも相手のDFも、あと2人くらいいたでしょう。
サイド攻撃は速くなくては効果はうすれる。そして人がドリブルするよりもボールが走る方が断然速い。突破に時間をかけて中の人数を揃えられてしまうくらいなら、早めにクロスを入れた方がマシ。駆け上がるスピードに目が行きがちだけど、ぼくはそれよりもキックの精度の方が重要度が高いとも思う。

それは別に小野と「縦系」の比較というよりは「判断ミスをしたか否か」でしょう。別に「縦系一般」がそういったシーンですべからくドリブル突破を挑む訳ではない。「インテリジェンスに欠ける選手一般」がそういった判断ミスをするものと思います。ゆえに、そのシーンで縦系より小野の方が良い、といった結論を導き出すことはやはり出来ないですね、僕は。

さらに、人が走るよりボールが走る方が速いのはそのとおりですが、「ボールが走っていく先に人が居ない、少ない」状況が頻繁に起こるのであれば、人がボールと共に走らざるを得ないことだってあります。

>それと、現在の配置構成では、例えば左サイドにアレックスを置くのは難しいと思います。
それをやるなら、例え森島でなく中田を選択するにせよ「最低2枚のDH」は置けないし
(そもそも稲本はDHとは言えないが)アレックスが名波や小野のような構成力を身につけないかぎりは、やはりオプショナルな起用ということになるでしょう。

アレックス   中田英     波戸
    
      戸田   明神

で十分可能ではないでしょうか?名波―戸田が可能なら尚嬉しいのですが。


つ、疲れた…(笑)。とりあえず、こんなところです。

Re(1):遅レスのうえ長いです(笑)、すいません(...
 glider E-MAILWEB  - 01/7/11(水) 5:10 -

引用なし
パスワード
   >しかし、フランスにズタズタにされた試合以後、トルシエは考えを改めた。前線からのプレスが機能しない場合、F3はそもそもフラットになれない。後方から精度の高いパスを供給され続ける相手に対しては当然ながらフラットには出来ず、裏へのスペースをケアしてブレイクせざるを得ない。要するに「ラインブレイクする」頻度が多くなる、もしくは「CBがサイドに張り出して対応しディレイ、同一アウトサイドもしくはボランチのフォローを待ち、中をCB二枚と逆アウトサイドで組む(この3人でフラットラインを形成する場合もある)」ことが多くなる。

なるほど、上のことは「フランス戦以降、トルシエが修正したこと」ではなく、kindさんの
「高い位置、良い位置でのボール奪取そのものが不可能・望み薄、となった場合日本はどういう布陣を組むべきか」
に関しての御意見だったわけですね?そうすべき、との。
「〜トルシエは考えを改めた」という部分でぼくは勘違いしたようです。

で、このシチュエーション、まだちょっとわからないんですけど・・・
「後方からの精度の高いパス供給」とは、どういったケースを指すのでしょう?
例えば、後方からのロングボール、あるいはアーリークロスのような場合には、
もちろんフラットではいられませんが、それは「ラインブレイク」というよりも、
着地点に相手よりも早く入るというだけのことだろうし、それは今までも変わりませんね。
そうではなく、例えばフランス戦でピレスにサイドを使われ、アンリがラインの間隙を
縫って裏へ抜け出してくるような場合、または後ろから飛び込まれて裏のスペースを
突かれてしまうような場合のことでしょうか?
でも、そのケースと上村、秋田の召集との関連の部分はぼくにはいまいちわかりません。
そうした場合でも、例え早めのブレイクをして裏のスペースを潰す、というような守り方
をするにしても、必要なのは相手FWとパスの合流点の正しい予測に基づく位置取りであり、
ひとりをスイーパー的に余らすにせよ、パサーはスイーパーよりも味方が有利な合流点
を狙ってくるわけですから、フィジカルの強い選手というよりはスピードのある選手、
そしてポジショニングによって「危険地域」を狭くできる選手、でしょう。
その意味でも、川口の起用は正しいと思いますし。

あるいは、CBがサイドに張り出してサイドを抜けてくる選手に対応するような場合のことなのでしょうか?

>「そういう場合5バック気味にして中央にF3を残す」とかそういった守り方では明らかに「駄目だ」という感想をもっているのですね。

それには賛成です。だからこそぼくは、その面では上村や秋田では後退だと思う、と書きました。
中盤で素早く回されてプレスがかかりきらず、サイドの深い位置で起点を作られてしまう
ような場合には、SHが戻ってきながら対応するのでは遅すぎる。
両サイドが最初から引ききっていたのでは攻撃ができない。
だから、左右のバックスには判断とスピードの速い選手を入れ、サイドに出た/出る、
「その時」にプレッシャーがかからなくてはダメだと思うのです。
SHは、あくまでもそのフォローで良いし、場合によってはDHと位置交換し、中へ絞って
守ることも必要でしょう。
最終ラインにだって流動性は必要、中盤との素早い連係が必要、ましてや本番でぶつかる
列強の速いサッカーに対応せんとするならば、ということです。

ただし、今のところトルシエはそういうふうに考えている節はない。
ぼくにしても上で書いたようなことを一朝一夕でできるとは思えないし、スペイン戦では
早晩に守備面での結果が求められたわけだし、それはピッチの上で選手達が作って行く部分にもかかわるし
ということもあるかもしれない。
トルシエは、全然別の方向、ぼくらが思ってるのとはまったく別の方向で考えているように思います。
彼は、戸田にファースト・プレッシャーをかけてまわることを命じています。
これはつまりは「5バック」は、「守りの時間」としての「オプション」だということ。
だから「世界のベスト5相手であっても、中村や本山をサイドに配せられるようになることが今後の課題」
というセリフがでてくる。トルシエは、別に3バックの両サイドの守りの不安(?)に対し、
恒常的に5バックを選択したわけではないのです。
相手がどこであろうと目標はあくまでも中盤支配であるし、中盤での激しいプレスに重点がおかれている。
強豪に対して、90分間それを続けられるということも難しいだろうから、全体的にフォーリング・ダウンして
5バック化して守るような時間帯も必要であろう、ということにすぎないと思う。

今はまだ、相手が強ければそういう時間が長くなってしまう。
そういう中でも抵抗の手段を持たなければならないから、低い位置から攻撃を組み立てられるようにも
しておかなければならない。で、キリンカップではそれも意識した。
攻撃と守りの試合状況の中でのペース配分や切り替えも意識した。
そういう流れの今でしょう。だから、ぼくにはトルシエが外を縦に崩すことの得意な選手を
望んでいるとはまったく思えないし、方向性が違っていると思う。
それはまるで、「低い位置からのカウンターが重要だから、FWには幡戸を」と言うことと大差ないように思えるのです。

>端的に言えば、僕は「秋田がトルシエの組織に、トルシエの要求通りの形でアジャストするなんて考えられない」んですね。
アジャストできなければもう呼ばれないでしょう、単純に。それだけのことだと思います。
一人の選手の能力を優先し、組織のあり方を今さら変えることなど、どんな監督でもやらない。
やるわけがない、と思いますね。それは非現実的で、トルシエの主義にも反する。
そんなことでフランス人は迷わない(笑)
秋田にも10%の門戸は開かれている、ということにすぎないであろうし、「ベテランの効用」
から、ケガの中沢の「代理を兼ねて」呼ばれただけ、と見るのが普通だと思う。
また、ぼくは秋田が単体としての強さにおいて森岡を大幅に上回るということもないと思います。
それといくら押されたにせよ、秋田が「秋田という単体だからこそ」守れるケースが組織で守るケースを大きく
その数において上回るということも考えにくい。そんなことで組織性を犠牲にはできない。
いつでも組織は遵守されねばならない、ということではありません。
組織性のためには、他は犠牲にされても仕方がない、と言っているのでもありません。
システムはあくまでも「利用される時に利用すべきもの」です。
でも、チームとしての「哲学」に矛盾をきたせば、チームは半ば崩壊します。
秋田もまた、「今ならばアジャストしうるかもしれない」と考えられたからこその召集でしょう。

ということから、kindさんの「秋田召集」に関しての特殊性は、論拠が希薄だと思われます(失礼)
想定されておられるケースの数的一般性も。いや、想定自体がまだよくわかってないんですが。
セットプレーやセンタリングに対する高さの優位、という面ではありえるかもしれませんが。

>「1トップ3ボランチ」が「2トップ2ボランチ」より「攻撃的に行くための布陣」であるとはとても考えられない。明らかに「まず守備、具体的には中盤での組織によるディレイありき」の布陣と考えます。トルシエは「前からプレスを掛けに行っても奪えないから中盤で」と考えたのでは。

