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▼ロバさん:
そうですか、宮本がそれほどお好きだったとは。
ボロカス言ってすみません。
ぼくにも好きな選手がいて(小野とか)ボロカス言われたら悔しいけど、でもけなされそうな所って案外わかってませんか?
完璧な選手なんてそういるはずなくて、しかも話は日本代表ですからみんな欠点はある。
どこをどう見るか、どこを重視するか、そして「どこまで求めるか」で評価は大きく変わってきますよね。
ぼくは、バックスの中心になる選手というのにはどうしても「完璧」に近いものを求めます。
チームで一番良い選手でないと、とすら思います。
古くはベッケンバウアー。
もっとレベルを落としても、94年当時くらいのホン・ミョンボ。
(やり方や役割や特性が違うだろう、というのはわかってます。存在と能力のレベルの話です)
やり方にもよるだろうけど、3バックは難しい。
特にその中央は、その選手次第でディフェンスの印象すら変わることが多い。
トルシエ式では、ある程度誰が入っても戦闘力が落ちないようにうまくやっていると思うし、スマートなやり方をしてると思う。
でも、第二段階を卒業したっていうのは「システムの基本的なやり方とその効用、そしてそれがもたらす精神を実践できた」ということ。
それをより高いレベルでより厳しい相手に対しても維持し効かせて行くためには、その基本精神を保持するためには、第三段階へ進むしかない。
「応用編」をマスターし、個人個人のやり方で、自分を出しながら進んで行くしかない。
サンドニが悲劇になったのは、迷ってしまったのは、彼我の力の差、スピードの差、そのことへの慣れのなさ、コンディション、ピッチ状態、そういう様々な理由で迷わざるを得なかったから。
日本の能力で、基本だけでは守れなくなったから。
アジアのレベルでは、ラインの動きにきっちりとついてきて駆け引きを強いられるようなFWはほぼいなかった。
ボールを動かす速度も人の動きもさほど速くなくて、中盤でのプレスは思うようにかかったし、そこでどうしても物理的に人が足りなくようなスピードはなかった。
だからバックスは余裕を持って人を余らせながら、悠々と押し上げた。
でも、世界を相手に勝ち抜こうとするなら、そういうわけには行きません。
サンドニでの教訓は、とても貴重なものでした。
ああいう速度、技術、組織的完成度を持つチームがある、ということを教えてくれた。
もうそれを基準に考えないといけない段階だとぼくは思うのです。
決勝トーナメント進出だとかそういうことじゃなく、そういうレベルの相手に対し「自分達のサッカー」をするためにはどうするか、で考えないと進歩はない。
日本は順調です。
戦術の効用と限界、その上に何が本当に必要なことなのかをチーム全体が駆け足で学べた。
それはトルシエに感謝しないといけないでしょう。
宮本はちゃんとした頭脳のある選手です。
リーダーシップも持っている。
ポジショニングはいつもほとんど間違いがない。
でも、もうその先を求められる時期、そして宮本が持たされた役割です。
宮本にも森岡にも思い入れのないぼくは、「さてどっちが早いだろうか」と考えます。
「どっちが本番に間に合いそうか」と考えます。
それも森岡が早期にケガ前と変わらぬ状態で戻ってきての話ですが。
いずれにしろ、あの程度の「バックスの中心」ではとうてい納得できません。
ポーランド戦を見て、わかっていたことではありますが、中田ヒデはやはり頭ひとつ抜け出した選手だな、と思いました。
バックス陣にも、いえ、バックス陣にこそ、そういう選手がいて欲しい。
もう贅沢は言えない時期。今の松田の強度、速度が平均、基準であるとして、そこからひとつ上の選手がセンターであって欲しい(もちろん物理的な身体的強さとか足の速さではなくて)。
だから、この2戦の宮本のプレイぶりで「良かった」なんて言われると、冗談じゃない、と思ってしまうのです。
ぼくはやはり、大いに不満です。
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