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ジダンとレアル GAITI 01/10/27(土) 20:11
  Re(1):ジダンとレアル glider 01/10/30(火) 0:22
  Re(1):ジダンとレアル seri 01/10/30(火) 12:45
   ゾーンデフェンス GAITI 01/11/6(火) 18:06
   ゾーンデフェンスの補足 GAITI 01/11/6(火) 18:35
   時間の概念 glider 01/11/7(水) 0:27
   Re(1):時間の概念 GAITI 01/11/8(木) 8:18
   Re(2):時間の概念 glider 01/11/8(木) 10:57

ジダンとレアル
 GAITI  - 01/10/27(土) 20:11 -

引用なし
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   >glderさん

お久しぶりです。

今期のレアル調子悪いですね、その原因についてちょっと書きたいと思いロムさせてもらいます。

1人の選手に責任を押し付けるようで心苦しいのですが、やはりジダンの影響だと思います。

前に近代サッカーから出来るチームのタイプを4つ挙げましたが
そのときに言い忘れたことを交えながら、私なりの理由を説明したいと思います。

ちなみにその4タイプとは

1、まずは、いかにもヨーロッパのテクニックはなくてもフィジカルだけはあると言う国に生まれがちな守備の極北、守備最優先の選手選考から生まれる(オフェンス時の)ポジションチェンジなんて起こりようもないような固い感じの布陣です。戦術としては乱暴にカウンターと分類されるでしょう。
(例 フランスのリールなど)

2、もっと実力のある選手がそろえば、1から守備能力を落とさないで、ボール支配率が高い攻守にバランスの取れた布陣が取れます。
(このへんが、サッキやリッピが取った比較的スタンダードなものでしょうか)

3、そこからさらにFW、中盤などにテクニカルな選手をそろえると私の言ったスペースサッカーになります。
(例 レアルなど)

4、こうなったらDFラインまでテクニカルな選手にしてみませんか。
狂気の攻撃サッカーの極北。(笑)
(例 私が言った日本の将来の目指すサッカースタイル)

なのですが、glderさんは2と3の違いはないとおっしゃりました。

で、いい足りなかったことはここで
私は2と3の違いがあると思います。

前に私は、近代サッカーのオートマティズムを持った選手を11人そろえれば例外なく強いといいましたが,1つ例外があります,

それが選手選択に統一性をもたせることです
どういうことかといえば、
1と2のタイプは守備力、フィジカルに優れたヨーロッパタイプ
3と4のタイプはテクニック、アジリティーに優れた南米タイプ

日本人をこの基準で分けると
1,2タイプ 中田、戸田、波戸、秋田、中西、鈴木、稲本(硬い感じ)
3,4タイプ 中村、名波、本山、西沢、森島、柳沢、小野(やわらかい感じ)
 
何となくでいいからわかってもらえたでしょうか、これらの選手選択にある程度統一性を持たせなければ、戦術がまったく機能しなくなってチーム力は半減します。

もちろん選手をこんな乱暴な基準で分けられませんので、あくまでイメージで捉えてください。

私のイメージではジダンは1,2タイプの選手なんですよ(ジダンのテクニックは世界でも有数だと思いますが)、もっと言えばジダンが入るとその影響力の高さからチームが1,2タイプになるともいえます。

これは中田英にも同じことが言えるのですが、彼らはフィジカルを利用したボールキープからの必殺のパスを出すことを得意としています。
このプレースタイルがフルに生かされるのは、前方にスペースが出来やすいカウンターです。
だから彼らを中心にしてしまうと、その影響力の高さからチーム戦術もカウンターポイ戦術(チームも1,2タイプになってしまう)になってしまいます。

で、レアルなどのように3,4タイプの選手をそろえて自由に動き回るサッカーをやっていたチームにジダンが入ると混乱が起きます。
セルターレアル戦を見ましたが,ジダンを経由したときとしないときとではまるで別のチームのように攻撃パターンが違います。
決してパターンが増えたわけではありません,どちらも中途半端です。
ジダンにボールがわたるとチームメイトの動きが悪くなり、あきらかにフィーゴ、ラウルといった去年までの中心選手が消えてしまいます。

