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▼Daiさん:
そしてついに本職CBがいなくなり、ボランチの選手が5人になった後半(笑)
これもオシム流ってことなんでしょうね。
DFとMFの流通性を重視。
今野、阿部、啓太にはCBも経験させることで、彼らがMFに入った時に最終ラインとの入れ替わり(それは攻守両面の意味)もよりスムースになる、と。
ま、全員サッカーってことでもあるでしょう。
今野、トゥーリオ、駒野(にもCBをやらせる予定だったとか)なんていう3バックを想像すると、ちょっとドイツ・ワールドカップのメキシコさえ思わせて面白い。
こういうことは日本サッカーにとって良い栄養になるんじゃないかと思いました。
>個人的には1点。長谷部を駒野に代えてスタメンにして中盤に入れて、山岸を中盤右に入れて、3−5−2が良いかなと思います。
試合を見てもそう思いましたね。
山岸はチャンスメイカー/シャドウストライカーとしては、個人的にはもうひとつでした。
それから欲を言えば、左が三都主なら右にはかつての藤田のようなタイプを置いたら面白いのに、と思いました。
あるいは今野を右サイドで使う手もあるか。
そうすればボランチ陣の自由度も少し上がるかもしれませんね。
巻は一時期の好調を失い、いまや「なんで代表?」という感さえある。
「ポテンシャル」をあまり重視せず、調子を含めたコンディションやその時々のクラブでの結果重視で選手を選ぶと、こうして調子を落としてきた時には「なんでコイツが代表なの?もっとマシなのいなかったっけ?」ってことにもなる。
インド戦の巻を見ていてぼくは、本当に「ここに柳沢がいればなあ」と思ってしまいました(笑)
どうでもいいんだけど、ジーコジャパンの対インド戦の成績は7ー0、4ー0、6ー0でした。
その他、前半で気になったこと。
最終ラインでボールを保持している時にもうみんな前向いて走って行っちまうもんだから、中盤にポイントができず、逆にインドを守りやすくしているようなシーンがいくつか見受けられました。
中盤にせっかく中村という時差を作れる選手がいるのですから、そこにひとつポイントを作るようにすれば、もう少しインドの守備陣形をバラバラにすることができるのに、と思いました。
あの程度の相手なら、もっともっと決定機を作っていないとおかしい。
ただ早く早く前へ前へではなく、チームとしてのボールの流れの作り方にタイミングという要素をもっと盛り込むべきだし、ギアチェンジといった部分をもっと意識すべきだと思う。
それから、解説の風間氏がさかんに指摘していた通り、もう少しきちんとボールを扱うべき、とも思いました。
これも急ぐあまりにトラップやパスが雑になっていると思われる部分があり、ピッチ状態が悪い分、もう少し丁寧にやるべきかと。
別にそんなに急がなくても、インドはたいしたプレッシャーでもなければコンパクトな守備でもないし、きちんとしたボールの流れを作れば崩せるわけですから。
みんな監督のいいつけを盲目的によく守る良い子ばかり、って感じなのがどうも気に入りません。
ただ、中村憲剛という選手はやっぱり良いですね。
読みの良い守備があり、良いキックとアイデアがあり、独特な間合いを持っている。
遠藤に代わって彼が入ったことで、イエメン戦等に比べれば随分と良くなったように思います。
オシムは中村憲剛を「攻撃的なMF」とし、そういう選手は守備能力が足りない場合が多い、と会見で述べていましたが、ぼくは中村憲剛という選手をそうは見ませんでした。
彼の守備能力は侮れないものがある。
インターセプト、パスカットは多いし、寄せの速さもある。
インド程度の相手だとコンタクトプレイうんぬんは判断しかねるけれども、「攻撃能力が高い=守備能力が低い」と見るのはどうかと思います。
話はちょっと逸れますが。
オシム監督はよく「エレガント」と「強さ」を二極相反の要素として語りますが、ぼくはそうは思わない。
「エレガントだけれど勝てない」なんてのはただ単にバランスが悪いだけだ。
巧みな技術を効果的に勝利に結びつけることができていないというだけのこと。
技術がある。視野が広い。豊富なアイデアを持っている。したがって全体が見え、先が読める。それが敗北に直結する要素になると言うのは基本的におかしな話。
