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▼Daiさん:
>「稲本の特徴は身体能力の高さと攻撃能力にある。守備にしても彼はアグレッシブ。積極的に前に出てボールを奪う。パトリック・ビエラにも似たスーパーボランチが稲本だ。」(フィリップ・トルシエ著 「トルシエ革命」 新潮社 207ページより)
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>まず、トルシエ監督が好む選手の特徴として「強さとアグレッシグさ」が挙げられますね。DFで言えば宮本ではなく、松田であるのもこの点が大きいようです。そういった個人の特徴があり、さらにチーム戦術である「前線からの組織的かつ積極的なプレス」の中で、稲本のプレイを買っているということでしょうね。また、その攻撃能力を買っているということは、やはりトルシエ監督の、一方でのボランチに求む資質みたいなものが伺えますね。ビエラは、ベンゲル曰く「ガゼルのよう」だということなので、スーパーボランチ=超人系縦攻撃的ボランチということでしょうね。そういうジャンルとしてとらえるのがいいでしょうね。スーパーボランチ。言われてみれば、稲本以外は当てはまらない言葉ですね。
なるほど「スーパーボランチ」ですか。私は最近、gliderさんとの議論で「トップかなり下」という言葉を、稲本のポジションとして捏造したんですが…(笑)
>しかし、トルシエの場合はボランチという表現を使わないことが多いのでなかなか掴みにくい部分もあります。トルシエの場合は、「6番」という表現をするのですが、これは中盤の底(守備的MF)という意味らしいので、そこで求められるものが、ボランチという言葉の意味に求められるものと多少違いがあるのかもしれません。
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>また、トルシエ監督は、明神と伊東のことを「ディディエ・デシャンに似ているバランス感覚に優れた6番だ」と評しています。
やはり、トルシエ自身の言葉で語られると納得できますね。今まで推測してきたことに裏付けが得られたようで嬉しいです。やはりトルシエにとって、明神や伊東やデシャンは「バランサー」なんですね。
ここからは、様々な方の言葉に触れた上での私の考えですが、対比的にいうなら、稲本はいわば「アンバランサー」なのでしょう。もちろんこれは、相手チームのシステムにアンバランスをもたらす者ということなんですが、しかしそれを、自チームのバランスを保つことと同時にやりきるのは難しい。そこに、gliderさんはじめ沢山の識者が、稲本と彼の周囲の空間に対して一種の「不安感」を抱く主原因があるのだと思います。
ただトルシエ・サッカーの思想として、そこにF3と通底したものが感じられるとは思います。つまり、最終ラインを本質的にはアンバランスな「フィーディング・システム」にしてでも攻撃性を高める姿勢と、稲本という好素材を得て、中盤の底についても半分を攻撃に割くことには、ある種の一貫性が感じられるということです。
それはそれとして、「6番」という表現は面白いですね。デシャンは7番ですし、ここ数年のフランス代表の6番は、ジダンのサブもしくは森島的な役割のジョルカエフですから(笑)
ブラジルの伝統的な4−4−2での6番は左SBの番号で、実際ロベカルが着ていることが多いですが、WMシステムでは基本的に左、アヤックス・システムでは右の、それぞれ中盤の底に位置します。
>ということで、6番候補ですが、稲本・明神・伊東・戸田・名波(どうやら、2列目として使われているようですが。)・小野の6人ですね。現状では。あとは組み合わせの問題ですかね。
その通りだと思いますが、ただ、トルシエ自身のイメージにおける、背番号としての「6番候補」からは、多分名波と小野は外れていると思いますよ。実際に位置するポジションとは少し違う意味で、トルシエにとっての彼等は、「6番候補」ではなく「10番候補」なんじゃないかと思います。そして戸田は、「4番」あたりではないですかね(笑)
『トルシエ革命』、もう少し書店で立ち読みしないとなあ…(笑)
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