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Re:パラグアイ戦
 司馬 WEB  - 03/6/15(日) 20:33 -

引用なし
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   ▼gliderさん:

ご丁寧なレスありがとうございます。gliderさんの意見に「なるほど!」とか「よく考えておられるなぁ」と感心することしきりでした。
普段おっしゃられる「素の状態」論などもさらによくわかりました。
その上でレスさしてもらいたいと思います。

gliderさんがおっしゃることを僕なりに読み解くと日本代表のあり方ということをよく考えておいでのように思います。
昔のことですが、僕があるサッカー雑誌を見ていたらこんな記事がありました。あるJリーグ所属の外国人サッカー選手(だれだか忘れましたが)へのインタビューでしたが、「日本人選手は野球ならあんなに細かく約束事をきめて緻密な野球をするのに、サッカーではまるで決め事がない。」というものです。

サッカーにも各国に「文化」があります。それぞれの国で「らしさ」というものがあり、リズム感のあるブラジル、アスリートとして優秀なアメリカ、移民文化とシステマティックなやり方のオランダ、感情表現の激しい韓国など国によって「サッカー文化」が根付いています。
翻って日本を見てみると、まだまだサッカーが文化として根付いていないこともあり、明確な「日本色」はないように思いますし、今はそのコンセンサスを模索しているところだと思います。僕は日本という国の特徴として、さまざまな産業や文化・歴史、そういったものを見ても緻密で繊細であるという特徴があると思います。
野球はその特徴がよく現れて「日本人らしさ」というのが日本の野球からはよく染み出しているように思われます。
僕は日本人らしいサッカーとは、野球と同様にある種細かい約束事をたくさん作って、戦術を第一にチームを組み立てることだと思いますし、それが日本人の得意とするところだと思います。
野球に例えるならば、ノーアウト1塁では送りバント。一塁にランナーがいるときは引っ張りを意識する。ノースリーからは振らない。ワンアウト三塁ではボールの下を叩いて外野フライを狙う。などなど。
例えばブラジル人やアフリカンに野球を教えるとしたらきっと「俺はそんな引っ張りを意識したり、ボールの下を叩いたりするんじゃ力が出ないし、結果もよくないんだよ!」って言われそうな気がします。
日本人はそういう細かいことをしながらも本領を出せる民族だと思います。

つまり、日本人は戦術を「縛り自由を奪うもの」ではなく「勝利への近道」として消化できる可能性のある世界でも稀な種族なのではないかと思うのです。

日本の野球でも近鉄のように「いてまえ」打線で行け行けどんどんの文化を持つ球団があります。一時期戦術的に細かい監督が近鉄の指揮をとったときは、個々が考えることに力を取られて実力を発揮できず、当然のように結果がでませんでした。やっぱり近鉄は「いてまえ」でいいのです。ですが、いてまえで優勝したからといって日本全体がいてまえ野球にはなりません。やはり日本人らしい野球が全体のコンセンサスになっています。

サッカーも同様にこと日本人において「個」と「戦術」は互いに助け合うものです。
gliderさんの意見は要約すると
「クラブトルシエとして活動することが可能であったこの四年間は自国開催という特殊な状況であった」
「しかし特殊強化をした後でも足りないものがあった」
「特殊ではない素にもどるのはさらなる日本サッカーの発展のためにには不可欠」
ということだと思います。

僕の意見とgliderさんの意見の違うところは生き詰まりが見えた今回のW杯を捕らえてどう発展させていくかというところでしょう。一番最初に述べたように日本サッカー界にはこれまで全体のコンセンサス(野球で言えばここは送りバントやろ!みたいなこういう時はこうするという決まり事)がなかったように思います。
トルシエはそれをある程度植え付けましたが、僕はまだまだ徹底が足りなかったのではないかと思います。日本人にはもっともっと戦術的に、システマティックに教え込み、こういうときはこうするというものを全体の認識として植えつけるべきと思います。
つまり、代表チームの決め事を代表チームだけのものとするのではなく、日本のサッカー関係者全体のコンセンサスとして普及していくことが強化への道だと考えます。
今の日本サッカーに足りないのはさらなる戦術的技量と共通認識だと思うのです。

>しかし、日本の場合「ワールドカップ・ベスト16」はやはり少々の背伸びなしでは得られない結果だった。背伸びしたままさらに背伸びを計るのが健全なことだとは思えません。

というgliderさんの意見に対し、「日本の戦術的技量は決して背伸びではなかった。まだまだ戦術的に伸ばす余地もあるし、それを日本全体に広げることで日本人らしいサッカーが確立でき、強豪国の仲間入りができるのではないか」「個々で勝負を挑んでは日本人の特性に合わない。集団での戦い方をもっともっと磨くべき」というのが私の意見なのです。

それゆえ、日本代表監督には戦術で勝負できる監督が欲しかったのです。


以上が僕の意見です。野球をたとえに語らせてもらいましたが、もちろん野球とサッカーは全く違うスポーツであり、野球の成功体験(成功とはその国らしい特徴を確立できたという意味です)がサッカーにもあてはまるとは必ずしも言えませんが、参考になる部分は多いと思われます。
gliderさんの意見も大変興味深く、いろいろと考えさせられるところも多々ありました。またレスいただければ幸いです。それでは。
121 hits

パラグアイ戦 glider 03/6/12(木) 7:16
  Re:パラグアイ戦 amo 03/6/12(木) 10:56
  Re:パラグアイ戦 glider 03/6/12(木) 11:28
   Re:パラグアイ戦 raam 03/6/12(木) 15:19
   Re:パラグアイ戦(訂正) raam 03/6/12(木) 15:47
   Re:パラグアイ戦 glider 03/6/13(金) 4:35
    Re:パラグアイ戦 司馬 03/6/13(金) 23:43
    Re:パラグアイ戦 glider 03/6/14(土) 22:14
    Re:パラグアイ戦 司馬 03/6/15(日) 20:33
    Re:パラグアイ戦 glider 03/6/16(月) 18:26
   Re:パラグアイ戦 amo 03/6/12(木) 23:14
  訂正 glider 03/6/12(木) 11:01

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