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(トルシエが「ラインブレイク後のマンマーキングをより重視し始めた、少なくとも視野に入れはじめた」とする根拠、補足。タイミングがなく未発表部分です。)
これについては「フィードのまずい上村・秋田が招集され、上村は実際に『強豪国』であるスペイン戦で『いきなりスタメンで』使われた事実」を挙げた。加えて10月に『一人で縦にボールを運べる』アレックスが加入する可能性があり、その場合左CBにはフィード能力よりもむしろアレックスが上がった後のカバーリング、フォローアップ、ターンオーバー時のディレイなどが求められるようになるであろうから、左CBに服部もしくは上村が入ることは十分に考えられる(勿論、中田浩二が入らないという訳ではなく、その場合彼には自然と守備的な役回りが求められる、ということ。サイドに張り出して1対1の局面でマンマーキングする場面も当然増え、その際にはきちんとディレイを掛ける能力が必要になってくる)。
今迄の「右アウトサイドに『横 』にズレるDH系の選手を置く」やり方を覆し、『縦』への波戸を右に置いたのは、広山などの縦系を同サイドに置きやすくするのみならず、左サイドにもアレックスや本山といった「縦」系を置き、最終的に両サイドを「縦」に動く突破系にしたい、少なくとも「そういったオプションを持ちたい」という意図があるのではないか?と推測する。
名波が怪我しているという事情もあるが、戸田と稲本の両ディフェンシブハーフを並べ、それが十分に機能してきたということも「追い風」になっているように思う。とくに戸田の右サイドへのフォロー、カバーリング能力は、上記の「両サイド縦系」という構想をすでに半分実現可能にしている、明日アレックスが帰化できればすぐにでも使える状態に置いているようにすら思える。
では、なぜトルシエはそんなことをする必要があるのか?今までのデフォルトは「左攻撃的・右守備的」でなく「左にプレーメーカー、右にDH」であったはず。さらに言えば、「ボランチ一枚にDH一枚、トップ下が1枚もしくは2枚(アジアカップ)」という形。この「形」で並べた選手達に対する一抹の不安・不満がなければ、トルシエは『フランス戦後私は考えを改めた』などという発言はしないし、スペイン戦のような8人で守るような布陣は敷かない。明らかに「迷っている」のだと思う。
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