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>gliderさん:
組織に縛られると言う表現が誤解を招きましたね。
組織に縛られると言うよりも、フォーメーションを利用すると言うことです。
私もポジションチェンジを繰り返す、流動的なサッカーにはもちろん賛成です,というか日本の取るべき道はそこしかないと思っています。
そこで流動的なサッカーをするにあたって、このフォーメーションの助けを借りようと言うわけです。
3−5−2でも4−4−2でもフォーメーションはそこに配置された選手の最初のスタート位置と考えることが出来ますよね。
つまりいろいろポジションを複雑に変えていくとき、あたりまえの話ですが,左サイドの選手が中にきてたら今左サイドが開いてるんだな、とチームみんながわかります。またポジションチェンジした後のフォローもある程度チームとしてシステマティックに出来ます。
まあ、これは多かれ少なかれポジションチェンジを多用するチームはどこも利用しますけどね。
で、私が思わずポジションに縛られると使ってしまったことは、次のためです。
フランス、アルゼンチンなどのチームはこの最初のフォーメーションをたとえ間違えても(変な表現ですが)大怪我にはなりませんが,日本はなると言うことなんです。
gliderさんは、今のポジションが流動的なサッカーでは最初のフォーメーションなんて関係なくて各自おのおのがそのチームの戦術をベースに状況に応じて自分で判断していけばよいと、その結果最初のシステムなんか平気で変わるし意味をなさないとおっしゃりたいんだと思います。(間違っていたらすみません、それと生意気なことを言ってすみません)
私はそれはアルゼンチン、フランスについては全く正しいと思いますが,日本には当てはまらないと思います。
その理由について、選手の稼動範囲と身体能力という理由を前回挙げたのですが、詳しく言わせてください。
(このプレスの説明に関しては読み飛ばし可です(笑))
ご存知のように、戦術にプレスが導入されて、世界のサッカースタイルは劇的に変わりました。
すごく大雑把に言うとテクニックからフィジカル重視のサッカーになりました。
これはどうしてかと言うと、プレスを効果的にかけるためにプレーゾーンはどんどん狭くなりました。このような状況だとボールがわたったらすぐ数人に囲まれてしまいます。
ここでものをいうのがフィジカルと言うわけですね。
このフィジカルを具体的に言うと「あたり強さ」と足の長さや懐の深さから来る「間合いの広さ」と言うところでしょうか。
プレスはボールを相手から奪い取る行為ですから、この「あたり強さ」と「間合いの広さは」をもっていれば狭いプレーエリアでのボールの奪い合いで圧倒的に有利になれます。
結果世界のサッカーは1部の例外的選手を除き、フィジカルの強さが最優先(もちろんテクニックよりもです)で求められるようになりました。
いまではこれがないと、まともにプレすら出来ない状況になりかけています。(もちろんダイレクトパスやオフザボールの動きの卓越した才能があれば回避可能ですが)
クライフなどが、いつも今のサッカーは進歩したわけではないといつも言っているのは、このような傾向と自分のサッカー間が真っ向から対立するからでしょう。
それで日本の話に戻ります。
ぶっちゃけた話、日本人選手の「あたり強さ」「間合いの広さ」は世界と比べて、かなり見劣りします。
これだけでプレスサッカーの中ではかなり苦しいです。
これで実際試合したらどうなるかと言うと、こっちがプレスをかけても間合いがぜんぜん違うから全く取れないし、びくともしない、逆にプレスをかけられたらすぐ取られるし、吹っ飛ばされる。精神的にもかなりきついです、つまり精神力のスタミナ消費が相手とは比べ物にならないほど大きいと言うわけです。
選手の稼動範囲の差がでるとは、もちろん肉体的なスタミナもありますが,この精神的なスタミナによる要因が大きいです。
このようなチーム全体の決定的不利をどこで挽回するかというと、最初のフォーメーションをものすごく綿密に絶妙のバランスを取るように立てて,稼動範囲の差をカバーするしかないと言うわけです。
本当に絶妙なバランスですからそれが崩れたときは、悲惨としか言いようがありません。
プレスは全く効かず、90分間相手の思うがままです。
私は、そのような状況での例をとって、相手との判断のスピードの差、プレスのスピードの差と断定してしますのには反対です。
日本のこの絶妙なバランスのシステムが成功して、やっと相手と五分の土俵に上がります。そのときに差を見せ付けられたら完璧に認めますが、もろもろの原因で強豪相手にバランスよく戦ったことはほとんどありません。
それも、相手と言うより自分の問題でそうなっているのでなお悔しいです。
(また感情の赴くままに書いてしまいましたので、イメージと違ったことを書いてしまったかもしれません、次回はその訂正と(笑)具体例について(サンドニのフランス戦)書きます(しつこいですね))
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