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no 470
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date 01/12/18(火) 8:35
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name Dai
subject Re(1):選手の個性と現代サッカー
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私は現代サッカーは画一的になってきていると発言しました。ではそれについて補足をしたいと思います。
一言でいえば、それは「文化」の問題です。
ヨーロッパではそれぞれの国に古い伝統があり、それぞれの国同士が(16世紀、17世紀の一部のインテリ層を除けば)あまり交流をもたなかったこともあり、独自の文化が継承されてきました。
ところが今日では、ひと、もの、かね、情報といったあらゆる分野においてヨーロッパが国際化を果たし、それによって生活や文化の「均質化」を引き起こしました。
それはサッカーでも同じです。
かつては、プレミアにはプレミアの、セリエにはセリエの、それとはっきりとわかるサッカーがありました。
しかし現在では、フランスの監督がイングランドのチームを率いたり、外国人枠の撤廃によって多国籍軍団ができたりすることで、大きなレベルアップを果たすと同時に、以前に比べればはっきりしたスタイルの差異がなくなり、どの国も以前に比べれば似たようなサッカーをするようになってきました。
さらに、テレビやインターネットの普及により、誰にでも何でも知ることができるようになり、他人の成功を真似することで、オリジナリティーを発揮する余地、一国の特徴、実力を成すべき特徴は徐々に失われようとしています。
選手育成のシステムにおいても国ごとの差異がなくなりつつあります。
サッカーの大衆化、ビックビジネス化、選手の青田刈りなどもそういった流れに拍車をかけているかもしれません。
これは何もヨーロッパに限ったことではありません。
かつては、南米スタイル、欧州スタイルなどといわれたものも、今やなくなりつつあります。アルゼンチン代表のサッカーは、まさに現代的ですし、ブラジルにしてもその度合いを強めています。逆に、南米の良いところを欧州でも取り入れてきています。
また、現代サッカーでは、コレクティブさや、ディシプリンが要求され、組織の一員としてオートマティックに動くことで、スピードサッカーに対応しなければならず、スペースや時間がない中で、いかに効率的なサッカーを目指すかという部分において、当然、各チームもそういった流れを無視できなくなっており、要求される能力や、やり方が、どんどんハイブリッドになってきています。
と、こういった状況から私は現代サッカーが画一的になりつつあると発言しました。
しかしです。私はこの状況を良いとは思っていません。
確かに現状はそういう方向へ向かっています。どこの国も同じようなサッカーをできるようになってきています。環境面の変化がそれを可能にしました。
しかし、文化的な相違はチームにとってプラスとなります。言葉では表せない「何か」こそが重要なものであり、それが個性であり、独自性です。
独自性は、選手の喜びの源であり、観客の何よりの楽しみであり、またチームの強さを決定づけるものです。
現代サッカーが均質化の方向へと向かおうとしているのは事実ですが、私は選手の個性をベースにしたサッカー、選手の個性の組み合わせのサッカー、そういった理想のサッカーを、こういう時代だからこそ進めていく必要があるんだと思っています。
そんな中で私は日本に可能性を見出しています。何故なら日本には若くて素晴らしいタレント達がいるからです。ボールテクニックや戦術的な能力があってサッカー選手としての才能があります。また、個人としてだけでなく、チームとして戦うことに喜びを感じていて、何よりもサッカーを楽しんでいます。1+1が、3にも4にもなるのが日本の若いタレント達の特徴です。しかも若いうちに欧州中心システムの中で育っていないですから均質化の波に飲まれることもなく、つまり、日本で個性をしっかりとつけてから、欧州や南米へいって経験を積むことで、必ず良い方向へと日本のサッカーを向かわせてくれると思うのです。そして、日本の文化というものが、世界のサッカーに個性を与えてくれると思うのです。
PS
私自身、グライダーさんや、zukunasiさんとのお話から、いろんなことを学び、サッカーの奥深さをどんどん感じ始めています。私が間違っていたなと思うこともたくさんありますし、逆に自信になった部分もあります。サッカーって楽しいですね。きっと、サッカーってのは、単なるゲームであり、社会生活の中における人と人とのコミュニケーションであり、自己のアイデンティティを表現するものであり、またある種の哲学なのでしょうね。だからこそ人の心をこう突き動かすのでしょう。グランドに立ちたい。サッカーがしたい。みんなと一緒に戦いたい。勝ちたい。そういう気持ちなんですよね。
「優れたプレーは雄弁に歌われる愛の唄なんかより遥かに強い影響力を持っていて、深い深い意識の底に居座り、ボクを動かす。」
(「左足から放たれた哲学 by 桜井和寿」より抜粋 2001年11月10日発売 名波浩著 「NANAMI」 幻冬舎 245ページより)
ではこれから、子供達にサッカーを教えてきます。
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