別にジダンのプレー自体は決して悪くありません,むしろあれだけ周りとあわない中でも点を取っているのだからその個人能力は目を見張ります。

しかし、ジダンが入ったときチームとしては明らかに弱くなっています、
それは成績にも如実に現れています。
(ジダンがいるとき 1勝4分1敗  いないとき 5勝1分)

これは日本代表でも起きていることで、言うまでもなく中田についてですね。
トルシエ自身各メディアで何か日本に中田が合わないとしきりに言っています。
そのせいで不仲説まででましたが、おそなく日本の中盤の主力は3,4タイプです、中田を起用すると彼らの持ち味が消えてしまうということをトルシエもなんとなく感じているのでしょう。
で、1,2と3,4はどちらが優れているというわけではなくあくまで選手のタイプです。
チームとして、自分のチームの戦術などからどちらのタイプの選手かに統一しないと、選手間で混乱が起きて、どちらの選手も能力を出し切れなくなるでしょう。

最後に補足です1,2と3,4のチームの私なりの判別基準は
1,2 硬いチーム
3,4 やわらかいチームです。(笑)

Re(1):ジダンとレアル
 glider E-MAILWEB  - 01/10/30(火) 0:22 -

引用なし
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   ▼GAITIさん:

どうもです。

>それが選手選択に統一性をもたせることです
>どういうことかといえば、
>1と2のタイプは守備力、フィジカルに優れたヨーロッパタイプ
>3と4のタイプはテクニック、アジリティーに優れた南米タイプ

悪いけれど、ぼくはこの御意見にはまったく賛成できません。
おっしゃっている意味はよーくわかりますが、まず何よりも、選手のタイプをそういうふうにわけることの意味、分け方の正当性、そして分けて(仮におっしゃるような統一性があったとして)強いかどうか、ということでは、ぼくはそこにはまったく意味はないと思います。
はっきり言えば、選手の見方が画一的です。
羽戸も戸田も見る人によれば3、4の要素もあるかもしれないし、名波や小野に1、2の要素がないかといえばそんなこともないし、どちらの要素が色濃く出るかは対戦相手にもよるし、試合の流れにもよります。
中田なんかは得にそう。
選手の個性は、ひとりひとりに独自のものがあり、決して誰と誰は同じタイプとステレオタイプにわけられるものではないし、そこに意味もないでしょう。
そして、どういう組み合わせがうまく行くかも、タイプではなくその個人個人同士のコンビネーションとチームとしての熟成度次第。
中田が今のところフィットしてないように見えることが多いのも、他の選手に比べ合流時間が短いという要因が大きく、それはジダンにせよ同じ。
どこかのポイントでチームの中心たる存在にならざるを得ない選手は、得にです。
チームがうまく行くかどうかなんて、タイプどうのこうのよりも互いの理解度やチーム全体の相互理解とそれによる動きのタイミングや質、さらに言えば人間的側面の方がずっと大きく、選手のタイプが噛み合わないというよりもお互いの思考が合っていないから。
この選手とこの選手とこの選手は同じタイプだから必ず合う、なんていうことはまず間違いなくありません。
そんな簡単なものなら誰も苦労はしないでしょう。
チームというものはどんなチームでも、一個の生き物ののように繊細で微妙なバランスの
上に成り立っており、どんなに磐石に見えてもほんの些細なことでバランスを失います。

そして、2、と3、のチームの区別に関してですが、これもプレッシングサッカーというものをどんどん進化させて行くにしたがって、2、は3、に「ならざるを得ない」のであり、その最大の要因は「スピード」です。
プレッシングのスピード、スペースメイクとスペース侵入、スペースマークとボールへの集散、支配率を上げ、優位に試合をすすめようと思うのなら、2、は3、になって行かざるを得ないのです。