そうです、「攻撃に行くための布陣」ではありません。
そういったつもりはありません。
目的はあくまでも「中盤での主導権をできるだけ握りたい」からです。
だからといって「前からプレスを掛けに行っても奪えないから中盤で」と考えたわけでもないと思います。
「サイド攻撃に対処するため」でもまったくないと思う。
実際に名波も伊東もサイド攻撃の対処に力をさいてたわけじゃないし。
サンドニでのフランス戦は、最初から守備的に戦おうとしていたわけではありません。
ボールの保持率が得点差ほどに差があったわけではないし、その保持率もただ後ろで回してたから
思ったよりは高い、ってわけでもない。
中盤での主導権争いにガップリと四つで挑もうとし、そこで脆くも破れたことが目論み違いだったわけで
強豪同士の試合に見られるような、火花散る中盤での主導権争いを日本がフランスと
演じることができる、と考えたのが目論み違いだったわけです。
それは今の時点ではまだまだでした、これからできるようにもう一度細部を詰めて、修正しつつ
強度を増し、そしてもっと「ファイト」できるように、再出発します、というのがトルシエの発言の意図であり、
スペイン戦以降の意図であり流れだということだと思います。

それに対してぼくは「はい、それは本を読んでみても試合を見てもよーくわかりました。
あと1年あるし、きっとできるようになると思っているからがんばって下さい。
でも、守備の仕方は他に工夫できる所もあると思うし、できたらそれはやって下さいね。
チームのスピードやクレバーさを、もっともっと高めていって下さいね。期待してます」
という感じなわけです。

サイドアタッカーについては、また別にもう少し書きます。

サイドアタッカーとフォーメーション(1)
 glider E-MAILWEB  - 01/7/12(木) 1:29 -

引用なし
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   えっと、サイドアタッカーに関してです。

ぼくは、アレックスに特別な期待はしていません。
見てみたくはあるけど、広山を見てみたいのと差はありません。
エスパルスでアレックスが機能しているのは、あくまでもエスパルスの攻撃がチームとして
機能しているからであり、日本代表において、そうでない場合にアレックスがひとりで
(例えばサンドニでの中田のように)活躍できるかと言えば、未知数ではあるけれど
ぼくは無理だと思う。今、代表に入ったとしての話しですけど。
アレックスには国際舞台での経験もまだなければ、欧州や南米の一流を相手にした経験もほとんどなく、
彼がいくらブラジル人で、ブラジル人のボールタッチやボールコントロール能力を有して
いると言っても、彼のフットボーラーとしてのキャリアはほとんど日本で積まれたものです。
高校生から日本にいたわけですから。
だから、たとえ帰化選手とはいえ、藤本や広山に対する期待度とさして変わりはないのです。

その上で。

>「縦系」だからといって「縦突破ばかりやっている」と捉えることは勿論していないです。今後、その手のご心配は無用です(笑)。

それでも、ぼくはやはりサッカー選手を「縦系」「パサー」と分類することには反対です。
アレックスにはアレックスの、アツにはアツの、羽戸には羽戸の、本山には本山の個性があり
ぼくにとってはとても同じ系統とすることはできない。
誤解を招く表現だと思います。

ワイドオープンに攻めることの有用性は十分理解しているつもりです。
でも、それを個人の突破に依存しなくてはならない、またはサイドの選手「だから」突破力が
最も重要視される、というのはわかりません。それはチームの他の選手や戦術と対でしか考え得ないこと。
そして、kindさんは、そのチーム戦術としてサイドの突破力の重要性を言っておられるわけですね。
では次にそのことを。

>「逆サイドのスペース目掛けて蹴って波戸を走らせる」ためには十分と考えます。
>そうなると、彼が小野以上に高い位置、否、「3バックよりも遠い位置」でプレーする機会はかなり多いと思うんですよね。

要するに、5バックで全体にフォーリング・バックさせられた時の「カウンター」を考えておられるわけですよね。
それはそれで、一理も二理もある考え方だと思います。
ただし、それは「5バック」が来年の本番でも「恒常的」であることを想定するならば、です。
そうであるなら、主武器のひとつとしてありえるでしょう。
主武器になるのなら、小野よりもアレックスを、というのもわかります。
でも、先に書いたように現代表の道のりはその路線上にある、その方向性で行こうとしている
ようにはまったく見えません。そこまでの路線変更、これまでの哲学の放棄をしたようには。

それは相手のレベルがどうであるかは関係のないことです。
そこまでの路線変更をするのならば、相手が弱くたってその路線で行くことがある程度でも
見えてこなければならない。いかに迷っていようと、です。
そういう戦略を前面に出したサッカーをするのならば守備方法も変えていないといけませんが、
コンフェデ、キリンカップと森岡達は相変わらず自分達が主体で守ろうとしているし、
それができていたことを喜んだりもしています。そしてそういう守り方がその先に示すものはやはり、
高い位置でのコンパクト・フィールドの創出でありポゼッション・サッカーです。
設定が複雑化した、あるいは新たな設定が加わっただけでその根本になんらの変化も見られません。
そして、そこまでのこれまでの積み重ねとの矛盾、自己破壊をするならトルシエは解任です。
岡田監督にでもまかせればいい。アレックスよりもエメルソンを無理矢理にでも帰化させればいい。
暴論だけど、その方がずっと話しが早くてわかりやすい。
チームは生き物です。チームの哲学に矛盾が生ずれば、一気に崩壊へのカウントダウンです。
どの監督、どのチームを見てもあきらかなように。
今の代表にはそんなかけらすらも微塵も感じられません。
そして、ぼくもトルシエ同様そんな変更をしなければならないとはまったく思わないんです。

次にフォーメーションの面から、少し考えてみます。
ここ数戦のフォーメーションは、大きく時計回転でねじれていますね。
小野をなるべく前に出そうとしていたのは、チーム全体の共通意志でした。
前に横にボールにプレッシャーをかける稲本、あちこちでファーストプレスをかけてまわり、
側方後方のカヴァーもこなす戸田、「守備が第一」と命じられ時にラインインしながら守った羽戸、
「サイドに張り付いてばかりいないで、中へももっと入れ」とトルシエに修正された小野、
いずれもそれがトルシエも含めたチームの意志であったことを伺わせます。
それは、両サイドを除く「戸田、稲本、森島」という中盤の構成とも大きく関わってくること。

コンフェデレーションズ杯では、トルシエは森島に中盤の繋ぎ役もやってくれ、と頼みました。
それはあの試合(どの試合だったか失念)では有効でしたが、やはりそれでは森島が森島である意義が薄れる。
そこで右サイドの羽戸の特性、起用の理由も含め、1トップとしての、森島の相棒としての
西沢の不在もまた含め、小野が左サイドでなくてはならなかった。
そうして、捻るべき時には捻ってしまえば、いろいろな一石二鳥三鳥が得られます。
そういうキリンカップでした。ユーゴ戦で小野を早い段階で代えたのは、小野のデキと積極性の不足に対する
ペナルティであると思います。それも服部を入れることによって、無失点で終えるというオマケをつけて。
どうもトルシエって、ひとつぶで2度おいしくないと嫌みたいなフシがあるようです。
選手の起用、交代、修正、試合のテーマ、いつもそういう所が見える。

サイドアタッカーとフォーメーション(2)
 glider E-MAILWEB  - 01/7/12(木) 1:30 -

引用なし
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   まあそれはさておき、チーム全体の構成、役割の分担、戦略、そういう観点から見ても
羽戸の重用は縦突破が理由でないことはあきらかです。その羽戸と明神について、
「意図に大差がない」と書いたのは、「同じ役割」を期待されているということではなく
「4人目のDFとして」という意味において。
トルシエは戸田のことを「すでにチームには戦術的にかかせない選手」と評価しています。
戸田は守備においての活動範囲はやたらに広い。
稲本と戸田を配したなら、右サイドにDHを置く必要性は薄い。
故に、明神よりもスピードがありフィジカルがあり、よりDF的な羽戸のほうが良い。
攻撃においては羽戸がドリブルで突破しようが明神がタイミングよくスペースを突いて行こうが
「大差はない」ということ。ドリブルだろうがパスだろうが速く崩せる方を選択すればいいし
単独突破がそれほど得意でないのなら人を使って崩せばいい。
「パスの先に人がいない状況」なら「センタリングの先に人が足らない」のと同じ状況。
そんな縦突破にたいした意味はないです。コーナーフラッグまでドリブルしたら1点というルールなら別ですが。
ぼくが本当に求めたい「単独で突破できるアタッカー」は、ペナルティエリアの近辺や中でそれができる選手です。
中村や小野とアレックスや本山の差は、中村と小野も全然違うしアレックスと本山も全然違うけど、
あえて言うなら後者のほうがよりFW的な色が強い、という所でしょうか。

そういう意味あいでは「トレス・ボランチ(?)」にも可能性を感じます。3ー3ー3ー1とでも言いましょうか。
3人の中盤選手には負担がかかることでしょうが、両サイドの高い位置にFW的なアタッカーを置くことができる。
それでこそ「サイドの脅威」足り得ると思います。
「ワイドオープンな攻撃」を速いリズムでやることが比較的容易になるでしょう。
ただし、現在まで稲本を重用する理由、それ故に左サイドの小野をわざわざ捻っていることや、
コンフェデで森島に繋ぎ役を命じたこと、攻守のオートマティスム、デメリットなどから
トルシエがそれを選択する可能性は薄いと見ますけど。
そうしたことから、kindさんの

