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▼zukunasiさん:
>グライダーさんに論争を挑むなど、最初から無謀なのですが
いやいや、やめてくださいよ(笑)
>2SBの内一人は常にいないと考えるほうが現実的と思います。3バックでも2DHの内一人は前に出ているはずですし。
>で、多分グライダーさんが、SBの役割や日本のSB観について一言言いたいのはこの辺かなと言う気はするんですが。
SBが常にひとり前に出ている、というのが問題です。
それは、「どこに」ということです。
ぼくは、オンサイドのSBは相手ボールの時には最終ラインの前のバイタルエリアをカバーするのが基本と思っています。
そして、逆サイドのSBは最終ラインに入る。
ジーコも「ボールサイドの時は前へ出て中盤としての守備を、逆サイドにあっては中に絞ってDFとしての守備を」と言っているそうですよ。
SBのひとりは必ず縦のゾーンを上がって攻撃にからまねばならない、というような誤ったSBの捉え方が問題だとぼくは思います。
サイド攻撃のフォローアップやスペースの使い方、コンビネーションプレーや数的有利の作り方として、それが必要な時はありますが、それがすべてのように考えられていることにぼくは疑問を感じています。
両SBを「香車」のように考えれば、MFの2人を「守備的」にせざるを得ず、それはまたチームのサッカーを固定的にもします。
それとひきかえにしても報われるだけの攻撃力、サイドのゾーンを頻繁に上下動する運動量を備えたサイドアタッカーがいるのならば、それもひとつの選択でしょうが、ぼくは非効率的だと思うし、しかも日本のFWを考えれば「センタリング・マシーン」の無意味さは語るまでもないでしょうから、SBがアタッカーとして機能する場合にも、選択枝の豊富さや工夫は求められる。
「香車」なんかまったくいらないとぼくは思います。
おととしのトヨタカップのバイエルンを御覧になったのなら話がしやすいですが、あれが基本だと思います。
おっしゃる通り、ぼくが考えるのもジーコが言うのも同じことだと思いますが、最終ラインは多くの場合において3人になります。
SBの片方が相手陣地まで上がって攻撃に絡んだのであれば、中盤の一人がカバーを考えねばなりません。
セレソン82でもそれは同じで、ジュニオールが上がっているのならセレーゾかファルカンのどちらかが下がり目にいます。
もちろん、こちらが波状攻撃をかけられる状況にある時、完全に押し込んでいる時など、あえてそのバランスを壊しても前に厚みが欲しい時は別ですが。
プレミアシップの多くに見られるやり方は、以前も話題になったように思いますがスピードとスペースの捉え方、使い方において「イングランド・フットボール」の発展としての独自的要素が強いように思います。
「縦横にコンパクト」「コンパクトな攻撃」ということからは遠い考え方が主流でしょう。
イングランドからイタリアに行った選手が、「イタリアの監督はどうしてそんなに戦術戦術言うのか全然理解できない」と言ったそうです。
イングランド人の監督で、例えばリッピのような「戦術家」タイプもほとんどいないように思います。
試合前のミーティングで、イタリアの監督は戦術を確認するが、イングランドの監督は「クラブの名誉と仲間のために命がけで戦え!」と檄を飛ばすだけ、なんて笑い話もあるそうで。
>プレスのきつい所とやってキープできるのかしら。
結局のところ、どちらが主導権を握るのか、ということだと思います。
コンフェデのフランス戦のように、いかに相手をこちらのペースに巻き込むか、こちらのテンポで試合を進められるかが命題になると思います。
一見無意味な低い位置でのパス回しや、相手がプレッシャーをかけに来た時にいかに躱しキープするか、急がずに相手を動かして行く中でできた隙を確実に突いて行けるか、が勝負になると思います。
「技術と創造性のスロー・フットボール」がどこまでできるのか、ぼくは期待もしています。
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