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▼hjro//さん:
ぼくは実は文系でして。
戦術サイトなんていってますけど、本当は戦術よりも人間的側面の方がずっと大きいと昔から主張しております。
戦術で劣っていても、強固にまとまったチームの方が強いと思ってるんですよね。
トルシエにしても、一番好きなのは「サッカーとはコミュニケーションだ」というような哲学ですけど、
戦術よりも先に、チーム作りの手腕やチームを良い状態に保つ腕の方をより評価しています。
一人の人間でもなかなかに複雑なわけですから、人間がたくさん集まっているのなんてちょっとしたことでうまく行かなくなりますよね。
一人一人が持てる力をなるべく存分に発揮できるような状態を作るのは並み大抵のことではないと思います。
また、個人個人の調子の波もあれば、チームとしての調子の波もあります。
ちょっとしたことですごく強いはずのチームがガタガタと音をたてるように崩れることもあります。
大変な仕事ですね。
率直に言って、まだあと1年もある。
今、好調な選手だってあと1年でどうなるかは全然わかりません。
だから、監督としては最大限の準備をしておかなければなりません。
オフトの時のように、都並がいなくなった、ダメだった、では済まされませんね、もう。
ヒデが壊れたら、ヒデの代わりを探すんじゃなくて、またちょっと違った形で力が出せるようにチームを作らなければなりません。
「また別のチーム」にならなければ、個性は活かされきれないと思います。
今回は名波がいませんでした。だから名波がいない別のチームになりました。
小野は中村の代わりではなく、小野なんですね。戸田は名波の代わりではなく、戸田なんですね。
そうしてチームの中での個人個人の役割分担が少しずつ変わって、別のチームになります。テレビの画面に描かれた図では同じ形に見えても、
実際に試合が始まれば全然別の形がピッチに描かれて行きます。
20〜30人くらいの固定メンバーはもうそろそろ決まるでしょう。
その中で、競争も行われ、コンビネーションも熟成されて行かれ、チームとしての全体像ができあがって行くでしょう。
でも、「これが日本のベスト・イレブンだ!」っていうのは本番でもはっきりはわからないかもしれません。
それぞれの試合の、それぞれの相手の、その時その時の選手のコンディションでそれは決まるんでしょう。
どんなメンバーで、どんな形になっても、等しく強い「日本代表」であることを求めましょう。
選手起用について、ケンケンガクガクするのもファンの楽しみです。
誰しもが同じベストメンバーを思い浮かべるなんてけっして強いチームじゃないとも思ったりします。
ローマだってそうですよね?ヒデがいいのトッティがいいの。モンテッラがいいのデルベッキオがいいの。
層が厚くなったことを喜びましょう。
名波が戻れば戻ったで「やっぱり名波は余人をもって換えがたし」なんて言われるんだと思いますよ。
チームの人間的側面からも、大事な選手です。チームの頭脳にもハートにもなります。
ひとつの解を。
キックオフの時の11人も、終了のホイッスルの時の11人も等しく重要だ。
フィリップ・トゥルーシェ
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