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>gliderさん
もちろん私の言っていることはいわゆる机上の空論に近くて
実際の試合では状況が変わることはわかっています。
実際の試合中には全選手が動いていますし、自分の担当ゾーンばかり気にしていたのではサッカーになりません。
私の言ったことはシステム(フォーメーション)の基本理論です。
で、gliderさんの言っている
「スピード」「コミニケーション」なども試合には当然必要不可欠なものです。
しかし、私はこれは基本理論の上に乗る実践的な応用だと思うんです。
例えば
>相手は、どこに何人いて、いつどのように動いているか。
>そして、有効なスペース、攻撃ポイントはどこにあるか。
このような敵味方の位置を把握する方法として初期の自分、相手のフォーメーションが頭に入ってないと話になりません。
何もないまっさらな状態でピッチに立たされてまともにプレー出来るのは
ピッチ上のすべての選手の位置を把握しているようなスパープレイヤー意外まず無理です。
>誰がプレッシャーをかけに行くかは、誰がどこのゾーンを担当しているかよりも、誰が一番早く行けるかが優先されます。
もちろん実際の試合では1番近い人がいくのが普通ですが、それでもあまりに無計画にプレスをかけすぎることは危険です、全体のバランスを考えてゾーンを受け渡すことが無難です。
もし必ず一番近くの人がプレスに行くと言う約束事であれば、
相手チームにしてみればそれの裏をつくことはかなり簡単です。
相手をひき付けてボールをまわしていれば、自然とスペースは空いてきますし、
意識して作為的にスペースを作ることも容易です。
>そしてそうなった場合にバランスを取るのが「オートマティスム」ということです。
>何故に「オートマティスム」なのか。そういった時に考えてカヴァーしているようでは遅いからです。
>あたかも自動的に動いているように、複数の味方の移動と同時に複数がカヴァーに動いている。
>それが現代の「組織」です。
ここが私とgliderさんの1番の考え方の違いだと思うのですが,
前にgliderさんは「オートマティズム」さえあればあとは選手の個人の力だ
と言うようなことを言っていましたが
要するに「オートマティズム」が基本でその上に個人戦術がある、と言う感じですよね。
私は、「オートマティズム」と組織戦術(この2つはかなりの部分でリンクしますが)が基本としてあってその上に個人戦術があると思うんです。
前回戸田と波戸の流れの中でのポジションチェンジを説明してもらいましたが
それについても戸田がサイドに流れたとき波戸が中に絞ると言う動きは
波戸の頭の中に3−4−1−2という形があって初めて「スピード」をもって出来ることです。
何もなければ、かえって遅くなります。
別に頭で考えて実行することはそんなに遅くありません。
相手に味方がついっていった姿が見えれば、その味方のポジションを埋めてあげればいいだけですから。
(大体見てから、行動を起こすのに同時か1秒くらいですから、かえって早いです)
(もちろんそのときに初期の味方の配置がわかっていなければ早くスペースを埋めることが出来ません)
それと先ほどから言ってきたバランスについてですが
トルシエが就任直後の試合で名波選手が面白いことを言っていました。
就任直後ですから試合内容は良くなかったのですが
試合後の名波選手のコメントです
「トルシエは非常にバランスは気にする監督なので中田のフォローが出来なかった」
ここで名波の言う中田のフォローとは選手間の共通理解から来る個人戦術においてのバランスだと思われます。
(要するに囲まれている味方のフォローする動きや選手密度の高さは当然試合中に変化していくのでそれをを調整する動きなどですね。)
よって名波の言い方をより正確に変えると
「トルシエが非常にバランスを気にする監督なので俺のバランスが取れなかった」
という奇妙なコメントになります。
ここでトルシエの気にしていたバランスは選手の初期フォーメーションだと思われます。
トルシエが初期フォーメーションのバランスを気にするので名波のバランスがとりづらくなった、ということです。
トルシエの言ったバランスは私の言った組織戦術の基本理論のバランスについてで,
名波の言ったそれはgliderさんの言った個人戦術のバランスについてです。
(就任初期のころだからトルシエは基本であるほうのバランスをより厳格に重視させたのでしょう、今はそんなことはありません)
で、近代サッカーを実現させるためにはこの2つのバランスはどちらも必要不可欠で
つまり組織戦術の基本理論があって、その上に個人戦術がプラスされてはじめて完成すると言うわけです。
(どちらがかけてもだめです)
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