守備でもそれを生かせば良い。
この日の中村憲剛がボール奪取を繰り返したように。
そして、「エレガントな選手」でも「ファイト」させるのが監督の仕事。
会見でのオシム発言を引用すれば、デコやロナウジーニョのようにパスを出せるのなら出させればいい。
そうすべきでないところでそうして失敗したなら怒鳴りつければ良い。
能力をフルに使ってこその強さだし、妙な効率主義で能力制限してる場合じゃないでしょう。
持っているものは全部出せた方が良いに決まってる。
それに、トルシエの「明神が8人」じゃあるまいし、いくらそれで勝とうが啓太が8人のサッカーなんて誰も日本代表に求めていない。
中村俊輔が8人のチームも求めてませんが(笑)
いろんな個性のいろんな選手がそれぞれにフルに能力と個性を発揮し、それが上手に融合したチームをこそ、求めている。
そしてそのそれぞれの個性は、強ければ強いほど、面白い。
長谷部ー中村という後半の2センターは、MFらしいMFに見えました。
ただし、インドがプレッシャーを素早くして強めてきた時にボールとチームを落ち着かせられなかった所、流れを変えるべく工夫をしなかった所は「セントラルハーフ」として物足りない。
かつての名波や小野のような「本物の舵取り」がいないのは、このチームの泣きどころでしょう。
もちろん、インドがプレッシャーを強めてきたのと同時に啓太がひとつ下がったことで長谷部と中村が前に出づらくなった、という要素はあるでしょう。
でも、後ろの守備の安定や確実なカバーリングによって前へ出る、ということだけでなく、チームとしてのしっかりしたボールキープと良いボールの流れ等によっても、選手は前へ出られます。
早く速く、みんなで走ってパスコースを作って、というのもひとつの手、打開策だけれど、それだけでなく、良いボールの流れやチームとしてのボールの持ち方をすれば、選手はもっと自然に良いタイミングで動き出せる(解説で指摘されてたような、パサーがまだ蹴る体勢になれていないのに動き出してオフサイド、なんてアホらしいことはなくなるわけです、少なくとも)。
局面局面の細かなところでそういうオーガナイズをすること(ちょっとした受け方や受ける場所、タイミングの工夫やトラップ、一歩目の変化、リズムチェンジ、パスの出しどころや球質等、ひとつひとつは小さいけど、周囲にとってはその影響は大きく、それが積み重なりそれが連鎖してチームとしての差になる)苦しい時にそうした流れを切るべく動くこと、そうしたことが「センター・ハーフ」の大きな役目だし、本当に強いチームには必ずそうした中盤の要がいる、とぼくは思います。
走ること。
サッカーの大事な要素です。
このチームはよく走る。
でも、いつ走るかという部分がまだできていない。
止まる、という部分がない。
ただただ走る、できるだけ早く走り出せば良い、とばかりにただ走ってる。
止まっていて、そこから急に走る。ゆっくりやっていて、急に早くする。
そういう緩急がないし、駆け引きがない。
そういう部分でそれぞれの個性もより出てくるし、それをお互いが分かりあうことで、相手よりひとつ早くなる。
そんなにみんなしていっつも急がなくたってね。
ぼくは、もっとひとりひとり個性を出して欲しいと思うし(発掘する時期というならなおさらですね)、そうでなくては本当に強いチームになれないとも思う。
「オシムのサッカー?ま、監督の要求は尊重はするけど、俺は俺だしサッカーやるのは俺だからな」くらいの選手が集まってこそ代表。
多少傲慢であってもそれぞれがもっとそれぞれの個性、価値観を出して行くようにしないと、本当に強くなれない、継続的に世界の強豪と伍して戦うチームになって行けないと思うし、オシム監督に対しても、単一なサッカー観を持った個々の顔が見えないチームではなく、それぞれがそれぞれのサッカー観を持ちながらうまく融合しているような奥行きのあるチームを作って欲しいと願います。
「オシムのサッカーをする日本代表」ではなく、日本代表のサッカーにオシムのエッセンスが生きている、というような状態が理想ですね。
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