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出張W杯コラム第3回です。
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期待薄、王国の終焉とさんざん叩かれていたブラジルと最近勢いのあるトルコ。グループCの首位を争う注目の対決となった一戦。
私は事前のブラジル展望で、「3人のRの攻撃力は魅力だが、ロナウドとリバウドのコンディションが微妙」というようなことを書いた。
しかし、のっけから元気に躍動するトリプルR。ロナウドも以前の爆発的な勢いはないものの、ストライカーとして十分に納得のいく動き。
代表になると存在感が3割減、さらにFWのポジションだと2割減するリバウドも、やはり消えてることはあるが、ポイントポイントで良いシュートを放つ。
コンディション良いではないか!
そして特筆すべきはロナウジーニョだ。左右に精力的に動いてリズムを作り、ペナルティエリアに近づくと足にすいつくようなドリブルでスルスルと抜け出す。華麗なワンツーで切り崩し、絶妙のパスを送る。やはりブラジルはこうでないといけない。
パリサンジェルマンにいるうちに髪もすっかり伸びている。普通色気づくとろくなことにはならないのだが、これくらい才能があると大丈夫らしい。
トルコもブラジルのボール回しにさすがに圧倒され気味だが、このトルコが先制してしまうのだからサッカーは面白い。
前半ロスタイム。ブラジルDFのギャップを見逃さなかったバシュトゥルクが浮き球のパスを送ると、走りこんだハカン・サスが左足のボレーシュートでゴールを揺らす。レバークーゼンのチームメイト、ルッシオのいるDFラインをバシュトゥルクが見事に切り裂いた。
それでも相変わらず好調なブラジル。後半5分、ロナウドが魅せた。
リバウドのクロスに飛びついて合わせ同点ゴール。ロナウドは積極的にシュート、ドリブル突破からのクロスを狙うなど、ストライカーらしい動きでブラジルに活力を与えていた。
ブラジルは再三チャンスを迎え、決定的なシュートを次々と放つが、そこにトルコのGKレクベルが立ちふさがる。ポニーテールをなびかせてスーパーセーブを連発するレクベル。こっそりシーマンと取り替えてくれないだろうか?
しかし、ここからトルコがバシュトゥルクを、ブラジルもロナウジーニョ、ロナウド、ジュニーニョ・パウリスタを下げたため、試合がどことなく落ち着いていった。
交代出場のデニウソンも、くねくねドリブルで局面を打開しようとするが、もう一つ試合を動かせないまま。
このまま終わるかと思われた後半42分。アルパイがペナルティエリアでシャツを引っ張り、PKそして退場。このPKをリバウドがしっかり決め、ブラジルが勝ち越した。
レクベルもばっちり反応していたが、ボールはその手をすり抜けていった。
さらに見所はロスタイムにも。CKの準備をしていたリバウドが突然倒れたのだ。
誰もが「すわ投石か?」と思ったその瞬間、リプレイに映し出されたのは、トルコのハカン・ウンサルが軽くリバウドに蹴り返したボールが腹に当たった後、なぜか顔を抑えながらのたうちまわるリバウドの姿だった…。
ハカン・ウンサルは哀れにもこの行為で退場。見ごたえのある試合は、アホな落ちまでつけて爆笑のうちに終了した。
それにしてもブラジルの攻撃陣はやはり魅力的。守備は不安があるものの、見ていて楽しいサッカーで、この後も盛り上げてくれそうだ。
ブラジル 2−1 トルコ
ブ:ロナウド、リバウド
ト:ハカン・サス
さて、明日はいよいよ日本代表の初戦。
私の当たらない勘によると、西澤が活躍してくれるはずです。
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