ぼくの基準では、ジネディーヌ・ジダンという選手は1、2、3、4すべての要素をバランス良く持った選手であり、だからこそジネディーヌ・ジダン足り得ている。
チーム作りとは、選手の個性をステレオタイプに2つか3つに分け、似たようなタイプで構成することなどではなく、様々な個性を持つ選手達を様々な組み合わせを試行錯誤しながらバランスさせて行くことであり、バランスを見つけて行くことであり、人間的側面やモティベーション、コンディション、緊張感等の要素も除いては考えられないものでもあり、とても微妙なことです。
また、硬い柔らかいというのも何を基準にするかによって、相手にもよって、変わってもくるものであり、失礼ながらGAITIさんの硬い柔らかいはGAITIさんの基準でしか成立しないもの。
選手にしろチームにしろ、「絶対的な価値基準」など存在しないのです。
それは見る人(評価する人)や相手やその試合や調子によっても常に揺らぐもの。
おしゃっていることの気分、意味はよくわかりますが、そこに何がしかの意味があるかと言えばNOと言わざるを得ないでしょうね。

Re(1):ジダンとレアル
 seri  - 01/10/30(火) 12:45 -

引用なし
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   ▼GAITIさん:
私はGAITIさんの意見とほぼ同じなんですよね。
多少画一的な見解もありますが、
そこは読んでる人に分かりやすくという意味のものでしょう。

>1と2のタイプは守備力、フィジカルに優れたヨーロッパタイプ
>3と4のタイプはテクニック、アジリティーに優れた南米タイプ
>日本人をこの基準で分けると
>1,2タイプ 中田、戸田、波戸、秋田、中西、鈴木、稲本(硬い感じ)
>3,4タイプ 中村、名波、本山、西沢、森島、柳沢、小野(やわらかい感じ)

日本でテクニカルなDFといえば服部や土屋のような選手で
逆に強固なDFといえば秋田でしょうが、
秋田とかは欧州に行けば頭も強いテクニカルなDFに分類されるでしょう。
選手のいる環境によって選手の分類されるタイプもかわりますし、
おそらくそういう事も含めてのタイプ分けですよね。

>何となくでいいからわかってもらえたでしょうか、これらの選手選択にある程度統一性を持たせなければ、戦術がまったく機能しなくなってチーム力は半減します。

レアルはそれで成功したのは間違いありません。
真逆とも言えるのが咋シーズンのローマでしょう。

>これは日本代表でも起きていることで、言うまでもなく中田についてですね。
>トルシエ自身各メディアで何か日本に中田が合わないとしきりに言っています。
>チームとして、自分のチームの戦術などからどちらのタイプの選手かに統一しないと、選手間で混乱が起きて、どちらの選手も能力を出し切れなくなるでしょう。

ただしこれはアジアカップまでの話で、
あの時はむしろ中田でなくてもよかったという表現が適切かもしれません。
シンプルにワンタッチでパスしてスペースに走り込むことを
わざわざ中田にやらせなくても良いといことです。
その後のチームにはむしろ中田に頼らなければならない局面が多いようです。

>最後に補足です1,2と3,4のチームの私なりの判別基準は
>1,2 硬いチーム
>3,4 やわらかいチームです。(笑)

これは個々の選手のボール保持時間と運動量の差が感覚としての認識と重なる部分があるのでしょう。

ゾーンデフェンス
 GAITI  - 01/11/6(火) 18:06 -

引用なし
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   >gliderさん
>seriさん

レスありがとうございました。
最近忙しくて、返信が遅れてしまいました。


>選手のいる環境によって選手の分類されるタイプもかわりますし、
>おそらくそういう事も含めてのタイプ分けですよね。
>これは個々の選手のボール保持時間と運動量の差が感覚としての認識と重なる部分があるのでしょう。(seriさん)

