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えっと、サイドアタッカーに関してです。
ぼくは、アレックスに特別な期待はしていません。
見てみたくはあるけど、広山を見てみたいのと差はありません。
エスパルスでアレックスが機能しているのは、あくまでもエスパルスの攻撃がチームとして
機能しているからであり、日本代表において、そうでない場合にアレックスがひとりで
(例えばサンドニでの中田のように)活躍できるかと言えば、未知数ではあるけれど
ぼくは無理だと思う。今、代表に入ったとしての話しですけど。
アレックスには国際舞台での経験もまだなければ、欧州や南米の一流を相手にした経験もほとんどなく、
彼がいくらブラジル人で、ブラジル人のボールタッチやボールコントロール能力を有して
いると言っても、彼のフットボーラーとしてのキャリアはほとんど日本で積まれたものです。
高校生から日本にいたわけですから。
だから、たとえ帰化選手とはいえ、藤本や広山に対する期待度とさして変わりはないのです。
その上で。
>「縦系」だからといって「縦突破ばかりやっている」と捉えることは勿論していないです。今後、その手のご心配は無用です(笑)。
それでも、ぼくはやはりサッカー選手を「縦系」「パサー」と分類することには反対です。
アレックスにはアレックスの、アツにはアツの、羽戸には羽戸の、本山には本山の個性があり
ぼくにとってはとても同じ系統とすることはできない。
誤解を招く表現だと思います。
ワイドオープンに攻めることの有用性は十分理解しているつもりです。
でも、それを個人の突破に依存しなくてはならない、またはサイドの選手「だから」突破力が
最も重要視される、というのはわかりません。それはチームの他の選手や戦術と対でしか考え得ないこと。
そして、kindさんは、そのチーム戦術としてサイドの突破力の重要性を言っておられるわけですね。
では次にそのことを。
>「逆サイドのスペース目掛けて蹴って波戸を走らせる」ためには十分と考えます。
>そうなると、彼が小野以上に高い位置、否、「3バックよりも遠い位置」でプレーする機会はかなり多いと思うんですよね。
要するに、5バックで全体にフォーリング・バックさせられた時の「カウンター」を考えておられるわけですよね。
それはそれで、一理も二理もある考え方だと思います。
ただし、それは「5バック」が来年の本番でも「恒常的」であることを想定するならば、です。
そうであるなら、主武器のひとつとしてありえるでしょう。
主武器になるのなら、小野よりもアレックスを、というのもわかります。
でも、先に書いたように現代表の道のりはその路線上にある、その方向性で行こうとしている
ようにはまったく見えません。そこまでの路線変更、これまでの哲学の放棄をしたようには。
それは相手のレベルがどうであるかは関係のないことです。
そこまでの路線変更をするのならば、相手が弱くたってその路線で行くことがある程度でも
見えてこなければならない。いかに迷っていようと、です。
そういう戦略を前面に出したサッカーをするのならば守備方法も変えていないといけませんが、
コンフェデ、キリンカップと森岡達は相変わらず自分達が主体で守ろうとしているし、
それができていたことを喜んだりもしています。そしてそういう守り方がその先に示すものはやはり、
高い位置でのコンパクト・フィールドの創出でありポゼッション・サッカーです。
設定が複雑化した、あるいは新たな設定が加わっただけでその根本になんらの変化も見られません。
そして、そこまでのこれまでの積み重ねとの矛盾、自己破壊をするならトルシエは解任です。
岡田監督にでもまかせればいい。アレックスよりもエメルソンを無理矢理にでも帰化させればいい。
暴論だけど、その方がずっと話しが早くてわかりやすい。
チームは生き物です。チームの哲学に矛盾が生ずれば、一気に崩壊へのカウントダウンです。
どの監督、どのチームを見てもあきらかなように。
今の代表にはそんなかけらすらも微塵も感じられません。
そして、ぼくもトルシエ同様そんな変更をしなければならないとはまったく思わないんです。
次にフォーメーションの面から、少し考えてみます。
ここ数戦のフォーメーションは、大きく時計回転でねじれていますね。
小野をなるべく前に出そうとしていたのは、チーム全体の共通意志でした。
前に横にボールにプレッシャーをかける稲本、あちこちでファーストプレスをかけてまわり、
側方後方のカヴァーもこなす戸田、「守備が第一」と命じられ時にラインインしながら守った羽戸、
「サイドに張り付いてばかりいないで、中へももっと入れ」とトルシエに修正された小野、
いずれもそれがトルシエも含めたチームの意志であったことを伺わせます。
それは、両サイドを除く「戸田、稲本、森島」という中盤の構成とも大きく関わってくること。
コンフェデレーションズ杯では、トルシエは森島に中盤の繋ぎ役もやってくれ、と頼みました。
それはあの試合(どの試合だったか失念)では有効でしたが、やはりそれでは森島が森島である意義が薄れる。
そこで右サイドの羽戸の特性、起用の理由も含め、1トップとしての、森島の相棒としての
西沢の不在もまた含め、小野が左サイドでなくてはならなかった。
そうして、捻るべき時には捻ってしまえば、いろいろな一石二鳥三鳥が得られます。
そういうキリンカップでした。ユーゴ戦で小野を早い段階で代えたのは、小野のデキと積極性の不足に対する
ペナルティであると思います。それも服部を入れることによって、無失点で終えるというオマケをつけて。
どうもトルシエって、ひとつぶで2度おいしくないと嫌みたいなフシがあるようです。
選手の起用、交代、修正、試合のテーマ、いつもそういう所が見える。
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