 アレックス   中田英     波戸
     
       戸田   明神

には、悪いけどぼくは可能性を見出せない。アレックスが小野並みの構成力を身につけるか
明神が名波並みの範囲と構成力を持たない限りは何かのオプションでしかあり得ないと思います。

あえてもう一度言います。
中盤を中と外にわけてもしょうがない。
ドリブルはピッチのすみっこなんかじゃなく「アタッキング・ゾーン」でやってこそ本当の脅威になる。
MFがすみっこの長い距離を走って苦労してひとり抜いて縦に抜け出して、なんて非効率的なことを
最重要に置く起用なんて今の世界のスピード・サッカーの中でできるわけがない。
そんなことをするなら開いたFWにさっさと出して、後ろから飛び込んで行ったほうがチャンスは広い。
そんなことをするならフランスのように3人のFWのうちの2人をウィング的に使ったほうが断然サッカーが速い。
あるいはユース代表のように1トップの後ろにシャドウ・ストライカーを二人配し、
アタッキング・ゾーンのあちこちでドリブルしたり、左右に揺すったり、裏を狙った方が効果的。
その場合でも左右のMFは、最低どちらか一方でも構成力を備えた選手が欲しい。
あるいは中のMFの二人のうち一人が「ボランチ」、あるいは「センター・ハーフ」たる選手であること。
そう考えています。

そして、最大の課題、「1トップ」・・・
化けられるか、高原、柳沢、そして久保。間に合うのか前田。
そして間に合うのか、本山、アレックス、大久保・・・・
・・・・・

            高原(柳沢、久保) 
       
  アレックス(本山) ヒデ(中村)   森島(大久保) 
   
      名波(稲本)     小野(伊東)    
   
            戸田(明神)

   中田浩二(服部) 森岡(宮本)  松田(中沢)

            川口(曽ケ端)

それとも

            柳沢(前田)

        ヒデ(本山) 森島(アレックス)
          
     小野(中村) 名波(稲本)  羽戸(広山)

            戸田(明神)
     
     中田浩二(服部) 森岡(宮本)  松田(中沢)

            川口(曽ケ端)


・・・なんて布陣でスピーディなフットボールができるようになると嬉しいのですが。

Re(1):サイドアタッカーとフォーメーション(2)
 glider E-MAILWEB  - 01/7/12(木) 1:45 -

引用なし
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   >故に、明神よりもスピードがありフィジカルがあり、よりDF的な羽戸のほうが良い。

大事な要素をひとつ書き忘れました。
「高さ」です。トルシエはこれをかなり重視しているように思います。
セットプレーを重視していることと重なって。

サイドアタッカー:追加(オートマティスム)
 glider E-MAILWEB  - 01/7/13(金) 2:50 -

引用なし
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   書き忘れたことがあるんで、もう一つ。

トルシエ・ジャパンでは、オートマティスムが徹底されているということです。
スペースに動いて受ける、1タッチで出してまた動いて受ける、ウェーヴ等を使って動き、フリーで受ける、速く出す。
オフェンスに入った選手の動きはそれぞれ連動しながら、トルシエの言う「波」を作って行きます。
トレーニングでもそれは反復されています。
そういったオフザボールの動きを攻守の基本としてますよね。
それに囚われてはいけませんが、それをうまく使えば、そういった全員の「連動性」はやはり武器です。
(ただし、その「攻撃開始」のスィッチが「トップにボールを当てる」こと、ともすれば現在はそこに囚われすぎていて、
ポストの選手の状況や相手との関係に関わらず当てて奪われる、といったケースが見られること等の不満がある。
DFやMFと、FWとのより高いコンビネーション、ポストプレイの質を高めること、オフェンスに力をかける時間の共通意識の徹底、
そうした時の「スィッチ」に頼らないタイミングの共通意識と連動性を求めたい)
サイド攻撃も、そうやってコンビネーションを使いながら行っています。
本山は、そこにもクレバーさ、うまさを見せてもいますよね。「ウェーブ」も彼が一番うまいように思います。
ぼくが本山を一番の左サイドの適任者だと思うのは、そのスピードだけでなくそういう所に一番の理由があります。
小野はその面では、彼のダイレクトパスのセンスと精度はマッチします。
例にあげたユーゴ戦前半13分の場面などは、小野ならではのサイドの崩しだったと思いますね。
そして柳沢は、オフザボールの動きの鬼(笑)
そうやって、ひとりひとりがその個性を生かして役割分担しながら、うまくシステムを使いながら、
それぞれのやり方で工夫してどこでも突破して行けばいい。良いチーム、強いチームとはそういうもの。

ここまで2年半以上100人以上の選手を召集し、そういったことを刷り込み、要求してきた以上、
攻撃の「基本」をそこから変え、サイドハーフの個人突破に比重をかけるようなことは、やはりあり得ないでしょう。

余談ですが、もうひとつ思うのは「キックの精度、スピード、タイミング」です。
これまで、ピッチのスミを深く抉って長いセンタリングを上げてゴールになったシーンってありましたっけ?
トルシエになって、ユース、五輪、A、と3つの代表でかなりの得点シーンがありますけど、
いくら抉ることが少ないと言っても、アツも市川もいた中で、羽戸も入った中で、どれくらいの
そういったシーンがあったでしょう?
アツのアシストにしても、斜めの切れ込みからってのが多かったように思います。
長いクロスから得点になったのも、アーリークロスがドンピシャに入った時。
ワールドユースでの酒井、小笠原のアーリークロスや、五輪代表での一度ファーに振ったアーリークロスとか
みな抜群の精度とタイミングだったからゴールになったように思います。
せっかく抉っても、だいたいの所に上げてたんじゃたいして得点の匂いはしない。
たいして強くない日本の攻撃陣の空戦能力で、フランスのDFが揃ってる中におおよそで放り込んだって得点の匂いはしない。
せっかく抉って上げたけどゴール前には人が足りなかった、ってのもイライラします。
やっぱりタイミングの判断とキックの精度の方が大切だと思います。

戻ります。

トルシエは「時にシステムを破り、自分の判断で打開する大人」を望んでもいます。
「今はまだ日本代表にはクレイジーがいない」とも発言していますね。
オートマティスムとクレイジー。
システムは道具であり、うまく使えば強力な武器になります。
しかし、それにふりまわされてもしかたがない。
そこに高次元でのバランスが見られた時、日本代表は本当の強さを獲得できることでしょう。

一応最終弁論ということで(笑)
 kind E-MAIL  - 01/7/17(火) 12:05 -

引用なし
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   すいません、テスト週間に入って掲示板から離れてたんでだいぶ遅いレスです。

しっかし、gliderさんはホント凄い文章家ですね。ぼくが提出したあれだけの分量の文章をさばいて、それよりも遥かに多い量の反論を返せるとは。サッカーに対する情熱、表現に対する情熱が強くないと出来ることではない。ぼくはいまテスト期間なんで、なかなか同じペースでやるというのはきついんで(笑)。とりあえず、この件に関してぼくが述べるのはこれで最後ということで。またお付き合いしてやって下さい。ありがとうございました。

あ、あと私信なんですが、ぼく8月頭に東京に行きますんで、gliderさんの予定が宜しければ是非お会いしてお話したいです。宜しければ、メアド公開してますんでメール下さいな。僕がお送りするほうが筋ってもんなんですが、gliderさんのメアド存じ上げませんので。


以下、7月12日の時点で書き始めたレスを昨日仕上げたものです。サイドアタッカーに対する直接のレスにはなってませんが、まあ、ゾーンでちょこちょこと。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ええと、なるほど、gliderさんと僕がここまで意見の食い違う理由というのが
ようやくこの回転の遅い脳味噌にも理解できてきました(笑)。gliderさん、
お付き合い下さってほんとにありがとうございます。色々勉強になりました。

えーと、要するに一番大きく、かつファンダメンタルな部分での食い違いは
ここにあったんですね。

>トルシエは、全然別の方向、ぼくらが思ってるのとはまったく別の方向で考えているように思います。
彼は、戸田にファースト・プレッシャーをかけてまわることを命じています。
>これはつまりは「5バック」は、「守りの時間」としての「オプション」だということ。
>だから「世界のベスト5相手であっても、中村や本山をサイドに配せられるようになることが今後の課題」
というセリフがでてくる。トルシエは、別に3バックの両サイドの守りの不安(?)に対し、
恒常的に5バックを選択したわけではないのです。
>相手がどこであろうと目標はあくまでも中盤支配であるし、中盤での激しいプレスに重点がおかれている。
>強豪に対して、90分間それを続けられるということも難しいだろうから、全体的にフォーリング・ダウンして5バック化して守るような時間帯も必要であろう、ということにすぎないと思う。