選手のタイプわけに関しては個人個人の考え方の違いやこういうマニュアル化自体に嫌悪感を示す人もいると思いますので、ちょっとまずかったかもしれません。
私の考えは上のseriさんが書かれたことに比較的近いと思います。


それと少し補足ですが,
硬い選手感じの選手って言うのは別に揶揄しているわけではなく、ゾーンデフェンスに向く選手という意味合いが私の中にあるんです。

前にgliderさんが
ポジションチェンジには2種類あって
1、受動的な場合(相手にさせられる)
2、能動的な場合(自分からする)
とおっしゃっていたと思いますが,私は少し違和感をもったんですよ。
その時は他のことを書いたので、飛ばしてしまいましたが
ここでこのことについて書きたいと思います。

私が疑問に思ったことは1の受動的な場合についてで
これは現代のゾーンデフェンスにおいてはもっとも避けなければならないことで、要するに自分たちの守備組織が整っていないことを意味すると思うんです。


ゾーンデフェンスはもちろん人ではなくて地域、つまりゾーンを見ますよね、
さらに言えばゾーンに入ってきた人を見て、各ゾーンごとに選手を受け渡すDFといえます。
もちろん各ゾーンの割り当てが重要になってくるのですが,試合前にかなり綿密に決められます。誰かがゾーンを空ければ他の選手が連動してゾーンを埋めていきます。
コンパクトフィールドでこのゾーンが保たれている限りは攻撃側はこれを破ることはかなりの困難を要します。
攻撃側はこのゾーンを崩すことが最重要課題ですが,ドリブラーに突っかけさせたり、ポストプレーでDFをひきつけたり、ダイレクトパスなどさまざまな手段で崩そうとします。

で、相手によってポジションを変えられているっていう状態は、その時点でゾーンデフェンスとしては負けているのではないかということです。


私は前に「近代サッカーはカウンターだ」といったんですが,
それは中盤の組織的なプレスでボールを高い位置で取ってしまい、相手の守備組織が整わないうちに攻めてしまうということが最大の得点パターンだ
という意味なのですが、
自分たちの守備組織が整っていない状態は相手の最も狙っている状態なので、こうなってしまっては防ぐことが困難でしょう。
(プレスが後手後手に回っている状態ともいえます)

ゾーンデフェンスの補足
 GAITI  - 01/11/6(火) 18:35 -

引用なし
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   続きなのですが、
前に言った近代サッカーのパターン2と3の違いについてです。

まずは共通するところですが、
コンパクトフィールドから中盤の組織的なプレスで相手のボールを取ってしまう
という基本的な守備面は共通です。

で、違いですが
2のチームにはもう1つの特徴があります。
前にgliderさんもおっしゃったことがあったと思いますが
自分たちがボールホルダーのとき相手にボール奪取された後のすばやいゾーン形成(ゾーン再生)です。
自分たちが完璧なゾーンを形成している限り、まず守備がやられないという自信があるので攻撃時のポジションチェンジもかなり慎重に行います。(もちろんボールを失ったあとことも考えてです)
2のチームは守備優先で守備力がものすごく高いといった理由は、この2つの特徴を兼ね備えているからです。


対して3のチームはオフェンス時にもっと自由にポジションチェンジをします。
よって相手の完成しているゾーンを崩す可能性もありますが、ボールを取られた後が危険です。(ゾーンの再形成という特徴はありませんから)

まとめると2と3ではチームのコンセプトが少し違うということです。
2は守備優先のどちらかといえば受け身型、よって守備はとても堅いです。
3は攻撃優先の自分たちから仕掛けていくチームです、攻撃力はありますが、守備に少し不安です。

選手のタイプも
2はあまりチョコチョコ動かないで、自分のゾーンをしっかり見ることに優れた選手。
3は自分たちから崩していくチームですから攻撃時のアイディアを持った、テクニカルでアジリティーに優れた選手。
がそれぞれ向いています。

