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▼GAITIさん:
おっしゃっていることはわかります。
しかし。
はっきり申しましょう。
頭の中にフォーメーション図描かないとバランスがとれない、なんて選手は代表レベルにありません。
プレスに走って行く仲間を「見てから」カヴァーに走っているようではまるで間に合いません。
「戸田が行く」という前提に立って、戸田が動きだしたときにはもうすでに動いていなければ間に合いません。
それが「オートマティスム」。それが現在の「組織的サッカー」の「常識」です。
いちいち頭の中で図面広げたりしてるヒマなんてありません。
ボールの動き、相手の位置、味方の位置、少なくとも自分の周囲20m四方くらいは最低でも常時把握していなければ代表レベルのサッカーなんか無理です。
ワールドカップで勝つ、なんて到底無理です。
それはフランスやアルゼンチンをみてわかりませんでしたか?
現日本代表だって、そこまで遅くはありません。
それでもフランスのスピードにはついて行けてない。
そういう「判断のスピード」が要求される中で彼等はやっている。
「バランスを取る」なんて基本の所で頭が支配されてしまっているようでは、とても追い付くものじゃないでしょう。
ゲームの中で、動きを把握するのに、
>初期の自分、相手のフォーメーション
など、何の役にもたちはしません。常に変わり、流れ、動いているのです。
そうでないのは、現代プレッシングサッカーなどではあり得ないのです。
>もちろん実際の試合では1番近い人がいくのが普通ですが、それでもあまりに無計画にプ
>レスをかけすぎることは危険です、全体のバランスを考えてゾーンを受け渡すことが無
>難です。
>もし必ず一番近くの人がプレスに行くと言う約束事であれば、
>相手チームにしてみればそれの裏をつくことはかなり簡単です。
>相手をひき付けてボールをまわしていれば、自然とスペースは空いてきますし、
>意識して作為的にスペースを作ることも容易です。
無計画ではなく、そういったこと=速度を可能にしなければ「組織的」であるなどとは言えないのです。
それを可能にするための「ゾーンバランス」であり「オートマティスム」なのです。
セネガルが無計画でしたか?いいえ。セネガルはそういったスピードでプレスをかけてきました。
しかし、簡単に裏にスペースなどできませんでした。
きちんとフォローされていました。カヴァーされていました。
そういった「プレス」がなされないのは、いくらゾーンが埋まっていたって無意味です。
それが「人はいるけどまったくプレスがかかっていない」という状態です。
技術レベルが高く、はやいチームにとっては、それは「やり放題」と同じ。
ちょうどサンドニでフランスがそうだったように。
ぼくとGAITIさんで一番違うのは、スピードの概念です。
GAITIさんの書かれていることよりも実際の試合はずっと速いのです。
GAITIさんが書かれていることが通用したのは、サッキの時代までです。
ただし、現代表でも、まだたまにこういうシーンを見ます。
「人はいるけどプレスがかかっていない状態」
判断の遅れです。
「ゾーンは埋まっているけど無意味な状態」
視野の問題です。
こういうこと、きのうのイタリア戦でもありました。
ぼくはそれで宮本に幾度かマイナスポイントをつけました。
こういった状態を指して解説者は「マークをしろ」と言います。
でもぼくは「そうじゃない、マークじゃないんだ」と繰り返しています。
それはボールの位置と動きと流れ、敵味方のポジショニングなんだ、と。
宮本は、空け過ぎです。
むろん、スペースは必ずどこかにはできます。
人数は無限ではありませんから。
しかし、それを最大限無効なものにするために、収縮、移動し、カヴァーし、読み、動くのです。
初期設定の位置でゾーンを埋めていたって、そのままではそれは「ピッチのあらゆる所にスペースがある」というのと変わらないのです。
初期設定のゾーンの図面など、百害あって一利無し。
ボールと相手の位置、味方との距離、それがポジショニングを決める要素。
それが為されていない時、必ず危うい場面になっている。
初期設定のゾーンの図面では、ゾーンは埋まってなどいないからです。
ボールへの収縮。ボールオリエンテッドに動くこと。
プレス。フォロー。カヴァー。
その繰り返し。それをいかに素早く行えるか。どのくらい相手に先んずることができるか。
イコール、どれだけボールを奪いかえせるか。
イコール、どれだけ素早く攻守を切り替えられるか。
そういうことです。
フォーメーションの図面なんか、忘れて下さい。それは、もう「ヴァーチャル」の世界の話。
そういったことが通用する速度ではないのです。
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