この部分の解釈がぼくとgliderさんと決定的に異なっていたことに気付くのがかなり遅れ、かように長いレスを書いていただくお手間を煩わせてしまったようです。どうも申し訳ありません、長文に接する際の読解力と洞察力をもう少し磨いてまいります。

ええと、それで。僕が上記のことに対してどう解釈していたかというと、まず「強豪国相手には5バックで守る時間が多くなる」。これは問題ないでしょう。

が、この後。「残り一年間で、『5バックでやる時間を短くし、普通のフラット3を敷いた、両サイドが高い位置でプレー出来る3バックのスタイル』、要するにポゼッションサッカー、自分たちが主導権を握ってプレーする時間が劇的に変わるとは到底思えない」と。gliderさんのお言葉を拝借しますと、「全体的にフォーリングバックする時間帯」は「試合中恒常的に続くもので、劇的な個人技術の進歩無しにそれが『増える』なんてことは恐らくないのではないか?」と。

僕はそういう解釈をしている訳です。それは、コンフェデ杯、大幅に主力を落としてきたにも関わらずあれほど強いフランスに対する日本の戦いぶりを見てはっきりと思ったことでもあるし、コンフェデ杯の各国の状態の悪さをみて「チームとしてのバランス及び選手個々の自信の回復以上の意味は持たないだろうな」という解釈が土台にあるからでもあります。

組織だったチェンジサイドからの11番の突破力を活かしたサイドアタックはあったものの、個々人の力量の低さはいかんともし難かったカナダ。2トップが前日に来日するなど、メンバー上はベストであるものの明らかにコンディション・モチベーションの低かったカメルーン。メンバーは3軍、それでも個々人のテクニックはあるものの組織的なサイド攻撃はなかったブラジル。大雨、ワールドクラスの3名を欠いていたということもあったが、攻撃のバリエーションに欠け日本5バックを揺さぶるほどの強さは持っていなかったオーストラリア。

ざっと流しただけですが、相手チームの問題点を挙げるだけでこれほど多くのものが出てくる。その中で唯一チームとして有機的に機能し、「ル・グラン・ブルーの一員になるチャンス」を求めた当落線上の選手がしのぎを削り、サッカーの文法を知り、オートマティズムを体現し、ピッチの上で常に論理的なプレーが出来ていたのが、圧倒的な戦績を収めたフランス。

日本チームがこれほど短期間でサンドゥニからの課題「3バックとアウトサイドの関係をより自由に、相手との力関係に応じて自在に高さを設定できるようになること」を克服し、中村俊輔と名波のいないチームに小野伸二・戸田和幸を見定め、右サイドからの攻撃に波戸康弘を見出し、圧倒的に層の厚いチームを作り上げたことは間違いなく称賛に値します。これは、フィリップ・トルシエの紛れもない功績。ここに関し異論を挟むことはできません。

ですが、一方で「相手国のコンディションは良くなかったし、日本ほど層の厚くない(自分で言ってびっくり。日本は層厚いです)国ではレギュラーメンバーとサブの差が激しかったし、サイドをきちんとした形で突いてきた国はカナダとフランスだけだった」というのも厳然たる事実としてあります。そして、その二つの国に対し、日本は効率的な攻めが出来ていない。カナダ戦の前半、フランス戦の前後半。課題は依然残ったままと言えるのではないでしょうか。

だからこそ、「もう5試合程度、強烈なサイドアタックを持つ国々とのアウェーゲームを戦って、日本がどのような『攻めの方策を持つ守り方』で戦えるのか、それを見極める機会が欲しい」と思った訳ですね。コンフェデ杯で当たった国々では計りようがないし、キリンカップでは尚更。松田の「もっと強い国とやりたい」発言、某トルシエ擁護サイトでは「サッカーの文化の無さ」、とトルシエの言葉を鵜呑みにした批判の的になってるようですが、どこが問題だってんですかね。松田にしては(笑)正当に相手を評価しているじゃないですか。この発言を「礼儀上」の問題にするなら、30分遅刻してもジャーナリストに一言も謝罪せず、頻繁に記者会見をすっぽかす某代表監督も批判されるべきなのに、そこに触れる人間は何故かいない。

と、話が少し脱線しましたが、ともかくキリンカップはどうでも良かった。そして、どうでも良い試合を組んだ協会の無能さに改めて腹が立った。「トルシエを全力でサポートするのではなかったのか?」と。

勿論、「チームとして遅攻での攻め方を確認する」というテーマを設けたのは良い。試合の一つ一つに意味を持たせなくてはならない。トルシエはそうするしかない。

でも、テーマを設定しても相手があれじゃ。チームとして連動していず、所どころプレスの甘さが出ていたパラグアイと、眠くなって詳しくはみていないユーゴ(すいません)。「弱い」とは言いますまい。「どの程度弱いか」なんてことは判らない。でも、彼らが「W杯開幕を1年前に控えた、真剣勝負の場が限られている開催国」の「ディフェンス」を強化する上で適当な相手と言えたでしょうか?日本チームの問題点はまず「5バックになってしまう場合どう攻めるか」であり、遅攻での攻め方は確かに大事ですけども、それだけではやはり不十分と言えるのではないでしょうか。この2戦、日本がどの程度押し込まれたか?どの程度組織だった攻撃に曝されたというのか?この2戦で日本が主導権をある程度握れたのは、ほんとうに日本代表チームの完成度が高まったから、ただそれだけなのか?

さらに、gliderさんはスペイン戦を「緊急避難」と捉えられておられるようですが、ぼくはトルシエが何と言おうがいまいち信用できない。五輪の前、彼は何て言ってましたっけ?五輪の南ア戦後、彼は何て言ってましたっけ?あの稲本―明神―酒井の唐突な「3DH」、「切り札」にしていたはずの本山をほんのわずかの時間しか「使えなかった」こと、「4人で攻めてこい!」発言、アメリカ戦で「動けなかった」こと、個人的に言えば「ボランチ」である遠藤ヤットを18人枠から外していることなど…物的証拠は多い。

彼は現実主義者です。かなりの、徹底した。彼は「間に合わない」と思えば必ずああいった守備的な布陣を敷く。そして、彼はおそらく現段階でもそう感じている。僕も、彼が「強豪国相手でも攻める姿勢を貫く」と思ったからこそサンドゥニ戦での戦い方に大いに不満があったし、「守備的に行く」発言を聞いて一時期「諦観派」にもなった。「哲学を曲げた」と思ったからです。

:一応最終弁論ということで(笑)(2)
 kind E-MAIL  - 01/7/17(火) 12:06 -

引用なし
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   でも、彼が「結局は現実に立ち返る監督」であると思い直した今はもうそんな事は言いません。彼の思想の根底に流れるのは現実主義。「理想に折り合いをつける」、「理想と心中するほどの度胸はないし、そこまで頭の悪くない、無鉄砲ではない」監督である、と言いなおしましょう。

これは、彼を貶めている訳ではまったくない。今までと違った方向で評価しなおしただけのつもりです。彼の言霊をそのまま「チームの完成形を暗示するもの」と捉えることを止め、実際のチーム作りのプロセス、僕の場合は一つ一つの試合ですが、それだけを見て判断するに、結局のところ彼は、「弱いチームに対しては攻め、強いチームに対しては守る、という至極当たり前の、常識的なことをやろうとしている」と結論づけるに至りました。

故に、僕はgliderさんの紹介して下さった「トップ5に対しても中村・本山を」発言、まったく信用してません。リップサービスだとすら思ってます。そう言わないと今までとの発言の整合性が取れないから言ったに過ぎない、とすら。本山・中村といった選手が、彼ら自身の主にフィジカルコンタクトでの成長なしに、「戦術面での整備」だけで「強豪国に対しても使えるようになる」ことは有り得ない。フランス・スペイン相手に本山・中村が起用できないのは戦術上の問題点よりも彼ら個人の問題の方が大きいと思います。

さらに、秋田、上村の招集は「バックアップ」などではないと思います。バックアップ「探し」なら2年間の「ラボ」を通じてもう終わっているはずだし、そうでなくては困ります。「今更バックアップ候補を探さなくてはならないとは、今まで貴方は何をしていたの?」ということになります。トルシエ自身もイサイズインタビューで「ラボをもうする訳にはいかない」としているように、「バックアップ」ではなく、彼らの新しい個性、今までのチームになかった個性、「トルシエが不必要だとしていた」、否、「そう読み違えていた」個性が必要になってきた。ぼくはそう解釈してます。

で、ここからやっとレスになる訳ですが(笑)。

>で、このシチュエーション、まだちょっとわからないんですけど・・・
「後方からの精度の高いパス供給」とは、どういったケースを指すのでしょう?