時間の概念
 glider E-MAILWEB  - 01/11/7(水) 0:27 -

引用なし
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   ▼GAITIさん:

書き込みどうもです。
返信が遅くなるのは、どうかお気になさらぬよう。
以前、ヤフーの掲示板に夢中になって家庭や仕事に悪影響しまくった経験がぼくはあります。
ネットにつなげるのも、生活の安定があってこそ。学業や仕事が優先です。
(自分に言い聞かせてる!まあここんとこはヒマなんで繋ぎまくりですが:笑)
お互い、無理せずに楽しみましょう。

ではいきます。

まず、サッカーにおいて欠かせないキーワードがあります。
それは、「コミュニケーション」。
そして、現代においては特に「スピード」。
いかなる戦術も、コミュニケーションなくしては成立しません。
チームメイトがどこで何をしようといつどのように動いているか。
相手は、どこに何人いて、いつどのように動いているか。
そして、有効なスペース、攻撃ポイントはどこにあるか。
そしてそれを時間軸にのっとって考えねば、意味を為しません。

「スピード」という非常に大きな勝敗をわける要素について、ぼくはさんざん書いてきたのですがまだ充分に伝わっていなかったようです。
判断のスピード、連係のスピード、プレッシャーのスピード、スペースマークのスピード、ポジション移動、カバーリングのスピード。
ボールの位置によるゾーンの移動/収縮・拡散。
試合中は、常に「動態」であり、そのボールの位置によって「ゾーンバランスが取れた状態」も変わります。
そしてプレッシャーのスピード。
これをいかに相手よりはやくできるかどうかが、主導権を握れるかどうかの分かれ目になります。
スペースメイクとそこへの侵入のスピード。
それをいかに相手よりはやくできるかどうかが、チームとしてのボールキープに関わってきます。
ならば、
>相手によってポジションを変えられているっていう状態は、その時点でゾーンデフェンスとしては負けているのではないかということです。
ということはありません。
ポジションは相手によってではなくボールの位置と敵味方との相関関係で決まるのです。
誰がプレッシャーをかけに行くかは、誰がどこのゾーンを担当しているかよりも、誰が一番早く行けるかが優先されます。
「相手にさせられる」のではなく、相手に先んずるために「しなければならない」のです。
ポジションなどに捕われず、どんどん早く行くことでしか相手には先んじ得ないのです。
そしてそうなった場合にバランスを取るのが「オートマティスム」ということです。
何故に「オートマティスム」なのか。そういった時に考えてカヴァーしているようでは遅いからです。
あたかも自動的に動いているように、複数の味方の移動と同時に複数がカヴァーに動いている。
それが現代の「組織」です。

少しわかりづらいですか?
では、実戦的に考えてみましょう。
ボールは中盤の深めの位置でフランスが持っています。
DFから出たボールをビエラが受けたところです。
同時にすかさず稲本がプレッシャーをかけてます。(稲本らしい「ラインバッカー・ブリッツ」です。アメフト用語ですみません)
しかしビエラは稲本のプレスよりも一瞬速く、パスをフランスの左サイドから少し絞っていたリザラズに捌きます。
稲本の後方へ稲本のフォローに入っていた中田ヒデがそれを読んでいて、そこへプレスがかけられる位置に行っていたため、リザラズはバックパス。
受けたチュランはダイレクトでリザラズの前方まで下がってきたジダンへ。
そこへは戸田が。
戸田のゾーンは左サイドの小野が同時に絞ってカヴァー。
戸田のフォローは羽戸が。
これをおおざっぱに図にすると
          
          高原
     柳沢        中田
           稲本     
                 戸田○(ボール)
          小野       羽戸                
    中田浩二          
          森岡    松田

