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内容の悪いゲームというのはビデオに撮っておいても後で見るのは辛いです。
そして今回やっと見る勇気と気合が沸いてきた次第です。
各試合の詳細を伝えるために長文になってしまったことを許してください。
まずセネガル戦。スタメンはひどいメンバーです。
日本の3年間の行き着いた先がこれなのか?と思いたくなるような・・・
(はっきり言えば、試合をする前から悪い内容が想像できるメンバーです。)
この試合で一番目立ったのは、
1、ボールの周りが悪いこと
2、中盤のプレスがかからないこと
3、精神的な不安定性
の極めて基本的なこの3点です。
それぞれ原因があるのですが、1についてはすべては藤本のポジショニングです。
彼は前半を通じてFWの裏へ飛び出す動きのみに終始し3トップのようでした。
中田などが行う本来のトップ下役割である中盤での受けどころか
ボランチまで下がっての受けなどの欠かせないプレーの一切を行っていません。
しかしこれの半分は藤本の責任ではありません。
なぜならこれはトルシエの指示だからです。
トルシエは森島の果敢な裏への飛び出しのみを藤本の役割としたのです。
(もちろん中盤の受けはFWを下げて受けさせ、そのスペースを突かせる)
藤本のフィジカルなどを考え、負担を軽減させる処置だったのでしょうが
しかしFWの受けはトルシエの思ったようには機能せず、
(そもそもこの段階で机上の戦術のような気がしますが)
結果中盤での受けとさばきがなくなりました。
これが攻撃の際に中盤でのもたつきを生み
セネガルのプレスがすばらしく見えてしまったのです。
これに気が付いて藤本が受けに回ることも出来たのでしょうが、
初先発でそこまで気が回らないのが正直なところでしょう。
先に言っておくと、セネガルのプレスは雑誌や新聞が書くほどよくなかった・・・
というか全然なかったです。個々人の早い寄せが時おり見られただけで
(これも前の受けが機能しないので球の出所がボランチしかなく
相手もすごくプレッシシャーがかけやすかったのも原因ですが)
そのとき以外はボランチはかなりフリーな状態でいられました。
ここまでネガティブなことばかり書きましたが、後半はあるプレーヤーによって
その状況が一転します。そう稲本です。(決して伊東ではありません)
後半トルシエは藤本らを下げて伊東らを投入し3ボランチを取ることにしました。
前半のところでも書いたように前半のシュート0本の原因はトップ下の不在による
ところがほとんどだったのでこれは根本的問題の解決になっていません。
しかしここでミラクルが起きました。なんと稲本がトップ下に入ったのです。
しかも攻撃時にはトップ下、守備時にはボランチにと八面六臂の大活躍です。
(ビデオを見直して後半の稲本のポジを見てください。そうなっているはずです)
(知っての通り彼はもともとトップ下をやっていました。それが同世代に
小野君がいる事を知って泣く泣くあきらめたというエピソードは有名ですね)
しかもボールのさばきが抜群にうまいです。
おかげでボランチがフリーで前を向くシーンが多く、そこから展開し始めました。
まあそれも稲本が福西に代わるまでの話でしたが。
ここまでは1についての話です。
次は2についての話です。(1とリンクしているので比較的短いです)
この試合で目立ったのがDFラインが1対1の対応の多さです。
日本人の個人能力を苦慮した場合これは最も避けるべき状況です。
なぜならまったく止められないからです。(これが大前提)
しかもこれを避けるには中盤のプレスは絶対条件です。
プレスがこの試合でなかっために1対1が増えたのは必然です。
なぜプレスがかからなかったといえば、これもやはりトップ下の不在が原因です。
藤本がバランスを崩し3トップ気味になったために中盤に人数が少なくなり
最もプレスをかけるべき相手のボランチにプレスがかからない状況が続きました。
おかげで前半は相手に自由にボールを回されてしまいました。
プレスがかからずラインが下がり中盤が間延び、さらにプレスが効かない悪循環。
後半は稲本がトップ下に入ることでこれも改善されましたが
やはり稲本がいなくなると神通力も消えてしまい結局2失点。
最後に3の精神面についてですが、
これは前半の中ごろ明らかに全員が動揺しているのが手に取るようにわかります。
象徴的なシーンが中田がタッチラインで落ち着こうの合図をしているときです。
どうすればいいのか全然わからないというのがテレビのこっちまで伝わりました。
ここはトルシエの言うスピリットでしょうね。
全然足らないことが良くわかりました。
セネガル戦の総評はトップ下不在によるチームバランスの欠如。
もっというと相手と戦う前の段階での自滅という結論に達しました。
チームが持ち直した後半の何分間かは勝てる気がしたんですけど。
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