相手3列目にプレスが掛からず、相手SBや下がり目のボランチからミドルパスでサイドのスペースに放り込まれ、組み立てられるケースです。相手SBとは言っても、欧州の一線級のチームのSBなら、ノープレッシャーで簡単にルックアップさせてしまえばかなり精度の高いフィードが出てくる。リザラズ、テュラムを出すまでもなく。3ボランチ1トップでプレッシャーが掛からないとは思いませんが、しかし2トップに比べプレッシャーが掛かりやすいかと言えばそうではない。そして、2トップで行くことが出来なかった理由もない。高原が負傷したら西澤のワントップにしかなれない訳でもない。柳沢がいるし、久保がいる。「ポゼッションサッカーを追求するのならば」2トップで相手3列目に対してさえもアグレッシヴにプレスを掛けに行くべきで、3ボランチにして中盤で待ち構えるのはあまり得策とは思えないです。「ポゼッションサッカーを追求するのならば」、ね。

ですが、3ボランチで(2トップと比較して)前線からあまりプレスを掛けに行かず、中盤と最終ラインの距離をコンパクトにし、「中盤での主導権を相手に渡す代りに」「中盤守備を密にし、奪った後素早い攻守の切り替えでカウンターを狙う」のであれば、あの3ボランチにも納得がいきます。「中盤での組み立ての主導権争い、その優位性を求めるため」というのは、あくまで副次的な要素であると思いますし、3ボランチの日本が主導権を握る時間が続けばトルシエはFWを一枚投入して2トップに戻すでしょう。クロスボールに対して飛び込む人間が例えば西澤・ヒデ・稲本であるよりは、西澤・高原・ヒデ・稲本とした方が得点率は高いと思いますし、初期の位置設定がミッドフィールドである選手よりは専門のFWが飛び込む方がクロスの対費用効果は高いと思います。勿論、稲本だって飛び込む訳ですがね。


ただ、そのときは、おそらく相手チームは「押し込まれている」のではなく何らかの理由、「リードして残り時間が少ない」や「退場者が出た」などの理由、さらには「こうすれば日本は攻め手がない」などの理由で「引いている」のであろう、と思います。実際、コンフェデ開幕戦・前半のカナダ、コンフェデ決勝・後半のフランスはそうでした。ついでにいえば、サンドゥニで2点リードした後のフランスもそうでした。「強力なFWが居ない日本の攻撃力なら、引いてスペースを与えなければ凌げるし、バックラインが浅いから簡単に裏を取れる」ということでしょう。

そして僕は疑問なのですが、こういった強豪国に相対するときに「相手よりボール落下点に先に到着することを志向する」ディフェンスがどの程度実現するものなんでしょうね?否、「実現した」んでしょうかね?僕には、ディフェンスが先にボールに到達するようなポジショニングを取っているシチュエーションで、日本の思惑通りに次々とインターセプトが起こるようなシーンなんてある程度以上の国々に対してはそんなに現出するものではないと思いますし、そんなシーンが多く見られた試合なんて思い浮かばない。中田浩二が、松田が、森岡が、どの程度「相手より先にボール落下地点に到達」してますかね?僕のこの辺りはイメージ論に過ぎないのでここは純然たる「疑問」なのですが。結局は先に相手にボールに触られ、アウトサイドとの連携で守るか、ディレイを掛けきれずに突破されてクロスを上げられているような気がするのですが?上記に挙げた三名に出来て秋田や上村に出来ないことは「精度の高いフィード能力」と「アウトサイドを追い越して前線に駆け上がってクロスを上げる能力」であり、「相手より先にボールに追いつく能力」だとは思えないんです。その能力で秋田や上村が別段彼らに劣っているとは思えない。というより、中田浩二・松田・森岡がその面で「秀でている」とは思えない。gliderさんおっしゃる通り、そういう能力を求めるなら波戸を3バックに起用すべきでしょう。現状では、その能力は服部を除けば「どんぐりの背比べ」と思います。

故に、僕は秋田・上村の起用の理由を「相手に先に触られた後」に求めます。

これは、相手国との力関係・ボールがどの位置にあるかによって勿論変わってくる話であり、これを掲示板の上でやると膨大なシチュエーションを想定せねばならず正直しち面倒くさいので端折らせていただきたいのですが(笑)、「高い位置にラインを設定している」状態で、中盤で相手1対日本2からの単独突破や1対1で競り負ける場面が多く現出すれば、当然最終ラインに負担は掛かってくるし、ボールサイドに3バックが張り出してマンマーキングにあたるシーンは多くなる。それを無くそうと5バック気味に引いて、サイドのスペースマーキングをアウトサイドに任せれば確かに守備は安定する、が今度は攻め手がなくなる。日本はいま、そういうジレンマに陥っていると思います。

だからこそ、秋田や上村を呼んだのだと思います。「現状のメンバーではああならざるを得ないから、1対1でボールを奪取できる個性が欲しい」と。それは、トルシエの3バックへの回帰願望に他ならない。5バックを「望んでいる」訳では勿論ない。願わくば、相手のサイドアタッカーが局面的に一人なら、こちらも一人で応対し、ボール奪取に成功したい。勿論、フラット3をこなす上で最低限必要なラインディフェンスへの対応力、集中力、最低限前線にミスなくボールを供給できる能力の土台の上に。それが可能であれば、攻守の切り替えは目覚しく早くなるし、ボールポゼッションは高くなる。守備に割く人数が少なくなれば、必然的に前線に残る人数も増える。アウトサイドに守備の負担を掛け過ぎる現況が「問題である」とトルシエが感じていればこういった考えは当然選択肢の内に入るでしょうし、そうでなくては少々心許ないです。

さらに、アレックス。小野よりも縦のスピードに優れ、一人でボールを縦に運べるアレックスが入ることで、アウトサイドの位置を修正することがよりスピーディに出来る。恒常的に前に位置しやすくなる。そう考え、最終的に日本の3バック及びアウトサイドはこんな形で落ち着くのではないか、と思います。そうならなければ、「この方が良いのではないか?」と提案させていただくことになるのですが…
     
アレックス     波戸
    戸田  明神
   服部 森岡 秋田

どうでしょう?何か可能性ありそうじゃないですか?

いま僕は「弱い国と当たる場合」を想定してはいないです。「日本がボールポゼッションで相手を恒常的に下回るような試合展開」を考え、またそれが「W杯本番で現出する可能性は高い」と思い、「しかしどうにかして攻め手が欲しい」と思うが故のこと。日本がボールを支配する局面ではアレックスよりも小野の方が良い。そこはgliderさんと一致しています。

とまあ、僕はあいかーらずネガティブで、悲観主義で、あんまり「盛り上げる」方向には向いていないです。性質的に、みんなで盛り上がっていこうとかいうノリよりは、ボソッと毒を吐くポジションのが合ってるんで(笑)。だから、本来的にgliderさんの論調が主流にならないとまずいし(笑)、かといって行き過ぎた楽観論がgliderさんの論調に乗じて幅を利かせるのも面白くないんで、まあW杯が終わるまではトルシエ懐疑派を貫きます。

その上で。誠実にレスを返して下さったgliderさんに改めて感謝と敬意。ありがとうございます。

Re(1)::一応最終弁論ということで(笑)(2)
 glider E-MAILWEB  - 01/7/19(木) 5:50 -

引用なし
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   ぼくは、さして文章力がありません。だから長くなってしまうだけです。
長文になるのは、簡潔にまとめ伝える能力が不足しているだけです。
表現することが好きなので、仕事も含めいろいろとやっていますし、情熱もそこそこありますが、
「凄い文章家」ではないですよ(笑)。基本的には思うままに流れにまかせてだらだらと書いているだけです。

>私信

ぼくのメアドは、
http://homepage.mac.com/beggars_banquet/
の方で公開していますし、fantasista_japan@mac.com
でも届きます。
が、今月末にでもこちらからメールしますね。
仕事柄、先のスケジュールは先になってみないとわからない、曜日も関係ない、っていう
感じなので何とも言えませんが、夜にガッザに行くくらいはちょくちょくできると思いますので
御会いするのを楽しみにしています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

意見の食い違う本当の理由は、実は、「現在をどう捉えるか」につきると思います。
kindさんは、5バックも秋田召集も、「サンドニ以降バージョンのトルシエ・ジャパンの新たな姿」、
少々の基本的路線変更、基本的路線修正を含めて新しいオプションを加え、「現実を受け入れた修正をした姿」
と捉えられている。そしてぼくはそれに対しそうではないと。

