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このサイト、いえ、このツリーだけでも良いから、言葉を本来の意味に帰してやろうと思います。
勝手ですけど、つきあってください。
巷で言われている「ボランチ」は「DH」ですよね。戸田はDHです。名波がボランチです。混乱しないように、これからそういう使い方にします。
「DH」はあくまでも「DH」です。「ボランチ」とは違います。
ボランチは本来、舵取りです。チームの進路を定める、チームの頭脳です。海流も読まなくてはならないし、水深も見ていなくてはならないし、岩礁にも気をつけなくてはなりませんし、
もちろん方角も過ってはなりません。船長(監督)の意志も深く理解していなくてはなりません。
ぼくはボランチは大人にしかできないと思ってます。
まず広い視野が必要です。それだけじゃなく、それよりももっと大事な、まわりのことを考える使命もあります。
名波は大人です。ヒデも大人です。二人とも迷いません。間違えることもあるけど、迷いません。小野も大人です、かなり。でも小野はまだ迷います。
ヒデがDHの位置まで下がってくる。意味があります。ただカバーしてるんじゃありません。ただポジションチェンジしてるのでもありません。
試合のモメンタムを考えてます。他の選手の状態を見ています。でもヒデは「自分でやる」選手です。
名波もいつも考えてます。いろんなことを。いろんなことを見てもいます。
誰か孤立してないか。いつ誰をどこに動かしたらイイとこ突けそうか。どこがヤバいか。今、どういう流れか。敵がどこ狙ってるか。
名波の動きやポジショニングを見ていると、そういうことを考えてやっているのがわかります。いつも頭のハードディスクがフル回転する音が聞こえてきます。
「名波は何を考えて、何をやろうとしてそこに動いたのか、なぜそこに動く必然があったのか」を考えて見てみると
「人と人との繋がり」や「コミュニケーションするさま」がたまにだけど見えてきて、「無言の会話」が聞こえてきて、感動しちゃったりします。
名波は本物のボランチです。
日本代表監督のフィリップ・トゥルーシェは「サッカーはコミュニケーションのスポーツである」と言いました。
それは本当の、本物の、真実の言葉だと思います。サッカー先進国では当たり前なのかもしれないけど、そういう彼の哲学が好きです。
名波は「人にやらせる」選手です。「俊輔をあそこに出したら面白そうだ」と考えます。割合の問題ですが。
大人です。大人のサッカー選手です。でも強い国の強いチームにはたくさん大人がいます。いえ、大人ばっかりです。
ヒデ系も名波系もどっちでもない系もいるけど、大人ばっかりです。11人でサッカーします。当然のように。
どっちかと言えば小野も名波系な気がします。中村はヒデ系な気がします。でも中村はまだ大人になりきってない気がします。
そうそう、ゴンも大人です。「もたらそう」とします。感動的です。最高の笑顔で得点者を包容します。「もたらせた」からです。
スゴイです。大きいです。大好きです。11人でやります。「愛」があります。「愛」があるからパスが来ます。
本当なんです。比喩じゃありません。ちゃんとパサーのことを考えて動きます。パサーからは絶対見えない遠くで手を上げてたりはしません。
「サッカー選手」なんです、本物の、大人の。
現日本代表は、まだ「大人のサッカー選手」が少ないと思います。
だから、まだまだ「経験不足」と言われます。わかるんですね、きっと。先進国から見れば。
これからどんどん「大人な日本代表」になっていって欲しいですね。
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