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某所に書いたことの焼き直しです(汗)。
この試合、トルシエがやろうとしたことはスペイン戦でやりきれなかったディフェンスの文化および「攻撃の具体的手法」(僕が「見えない」とした部分)の模索でしょう。右WB波戸、左WB小野、2トップに山下・鈴木(久保わい!)、トップ下中田ヒデ。ボランチ2枚に明神・伊東というのも割と面白い試みといえたかも知れませんが、逐一説明できるほど詳しくみていないので割愛。
日本ディフェンス。4バックプラス1の5バック、何度か本当に五枚が同じラインを形成した「フラット5」、3バック、の状況に応じた使い分け。
バックスの服部・松田・上村ですが、相変わらず良く分からない「半ばブレイクした」フラット3と言えるライン形成、つーか要するにバラバラ(笑)。
何度か「最終ラインに一人居残った上村によるラインコントロール」すら観られ、とてもじゃないが「フラットライン」としてクオリティの高いものとは言えなかったように思います。それでもどうにか無失点で切り抜けられたのは、ひとえにブラジル攻撃陣のあまりの迫力のなさ。ブラジル代表としてのテクニック&スキルレベルを備えているのはおそらく20番のラモン、?番カルロス・ミゲウあたり。でも、彼らにしたって来年のW杯のメンバーに入ることは厳しいでしょう、実際。
一人一人のワンタッチコントロールは日本選手の平均よりも高いレベルにあるとみられるものの、個々人の戦術眼の低さ、もしくは連携の拙さは目を覆わんばかり。例えば21番ワシントンの相手ライン対処に対するあまりのアイディアの無さ。テレビの前で僕は「ワシントンがいる限り日本は失点することはないな」なんて軽口叩いてましたが(笑)、彼の動きをよく見ていると、ラインに対して常に頭一つ抜け出しているのが良く分かります(笑)。まったくラインをみていない、気にしていない動き。彼自身のスピードの無さ、また副審のかなり曖昧な(つーか怪しい)旗に助けられた側面もありましたが、凸凹なラインであれだけオフサイドを取れたのはトップの選手のまずさという部分が大きいと思います。
ブラジル代表はB代表であり、三軍以下といって差し支えないように思います。その相手に対して「引き分け」の戦い方が出来たということは、まあ「及第点」というところでしょう。試合コンセプトに沿った戦い方を見事にやり遂げたという意味で。ただ、これを持って何か特別なプラスアルファが付加された、という風には考えられない、カメルーン戦同様。相手が決して強くなかったというのは紛れもない事実。「勝利」や「引き分け」といった結果が卑下されることはないにせよ、必要以上に評価するのも考えものです。
とはいえ、名波、中村が居ない状況でここまでのチームを作り上げたトルシエの「チューニングの腕」には素直にシャッポを脱ぎます。貴方は有能なコーチだ。後は、極限状態に陥ったときに手の縮こまった采配をしない、それだけでもう言うことはない。
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