5バック。
中の中盤との関係を含めた違うやり方もあるし、「それも」やって欲しいと思っていることは間違いありませんが、
3ー5ー2、あるいは3ー6ー1の両サイドハーフの裏、4ー4ー2あるいは4ー5ー1などの
SBの上がった裏にできるスペースを突いてくるのは、スペースの有効利用という観点からも
たとえ「スモール・フィールド」をそれほど標榜しないチームでも現代サッカーにおいての当然の帰着であり、
それに対する「スペースを埋める」行為としてサイドハーフが下がるという一手段、
その「流れによっては下がり目にも構える」ということの「チームとしての意識の統一」や
「サイドハーフと3バックス、DHの守備における連係強化」は、これまでのチーム作りの流れ、
「フラット3」の基本的動きの徹底にはじまり、その後「攻守のオートマティスム」の刷り込みに移行して行く中で、
わりとおざなりになってしまっていた部分であり、U-23、対アジアという条件設定からそれもやむを得なかった
側面もあり、2年というトルシエの初期契約条件、大きくは五輪とアジア杯という目標があったこと、
年間60〜90日程度という代表チームの活動期間、そんなもろもろの環境の中では「必要性の薄い」ものでした。
そして、五輪をそこそこの結果で終え、アジア杯を制し、これから世界の代表にチャレンジして行く、
フラット3もオートマティスムもある程度マスターし終えた日本代表チームにとって、
これからの課題は、真のコンビネーションの確立を本当の世界基準という新たなる条件設定の中で行うこと。
そうして今年がスタートしました。

これまでは、中盤でのプレッシング、特に稲本や中央に入った時の明神のボール奪取能力、
プレッシング能力、あるいは名波や左サイドでも中盤の構成力に長けた中村、あるいは右サイドでも
幅があり勘所を押さえた明神のポジショニング能力、あるいは中田ヒデの能力、あるいは森島の運動量、
そういったものを組み合わせる攻守のオートマティスムによって中盤戦を制し、そのことで両サイドのスペースへの
相手の攻撃をも効力を薄めることがまずまずできてきたし、そういったリスクとゲインの取り引きの中で
「攻撃サッカー」を成立させてきました。
リスクが勝れば解任を騒ぎ立て、ゲインが勝れば手放しで大喜び、といった愚かしいまでの世間の騒ぎとは別に、
それはそれで「現実的に成立」していました。
そしてサンドニでは予想を越えてリスクが勝ってしまった。
それはトルシエでさえも予想できなかった事態ではあったかもしれません。
でも、それはトルシエが、チームが、求めていた「承知の上の新たな条件設定」でもあったわけです。
予想を越えてはいたが、まるきり予想していなかった事態ではなかったし、体で感じる新たな基準として
求めていたものでもあったわけです。

そうしてコルドバでは、中盤のプレッシングをメンタル面でも強化してきたし、両サイドが押し込まれてしまった時の
守備面での連係強化をしてきたし、その課題を徹底したからこそ、そしてチームの立たされた状況も考え、
与えられた課題への結果を出すこと「のみ」に全力を投入したから、ああいう戦い方になったわけです。
だから、ぼくはあれを見て「守備的すぎる」「攻撃はどうするんだ」と批判することはピンボケだと思ったし、
チーム作りの流れというものをもっと大切に考えなければ見失うぞと思ったし、「攻撃サッカーはどこへ」
「180度の方針変更」とせせら笑う「解任派」をどうしようもない早漏野郎共だと思ったわけです。

そして続くコンフェデレーションズ・カップ、キリン・カップで、その部分のさらなる熟成として
小野や戸田の加入による戦術的バリエーションの増加があり、ネクストステップとして「遅攻時の組み立て」や
「試合の流れと時間帯や状況によるペース配分」への取り組みが見られたわけです。
だから、両カップ戦とも無意味でもなければ課題が「そのまま」残ったわけでもない。
きちんと「実戦形式の練習」ができた。課題への適切な取り組みと向上への具体的な方策の提示を見ることができた。
だいぶ大人になってきているな、と感心できたのです。
あれは、まったく良い練習だった。そうしている限りでは、相手のレベルなどたいした問題じゃない。
そうしている限りでは、カナダもカメルーンもパラグアイも、実に良い適当な練習相手でしたよ。
いつもいつも相手が強ければ強いほど良いってわけじゃありません。
なにやらユベントスは予定されていたパルマとの練習試合を「仕上がりが違いすぎる」という理由でことわったそうですね。
「練習試合」は「チーム作りの流れ」の中で適切に行ってこそ効果が上がります。

もう一度繰り替えします。
チーム作りの流れというものを、もっともっと重視しないといけない。そうしないと力を適切に把握できません。
練習試合のひとつひとつにテーマを設けるのは「そうした方が良い」のでも「そうするしかない」のでもなく
それがないならやる意味などゼロだからです。

日本は、偶然必然取り混ぜて適切な時期に適切な監督で適切な相手と適切な経験を積んでいるとぼくは思う。
なんだかすごくツキも感じる。努力の実りも感じる。それをもって来年を予測することはまだ不可能だけど、
ここまでは確かに不思議なほど順調です。ぼくはそこだけは疑念のかけらひとつもない。蚊の目玉ほどもない。
まだまだやらなきゃいけないことは多い。登るべきステップはまだ多い。当然です。
「強豪相手でも攻める姿勢を貫く」ことのできるチームを作ろうとしているのですから。
ここの6試合を見ても、哲学に変化は認められないし、前よりも現実的になったとも思わないし、
去年までの2年間までの積み重ねとその延長としての日本代表チームがそこにいるだけ。
彼は特に「現実主義者」でもない。理想を実現するために一歩一歩現実的な努力を積み重ねているだけ。
監督なら誰しも理想は持っているだろうし、現実との摺り合わせの中で対処したり現実によったり
理想を追ったりするわけですが、ぼくはトルシエに相変わらず強烈な自らの理想への自負と自信を感じます。

五輪とコルドバの試合では、比較になりません。
目標が違いすぎて、試合の意味が違いすぎて、比べても意味がありません。
来年の6月に、日本代表がコルドバの時のままなら、フランス、スペイン相手にはトルシエは当然守備主体で
選手構成をするでしょう。それは理想とか現実とか言ったレベルの話しではありません。
それはプロフェッショナルとして当たり前の話だし、それだからといってコルドバの試合と同じことを
するとは思いません。GL突破にどうしても引き分けが必要になりでもしない限り、そういう構成の中で、
最大限攻撃をしようともするでしょう。しかし、すでにこのチームはコルドバから一歩進んだ。
ぼくの結論は「強いチームに対しても攻撃的にやれるチームを本気で作ろうとしている」と確信するに至りました。
ここのところの試合を見るに、それは間違いないことだと思います。

Re(2)::一応最終弁論ということで(笑)(2)
 glider E-MAILWEB  - 01/7/19(木) 5:51 -

引用なし
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   来年の6月に、中村や本山が実際に使えるようになっているかどうかは、彼等の努力とチームとしての
戦術的側面の両方があるでしょう。彼等の主にフィジカル・コンタクトでの成長なしには攻撃面でも難しい、
とぼくは思う。でもトルシエが言わんとしているのはそういうことじゃない。
彼はチーム対チームの力関係のことを言っているのです。
これから1年、それを目標にチームを作る、と宣言しているのです。
そしてそのことに偽りがないのは、チーム自身がやっていることを見ればあきらかです。
「弱いチームに対しては攻め、強いチームに対しては守る、という至極当たり前の、常識的なことをやろうとしている」
と結論づけるに至る、のはコンフェデとキリンカップを無視せねばできないことです。
そしていくら相手が弱かろうが、そういうふうに練習試合を無駄にしたことはこのチームは一度もないし、
トルシエが戦う前からカメルーンやパラグアイを弱いと踏んでいたわけでもないし、それでも試合前の
指示や選手の構成を見れば方向性ははっきりしてくるし、実際の戦いぶりからしても試合に持ち込まれた
テーマを見ても、トルシエの宣言に偽りがなかったことはあきらかでしょう。

秋田と上村の召集も、ぼくはトルシエが今まで不必要だとしてきた個性を必要としたからだとは思いません。
「バックアップ探し」も「ラボ」などではなく、2002年の本番までずっと続くのは当然。
森岡、松田、中田、服部、といった「半ば確定的」な選手に、もうひとりふたりの「バックアップ」や
「競争相手」を探すのはこれまでのやり方を見ても、トルシエ自身のインタヴュー、ジャケのインタヴューから
推察される緑龍さん言うところの「メトード・フランセーズ」からも必然的に続く。
「高さ」と「強さ」のあるバックスとして、中沢の召集となんらの変わる所はないだろうし、
それが足りなく、「強いキャプテンシー」というアピールポイントをA代表においてはもうひとつ発揮できない
宮本が遅れをとっている今、そういう意味でも秋田にはその面でもなんらかの効果が期待できるかもしれない、
との意味からの召集という側面もあるだろうし、第一、彼等の召集がkindさんの言うような意味を含むものならば、
相手が強かろうが弱かろうが、その守備システムに変化がなくてはならない。
しかし実際には、そんな変更点はまったくないし、それどころかこれまでのやり方を強化するような方向性で来ている。
申し訳ないが、秋田上村の召集に関するkindさんの見方は根拠に乏しく少々客観性、論理性に欠けるように思えます。
彼等は単に「開かれた10%の窓」として呼ばれたにすぎない。それは別に「ラボ」とは関係ないでしょう。

