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	 |  | ▼Chisato_ppさん: 
 ブラジル流、フランス流といった括りが現在以降も意味をなすものかどうかはわかりません。
 だけど、現在のところ、ブラジル代表チームが欧州の強豪国に対して戦術的な遅れを持っているというのは今大会を見てもあきらかだったと思います。
 それがイコール、ブラジルがヨーロッパの強豪よりも弱いということにつながらないのも証明されましたが(笑)
 例えば、今大会のスウェーデンのような優れた組織的守備技術はブラジルにはありませんでした。
 また、南米予選時のアルゼンチンのような組織力に基づいた「プレッシャーのスピード」による支配力もブラジルにはありませんでした。
 さらには、ユーロ2000から2001年にかけて見せつけられたフランスのような優れた組織的動きによる「スペース・メイキング」と「スペース・ユージング」のスピーディな連続性も見られていません。
 
 そういった面で、
 >トップレベルのサッカーってもうほぼ同一化して来てて
 というのは大きな意味では正しいと言えますが、各国によって「求めるサッカー」が違うのもまた事実です。
 それは具体的に言えば、「(主に)ピッチのどこでサッカーをするのか」であり、「そのためにどうするのか」の細かな手段の差であり、「勝つためにはどうするのが最上か」の考え方の違いはいまだ歴然とあるように思います。
 
 ブラジルは、94年大会において当時の欧州の戦術を消化したチームで優勝を果たしました。
 98年も、そこからの大きな進化は見られず、94年大会の欧州予選敗退からチームを再編し、従来の組織戦術を進化させ、さらには強固なまとまりを作ったフランスに敗れました。
 そこから欧州の先端的組織技術論はさらに進化し、結果としてサッカーのスピードアップをもたらしました。
 むろん、現在のブラジル代表チームも大半が欧州リーグでプレイする選手で占められています。
 しかし、今大会のブラジルは、多くは個人技術と局面での少数のグループ戦術によってどうにか守り、同じく前線の選手とその直後に位置する選手の突出した個人技と、やはり突出した少数のグループ戦術による「ブラジルらしい」戦いで栄光を手にしたと思います。
 もちろん、「(チーム全体としての)戦術がなかった」というつもりはありませんが、ぼくの眼ではボールがブラジルの手にあり、それが相手ペナルティエリア付近の有効攻撃ゾーンに達するまでは、いかにも退屈なサッカーにしか見えませんでした。
 
 ジーコが、「今大会のブラジルのようなチームを目指す」というにはもちろん大きな意味での「強さ」や「創造性」を指していると思いますが、それを含んでもぼくには何やら方向違いのような気がしてなりません。
 
 トルコの中盤守備や攻撃、ボールの動かし方やボールのない所での動きにぼくは「創造性」を感じます。
 それは、むろん個人個人が時間軸やゲームを俯瞰する眼を含めた「立体的視野」を持っていることからしか起こり得ないものですが、それを下から支えているのは純粋に技術的な組織的構成力でもあります。
 そして、それをもたらすのは指導者の純組織技術的なスキルのディテイルとその積み重ねです。
 そうした面で、ブラジルはルシェンブルゴ更迭以後、その進歩は止まったまま。
 欧州強豪との差だけでなく、同じ南米のアルゼンチンにも立ち後れていると言えるでしょう。
 
 ただし、ジーコの代表監督就任は、代表チームの強化だけでなく、日本サッカーの今後を考えてのものだと解釈することにしました。
 Jリーグの発展、サッカー人気の維持、そうした面を考慮してのもの、と。
 しかしながら、代表チームの長期的視野からの継続的強化や、代表チームが目指す「世界の中で日本代表がすべきサッカー」の確立とその強化という面からは、方法論的誤りがあると思わずにいられません。
 フランス式、ブラジル式、ということではなく、どのようなサッカーを目指すべきなのか、という視野からの逆算として考えられた結論であるようにはまったく思えないのが大問題なんじゃないでしょうか。
 
 
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