あくまで仮想の図でしかないしイメージでしかないですが。
実際はその前のプレイとの関係や、相手の動きや、もっと複雑にズレていたりいろいろあると思いますし、何よりも全員が動いています。
でもまあ、こういうようにボールに対し収縮した形でバランスを取って行きます。
(ほんとうはもっと収縮しているでしょう。ここでは「ゾーンバランス」を明確にするためにわかりやすい形をと思い、こうしました)
ここで例えば羽戸がボールを奪えば、戸田は前線近くまで上がって行くかもしれないし、そうなればまた別の形のバランスになるでしょう。
        
     柳沢       高原
                      ↑
        ↑   中田○(ボール) 戸田
       小野
          稲本       羽戸
    中田浩二
           森岡    松田

というような感じかもしれないし、また別かもしれません。
稲本がここでバランスを取るのか前へ詰めて行くのか、それは試合の流れと稲本の判断次第でしょう。
稲本もここで前へ出て行けば、相手との位置関係によって羽戸が中に絞るのか、ラインをグっと上げて行くのか、さらに3バックの誰かが前目にポジションするのか、どのような方法でもバランスは保つでしょう。
そこでもし、相手にボールを奪われた時に、戸田は大慌てで自分のゾーンに戻っていたのではもう完全に遅いのです。
稲本なり羽戸なり森岡なりがカヴァーに入っていなければなりません。

このように、初期設定のままの担当ゾーンで守れることは実際の試合の中ではそれほど多くはないのです。
「ゾーン再生」は、初期設定の担当にこだわってなどいられないのです。
何度も言うように、「ちょっと待って、今、自分のポジションに戻るから」と相手に言うことなどできないのですから。
プレッシャーのスピードや切り替えのスピードを考えたなら、自分の担当ゾーンの中(及びその近辺)でしか動かないで済むことなどはあり得ないのです。
そんなふうに守ろうとすれば、プレッシャーはどんどん遅くなり、たとえせっかくボールを奪っても切り替えは遅くなり、と、どの面から見ても考えても勝てる要素は薄くなるばかりです。
それは相手に「どうぞ主導権を握って下さい」と言っているのと同じなのです。
「守備組織が整っている」「ゾーンバランスがとれている」という状態は、必ず頭に「選手がどう入れ換わっていても」というのとセットになっていなければならないのです。
選手が入れ換わっていると「組織が崩れた状態」ならば、そのチームに勝ち目はまったくありません。

何度でも繰り返します。
2、のチームと3、のチームは同じです。
起用している選手の能力のバランスが攻撃に振れているか守備に振れているかの違いだけです。
コンパクトなプレッシング・サッカーを現代でやろうとするならば、
>あまりチョコチョコ動かないで、自分のゾーンをしっかり見ることに優れた選手
はもうただの2流の選手です。遅いだけの選手です。
スピード。時間軸。それなしにサッカーを考えるのは無意味なことです。

Re(1):時間の概念
 GAITI  - 01/11/8(木) 8:18 -

引用なし
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   >gliderさん

もちろん私の言っていることはいわゆる机上の空論に近くて
実際の試合では状況が変わることはわかっています。
実際の試合中には全選手が動いていますし、自分の担当ゾーンばかり気にしていたのではサッカーになりません。
私の言ったことはシステム(フォーメーション)の基本理論です。

で、gliderさんの言っている
「スピード」「コミニケーション」なども試合には当然必要不可欠なものです。
しかし、私はこれは基本理論の上に乗る実践的な応用だと思うんです。

例えば

>相手は、どこに何人いて、いつどのように動いているか。
>そして、有効なスペース、攻撃ポイントはどこにあるか。

このような敵味方の位置を把握する方法として初期の自分、相手のフォーメーションが頭に入ってないと話になりません。
何もないまっさらな状態でピッチに立たされてまともにプレー出来るのは
ピッチ上のすべての選手の位置を把握しているようなスパープレイヤー意外まず無理です。