> 相手3列目にプレスが掛からず、相手SBや下がり目のボランチからミドルパスでサイドのスペースに放り込まれ、組み立てられるケースです。

そういうケースでピンチになっているのは、数少ないと記憶しています。
サイドに出されてそこをフリーで使われるのは、比較的高い位置の中央で素早く繋がれたり、ドリブルされたり、
そこにコンセントレートさせられてサイドが空いてしまうケース、そういう時に数多くピンチになっています。
3列目にあまりにプレッシャーがかからないと、その前の相手に良い状況でボールを持たれ、
結果的にエリアポゼッションの面で損をすることになりますが、所詮相手3列目のところで
それほどボールがとれるわけじゃなし、2トップ1トップ下、あるいは1トップ2トップ下という形の
本来的意義はやはり攻撃面でしょう。
そして、相手によってプレッシングラインの設定を変えたからと言って、ボール奪取の位置設定を少し下げたからと言って
ポゼッション・サッカーでなくなるわけではありません。それは設定変更、というだけ。
そして何度も言っているように、「3ボランチ」は「3ボランチ」じゃありません。3人仲良く並んで後方にいたわけじゃありません。
サンドニでも、少なくともトルシエが3人並んで後方で守備をすることを意図してああいう配置をしたわけではないし、
「3ボランチ」ではなく、「攻守にバランスのとれた/とることができる活動範囲の広い選手」を
中盤に配したというだけです。「ポゼッションサッカーを追求すればこそ」の布陣でしょう。
その布陣で日本が主導権を握る時間が続けば、名波や伊東が上がってトップ下の位置でプレイする時間がずっと続けば、
どちらかを下げてFWを投入するかもしれませんが、それも試合の状況次第でしょう。

また、最終ラインの裏に対して放り込まれたロングボールに対して、「相手よりボール落下点に先に到着することを志向する」
ディフェンスは、今のところほぼ機能しています。それを、走ってくる相手、受けようとするFWに対するマンマークに
変えれば、「守備の主体性」が失われ、ことはそういうケースに留まらず、システム全体に影響し、
チーム戦術全体に悪影響を及ぼすでしょう。ゾーンバランス、速い攻守切り換え、ポゼッションサッカー、
ボールオリエンテッド・ディフェンス、オートマティスム、そういうこれまでやってきた総べてを壊すでしょう。
もう今さら後戻りはできないのですよ、はっきり言って。

サイドに出されたロングボールに対しては今のところ、そういう守り方をしてはいません。
サイドハーフか、DHが行ってディレイをかけるか、サイドのバックスが行ってディレイかけるか
しているだけですね。そこに秋田を配しても、スピードある相手のウィングやFWに対して有効かと問われれば、
ぼくはやっぱり否だと思うし、文字どおりの「3DH」にして行かせればなんとかなるかと言われれば、
それはkindさんおっしゃるように、またぼくもそう思うのですが、それは根本的なコンセプトの放棄で、
やっぱりそんなことをするはずもできるはずもないのです、今さら。
だからぼくは、そういうボールに対してもバックスに「もっと速く行け」と言いたいし、
中に対するロングボールと同じように守らなきゃダメだと思うわけです。
そうしない今が、矛盾なんです。
そしてそうするために、稲本や明神に「全方向視界」を望んできたし、そういった面や後方へのカヴァーリングにも
優れた能力を発揮する戸田の加入を喜ぶし、トルシエがその戸田を「かかせない選手」と言うのであれば、
そういったことがその視野にないわけじゃないんだなとも思うし、キリンカップにおいて服部でなく中田を先発
させている理由のひとつもそこにあるだろうし、羽戸の起用も「5バック」のみならず「仮の4バック」のSBとして
そういった面のこともあると思うし、SH、DH、そしてCBの間のコンビネーションの高次元での確立と守備の状況による
流動性、応用力、切り換えの速さ、そういったことをこれからに期待しているのです。
そういった面では、秋田や上村は今の3人にやはり劣るとぼくは思います。
彼等が召集されるのは、セットプレーやロングクロス、センタリングでの高さと強さといった面で理解はできますが、
そういう選手をひとり置いておくことで、失点確率の高いそういったシーンをしのげる
ことは多いでしょうが、
ぼくはやはり、反対ですね。
いずれにしても秋田や上村がサイドで受けた相手のFWやウィングに対し、どっこらしょとばかりに
遅いタイミングで対処しに行っても、スピードもスキルもある強豪のそういった選手からボールが取れるとは思えない。
例えそういうシーンになっちゃっても、秋田や上村がその面で服部や松田に勝るとも思えない。
どのみち相手が受ける時にもっとプレッシャーをかけられないと、結局は後手後手になってズルズル下がることになるし、
言ったようにその他のシテゥエーションでの守り方と矛盾しています。
だから、そこをDHだけでなく、SHが戻ったり引いて構えたりするばかりではなく、CBも早い判断で行けないとダメ。
DFには高さも求めるトルシエは絶対やらないでしょうが、だからぼくは右のバックに奈良橋や中西だって良いのです。
悪いけど、上村はもう勘弁して下さい(笑)。

   - -

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今更ながら(笑)
 mitsu  - 01/8/16(木) 17:18 -

引用なし
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   初めてそして全部読んじゃった、しかも会社で(笑)。

面白かったっす。

んでグラさんにちと質問。

俺はフランス戦(0-5のやつ)の前後じゃトルシエは結構変わった
気がしてます。
俺はもちろん(笑)トルシエもアジア杯直後はフランス相手でも
中盤でいい勝負できるんじゃにかと思ってたんじゃねーかなと
思ってます。(結果点差はともかく(涙) 中盤のやられっぷりは
2-2のころと大差なく、なんならピッチのこともあって前より
悪い勢い)

それが強豪国相手には中盤を取られる時間が多分にあることを戦術に
十分に織り込んだ、と思ってます。

本番(2002っす)でフランス相手に中盤で互するとこまで
(本山やら俊輔やらを左にってそんな感じに捉えてます)
行けるんすかね?
理想じゃなくて現実的に行けそうな気がしてます?
俺はイマイチなんすよ・・・。

根拠(って言われても困るかな?)があったら知りたいとこです。
(トルシエがそれを目指してるって根拠じゃなくてグラさんの
展望の根拠を知りたいです。←言うまでもないでしょうけど念のため(失礼))

と書いたものの明日から長いお泊りですが・・・(涙)


蛇足
選手探しはずっと続くと思う。
今まで何年やってようが関係なく。
1年前、2年前とじゃ見ちがえる選手なんていくらでもいる。
例えば奈良橋(笑)。
奴が急にスキルアップしたら(なさそうだけど・・・)凄いぜ(笑)。

最後に表題の「個人的に」ってやつ。
龍さんの解釈が俺も好き(笑)。

Re(1):今更ながら(笑)
 glider E-MAILWEB  - 01/8/19(日) 10:20 -

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   ▼mitsuさん:

どもどもども。

>それが強豪国相手には中盤を取られる時間が多分にあることを戦術に十分に織り込んだ、と思ってます。

どうなんだろう、そこのところの捉え方。
あのサンドニの戦い、あの相手とのあの状況であの結果、自分達の状況、そういったことを正確に捉えられないスタッフでもないだろうし、実際にトルシエも「あの結果はサッカーの差ではなかった」と言っています。要するに、あの結果で「織り込んだのか」どうか?
ハッサンの時にもトルシエは「3:7で支配されるだろう」と言っています。
アジア杯優勝のチームからもう一度、世界へ向けたチームへの再編としてこれは織り込み済みではなかったか?
サンドニは良い口実にされただけでは?
まあ100%そうだとは思わないけど、そういう要素もあるのでは、なんて思います。
ぼくはね、今のままのバランスで本番まで行くとは思ってないんですよ。
10月の遠征、そこがまたひとつのポイントになるでしょう。

>本番(2002っす)でフランス相手に中盤で互するとこまで
>(本山やら俊輔やらを左にってそんな感じに捉えてます)行けるんすかね?
>理想じゃなくて現実的に行けそうな気がしてます?

