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>gliderさん
>Daiさん
えーとkindさんが言うように、本当に長くなってしまいましたね。(笑)
私がシステムや組織にこだわりを見せる前提を話したのですが
私の言いたいことを100%伝えるには、これから日本がどのようなサッカースタイルを取るべきか,日本独自のサッカースタイルとはどのようなものか、について考えていることを言わないと伝わらないと思います。
また長くなりそうです、すみません。(笑)
まず解りやすく、これからの話の流れを書きますね
1、ヨーロッパ型近代サッカー(この約束事がオートマティズムというのかな?)と言われているものとはどういうものか
2、日本はこれをただコピーするだけではだめだ
3、じゃあ、日本の取るべきサッカースタイルはなにか
4、どうしてこれが日本独自が可能なのか
5、この戦術に適しているのはどの選手か
1、まず、ヨーロッパ型近代サッカーについてです。
簡単に言います。
大前提として守備優先のシステムです。どんな状況でも守備力は落としたくありません。
(フランスの守備力はイタリアのカテナチオに匹敵します、しかもあれほどバランスの悪い布陣を取ることなくです)
それで、攻撃は中盤での組織的なプレスで高い位置でボールを取ることのよって、相手の守備組織が整わないうちにゴールしてしまう、と言うことが基本です。
(ある意味カウンターに近いかもしれません)
攻撃について大事なものがもう1つ、セットプレーです。
このシステムの最大の欠点は、引いた相手、組織的な守りが崩れていない相手だと自分たちから崩すことは大変難しいと言うことです。(このシステムじゃなくても難しいですが)
それの解決の手段としてセットプレーがあります。
セットプレーが現代サッカーで重要性が増したのはこのようなわけです。
ここで断っておきたいことは,
ミランでサッキが引いた4−4−2(DFラインも中盤もフラット)や
ユーべでリッピが引いた3−4−1−2(この2つが代表的ですね)
というようなフォーメーションの問題ではなく、このような考え方が近代サッカーと言うことです。(この注釈は余計ですね)
Jリーグでいえばジェフのサッカーがまさにこれです。
あの監督は優秀ですね、よく組織されています。
それとこれが重要なのですが、この近代サッカーは、私が今まで言ってきた自由にポジションチェンジする流動的なサッカーとは、ある意味違うということです。
(この違いは微妙ですから、後で説明します)
2、これを日本がそのまま取ってはいけない理由です。
前にも言いましたが,これはプレスサッカーです。
フィジカルがものすごく重要です。
そこでフィジカルについてです。
確かにフィジカルは後天的にも鍛えることは充分に可能です。
しかし、無計画にこれを鍛えると日本人の長所である俊敏性やスピードが失われてしまうかもしれません。(カズがそうだとラモスは言っています)
最近の選手はこれらをいかに落とさないでフィジカルを鍛えるか慎重にやっています。
そのほか、もちろん体の使い方、タイミングなどあります。これらはどんなサッカーをする上でも大切な要素なのでどんどん鍛えてください。
しかし、足の長さや懐の深さなどどうしょうもないことも多いですし(しかもこの「間合いの広さ」がプレスサッカーでものすごく有利な要素になったりする)、そのほかでも骨格などから違ったりします。
日本人がこれからいくらフィジカルを鍛えても本質的にこの戦術はヨーロッパ人が自分たちのオーダーメイドに作ったものだから追いつくことはないでしょう。
それにメンタリティーについてもこれは点さえ取られなければ、たとえ点が取れなくて0−0でもオッケーというヨーロピアンなメンタリティー(トルシエいわく引き分けのメンタリティーってところですね)から来た戦術なので、その辺も日本人にはあいません。
3、これから日本の取るべきシステム
簡単に言うと、このヨーロッパ型近代サッカーを破るサッカーです。
先ほど、近代サッカーでは引いた相手や組織的に守備が整っている相手は崩すことが難しいと言いました。
でも、引いた相手や組織的守備の相手を崩すことが可能なサッカーはあります。
レアルなどのスペースサッカーです。
ダイレクトでどんどんパスを回してプレスをかいくぐり、お互いがポジションチェンジを繰り返し、スペースを作りそれを利用する、とにかくないスペースは作る、相手のゾーンを崩すと言うところでしょうか。
このサッカーに要求される能力はテクニックとアジリティです。
(まさに日本人にぴったり)
Jリーグでいうといわずもがな、ジュビロ磐田です。
先ほど言ったこのサッカーと近代サッカーの違いを説明します。
はっきり言ってものすごく似ています、守備戦術は同じと言ってもいいくらいです。
違いは「選手選択」です。
先ほど言ったように近代サッカーでは守備力は絶対落としたくはありません。
よって選手選択にもそれが現れます。
つまりフィジカル、守備力が最優先で選ばれます。
反対にスペースサッカーは、乱暴に言うとテクニック、アジリティなどが高い選手を出来るだけ使いたい、という感じで選ばれます。(笑)
もちろんレヴェルの高い選手は、すべての能力を持っていますが,やはり人間ですから苦手なものもあります。
例えば、ジダンはアジリティが足りません、レアルで苦戦しているのはそのためでしょう。
フランスは、やはり選手の圧倒的なレベルの高さから、守備力を中心に選んでも攻撃力もすばらしいです。
しかし、やはり引いた相手や守備組織が整っている相手を崩すことは苦手としています。
もちろんポジションチェンジも行いますが、あまり効果的には行えていません。
選んでいる選手が本質的にこういう事を得意としませんから。
例えばカリエールなどは得意でしょうが、彼では守備に不安があります、
それはチームコンセプトと違いますし、おそらく起用されないでしょう。
それで日本の話です。
もちろん守備については、この近代サッカーのオートマティズムをもって守らなければいけません。
それで、攻撃についてはスペースサッカーです。
ようするに、日本的なテクニックやアジリティの高い選手に近代サッカーの守備とスペースサッカーの攻撃をやらせると言うことです。
でも実は、ここまではレアルやポルトガル代表の普通のスペースサッカーと違いません。
この戦術は、言うまでもなくテクニカルな選手を多く配置する分守備のリスクが大きいです。
そこでレアルやポルトガルでは4バックをひいて効率的にスペースを埋め、バックの高い個人能力に依存する形で守備のバランスを取っています。
日本では守備の個人能力不足からこれすらも出来ません、そこでフラット3のご登場です。
ラインコントロールによって、個人で出来るだけあたらないようにすることと、ラインを高く保つことによっての中盤のプレスの助けなどをします。
で、このバックラインは本質的にはこのスペースサッカーに合っています。
しかし、これでは、中盤のリスクをバックで減らすどころか、かけて何倍にも増やしています。(笑)
これが、日本の戦術がタイトロープのように微妙になるもう1つの要因でもあります。
すみません、長くなりすぎました。
また次回続きを書きます。
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