>誰がプレッシャーをかけに行くかは、誰がどこのゾーンを担当しているかよりも、誰が一番早く行けるかが優先されます。

もちろん実際の試合では1番近い人がいくのが普通ですが、それでもあまりに無計画にプレスをかけすぎることは危険です、全体のバランスを考えてゾーンを受け渡すことが無難です。
もし必ず一番近くの人がプレスに行くと言う約束事であれば、
相手チームにしてみればそれの裏をつくことはかなり簡単です。
相手をひき付けてボールをまわしていれば、自然とスペースは空いてきますし、
意識して作為的にスペースを作ることも容易です。

>そしてそうなった場合にバランスを取るのが「オートマティスム」ということです。
>何故に「オートマティスム」なのか。そういった時に考えてカヴァーしているようでは遅いからです。
>あたかも自動的に動いているように、複数の味方の移動と同時に複数がカヴァーに動いている。
>それが現代の「組織」です。

ここが私とgliderさんの1番の考え方の違いだと思うのですが,
前にgliderさんは「オートマティズム」さえあればあとは選手の個人の力だ
と言うようなことを言っていましたが
要するに「オートマティズム」が基本でその上に個人戦術がある、と言う感じですよね。
私は、「オートマティズム」と組織戦術(この2つはかなりの部分でリンクしますが)が基本としてあってその上に個人戦術があると思うんです。

前回戸田と波戸の流れの中でのポジションチェンジを説明してもらいましたが
それについても戸田がサイドに流れたとき波戸が中に絞ると言う動きは
波戸の頭の中に3−4−1−2という形があって初めて「スピード」をもって出来ることです。
何もなければ、かえって遅くなります。

別に頭で考えて実行することはそんなに遅くありません。
相手に味方がついっていった姿が見えれば、その味方のポジションを埋めてあげればいいだけですから。
(大体見てから、行動を起こすのに同時か1秒くらいですから、かえって早いです)
(もちろんそのときに初期の味方の配置がわかっていなければ早くスペースを埋めることが出来ません)

それと先ほどから言ってきたバランスについてですが
トルシエが就任直後の試合で名波選手が面白いことを言っていました。
就任直後ですから試合内容は良くなかったのですが
試合後の名波選手のコメントです
「トルシエは非常にバランスは気にする監督なので中田のフォローが出来なかった」
ここで名波の言う中田のフォローとは選手間の共通理解から来る個人戦術においてのバランスだと思われます。
(要するに囲まれている味方のフォローする動きや選手密度の高さは当然試合中に変化していくのでそれをを調整する動きなどですね。)
よって名波の言い方をより正確に変えると
「トルシエが非常にバランスを気にする監督なので俺のバランスが取れなかった」
という奇妙なコメントになります。
ここでトルシエの気にしていたバランスは選手の初期フォーメーションだと思われます。
トルシエが初期フォーメーションのバランスを気にするので名波のバランスがとりづらくなった、ということです。

トルシエの言ったバランスは私の言った組織戦術の基本理論のバランスについてで,
名波の言ったそれはgliderさんの言った個人戦術のバランスについてです。
(就任初期のころだからトルシエは基本であるほうのバランスをより厳格に重視させたのでしょう、今はそんなことはありません)

で、近代サッカーを実現させるためにはこの2つのバランスはどちらも必要不可欠で
つまり組織戦術の基本理論があって、その上に個人戦術がプラスされてはじめて完成すると言うわけです。
(どちらがかけてもだめです)

Re(2):時間の概念
 glider E-MAIL  - 01/11/8(木) 10:57 -

引用なし
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   ▼GAITIさん:

