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小野伸二がオランダで活躍するニュースが連日のように伝わってきています。
フェイエノールトのHPを見ると、そこにはチームメイトとじゃれる小野の笑顔。
試合ごとにチームに溶け込み、小野らしいパスを連発して客席をわかせ、一方では常にチームメイトの動きを感じ、答え、補い、主将のボスフェルト、エースのホーイドンクらも信頼を強めて行く。
小野の台頭によって焦るカルーは中央に入った小野のポジションに侵入し、その地位を奪うようにプレイしました。
しかし、小野は怒るでもなくそのカルーの穴をさっと埋める。
そうして心をほぐしたカルーは、小野とのプレイを息のあったものにしました。
小野にポジションを奪われる、と焦りグレかけたカルーは、その小野とのプレーによってモティベーションを取り戻したんですね。
2人がさかんにポジションチェンジをくり返し、パスを交換し、支配して行く。
今ではすっかり良い相棒になってきています。
小野が「ポジションは、出られればどこでもいいです」と言うのは、謙虚なのではなく求めるサッカーとそれへの自信なのかもしれません。
小野という存在がチームのコミュニケーションを強化し、チームを変えつつある。
小野伸二、というひとつの哲学。
サッカーの本質的な楽しさ。
サッカーの本質的な喜び。
それが小野の「アルカイック・スマイル」にすべてあらわれているように思います。
本当に「負」の要素がない人間なんだな、と思ったりもします。
それが周囲にも良い影響を与え、チームの輪を作って行く。
小野伸二の、ほんとうの良さとはそういう所にあるのかもしれません。
ぼくは彼の正確で多彩で意外性のあるパスよりも何よりも、彼のコミュニケーション意識の高さにいつも感動を覚えます。
いつの間にかチームの中心に「なってしまう」所に彼の天才性を感じます。
こんなに早く、言葉もまだロクに通じない外国のチームでもそれが起こりつつあることに驚愕します。
フィリップ・トゥルーシェ日本代表監督は、「サッカーはコミュニケーションのスポーツだ」と言いました。
「技術だけではなく、人間性も重要だ」とも言いました。
小野伸二は、すばらしいプレイヤーだと思います。
ケガだけには本当に気を付けて欲しいものです。
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