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日本が負けました。
選手の起用に関して、またぞろあきらめの悪い人達が何か言っていますが、ぼくはそんな所に敗因を見い出そうとしても何もならないと思います。
「チームの勢いが削がれた」・・・チームは23人の選手と監督、コーチ、スタッフらの全員です。
スタメンの11人を代えたら、勢いがなくなるのか?
そんなことはあり得ない。
「アレックスをFWで先発させた理由が不明」・・・トルコの左サイド、アムレの出場停止を受けての戦略でしょう。
トルコ左サイド(日本にとっての右)の脅威はアムレの不出場でかなり低くなったので、残りの右サイドを押さえ、かつその裏をアレックスで突くことができれば、完全に日本が優位な体制を作れる。
事実、前半の日本はアレックスが左前のスペースをよく使えていました。
トルコの右サイドの選手、ウミト・ダバラを押さえつつその後ろのスペースを突こう、という意図は成功したとも言えると思います。(得点できなかったこと以外)
高さのある西沢の起用も、そのことと合わせて理解できるでしょう。
「後半、アレックスと稲本を下げたのはまずかった」・・・アレックスがオープンスペースを使い、そこが最大の脅威にもなっていたトルコが、そのままそこに何の手立てもなく後半に臨むと考えるのもおかしなことです。
そして、先制したトルコは当然ますます引いてくることも予想できたこと。
市川を投入し、FWを2枚にしてパワープレイをしかける。
市川の裏を前への突進はなくとも中央と右の両方を守れる明神にケアさせ、バランスを取る。
そのくらいのことは見ればわかるはずです。
その上で、ぼくは稲本は下げるべきではなった、と思う。
確かに、市川が前でプレイすればその裏をバシュトゥルクに狙われたでしょう。
そういう面で、明神の方がバランスは守れる。
でも、日本はビハインドを負っていたのです。
さらに言わせてもらうなら、市川でなく柳沢が、鈴木でなく森島が欲しかった。
アレックスを残し、稲本を残して。
でも、トルシエはたぶん、「そこまで崩さなくても点は取れる」と踏んだのでしょう。
延長に備えて森島を取っておこう、と考えたほどに。
敗因の第一は技術だとぼくは捉えます。
雨のピッチの中で、日本の選手の技術はブレた。
ミスパス、トラップミス、ボールキープのミス、そこからトルコにチャンスを与えてしまった。
トルコの選手達に雨の影響はさほど感じられなかった。
彼等は雨のピッチの上でも、実にしっかりとボールを扱っていた。
だからぼくは雨の中でもさほどブレないであろう稲本にいて欲しかったのです。
韓国がイタリアに勝ちました。
何はともあれ、ぼくは彼等をリスペクトします。
レフェリーを味方につけたあの壮絶な環境を作りだし、その中で猛烈なファイトを見せた韓国は確かに見事でした。
でもぼくは思いました。
この日の日本になく、韓国にあったものは確かにあるでしょう。
それを羨ましいと思うか?ぼくは思いませんでした。
もっと日本らしい強さをぼくは求めます。
繰り返します。
日本がトルコに劣ったものは、まず「基本技術」だと思う。
悪条件の中でもブレない正確な基本技術。そこがまずはいまだにある世界との差だと思う。
トルシエの采配が本当に適当であったかどうかなんてわかりません。
何を言っても結果論。
何をどうしたかったのか、はわかるし、それは間違っていたと断言できるようなものでもない。
他にも手はあった。それも確か。
もっとパワープレイのできるFWがいれば良かった、という意見だってあるでしょう。
雨だったんだからもっとシュートを放っていれば、という意見もあるでしょう。
もっと強い精神力があれば、攻撃の場面でもっと速くサポートに入れていて、チャンスを膨らませていたはず、という意見だってあるでしょう。
全部、間違ってないと思います。
でも、雨のピッチの上では、日本の選手はトルコの選手よりも基本の面であきらかに下手だった。
ぼくは、それをまず一番はじめに解決して欲しい。
日本人選手のモビリティとそれを生かす細かなテクニック。
そうした面を、悪条件の中でも遺憾なく発揮できるようになって欲しい、そうして日本ならではのサッカーを確立して行って欲しいと願うのです。
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