おっしゃっていることはわかります。

しかし。

はっきり申しましょう。
頭の中にフォーメーション図描かないとバランスがとれない、なんて選手は代表レベルにありません。
プレスに走って行く仲間を「見てから」カヴァーに走っているようではまるで間に合いません。
「戸田が行く」という前提に立って、戸田が動きだしたときにはもうすでに動いていなければ間に合いません。
それが「オートマティスム」。それが現在の「組織的サッカー」の「常識」です。
いちいち頭の中で図面広げたりしてるヒマなんてありません。
ボールの動き、相手の位置、味方の位置、少なくとも自分の周囲20m四方くらいは最低でも常時把握していなければ代表レベルのサッカーなんか無理です。
ワールドカップで勝つ、なんて到底無理です。
それはフランスやアルゼンチンをみてわかりませんでしたか?
現日本代表だって、そこまで遅くはありません。
それでもフランスのスピードにはついて行けてない。
そういう「判断のスピード」が要求される中で彼等はやっている。
「バランスを取る」なんて基本の所で頭が支配されてしまっているようでは、とても追い付くものじゃないでしょう。
ゲームの中で、動きを把握するのに、
>初期の自分、相手のフォーメーション
など、何の役にもたちはしません。常に変わり、流れ、動いているのです。
そうでないのは、現代プレッシングサッカーなどではあり得ないのです。

>もちろん実際の試合では1番近い人がいくのが普通ですが、それでもあまりに無計画にプ
>レスをかけすぎることは危険です、全体のバランスを考えてゾーンを受け渡すことが無
>難です。
>もし必ず一番近くの人がプレスに行くと言う約束事であれば、
>相手チームにしてみればそれの裏をつくことはかなり簡単です。
>相手をひき付けてボールをまわしていれば、自然とスペースは空いてきますし、
>意識して作為的にスペースを作ることも容易です。

無計画ではなく、そういったこと=速度を可能にしなければ「組織的」であるなどとは言えないのです。
それを可能にするための「ゾーンバランス」であり「オートマティスム」なのです。
セネガルが無計画でしたか?いいえ。セネガルはそういったスピードでプレスをかけてきました。
しかし、簡単に裏にスペースなどできませんでした。
きちんとフォローされていました。カヴァーされていました。
そういった「プレス」がなされないのは、いくらゾーンが埋まっていたって無意味です。
それが「人はいるけどまったくプレスがかかっていない」という状態です。
技術レベルが高く、はやいチームにとっては、それは「やり放題」と同じ。
ちょうどサンドニでフランスがそうだったように。
ぼくとGAITIさんで一番違うのは、スピードの概念です。
GAITIさんの書かれていることよりも実際の試合はずっと速いのです。
GAITIさんが書かれていることが通用したのは、サッキの時代までです。

ただし、現代表でも、まだたまにこういうシーンを見ます。
「人はいるけどプレスがかかっていない状態」
判断の遅れです。
「ゾーンは埋まっているけど無意味な状態」
視野の問題です。
こういうこと、きのうのイタリア戦でもありました。
ぼくはそれで宮本に幾度かマイナスポイントをつけました。
こういった状態を指して解説者は「マークをしろ」と言います。
でもぼくは「そうじゃない、マークじゃないんだ」と繰り返しています。
それはボールの位置と動きと流れ、敵味方のポジショニングなんだ、と。
宮本は、空け過ぎです。

むろん、スペースは必ずどこかにはできます。
人数は無限ではありませんから。
しかし、それを最大限無効なものにするために、収縮、移動し、カヴァーし、読み、動くのです。
初期設定の位置でゾーンを埋めていたって、そのままではそれは「ピッチのあらゆる所にスペースがある」というのと変わらないのです。

初期設定のゾーンの図面など、百害あって一利無し。
ボールと相手の位置、味方との距離、それがポジショニングを決める要素。
それが為されていない時、必ず危うい場面になっている。
初期設定のゾーンの図面では、ゾーンは埋まってなどいないからです。
ボールへの収縮。ボールオリエンテッドに動くこと。
プレス。フォロー。カヴァー。
その繰り返し。それをいかに素早く行えるか。どのくらい相手に先んずることができるか。
イコール、どれだけボールを奪いかえせるか。
イコール、どれだけ素早く攻守を切り替えられるか。
そういうことです。
フォーメーションの図面なんか、忘れて下さい。それは、もう「ヴァーチャル」の世界の話。
そういったことが通用する速度ではないのです。

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