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ベスト16という歴史を作ってくれた
フィリップ・トルシエとその息子たちに、最大級の感謝と敬意を。
最後まで議論のタネを残してくれた(笑)トルシエ監督は
プロサッカーコーチというくくりのまえに「チームマネージャー」として
ほんとうに面白い人間でした。
23年の自分の人生で、これほど言葉を使い、議論し、
ワンプレーワンプレーに発狂せんばかりに喜び、
ワンプレーワンプレーに親の仇を見つけたかのように激昂し、
ネットで飛び交うさまざまの文言の一言一句に一喜一憂し、
瞬間湯沸かし器になったり液体窒素ボンベになったりした
4年間があったでしょうか、いや、なかったでしょう(反語、笑)。
大きな満足感と、小さくともなにか釈然としない思いを残して
トルシエは去っていきます。
しかし、別れというのはいつも突然。
サヨナラを言いたい人たちすべてに別れを告げてから
心残りなく死んでいく人間がいないのと同様、
「あらゆる面を出し切った悔いのない敗戦」というのも
また存在しないものなのかもしれませんね。
分析や批判などはいつでもいくらでも出来る。
でも、余韻に浸るということは「余韻がつづく間」という
限られた時間にしか出来ない行為。
日本は、「決勝トーナメント一回戦で敗退する」という歴史をまた作りました。
今は、ゆっくりと「歴史が塗り替えられた瞬間の味」をかみ締めながら
余韻に浸っていたいと思います。
トルシエ、ありがとう。そしてさようなら。
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