強豪相手に四つの中盤戦を挑めるか否か、については3バックがカギになると思います。
先日の豪州戦、森岡も松田も中田も、ちょくちょく前へブレイクしてましたけど遅いからちっとも役にたってない。
ダーっといって、パっと出されて戻る。くり返しです。あの相手なのにね。
あのへんがもっと早く広く、カヴァーも含めてスムースになって、後方から中盤をライン操作だけでなく圧迫できないと、強豪相手に日本が四つに組むのは無理でしょう。
前方、後方へのラインブレイク、やっとやるだけはやるようになってきたのだから
(それは「ボールオリエンテッド・ディフェンス」という観点からはやって当然のこと)
そんなに急に多く望むのも無理だろうけど。

ボールを受ける、トラップする前にインターセプトが一番いい。
次はボールをトラップする、まさにその瞬間にプレッシャーをかける。
そこが足りてません。ようは遅いのね、あっちこっちで。
だからディレイして応援待って、って妥協策になってる。で、下がらされる。
ゾーンの移動の遅さ。ボールの動きへの反応の遅さ。ボールの流れの予測、判断。
大きなサイドチェンジに対してもそう。深い位置で外に展開されるボールに対してもそう。
個人の判断として、組織の動くスピードとして、もっともっとスピードアップしないと無理でしょう。
逆に言えば、それさえできれば五分に組めるとぼくは思ってます。
じゃあ本番までにそれができるか?と言う質問には「それがわかれば苦労はしない」って言うしかないかなあ(笑)
要は個人と組織両方の判断と一歩目のスピードを世界の一流と同じにする、そこまででなくてもせめて同じレベルでやれる範囲、同じ土俵で戦えるレベルまでにする、ってこと。
それって慣れも大きいですよね。海外に出た連中が持って帰ってくるもの、強豪との対戦で得るもの、それをどこまで自分達のものにできるかどうかでしょう。
中田、小野、稲本、西沢、高原、広山が今現在外国でやってて、年が明けたらもう何人か行くのかもしれない。
(磐田には悪いけど名波には絶対もう一度行って欲しい)
強豪との試合もまたあるでしょう。欧州、南米の中堅国だって相手ホームなら日本にとっては十分そういう部分を鍛えられる。
現実的な根拠はないんだけど、なんとなく行けそうな気はするけど、って感じかなあ・・・

自己レス
 glider E-MAILWEB  - 01/8/19(日) 11:39 -

引用なし
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   >要するに、あの結果で「織り込んだのか」どうか?
>ハッサンの時にもトルシエは「3:7で支配されるだろう」と言っています。
>アジア杯優勝のチームからもう一度、世界へ向けたチームへの再編としてこれは織り込み済みではなかったか?
>サンドニは良い口実にされただけでは?

トルシエがどう考えていたのかを、ぼくがどう想像したかをちょっと補足しておきます。
あくまでぼくの想像にすぎないので、念のため。
まずは、アジア杯の延長で、そういうモティベーション、方法論でやる。
あくまでもその中からの最善でやる。3:7で支配されようが、あの延長線上、その方法論の中での最善策をつくして。
それでもし善戦、あるいは互角以上にやれるなら言うことはない。
あの時点ですでに日本代表は世界一流の強豪だと言えた。
多少置いてある守備の課題など気にせず、そのまま攻撃サッカーに邁進すればいい。

しかし、トルシエにはわかっていたのではないか?
それは希望的にすぎることが。
アジアから世界へのステップ、と位置付られた2001年、強豪との差を確実に身体で掴み、もう一度隙間なく一歩目からこれまでよりもさらに綿密に作り上げ直す必要がある時期に来ていたことが。
F3の成熟度、中盤との緊密性、全体の攻守のコンビネーションとそのスピード、そういったことが世界チャンピオンと比べたらまだまだつたないものであることは当然わかっていたのではないか?
そう考えるほうが自然だと思える。

そして、サンドニでは予想以上に木っ端微塵にされた。
何よりもショックだったのは、戦う姿勢を失ってしまったこと。
開始してさほど経たない時間で、完全に自信を失い、自分達を失い、相手に完全に飲み込まれてしまったこと。

そこでトルシエは、予定にはなかった「チームの自信を取り戻す」ための選手起用、戦う姿勢を取り戻すための選手起用をコルドバに向けてやった。
大きなショックを受けて崩壊せんばかりのチームをまずは立て直すために、新しいモティベーションを持って入ってくるファイトできる選手達を呼び、ムードメーカーの中山を呼び、戦う姿勢を見せろ!とどやしつけて。
そして、予定よりも少々極端な形にはなってしまったが、逆にやりやすくはなった予定通りの行動、「もう一度、さらに強度を上げた形へ向けた、土台からの見直し」をやった。
そんな2001年の再出発ではなかったか?
ぼくはそんなふうにも思うんですね。


>個人の判断として、組織の動くスピードとして、もっともっとスピードアップしないと無理でしょう。

これも少し追加しておきたい。
書いたように、もちろん個人のスキルアップ、そういったレベルでの慣れ、ということは大きな要素です。
ただ、もうひとつ、チームとしての(その中での個人も)そういったスピード、速さの理由には、チームとしての完成度もありますよね。
フランス代表が現在飛び抜けて強いのは、そこにも理由があります。
構成する選手達が超一流なのはもちろんですが、他の強豪国と比べた時に、構成する選手達ひとりひとりの差よりもチームとしての差が大きくなるのはそういうこと。
チームとしてのコンビネーション、共通理解が熟成されているから、個人のレベルでも判断や動きだしが早くなります。
ぼくはそこにも日本の可能性を見い出したいんですね。

Re(1):自己レス
 mitsu  - 01/9/19(水) 16:31 -

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   退院しました(笑)。
長かったよ、1ヵ月は、まじで(笑)。

グラさんはわりと2002に間に合うことに肯定的なイメージを持ってるんすね。
なんだかホッとする(笑)。
たしかにスピードアップできればでかいだろうな。
1対1のDF技術のスキルアップより1秒早く相手に詰められる方がよっぽど役に立つ。
まぁスキルアップも重大な課題ではあるでしょうけど。

サンドニってそー考えてみると自爆(←時期的にまずいかな)気味なんすかねぇ?
ハッサンは点差はともかくとして中盤では惨敗(つーか崩されまくり)だったじゃないすか。
サンドニも似たようなもんで・・・。
ピッチ状態なんかもあってやられすぎだった(実力差以上に)感はあるにしても。
差は縮まらんな、ってイメージあったけど、俺としては。
まぁでもたしかにアジア杯のやり方がそのまま通用すると思い込むのも
頭悪いって言えば悪いしなー、ある程度予想してたかもしれないな。

スペイン戦を自信回復に使ったってのは今のところ俺には肯定も否定もする
材料なしです。
まぁありえない話じゃないし、でも世界との差を知ったくらいで
そんな凹むなよ、って気もしないでもないな(笑)。
とはいえ0-5はきついか・・・(笑)。

なんだかだらだらすみませんね、レスは不要です。
また別な話で。

Re(2):自己レス
 glider E-MAILWEB  - 01/9/24(月) 2:46 -

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   ▼mitsuさん:
>退院しました(笑)。
>長かったよ、1ヵ月は、まじで(笑)。

おつかれさんでした。
出所おめでとうございます(笑)

>たしかにスピードアップできればでかいだろうな。
>1対1のDF技術のスキルアップより1秒早く相手に詰められる方がよっぽど役に立つ。

その差が結局はすべてなんじゃないかな。
速いスピードの中の技術、正確な判断、アグレッシヴさ、間にあうかどうかってよりも、そうならなければいけない。
そういう方向にすすまなければならないって本当に思います。
彼我の差はそう簡単には埋まらないと思うけど(Jリーグの日常を見ていても)、それは意識の差、慣れの問題も大きいのではないか?
ハイレベルな相手との真正面からの戦いを数多く経験することによってしか得られないと思う。
正直、2002年にフランスやアルゼンチンに対して互角に戦える所まで行けるとは思わないけど、それはほとんどの国がそうでしょう。
ヨーロッパの予選を見ても、南米の予選を見ても、あの2チームは特別。現在の所は。
特にアルゼンチンは眼もくらむ猛スピード。ブラジルが翻弄されてる。
あそこまでとは言わないまでも、日本もああいうプレッシング、スピードを目指して欲しい。
そういうサッカー、そうならなければならないシステムを取っている以上。

ただ、目標は、実質的なランキングでベスト20以内。
常にそのへんにいることができれば、本大会ベスト16は現実的に狙える。
ベスト8には、必ず勢いで進んできたダークホースが1つか2つはいることを考えれば、それも夢ではない。
そのあたりの感覚は、サンドニ前から変わっていません。
そんな感じまで行ければ大成功と言えるんじゃないでしょうか?

中田、小野、高原、稲本、彼等はどんどんと良い経験を積んでいる。
川口も続くかもしれない。柳沢や中村も続くかもしれない。
名波も再び行くかもしれない。
そして2006年は、日本の黄金世代の年になるのかもしれない。
大久保や、前田や、阿部なんかも加わっているかもしれない。
海外組の経験と、代表での経験。
Jリーグにも良い形でフィードバックされることを望みます。

Re(3):自己レス
 mitsu  - 01/9/24(月) 23:33 -

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   速さはやっぱ慣れかなぁとも思うんだけど
日本の場合まずは知ることだろうなーと思う。

陸上とか水泳で上のスピードを体験するために
引っ張ってもらう練習があるみたいなんだけど
あれを思い出す。
今より上のスピードを知ることによって
そのスピードが選手にとってリアリティ
のある世界になるらしい。

そー思うとどんどん外に出るべきだなと思うし
強い国と対戦することの貴重さを感じますね。

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